万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

JAXAとソフトバンクの共同開発の問題点

2011年06月10日 11時12分44秒 | 日本政治
「ドコモの接続料こそ問題」ソフトバンク、根拠開示拒否(朝日新聞) - goo ニュース
 最近のソフトバンクの政府との癒着、あるいは、利権狙いとしか言いようのない露骨な行動には驚くばかりです。大規模太陽光発電計画にも呆れましたが、今度は、JAXAと共同で、災害時における気球基地局の研究開発を進めると報じられています。

 JAXAは、”はやぶさ”で名を馳せた宇宙航空に関する公的な研究機関であり、気球に関する研究も行ってはいるそうです。また、震災時にあって、携帯電話の通信を維持することも、公共性には適っています。しかしながら、JAXAの研究予算は、国民負担の税金から拠出されていますので、一民間事業者に便宜を供与する形で、公的な研究機関が利用されることには問題があります。この計画が実現するとしますと、JAXAの貴重な予算と時間を私的な目的のために割くとなり、公平性を著しく逸することになるからです(研究成果の私物化・・・)。もし、こうした共同研究を認めるならば、共同研究に関わる実費は全てソフトバンクが負担し、かつ、多額の研究機関の使用料を徴収する、あるいは、JAXAが単独で開発し、研究成果だけを全ての事業者に対して有料で提供するなど、何らかの公平性を確保する仕組みが必要です。

 国民の多くは、民間企業であるソフトバンク一社のために、公的な研究機関と税金が使われることには反対なはずです。ソフトバンクの手法とは、政府や公共の財産を自己の私的な利益ために利用することであり、あたかも、中国や韓国の公私混同の体質が、我が国を内側から蝕んでいるかのように見えるのです。

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