秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(あるオッサンの話)追悼によせて

2019年02月14日 | Weblog
先日、あるオッサンが闘病を頑張っていたが、黄泉に旅立たれました、お冥福をお祈りいたします、
遠い昔書いた、このオッサンのエッセイを追悼に寄せて再転載します、、、合掌


宿借りブログの主様が、祖谷に借家をして、暮らす前に、その借家には
或オッサンが、住んでおりました。

そのオッサンの容姿も、失態も、とやかく申しません※頭がハゲていたとか
酔っ払って石垣から落ちたとか?そんなことは、書けません。

でそのオッサンは、仕事で祖谷に配属された、警察屋さんでした。
このオッサン、祖谷が大好きで、結果、早期退職をして、借家を探し、祖谷に住み着きました。
早期退職です。免職になったのでは、ありません。悪しからず。

お酒が大好きな理由で、免職させられるのなら、日本中の、公務員は八割位は、いなくなるのでは…
ないだろうか?(飲酒運転~をモミケシテ無事に退職金を手にした公務員もおりましたが?
はてな?このオッサン、

当時、時々、殆どまれに?記憶が失くなるという、持病?がありました。
数時間前の出来事が、記憶から、消されるのでございました。

あれは、借家で毎日、お焼酎を、お召し上がりになられていらした頃…
ワタシに電話が、ありました。

『おぅっ~菜菜子さんか、あのの、旨い漬物持ってきとんじゃ~取りにこんかえ?』
「行く行くっ!サンキューサンキュー♪」

主人と二人、仲良く出掛け、少し予定の時間を、過ぎてしまいましたが、漬物は
そうは腐らないだろう~と安心しながら、オッサンの借家に着きました。
玄関はあるようで、機能していませんでした。手っ取り早く
庭が見える正面のガラス戸を開けました。

オッサンは座っていました。

……
……
少し
……
お目目も
据わっておりました

「所長~ありがとう~頂きに寄ったよ~~!」

と笑顔マックス
気分は上々~
のワタシ達っ!

オッサンは座ったまま
据わったお目目で、
言いました

……
……『おまえら…
何しに 来たんなぁ~ 』
達の悪い、やーちゃんに見えました。

「さっき、漬物取りに来いって言うたでぇ~」

『わし、そんなこと言うたか~!』

ふと見ると、コタツの上に、割れたコップとコップがもうひとつ置かれていました。
誰か先に来ていたみたいでした。
「なあ、なあ、誰か来とったん?」
と聞くと、オッサンは、据わったお目目で、言いました。

『そんなん知るかぁ!今さっき、誰か来たように思うけど、覚えてないわ~!』

割れたコップ
飲みかけのお焼酎
姿を消した第三者

捜査は難航しない!
早い話
いつも こんな感じだったから

このオッサンのネタは、まだまだ あるのでございます。

勿体ないので、次回に続けます

その当時の暮らしを書いた、手記を当時、自費出版しております
彼のブログで、発表していくからと、電話で言っておりました。
書き始めたら、報告しますね。
読んで上げて下さいませ。
まてよ…ちなみに、電話の声も、かなり酔っ払って?おりました。
覚えているのか?
記憶は あるのか?

祖谷の山々、
ジワッと染まりかけてきています。
枯れ葉の婆さんの山になるまえに、
シャキシャキの美しい紅葉をお見逃しなく

『命短し
恋せよ 乙女』

ほんなら またの~♪機嫌ように しよれよ~♪
草 々





菜菜子の気ままにエッセイ(そのオッサンの話②)


祖谷地方には、昔から百足(むかで)退治に、新茶で白い紙に、茶と一文字書いて
逆さまにして柱等に貼付ける、おまじないがある。
そんな、ムカデに朝から悩まされた、オッサンは、その夜。寝てもムカデに襲われる恐怖にかられ
中々寝付くことが、出来なかった…
そんな夜中に……
事件は 起きた…

深閑の真夜中
祖谷の里の 一軒家
ガラス戸の辺りで
物音が…した

「泥棒…」
豆電球の下で、恐怖で身体が 固まった
そっと 布団から抜け出し、ガラス窓ごしに部屋から 庭先を見た

誰かが 暗がりに
見えた

『誰なっ!』
叫び声だけが 響く
ガラス戸を 開けたっ!
奴は 素早く 暗闇に紛れた!!!

『出てこいっ!おるのは、わかっとんぞっ!!!』
警察官の魂に 火がついた!
泥棒は 許さんっ!
桜吹雪に 誓うぜよっ!
『出てこいっ!!!』
深閑の庭に 虚しくオッサンの声だけが 響いた…

『逃げられた…か』

オッサンは、ガックリと肩を落としながら、窓ガラスを 閉めた

ふと 外を見ると…
やっぱり 男が 覗いていた…

……
……
あれっ?
もしかしたら?
わしの 顔…?

オッサンは
真夜中の ムカデのガサガサを
泥棒と 勘違いして
ガラスに 写った 自分のお顔を
怪しい奴と 思い込み
一人で 真夜中に
庭に 向かって 叫び
再び 叫び
一人劇場を ヤラカシタ
そんな オッサンです
そんなオッサンは
自費出版した 昔の本が 家の中にない…?
プレゼントした 息子さえ?なぜか 大切に持っていなくて?
ブログに起こせなくて…
『どんがにしたら、ええんなら~』
とは 言ってないと思います 悪しからず。

只今、大雨警報 発令中~!
ちょっと 降りすぎだよ~!
葉っぱが 傷むよぉ~!

それでは 次回に
適当に 続きますっ♪

草 々



菜菜子の気ままにエッセイ(そのオッサンの話3)

昔、祖谷地方の民家のほとんどの家は、トイレと風呂場を、母屋から離して作られておりやした。

その理由は、万が一、風呂場から出火した際に、母屋にすぐに燃え移るのを、防ぐため。
畑仕事の途中でも、そのまま、用が足せる為。
そして、体内から排出した、オウンチ等を畑の肥料にする際に、容易に汲み取り易い為

なんて…実用的な建造物~おウンチで健康状態も一目でわかる~~
パーフェクト~無駄がありません。今流行りの、古民家に宿泊したイングリッシュ民族が
昔の祖谷のトイレと風呂場を、利用したもんなら、絶対にこう 悲鳴を上げるんだ…

『トイレ~サムイデス~~カゼ~ヒキマス~ツイデにクサイデス~鼻ヘンにナリマス~』
『オフロ~サムイデス~~オフロ~暗イデス~~ナゼ?祖谷のフロ?
虫飼ってますカ?ムカデ這いますか~~?蟹さん歩きマスカ?オカシイヨ?
ワタシアメリカのオフロ、カエリタイヨ~シャワじゃなきゃダメダメ~!!!』

……
……
ある日
いつものように
オッサンは、お焼酎を飲まれておりました

テラオの兄さんが
汗をかいて 山からの帰り、オッサンの家に寄りました。

オッサンは座って、想定内で お飲みになっておりました。

風呂は、湧いておりました。

テラオの兄さんは、
『風呂、かりるぞよ~』
と律儀に言いました。
『入れや~』
とオッサンは お返事をしました。

テラオの兄さんは
ご入浴中
※想像はしないでくださいね。身体に悪いからね。 悪しからず。

テラオの兄さんが、まったりと 風呂に入って、さあ、サッパリした。垢も落ちた。
後は、オッサンの家の中に置いたままの、車のカギを貰って、帰るだけだ。
『あ…?れ…?
入り口の戸開かんぞ?中からカギかけられたか?…』

テラオは正面のガラス戸を確かめた
『ここも、閉まっとる?』
その頃 オッサンは
酔いから一度目覚め、記憶を無くしたまま、警察官の神様の天のお声を聞きました。

《戸締まり用心・火の用心》
オッサンは、いつものように、記憶を無くしたまま、その声に従い、部屋中のカギをかけました。
そして、再び 爆睡しました。『赤いバンダナ』を巻いた、牛になりました。
……
……
テラオは
渾身の声をあげながら、窓を叩きました。

『開けてや~』
『オラははよ、今井にいななんだら、いかんのじゃ~こんがなくで、嫁さんないまま
湯冷めで死にとうないわ~!』
『開けてくれ~!!!』

『おらが風呂入っとんのに、なんでカギかけて寝るんなぁ~!
わあは、どつぼれか~!!!クソボレか~!!!』

と叫んだのでは ないのか?わたくしの 想像です 悪しからず

やがて、窓を叩く音に、オッサンは気が付き、なんで テラオの兄さんが
風呂に入っていたのかさえ?把握できなかったのでした。
全ては 祖谷の民家の
特徴ある建て方が、もたらした悲劇

そして、お焼酎のチカラ…と神の声

そんな オッサンは
今でも 無意識に携帯電話を テキトーに押し ワタシにこう言ったことがあった

『あれ~?わし~今誰にかけたんだった?』
お元気で 何よりです
記憶を消さないで、紅葉狩りに もんて来ておくんなはれ~♪
草 々

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