しみじみとした趣に満ちた秋の祖谷のひとこま、そんな秋山の、いとおもしろき山行を
趣深い言の葉を深く味わい尽くして秋のあはれを味わいたいもの
松山でこぼこ山遊会はかれこれ15,6年になろうとしている、メンバーは7名である
でこぼこの由来は年齢さあり、職業さまざま、体力さあり、考えさまざまであることから
名付けたもので、心技一体力も無いのに当初から師匠に祭り上げられた
弟子田ノ池 「師匠 みんな支度ができました」
師匠 「できたか、ではリフトで上がろうか」
他の弟子たち ざわざわざわざわ、、、、
弟子田ノ池 「師匠 みんな下から歩くと云っていますが、どうしましょうか」
師匠 「なぬ~、はなしがちがうではないか、まあいいか、バテてもしらぬぞよ」
秋のもみじをめでて、あはれを味わいながら、2時間あまりで剣山と次郎笈の
合流点に着いた
弟子田ノ池 「師匠 ちょうど、お昼過ぎですがどうしますか」
師匠 「そやな、では、次郎笈に登りたいものは行ってこいや、わしは、ここで昼飯にする」
他の弟子たち ざわざわざわざわざわ、、、、、、
弟子田ノ池 「師匠 みんなは師匠も登らにゃいかん、師匠たるもの卑怯だと云っておりまするが」
師匠 「なんだと!不埒なことをぬかすな、わしは、何回も行っておる、次郎笈はもう、見とうない」
弟子田ノ池 「師匠 わたしは、直ぐ後ろを歩いておりましたが、師匠、左足が攣ったのでしょう
先ほどから引きずっておりましたよ、足があはれを感じておりまする」
師匠 「むむ、おまえ、見つけておったか、そやな、少々あはれを感じておるわ」
弟子田ノ池 「師匠、それではこうされてはいかがでしょうか、昔イケメンがおりまする
第三の男をストックにされるとよろしゅうございますが」
師匠 「おお、そやな、そりゃあええわな、その手があったか、よし!準備しようか」
弟子田ノ池に手伝わせて閉まっておいた第三の男を伸ばし始めたが、いかんせん、伸びるどころか
萎えて、ちじこまってしまった
弟子田ノ池 「師匠、こりゃあ、もうだめですね、使い物になりませんよ」
師匠 「ありゃあ、いかんか、わしも、年取ったものやな、第三の男も哀愁が漂っているな
しかたないな、引き攣っている足でぼつぼつ、次郎笈に登ろうかのう」
ほかの弟子たちは秋真っ盛りの剣山、次郎笈、一の森を嬉々として味わい
一の森ヒュッテでは師匠が担ぎ上げた720ミリ銘酒久保田を味わって気炎をあげた
師匠はつくづく、わが身の不甲斐なさに身をつまされて、秋のあはれを十二分に味わった
弟子田ノ池は秘かに師匠の座に就けそうな予感がして笑いが止まらなかったようである
しょうじき、どうでもいいはなしではある