チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 120

2019年03月24日 11時18分20秒 | 日記
昨日の「比佐子つれづれ」では今年のテーマが「着物きたら大人思草」なのだが
「着物東西」二話が逸れてそれはそれで興味深いものでもあった
近年のようにテレビが発達、またインターネットの普及で日本列島総文化統一と思いきや
やはり職人の世界では先人たちの教えが息づいていて変えられない

衣食住のすべての細かいところに東西文化の違いが出ている

ここでは着物を中心に盛り上がった
顕著なところでは履物
特に下駄の鼻緒の挿げ方、これは草履にも言える
前ツボをきつくするのが東ではなおも後ろ歯の前で締める西は鼻緒は後ろ歯の後ろで締める
そうすると自然に前ツボがきつくなるのは東
緩くなるのは西

この鼻緒の挿げ方で歩き方が変わる
東は親指に力が入りやや前傾斜、西は後ろのかかと中心だからおっとりと歩く
歩き方が違うと着物の着方も変わる

裾を細くピシッと体に沿わせたい東
体の線を丸く丸く着付けてふくよかに見せたい西
それに連れて着物の色の好み柄の選び方も明らかに違ってくる

全体をシャープにしたい東は柄があってもなきがごとき江戸小紋や微塵柄を選ぶ
西はたくさんの柄があるのがご馳走
にぎり寿司とバラちらしの違いだといえば分かりやすいか

西の着物痛の人の取材も随分行った
こちらは自分の着物を着ていくのでその都度「はー東はそんな若くて年配風の着物着あはるんどすなあ」なんて言われる事しばしば
東では「カッコいい」と言われるコーデイネートも西の女たちの中に入ると艶やかさに劣る
そんな体験をいっぱいして自分流の着物のコーディネートになるのにたいそうな時間がかかった

チャコちゃん先生顔が江戸前ではないのに骨のありようが江戸前
ここに至るまで西の厳しい目を持つ友人たちに鍛えてもらった
気がつくと
江戸の人たちはあまりああでもない項でもないと言わない
装いは自由意志
西は「なんやのその着方」とチェックが入る
どちらが良いというわけではないが切磋琢磨する必要もありそうだ
だって昨今は短に着物を着ている人を見るのは稀だからーーー

東西長襦袢の襟の仕立て帯の作り方、第1帯の手先を左に持つか右に持つかも違ってる

地色の好み
柄の大きさ
着方
帯の位置とお太鼓の丸みの違い

その土地に住む人たちの流儀は根本的に変わらないものなのだと思う
これが古い文化を持つ日本独特の事柄かもしれない

四月に入ったら西の刺激を受けに厳しい友人に会いにいってこよう

#東西の文化 #比佐子つれづれ #ちゃこちゃん先生 #模様 #着物
コメント
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