チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 111

2019年03月12日 14時57分28秒 | 日記
蚕の一生を考えて見る「愛と光と忍従」
野生の桑の葉を「美味しい美味しい」と食んでいた神代時代
古事記にもあるように素戔嗚尊が高天原を逐われ「腹が減ったなにか食するものをよこせ」とオオゲツヒメに頼むとーー
オオゲツヒメはい体中のあらゆるところから食物を取り出し
それが無礼だとスサノウが切って捨てると
今度は蚕を始め桑や五穀他の植物などが出てきてそれが日本の基本的な衣食住の原点になる

ということは蚕は有史以来この日本にあって
他国から渡ってきたものという教えはおかしくなる

今月始め四国徳島の阿南市から邪馬台国であるらしき遺跡が出てきて
ああやはりーーと思ったけど今までの教科書や考古学の先生、さらに歴史学の先生などはそれを認める訳にはいかないらしい
しかし現実は事実が証明が証明する

オオゲツヒメの神社も徳島にあるが
昔からその神社の周りが古代の高天原ではないかと言われていた
今その地で養蚕を行っている若い養蚕農家がある
まさしく桑と蚕の誕生の地で蚕をを育てているということになって感慨深い

と興奮しているのはチャコちゃん先生だけで---

ということで
最近は蚕の立場に立って蚕を考えてみる事が多い
蚕ほど人様に貢献している生き物はいないと思う
「昆虫を食べる学問」というのがあり
あらゆる昆虫の中で蚕の味が一番いいという
蚕のクッキー、蚕のコーヒー、蚕の唐揚げなどなど食料品として高級に分類される

始めて蚕を食べたのは信州に取材に行った時
佃煮として旅館の朝食に出てきた
普通に口に入れ食感が大豆に似ていて美味しく食器を下げに来た中居さんに「この器に入っていた佃煮は何が材料ですか?」
「ああーお蚕さんですわ」
「エッ」
慌てて口を拭ったがもう胃の中(何ということ!ごめんなさいごめんなさい)
「売店で売ってますのでお帰りにどうぞ」(冗談ではない!)

海がない信州は昆虫や小動物が貴重なタンパク質でとくに養蚕がさあかんな地方では子供のおやつが蚕を香ばしく炒ったりしていた

糸を吐くというのが蚕の本来の使命なのだろうが
その途中で人の意の中に入ってしまうとは
更に繭を作ってつぎの命の誕生のために蛹になっているときも
蚕の腹から糸がなくなり純粋なタンパク質だけの蛹は粉末にしてサプリメントとして高級健康食品になる

医療にも貢献
人工皮膚を作ったり、人工血管 人工骨、手術用縫い糸 細胞増殖、人工靭帯
ああーー蚕の人はどれだけ助けられているのだろうか

(この項つづく)

#蚕 #佃煮 #着物 #繭 #チャコちゃん先生 #信州


コメント
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