アメリカ大統領選挙は、開票結果としての票数としてはバイデン氏がトランプ大統領を上回ったものの、不正選挙疑惑は未だに燻っているようです。その一方で、露骨なまでにバイデン氏を支持してきたメディアが一斉にバイデン氏当選を既定路線化する一方で、トランプ大統領に対しては、共和党幹部や家族が敗北を認めるよう説得していると報じられています(もっとも、同報道は、本人たちが否定しており、フェイクニューズらしい…)。
アメリカの大統領選挙では、勝者側の勝利宣言と敗者側の敗北宣言の両者が揃った時、その勝敗が確定するというのが慣例なそうです。一方、票数においてバイデン氏を下回ったトランプ大統領は、不正選挙を主張し、法廷闘争に訴える構えを見せております。この慣例に従えば、現状では、未だに大統領選挙の決着はついていないことになります。しかしながら、仮に、上述したように同大統領が周囲の説得に応じ、敗北を宣言するとなるとしますと、バイデン政権の誕生は確定することになるのですが、この慣例、民主主義に関する重大な問題を投げかけているように思えます。それは、たとえ不正選挙の結果であったとしても、数字上の敗者が個人的に敗北宣言に応じれば、勝者に正当性が生じるのか、という問題です。
メディアを含む民主党側が描く今後のシナリオとは、内外からの圧力によってトランプ大統領に法廷闘争を諦めさせ、同氏の敗北宣言を以ってバイデン氏による大統領就任を確定させるというものなのでしょう。しかしながら、トランプ大統領に票を投じた凡そ半数のアメリカ国民、否、民主党支持者をも含めて、今般の大統領選挙における民主党側による不正選挙を疑う全ての人々からしますと、トランプ大統領の敗北宣言は、こうした人々への裏切り行為ともなります。仮に、トランプ大統領が、民主党側に不正選挙疑惑がありながらそれを不問に付し、バイデン大統領の誕生をあっさりと認めるとなりますと、法廷闘争を期待していた国民の多くは憤懣やるかたなくなるからです。トランプ大統領にも裏切られた気持ちになりましょうから。
不正選挙疑惑に蓋をしたままでの新大統領の誕生では、アメリカの民主主義は崩壊の危機に瀕することになるのですが、同危機を脱する方法はあるのでしょうか。そこで考えられる案は、アメリカ国民自身が選挙の不正の有無を確認するために訴訟を起こすというものです。訴訟好きのアメリカ人の国民性を考慮しますと、集団訴訟の形態となるのかもしれませんが、民主主義とは制度的な保障があって初めて実現しますので、国民にも、不正選挙を厳しくチェックし、民主的制度を維持する責任があります。民主主義国家にあって国民が有する参政権には、普通選挙における被選挙権や選挙権や司法にあって公正な裁判を受ける権利や陪審員となる権利といった諸権利のみならず、広義には不正選挙に関して裁判に訴える権利も含まれるはずなのです。
熱狂的なトランプ支持者による暴動を予測する報道もありますが、暴力よりも法廷の場で疑惑の真偽を確かめる方が、民主主義国家に相応しい解決方法のように思えます。不正選挙に関する訴訟権は、大統領の専権ではないのですから。そして、やはりトランプ大統領は、アメリカを護る責務を担う大統領として、国民に嘘偽りのない事実を知らせ、民主主義を救うべく法廷闘争に訴えてこそ、真にアメリカを偉大ならしめるのではないかと思うのです。