秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ( ヒアリとクモと勤勉と)

2019年11月03日 | Weblog


昨年より遅く、ジワジワと紅葉が進んでおります。
朝夕の気温は10度少々。
皆様、お変わりございませんか?
私は相変わらず、中途半端な貧困と、加齢に伴う中途半端な鈍痛と対峙しております。

生きる為に働く。体力が必要。お腹が空く。食べる。食費が必要。再び働く。腱鞘炎になる。病院代を取られる。
お陰で家計簿が赤字になりかける。ちょっと食費を削る。そのまま働く。お腹が空く。
寒くなったから、ストーブを出す。
町のセルフで灯油を買う。

スタッフルームの中にいる店員さんを呼び出して聞く。
「更に安くなる、カードとか何かしらありませんかっ!?」
『これ以上は、ありません』
あっさりと、断られた。
再び働く。お腹が空く。次いでに喉も渇く。
暫し、考えた。

布団の中で、1日を過ごせば、そんなにお腹は空かない?のではないか…。
動かなければカロリーは、少量で済む。
膝も痛くならない?かも。
3日に一度だけ、何かしらを食し、
一週間に1日だけ働けば、タイヤもすり減らないし、ガソリン代もいらない。
温暖化の取り組みにもなる。

話は脱線致しますが、長女が不要になったものを、頂いて使っている我が家の冷蔵庫。
ドアが開こう、開こうとするから、ガムテープで止めている。
そんな、自分にケチな私が、お金を気にしないで、購入するのは、
山の上に住むヴヴヴ星人のお友達のおばあさんの作るジャガイモ。

現金とお土産を持参して、晴天の休日におばちゃんを訪ねた。匂いの無い風が、
茅をしなやかに揺らしながら、お庭を駆けている。

最近のおばちゃんは、デイサービスに行く様になってから、語学が達者になった。
sいままで口にしなかった、社会面の話題を、口にする様になった。

『菜菜美さんよ、外国からくる荷物に赤いクモ、入っとるんじゃと~』
縁側で足の指を丁寧にマッサージしながら、話すおばちゃん。
「あぁ~セアカゴケグモじゃな」
『悪いことする、アリもおるんじゃと~』
「ヒアリじゃなあ~」

『あのの、わたしゃあ、※(私は)思うんじゃけどの、それを見つけたら、
そのままにしとったら、アブナイのに、アンガニ、おいとっていくまい』
「……?」
『見つけたら、そのまま見よったら逃げるのに、すぐに殺さないくまい』
「……」


前略・メディアの映像担当の方々。
セアカゴケグモとか、ヒアリを映した画像の説明テロップに、新たな追加項目が必要かも。
この秘境の山村に住む老人が、ニュース映像の視聴の仕方を、なんと言いますか、

上手く説明出来ませんが、早い話が、誰か助けて下さい。
新たにテロップを出すとすれば?
≪これを撮影した後、きっちりと殺虫処理しました≫みたいな。

おばちゃんは、自分の話に自分で頷きながら、真剣に話す。
私は、わたしは、暫く固まり、一言、返事をした。
「おばちゃん…大丈夫じゃよ。ちゃんと、絶対に処理してくれとるよ」
おばちゃんは、ヨガのポーズから、すぐにサンダルをはいて、納屋に向かう。

『菜菜美さんよ、ジャガイモよるわの※仕分ける』
おばちゃんの後ろから納屋に迎いながら、ココロの中で、そっと呟いた。
『おばちゃん、 今日は 何回 手を 洗いましたか? 』
歯と 健康寿命とか、
口腔ケアとか
手洗い、うがいで予防とか、
厚生労○省の皆様を否定する気はありませんが、
ここにそれらの全てを根本から覆す、おばあちゃんが、健在しておりますっ!!

おばちゃんにお金を渡そうとした。
「おばちゃん、これジャガイモの肥料代にして下さい」
『いらん、いらん、旨い旨いって皆に悦んで貰えたら、わたしゃあ嬉しいんよ~』
「いかんよ、肥料代いるのに、ただで貰ったら悪いよ~」
『いらんぞ、いらん、いらんっ』
「おばちゃんっ!大丈夫っ!ワタシは仕事しよるけんな!お金払うよっ!」
おばちゃんの小さな手に、お金を手渡した私!。

おばちゃんの家を後にしながら、私は思った。
「仕事するって、カッコええ~」
草 々




























コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする