チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物を繋ぐもの 117

2019年03月20日 11時31分15秒 | 日記
着物から日本がわかる
着物から日本人の生き方がわかる
着物から日本の経済の動向がわかる
着物から日本の本当の歴史がわかる
きものからーーー教わることのなんと多いこと!

チャコちゃん先生着物ビジネスとしては何回も壁にぶっつかりつらい思いもいっぱいしたけど
今になるとそれは魂の向上に必要だったのだと理解できる

大島紬の取材で奄美大島に初めて行った時に乗り継いでいく
一回は荷物がストを起こしたのか鹿児島から動かず手元に届くのに2日がかかった

大島紬を織っているのにもかかわらず着物を着た女性が珍しくみんな寄ってくる
そのとき「こういうときこそそこで生産された着物を着てみんなをよろこばせないといけない」とつくづく思ったものだ
初回は洋服姿だったが二度目からは着物を着て取材
三回目からは大島紬を着て方々を回った みんな喜んでくれたその時から一気に親しみが出てきた

奄美大島のその当時の基幹産業は大島紬とサトウキビ生産だった
サトウキビの茎をサクサク囓みながらオリコさんのところを回ると必ずお漬物が出て嬉しかった
そういう時龍郷町にいった
嫁入り前の娘たちが龍郷柄を織りそれを嫁入り道具として持っていく
そこでは初心者向けの「バラ柄」もありこれは大島紬の普段着として多くの人が色を変えて着ていた

その2つの柄に見入っていたら西郷隆盛が幽閉されたと言われる家に案内された
そしてそこで西郷さんの島の奥方の話を聞く

当時は若かったので鹿児島に妻がいるのにこちらでも家庭を作るなんて西郷さんって変なやつ!
と怒っていたのだがそのとき「これチコとサイゴウという名前の柄なんだけど」と男物の絣柄を見せてもらえた
バラ柄の小さな絣に更にその中に十字絣がある
「西郷さんが考えたんですか?」「と言われていてここでは西郷さんがよく着ていたらしい」
そういう話を聞くと一気にサイゴウフアンになってしまう
泥染めのいい絣柄だった

その後いろいろ調べると西郷さんはこの奄美にいる間島の人達にお金のことや暮らしぶりまた世界のことなどを教えていたらしい
それから西郷隆盛が篤姫の婚礼衣装を整える時染織の職人たちのところに行って自ら勉強してTPO考えた選び方をしたという史実も嬉しかった
歴史家や通俗小説が描く西郷隆盛は政府に歯向かい城山で敗北というお決まり物語だが
奄美大島での西郷隆盛の話を聞くと本当は「民衆のために」平和を一番深く考えた政治家だったという思いが強い

こういうことも着物を通して学べるので着物って本当にすごい衣装だと感心する

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コメント
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