万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国はアジア諸国の民主化の旗手に

2007年09月27日 18時10分09秒 | 日本政治
中国外務省、ミャンマー情勢で関係者に自制呼びかけ(ロイター) - goo ニュース

 中国政府は、国連安保理の緊急非公式会議の席における消極的な態度を示したように、ミャンマーの民主化に対しては否定的な立場にあります。急激な国力の増進を背景に、21世紀のアジアのリーダーたらんとしている中国が、非民主主義国家であり、軍事政権を支援していることは、アジアの将来に暗い影を落としていると言えましょう。

 アジアにおいて、中国を筆頭にして非民主主義国家が温存され、日常的な国民の弾圧が続く状況にあって、日本国をおいて他に、アジアの諸国民を救うリーダーとしての役割を担う国はないと思うのです。中国にアジアの未来を任せるのではなく、日本こそ、アジア諸国に自由と民主主義を広げるリーダーとなり、未来に向けて、民主主義と自由を基調とした新たなるアジアの秩序を築く努力を払うべきなのではないでしょうか。

 近代以降、西欧諸国はアジア諸国を植民地化し、日本国もまた、第二次世界大戦にあっては、アジアの諸国を戦禍に巻き込むことになりました。アジアの諸国民が危機にある今こそ、日本国と西欧諸国はその罪を滅ぼし、協力してアジアの諸国民の幸福のために救いの手を差し伸べるという役割を果たすべきなのではないか、と思うのです。

 

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イデオロギーでは道徳を基礎づけられない

2007年09月27日 13時15分00秒 | アジア
フェアプレー、中国に波紋 日本代表「感謝」の横断幕(産経新聞) - goo ニュース

 中国とは、言わずと知れた共産主義国家です。1949年10月1日の中華人民共和国の誕生以来、中国は、共産主義というイデオロギーを基礎とした国家・社会一元体制の国家づくりを続けてきました。ところで、この共産主義というイデオロギーには、社会倫理や道徳を基礎づける基盤が欠けていると思われるのです。

 共産主義思想とは、政治・経済連続論に基づく社会思想であり、私有財産制を認めてはいません。このことは、当然に、個人の権利の側面のみ取り出しても、この思想においては、個人の間の自由や権利の相互保障という観念が抜け落ちていることを示しています(革命とは、他者の権利を暴力で侵害しない限り成立しない!)。否、むしろ、個人に自由や権利がなければ、人間の自由な行動から生じる倫理や道徳の問題は起きてこない、と考えたのかもしれません。こうした私有権の否定から生じる問題点を別としても、単純化された共産主義思想には、人間社会の経験知や知性に由来する倫理・道徳思想が見当たらないのです。

 スポーツ大会が中国で開催されるたびに、中国観衆のマナーの悪さが指摘されますが、これは、イデオロギー国家における道徳教育の空白を示してるのかもしれません。
コメント (2)
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