チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

台風接近

2011年08月31日 11時20分22秒 | 日記
気象図を見ると台風12号は日本の中心を直撃するらしい
チャコちゃん先生は台風銀座の九州育ちなので
台風に特別の危機感は薄い
子供のとき「台風の目」を観て驚いた
そこは無風しかも青空しかしほんの一瞬である

静寂そのものの場であった
その光景はいまだに記憶に新しい

台風が近づくと先ず雨戸を閉める
その雨戸に釘を打つ
こういう作業は男の仕事だが
父はからきしそのような作業がダメで
当時は書生がいたので兄とその男たちがトントン

女達はイザというためにお結びを握る
卵焼きを作る
野菜の煮物をする
空いている鍋にいっぱい水を張る
お風呂も洗面器もたらいも

懐中電灯とローソク、マッチをひとまとめにしておいておく
古びたタオルや毛布あまり布なども一箇所に更に救急箱も

風の入ってこない家の中は蒸し風呂状態
でも昔の家は天井から風が入る仕組みがあるようで
呼吸困難にはならない

子供達は嬉しい
大人がこんなに集まってしかも座って談笑している
そういうことが嬉しい
家族の温かみを感じる飛び回って喜ぶ

ものすごい風家ごと吹っ飛ぶかと思う暴風
何せ青年期の風だから勢いがある
でもみんなが一箇所に居ることが嬉しい

そして台風一過
外に出た瞬間柿の葉のにおいがする
色んな葉っぱが振り落とされている
しかし青い空
湿った土の香りも心を落ち着かせる

ここ新宿の台風は窓ガラスに容赦なく雨が打ちつける
近くの公園の樹木が大波のように揺れる
回りのビルは汚れが洗い落とされているようにすっきり
30回以上あるともう上のほうの窓は雲の中

窓を閉め切っても冷房は動く
食べ物を備蓄しなくてもコンビニがある
通常の感覚で台風期間を過す

しかしテレヴィやラジオだけはけたたましい
大災害でも起きるように注意を促す

自然は優しいけど脅威も振るう
しかし人間が撚り揃おうとすれば脅威は慈愛に代わる

台風情報は必要だ
しかし台風がはるかと奥に居るころから警戒心を募らせるのはどうなのだろう
人間自身の自然に対する身の処し方が劣化しそうだ

台風がくるくるといわれる中
K子の初孫がまさに生まれようとしているとの連絡
きっと元気な子だ
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ご縁は導かれる

2011年08月30日 13時17分11秒 | 日記
きものを着るようになって「風とともに去りぬ」観たとき
スカーレットオハラがコルセットをキューと締めるシーンが
今までと違う感動をチャコちゃん先生に与えた

コルセットを締めるを見ていると
逆三角形の形で力を入れている
つまり胃の部分は柔らかくしか締めていない
だけどウエストは間違いなくくびれる

「こういうコルセットがあるんだ」
というよりコルセットというのはこのようなものなのだ
この方式はわが「湯文字」と似ていると興奮した
「湯文字」も骨盤を平行にするだけで胃を中心にした内臓は締めない
しかし腰とヒップの線が非常にスレンダーになる

下着に関する考え方が東西を問わず
女の体を守り更に着姿を美しく整える
下着葉そのためにあるという考え方だ

早速コルセットを購入しようとアレコレ試したが腑に落ちない
妥協して買っては見たが
3時間もたったら苦しくてダメ
内臓をただ押さえつけているのだから苦しい

それで洋服のガードルやコルセットウエスノトニッパーなど
一度は試してみるものの長続きしない

あるとき静岡の日本平のホテルに講演を頼まれ
その空いた時間に館内をウロウロしていたら
「リュー・ドウ・リュー」の下着の販売会が開催されていた

ホテルのオーナーのご紹介で下着店のオーナーに紹介されたが
あちらは接客こちらも時間が無く
ご挨拶だけでそのまま

その後オーラソーマーの色で下着を創作するという話を聞き
その方がリューさんであると
そして責任者の野田さんから如何にリューさんの下着が優れているか
という話を熱っぽく聞いた

そのころチャコちゃん先生は
オーラソーマー長襦袢というのを染めていて
「一緒に展示会をやりましょうよ」
と盛り上がったがいつの間にかその話は消えていた

それから5年ついにリューさんこと龍さんに出会えた
昨日のこと
佐藤愛さんが
「湯文字と龍さんコルセットの考え方がピッタリなんです」
と龍さんをお連れしてくださった

佐藤愛さんが湯文字のフイッチングを理解して下さっていたからこその
出会い
下着が体をどう作っていくか
和と洋の類似点について話が尽きない

今この瞬間にお会いしたからこそお互いの理解が深い
ご縁というのは導かれるものだと
つくづく感じた
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天はまだ見せるものがある

2011年08月29日 12時50分21秒 | 日記
新首相が野田さんになったという
大連立、大増税、マニフエストを捨てる
どれをとっても国民に目は向いていない

「国民の生活が第一」からまた遠のいた感じのする内閣だ

でも誰が首相になってももう何も期待することはやめよう
毎日の生活にきっちり足をつけた生活をしよう
私達はとんでもない国会議員を選んでしまった
全てが私達の責任

天はまだまだ私たちに色んなものを見せたいのだと思う
何もかもさらけ出し
本当の日本を私達が知っていかねばならないのだと思う
そういう意味では
国民に向かわないことの様々なことが明らかになって行くかもしれない
其れをしっかり見ることが必要

日本人自身が自らの足でしっかりと自分の生活を支えなければいけない
そういう時代が来たということでもあろうか

私達は
受けいれて育てていくということを学ぶ必要がある
他者に寛容
好き嫌いを超える感覚
相手の言い分に耳を傾ける大きな心
そうすると自立と共生が生まれる

私達のこれからはそういうレッスンが必要なのであろう

全ては自分に問われていることがおきている
全ては自分の中にあることがおきている
世の中の動きは自分の鏡でもある

野田さんも大きな心を持って国民に向かっていくような
内閣を作ってくれるのであろうか
まだその時期ではないのかもしれない
まだ色んな日本の恥部をさらけ出さないといけないのだろう

更に更にきちんと恥部を出し
その恥部にありがとうと言って明日に向かいたい
そういう希望の目もあるのだろうか

とにかくひたすら自分の仕事をすることが今は一番大切
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SWITCH

2011年08月28日 09時08分25秒 | 日記
村上和雄先生のドキュメンタリー「SWITCh]を観る
生きることが楽しくなる映画だ

私達は無限の可能性を含んでいるので
つまりなんでも思い通りの人生が送れる要素を持っている
そこの遺伝子を目覚めさせれば
全てが手に入り楽しい人生を送れる

私達はわざと自分の可能性を閉じ込めているのかもしれない

遺伝子には親から先祖からとつながった遺伝子と
環境遺伝子があるという
この環境遺伝子こそ私達が自分で環境を取り込むことが出来る
嬉しい話ではないか

村上先生は遺伝子を解読したとき
解読できた科学の力もすごいが其れを描いた人が偉い
その人を村上先生は「サムシンググレイト」
と呼ぶようにした

サムシンググレイトはいつも私達とともに居る
そして私達がスイッチオンするのを待っていて
スイッチオンに気がついた人には無限の力を与えてくれる

気がつきゃあいいのよありがたいじゃあないの

失恋がスイッチオンに
失業がスイッチオンのチャンス
破産がスイッチオンを気付かせる
大病がスイッチオンの引き金に
事故にあったスイッチオンを知る

財布を落としたスイッチオン
人に傷つけられたスイッチオン
人の悪口をいったスイッチオン
人を殴った、殴られたスイッチオン

感謝されたスイッチオン
ありがとうという言葉が出たスイッチオン
子供が生まれたスイッチオン

スイッチオンは毎日の行動を私達が意識していれば感じることが出来る


先生のお話の中で
石川遼選手の家系には運動選手はいらっしゃらない
しかしかれは少年のころからマスターズに出るということが夢で
ゴルフ大好き少年で好きなことをしていてスイッチオン
コレを環境遺伝子の働きというらしい

環境を整えることは親からもらう遺伝子と同じように
とても大切なことだという

筑波大学構内で開かれた試写会で
広々とした緑豊かなこの大学で学ぶ人たちは
さぞやスイッチオンの学生ばかりだろうなあ
とチャコちゃん先生はうらやましかった

「今この時が幸せ」
と瞬間瞬間に感じれば一生幸せとおっしゃった
ダライラマの言葉が胸に落ちた

村上先生に
「今度は絹や麻を身に付けるとスイッチオンになる」
という研究をしてくださいとお願いして帰ってきた
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出島

2011年08月25日 11時30分18秒 | 日記
江戸幕府は鎖国の中長崎に「出島」というオランダ人の住処を作った
先日長崎を舞台にした小説を書いている友人が
「その当時の遊女や芸者また普通の町女のきものの描写を監修して?」
というご依頼で
高価な料理を戴きながら豪そうにあれこれ意見を言わせていただいた

出島に住むオランダ人は結構悪い奴が多く
金儲けだけを人生の目的にしているので
隙を見せれば何でも金にする

しかしこのオランダ人たちは珍しいものを持っているので
長崎でも金回りのいい連中は
彼らを重宝して芸者を揚げたり遊女を抱かせたりと
魚心水心の商売が盛んになる

出島はせいぜい8人くらいしか住めない小さな場所
そこには必ず医者が必要で
インテリは医者だけというような構成であったらしい

ギヤマンとワインとか皮類更に更紗類
色んな珍品がこの出島に海を渡って集まってくる
其れを年1回江戸に上がって将軍に献上したり
江戸で商売したりと彼らは抜け目が無い

その出島にシーボルトがやってきて
日本に西洋医学を普及させた
シーボルトは日本をこよなく愛し
そしてあらゆることに好意の目を持って観察したので
シーボルトのお陰でヨーロッパでは日本の文化が高く評価された

シーボルトは大変優秀な医者だったので
幕府は長崎の町に住んでもいいと許可を与えたくらいだ

シーボルトは日本の芸者や遊女の着物の柄にいたく感動をし
其れが日本の植物の研究にもなって
花の種をヨーロッパに持ち帰り日本の花をあちらこちらに植えた
あじさい、あやめ、つつじ、ゆり、さくらなどは代表的

これらの花がきものにも咲いていたことが
興味深くそのきものをヨーロッパに持ち帰り
リヨンの花柄のデザインの基本になったという

かたや出島には
ヨーロッパやインド中国などの珍しい布が入り
長崎の芸者達はいち早く更紗や唐桟柄などを打掛に使っている
更紗柄は武士も商人も茶人も芸者も遊女も
江戸に先駆けて着ていた

いまでもヨーロッパの草花は
シーボルトが持ち帰った種が延々と命をつないでいる
一方更紗柄は日本にしっかり根を下ろしている

小さな狭い出島から
色んな文化が西へ東へと伝播していった

印象派の絵画を見るとき
日本から渡ってきた花に心を奪われた様子が分かる
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処暑

2011年08月24日 11時41分14秒 | 日記
昨日から処暑に入った
しかし東京の天気処暑に入る前に一気に秋になり
処暑の声を聞いたら暑さぶり返し
でもどことなく秋

暑さは確実に収まっていくようだ
でも今年は蝉の声が少なかった
石神井の三宝池に犬を連れで散歩に行ったら
ヒグラシが鳴いていた

土が湿り
その土の上を犬が歩きたがる様子が
なぜか哀れを誘う
コンクリートの上しか歩いていない犬のなんと多いこと

人間も土の上を歩くが良い
犬と一緒にチャコちゃん先生も裸足になって土の上を歩き
その冷たさと温かさがとても気持ちよかった
何か生き返った感じがする

犬は草を必死に食んでいる
こうして内蔵の調製を図っている
人間に飼いならされたといってもこういう本能は残っている

しかし緑の無いところを散歩する犬はどうなのだろう

犬はつながれて散歩するが
猫は勝って気ままに自由に歩いている

ベンチに座って猫の様子を眺めていると
眺められている自分をまた眺めているような思索的な様子を見る
そのうち
「あんた何でそんなに私を眺めているの」
という問いかけの目線を送ってきた

それでも黙ってみていると
伸びをしたりあくびをしたり首をかいたりなめたりと
色んなポーズを見せてくれる
「柔らかくてすごいねキミは、骨があるのかね」
自分の才能の全てをことごとく大ぴらに見せてツイと
そっぽ向いて茂みに消えてしまった

その間つながれた犬はひたすら草を食んでいる

処暑は物憂げだ
全てが疲れて見える
人間にたとえると定年後のすぐの男たちの姿のようだ

新しい人生に挑戦したいが今すぐにはその勇気がない
やっと自由の時間が出来たからのんびりしたいが
どう時間をすごしたらいいかわからない

この池の周りにもそういう男たちがひたすら早足で歩いている
ただ歩いている
散策でもなく、周囲を見渡すでもなく
どこを目的にするのか歩くということをただ目的にして歩いている

同じ年恰好の女達はグループで吟行をしたり
小さなスケッチブックをもって池の景色と格闘している

こういう男女の少年少女時代はどうだったのだろうと
想像しながら歩く処暑

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何を捨てられる?

2011年08月22日 11時19分34秒 | 日記
昨日のチャコちゃん先生の日記に友人達が反応
夜は電話で忙しかったなあ
正子さん
「私は冷蔵庫、電気ポット、アイロン、洗濯機、電話は絶対外せない」
美智子さん
「電気さえ点いていればいいかなあと思う」
真美さん
「携帯だけは手放せないわ」
敏江さん
「確かに電気は人間の生活をがらりと変えたわね、考える必要があるかもしれない」
明美さん
「リスト書き出したら電器用品40個あったすごいわ」

世代によってその人の暮らし方によって
電気器具との折り合いは違ってくる

チャコちゃん先生の身の回りを見ても
電気器具が一気に無くなったら
暫く生活が出来ないかもしれないと思う


面白い人がいて
「私フアンは絶対必要なの」
部屋の中に新しい空気を入れ替えないと窒息しそうだからという
「窓開ければいいでしょう?」
「エッアッ」
部屋の窓を開けることをこの人は忘れていた
全くの箱族だ

電気製品だけではなく私達はモノを持ち過ぎている
其れを捨てるのにはどれだけの決断が居るか!
チャコちゃん先生はよく
「何でも捨てる!」
と叱られるほどパッツパッツカパッーと捨ててしまう

大好きな絹のブラウスを捨ててしまったり
たとうしの整理していて着物が入っているのを忘れて捨てた
買ったばかりの靴を間違えて捨てたり
反物を触る時指輪をちり紙に包んでバックの中にいれ其れをゴミと思い捨てたり
などなど失敗も数知れず
その都度失敗を棚に上げ
「私の身に合わないのねえー天に預けておくわ」
と忘れることにしている

それでもモノは溜まる
年四回捨てる作業をする
そのとき
「私が死んだ後に残ってていやなもの、恥ずかしいもの」
から捨てていく

写真などダンダン真を写しおばあさん顔になってくるので
そういう写真はもう思いっきりポイッ

チョット後悔しているのが取材ノートやメモ
今になってみるとこういうのは社会的に役立つ共有財産
世の中がこんなに激変すると思っていなかった読みの甘さだ

チャコちゃん先生も
持っている電気器具を挙げて見たら25個あった
そのうち10個は減らしても日常生活に不便をきたさない

昨夜電話をもらった人たちの中でチャコちゃん先生は
一番少なかったが其れでも多いなあ

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あたりまえ

2011年08月21日 16時37分24秒 | 日記
目が覚める
呼吸をしている自分が居る
起きる
歩ける
夜が明けている
太陽を見る
小水がでる

水道をひねれば水が出てお湯も出る
朝風呂に入る
歯お磨く手が動く
「あはよう」
と挨拶交わす人が居る

灯明を上げるマッチをすれる
四方拝をする
祝詞を上げる声が出る
指が普通に動く
ガスをひねれば火がつく
お湯を沸かし
桃の皮をむく包丁を使える

何をきようか着るものがある
さあ仕事
自分に仕事がある

電話が来る
自分に用のある人が居る
電話をする
頼りに思う人が居る

掃除をする
掃除機を使う
掃除が出来る屋根のある家に住んでいる
雨露をしのぐ住居がある

こういう当たり前のことが本当に尊い

暑いからと冷房を入れる
冷蔵庫から野菜を取り出し調理をする
炊飯器でご飯を炊く
洗濯機に洗濯物を入れて洗う
CDでフアン デイゴ フローレスの美しいテナーの声
その声に耳を傾けながら
ロイヤルミルクテーを飲む

刑事もののテレヴィを観る
携帯に友人からメールが届く
パソコンで日記を書く
ユーチューブでクラシックを聞く
電子時計が時を告げる

ああなんと便利な生活

昨夜チラリと見た「北の国から」の倉本聡さんの番組

若い人たちは電気器具を捨てられないらしい
もう電気器具の恩恵の無い生活は考えられない
其れが当たり前

あたりまえも
世代によっては捉え方が違う

あたりまえに「ありがとう」といえる私でありたいと思う

部屋に電気がついてあたりまえ
でも「電気さんありがとう」
といえれば電気と一体感が出来る

炊飯器でご飯を炊くのがあたりまえ
でも「炊飯器さんありがとう」といえば別の自分が見えてくる

電気、電話、電気コタツ、懐中電灯、蓄音機、電熱器、ラジオ
かすかに覚えている幼少時代の家の中
こういう電気器具しかなかったように思う

それでも家族は幸せであった
もっと違うあたりまえがあった

「其れとって」「ハイありがとう」
「食器洗った」「ハイありがとう」
家族の間の「ありがとう」があたりまえであった

いきなり22度になり冷い雨音を聴きながら
公園を散歩していてつらつら考えた
あたりまえの尊さを

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順序・順番

2011年08月19日 11時10分25秒 | 日記
順序とか順番がおかしい世界になっている
前に中国に旅したK子
お土産を持ってきて
「もうビックリあの国には順番という言葉は無いらしい」

万里の長城に行ったとき
すごい人数で小幅で動いていくのだが
先頭にいたk子を中国の人たちは押した挙句
追い越していく
ドンドン怒涛のように先に行かれるのでその恐ろしさに
人の波の中でじっと動きに任せていたという

ホテルでのバイキング朝食では絶対に自分の番にならないので
高いけどテーブルにつく朝食に切り替えた

ホテルでタクシーに乗ろうとしても
必ず後ろの人が先に乗る

「私はそんなに鈍ではないのにいつも乗り遅れる感じだったわ」

中国の友人が
初めて日本に留学に来たとき
「電車に乗るのにみんな行儀よく並んでいたのが一番驚いた」
なんていっていた
今ではその彼も順番というのを学習したらしいが

この日本でも順序は壊され始めていると思う
年配者より若い人が先に死ぬのはコレは「運命」という順序があるので仕方がないが
長男より次男の方が先に結婚
長女より次女の方が先
こういう家庭は山ほどある

世代交代といいながら
経験者をないがしろにし、順序を無視する

順番を待つということは
自分の番が来るまでに整えておかねばならないことがある
自分の番が来るまでに身に付けていなければならないことがある
そういうことを無視するので
全てが中途半端になってくる

料理も掃除も順番がある
初めと終わりの間に行うべき順番がある
其れを理解しないとむちゃくちゃになる

もちろんきものの着付けも順序がある
足袋から履くそれは足元を意識してきちんと立つことからはじめるからだ
足袋を最後に履けば着崩れの原因となる
下から順に整えていく

事ほど左様に順というのは人間社会の基本になっている

今になってはせんことないが
わが政府も昨年参議院選での民主大敗北のとき
順序として責任を取って総辞職か解散をしていれば
3・11以降の日本もずいぶんいい方向に行ったかもしれない

礼拝とか式典には立ち居振る舞いの順序がある
神様は「順」を人間に教えているのだと思う

赤子から順々に大人になっていくように
順を外したら全てが狂う

中国も順を日本に学び始めたようだ
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虫がつく

2011年08月18日 11時28分24秒 | 日記
友人のお宅に伺ったら
娘達がキャきゃあ騒いでいる
「何事?」
「だってお母さんの下着に虫がついていたの」
「いやーだ」
「これこれ」
と虫を怖がらない長女はチャコちゃん先生の目の前に
ニュっとさしだす

「あこれきれいな蝶々になるのよ」
一週間くらい前
わが秋櫻舎でも虫に目ざといタナカガ見つけ
ヨシダともどもワーワー騒いで
虫好きのセキドがつまんで流した

その後も同じような金色と黒交じりのの虫が出てきて
今度はセキドは流さず遠くに置いた

其れがなんとすっかり姿を変え
美しい金色の蝶になって優雅に花から花を飛び回っている

「きれいねえ、この前の流さなければよかったわね」
虫のときにあれだけ毛嫌いされたのに
今はみんなの愛の視線を感じて
あちらにひらりこちらにひらり

金の地色に黒の縞模様が高貴な感じ

「可愛そうに葉っぱのあるところにもっていくといいわ」
近い将来きっと美しい蝶になるから
と其れを聞くと娘達は期待の眼になる

外に洗濯物を干していて
「何を好き好んで母のパンツに来たのかしら」
「絹だったからじゃあないの?」
「ええーそんなことあり?」
「ありますよ絹も蚕という昆虫が吐いた糸ですからね」
「へー仲間と思ったのかあ」
「何だか深いですねーー」

「もう虫もつかない年なのに嬉しいわ虫がついて」
と喜ぶバカ母

今日も金色の蝶はわがベランダに咲いた山百合の花芯に止まっている
白い山百合に金色の蝶々はまことに見応えがある

人の目を意識した蝶は
羽根の動かし方にも工夫を凝らし
色んな角度から羽根の模様が見えるように振舞っている

あの虫からこんなにも綺麗に変貌できるのだ
人間だって絶対に変る事ができると確信するチャコちゃん先生ではある
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