万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国憲法第9条はノーベル平和賞に相応しくない

2014年04月14日 15時09分40秒 | 国際政治
 戦争放棄の憲法条文とされる日本国憲法第9条にノーベル平和賞を付与すべく、民間団体が候補に推薦したところ、ノーベル委員会から受理したとの連絡を受けたそうです。しかしながら、憲法第9条は、ノーベル平和賞に相応しいのでしょうか。

 推薦した側からしますと、戦争放棄と軍隊の不保持は戦争をなくす究極の手段であり、これ程平和に貢献するものはない、ということなのでしょう。しかしながら、この戦争放棄・軍隊不保持=平和という構図は、あまりに短絡的なのではないでしょうか。何故ならば、第1に、軍隊不保持の状態、つまり、自衛隊が存在していない時代に、日本国は、韓国によって竹島を不法占領されています。憲法第9条には、侵略行為を助長した歴史的な汚点があるのです。第2に、一国による戦争放棄と軍隊の不保持は、力の均衡の観点からしますと、逆に、戦争を誘発します。中国の軍拡を目の前にして、戦争放棄や軍隊の不保持を賞賛することは、中国に対して日本国の軍事占領を促すようなものです。第3に、憲法第9条を推薦した民間団体は、政治的な意図を以ってこの活動を行っております。この団体は、日本国の軍事力を封じ込めたい中韓朝といった周辺諸国のダミーである可能性が高いのです。このことは、平和目的ではなく、日本国の改憲を阻止し、日本占領や日本支配のためにノーベル平和賞を政治利用しようとしていることを意味しています。最悪を想定すれば、推薦団体にとってのノーベル平和賞とは、対日戦争に勝つための道具なのです。また第4に、戦後も世界各地で戦争が起きたわけですから、どこまで日本国の憲法第9条が平和に貢献したのかを判断することは、極めて難しい作業となるはずです。

 仮に、日本国憲法第9条にノーベル平和賞を与えた後に、中国がこれをチャンスとばかりに日本国に対して武力攻撃を仕掛けた場合、ノーベル委員会は、釈明に困ることになるのではないでしょうか。それとも、中国は、ノーベル平和賞を受賞した日本国憲法第9条を尊重し、対日攻撃を思い止まるのでしょうか。中国は、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏を平然と投獄したぐらいですから、前者の可能性の方が高いのではないかと思うのです。

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コメント (4)
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