チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

蚕をいじくり回す人たち

2015年05月31日 12時35分53秒 | 日記
今や蚕は人間にされるまま
遺伝子操作や交配がこれほど順調に
そして人間の思うままになってくれる生き物も少ない

何ヶ月か前に
蚕と蜘蛛の交配が成功し蚕の吐いた糸がこれ以上にまして強い
と証明されて其れをアメリカのNASAで軍事用に使うと発表された
チャコちゃん先生は息が止まるほど怒りに震えた

交配された蚕の目が真っ赤だった
蚕じしんも怒りの朱だったのだ!
そしてもっと驚き呆れたのは
この交配を研究姿勢こうさせたのはなんと日本の大學
ああーー

蚕が何故に戦争に荷担せねばならない
哀しい
確かに蜘蛛の糸は強い
しかし蚕の糸のように美しくはないしかもタンパク質の含有量も違う

声を出さぬ蚕を日本人はどんなに大切にしてきたか
8の字でつくる繭
其の繭から糸をとり布にする
そして八枚の布を縫い合わせてきものの形にしたのが我が先達者たち
其の裁断で布を切りおとそない
余った布は折り込んで縫う

こう言う仕立てを考えたのも
蚕を大切に蚕の命を大事にしたい先人たちの心であったと思う

雄だけの糸を使うと言う人もいた
生き物の命の尊さを忘れた日本人はどこか醜い
純粋に糸を吐く蚕にもっと敬意を表したい
其れには喜々として着物を着るのが一番
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着物ーー着て行く場所がない

2015年05月30日 08時00分39秒 | 日記
そうかしら
着物にもっと聞いたら良い
「何処に行きたい?」
必ず応えてくれる

着て行く場所は自分で探す、自分で見つける
確かに
着物を着ると言うことは緊張を有することになり
着て歩くというのも勇気が必要だ

この緊張と勇気は着物に限らず
あらゆる事に通じると思う
自分の行動
自分の思考

着物を着ることで
自分のありかがと言うより自分と立ち位置が鮮明になる
着物をフアッションと捉えることにチャコちゃん先生は首をかしげる
着物はもっとメンタルなものだと思うから

着物を着ない理由として
・着物は高い
・着て行く場所がない
・着付けが複雑
・決まり事が多すぎる

と言う否定の言葉がある
着物も流通が変わってきているので恐ろしく高い者ではなくなっている
着て行く場所は自分で見つければ至る所にある
着付けは複雑に人がした5分できられる簡単なものである
決まり事も人が決めた着物は知らない
相手に礼を尽くすときに着るのか
自分の楽しみできるのかで別れる

余り複雑に考えるのはやめませんカネ
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呉服屋さんのあり方

2015年05月29日 10時39分53秒 | 日記
ここ一週間色んな呉服屋さんにお目にかかった
そしてそれぞれ色んなタイプの呉服屋さんがあることを知る
何年か前までは呉服屋さんとのお付き合いも頻繁だったが
ここのところほとんどない

その中で「本物」だけをお客様に着て貰う、買って貰う
普段着としての木綿や麻などを洋服と変わらない値段で売る当然着方も自由
リサイクルを中心に着て貰う
昔ながら産地ツアーを組んでそこで販売
ネットを中心に
などなど店の形もかなり変わってきている

業界そのもの傾向は「普段着指向」つまりカジュアル
其のカジュアル指向がだい人気でもある

普段に着物を着る習慣が無い今の日本の暮らし
普段着を着ることがきものを着る人口を増やすことになると
信じている人も多い

さてチャコちゃん先生
着物は自然の流れの中で着るのが一番
着たいときに着る
自分の格を高めたいときに着る
着物は明らかに洋服と違う
其の違いをきちんと解って着る

気分が落ち込んだときあえて留め袖を着て高級ホテルに赴くことがある
誰からも大事にされそこに「誇り」をもてる自分を発見して
重い気分が一挙に吹き飛ぶ

気持ちが騒いでいるとき
あえて喪服を着てみたりもする
自分が「衣」で豹変する楽しさを伝えられたら良いと思う
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渋沢栄一

2015年05月21日 11時05分09秒 | 日記
今日はこれから「東京探訪」飛鳥山に行く
同行10人の着物散策
飛鳥山にある渋沢邸では昔良く着物の撮影で場所を貸していただいた
洋館と和室
其の兼ね合いが如何にも昔の邸宅

日本人が洋と和を巧みに調和させるセンスは舌を巻く
とは西洋人が書いている
室町時代から其の歴史は始まっていると思う
いま和服の「襦袢」と云ってるものは
ポルトガル語で「じばん」と言うブラウスであった
それを着物の下着にしてしまった我が先祖の其のセンス

他にも数え上げたら切りのないほど和洋折衷が日本の文化になって居ることが多い
さて飛鳥山
桜の名所で有名でもある
その中の渋沢栄一記念館では
500以上の企業の設立に関与した渋沢栄一の栄光の歴史をたどることもできる

近くの王子製紙の設立はもちろんのこと
私達にも関係がある東洋紡の設立は養蚕技術の発展を促した

渋沢財閥ができなかったのは
「私利を追わず公益を図る」ということを生涯の目標としたからだ
其のすばらしい社会性を本日は全身で戴いてこよう


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流鏑馬

2015年05月20日 16時38分16秒 | 日記
流鏑馬は今シーズン
我が弁護士さんの趣味は流鏑馬
その雄姿を神社に見学に行って黄色い声で応援をする
とにかくおしゃれな方なので装束を見ているだけで楽しい

東北大震災の時は相馬に馬を寄付したので
新しい馬との相性がなかなか旨く取れず
「もう引退かな」なんて悩んでいらした

弁護士は「西行」が目標
小物は全て小桜チラシだ
西行が北面の武士の頃流鏑馬の名手だったのだが
とにかく「的」に当てることのみを追究していたらしい

そのとき
「的を当てるだけが流鏑馬ではない、的に当てるためにどう考えなにをするかという道順が大事だ」
其れを「雅」というと先輩に西行は諭される

「雅」というのは道順だと教えられた
結果だけではない其の道中が大事
結果だけを競争していたら「美」というものから遠ざかる
このことはチャコちゃん先生父に教わった
父も西行が好きだったようだ

弁護士先生とにかく厳しい
相談事のどんな小さいことも見逃さずついてきてあげくに
「チャコ先生は中学生より劣るね」
とこきおとされる

そこで負けじと「西行」の話しに切り返すとスッとご機嫌が良くなる
可愛い

しかし先生の流鏑馬姿は美しいし良く的に当てている

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お支度

2015年05月16日 12時25分23秒 | 日記
お支度という言葉は好きだな
チョット緊張感があり
そして満足感もアリ、少しの自慢もある
こう言う感情が入っているときの女は
可愛くて美しい

幼少の頃
何か祝い事があると
大人の女な達がいそいそと朝から支度に余念がない
朝食も手抜き

だったみんなが支度に氣が向いているのだもの
それぞれ手助けしたり
小走りに走り回っていて
そのときの白い足袋の動きが印象に残る

帯締めを口にくわえ
帯結ぶが終わると胴をポンとたたく
顔が上気しているので頬紅をつけなくても顔色が良く
目が生き生きしている

そう言う女達の動きを眺めながら小さいながらもこちらもウキウキする
自分は置いて行かれるのだけど
家中が喜びに揺れているのが嬉しい
一緒になって駆け回っている

支度が終わってやっと小さい妹に気が付き愛想をのべるのだけど
此方も一緒になって興奮していたのですっかり疲れて
女中さんのひざの上で眠気を押さえながら大人しくなっている

秋櫻舎でお支度をする人たちをみていると
幼い自分を思い出して昂揚する
美しくなっていく過程を見るのは楽しい

きょうはこれから「比佐子つれづれ」
皆さんの着物姿を見るのが愉しみ
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言霊

2015年05月14日 09時26分31秒 | 日記
面白い実験をした
ご存じの方も多い望月さんの「宝地図」のセミナーでのこと
思いを叶わせるためには「プラスの言葉」を自分に言い聞かせ
その言葉を心に落として心から信じる

手品のような実験を隣に座っている青年と行う
マイナス言葉をたくさんいって隣の人に腕を押して貰うと
簡単にへなへなと腕が落ちる

しかしプラスの言葉を大声張り上げて云うと
腕がぴんと張って其の腕を大の男が必死に下げようとしてもさがらない

日本語は「言霊」だからと頭では理解し
余り汚い言葉は使わないように心がけては来たが
細胞レベルでここまで結果が出ると
もう
好い言葉しか使わないわと思う

「ワクワク」なんて言葉を望月さんはよく使ってらっしゃるけど
余り好きではなかった
しかしなるほど「ワクワク」という言葉は
ひとを「わくわく」させるのだと思った

軸が定まっていて一生懸命生きている方は軽くて明るい
この軽さが今の世の中に受け入れられる要素なのだろう

軽さの良さは体重だけではないわね

そうそう隣に座って下さった男性はとてもステキで
直ぐ友達になった
これも収穫フフフ

収穫といえば植物も言霊で元気になる
もちろんプラスの言葉でないとダメ
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日本は四季がなくなったのか

2015年05月13日 10時34分54秒 | 日記
季節は外れの台風6号が予定通り
東京にやってきて
我がスカイガーデンをしめらせてくれた
其れは有り難い

しかし今後30度を超えるという
毎日着物を着ている身としては
もう薄物でもいいのかなと気温を見ていて思う

四季通りに着物の素材を選び半衿を決め小物も其れに合わせる
このような喜びはもう今はない

藤の花もあっという間に咲いて終わった
其のお陰で藤の花の着物二手を通す暇がなかったし
帯は一回締めてタンスの中

「日本は絹に覆われていたので曖昧な美しさがあったけど」
と友人が旨いことを言う
日本列島から絹のベールが取れてしまったので
いきなり南国の季節になったのだと

其れは国民みんなが自己主張の塊になったから
もうベールは必要ない
そのため四季もない

なるほどと聞いていた
「成せばなる何事も成さぬはーーーー」と言う上杉鷹山の有名な言葉がある
とにかく目的決めて行動すれば必ず思うように成る
と言う意味だと教わったが

自分の欲のために成せばなるーーとがんばっている人も多い
そして其れも成る

こうやって日本中の人たちが「我慾」を募らせていると
やはり四季はなくなるのかもしれない

友人の話を聞いていて考えさせられた

チャコちゃん先生下着は全て薄物
着物は「絹縮み」にした
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喪服

2015年05月12日 13時34分44秒 | 日記
喪服を作ったのは女子大を卒業するとき
卒業式の式服の指定に
「黒紋付きに袴」または「濃い色のスーツ」と指定があった
母は大喜びで
「こんなお目出度いときに黒紋付きを作る事が出来て良い学校だこと」
と大張り切りで黒紋付きつまり喪服を作ってくれた

袴は宝塚を真似てチャコちゃん先生は緑色にした
同級生の中でたった一人スーツ姿の生徒がいたが
他は全員黒紋付き
写真は壮観だったがそのときの写真が出てこない

そのときに作った黒紋付きを未だに着ている
凄いことだ
袷だったので
その後単衣と夏物を作った

さて家紋は当然ながら「女紋」実家の母親の紋だ
こうやって女が繋がっていくのだ

着方は喪主や親戚で無い限り
真っ黒にしないことにしている
帯揚げを白にしたり
また草履の鼻緒を白か銀にしたり
とにかく真っ黒にしないのがチャコちゃん先生のやり方

そして矢沢先生をお見送りしてきた
とても安らかで可愛いお顔だった

それにしても63歳は心残りが多いでしょうに
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きもの解体新書

2015年05月09日 09時38分04秒 | 日記
あるときから
着物と身体に非常に興味を持った
其れは一時
老いも若きもみんな同じ着方
と言うのが主流をしめ始めたとき

そしてチャコちゃん先生の身体が
確実に衰え始めたとき

毎日着物を着ていて
衿合わせがチョット違う
紐の位置がここではない
裾捌きが何だか違う

こうやって違いを感じているうち
「そうだ骨だ、筋肉だ」と気が付いた
一人一人の裸身を見るためにサウナが通いが始まった

そして人それぞれの骨の形
其の骨にくっついた筋肉の付き方
それがまた骨が性格も現すと言うことも興味が深い

20年前に「きもの解体新書」という本を出したい
と出版社の人に話したけどーーーーー

いまは秋櫻舎の「ナイト・コスモス」でお話しさせていただいている
みんなも目から鱗だが
チャコちゃん先生がもっと驚いている

改めて日本の着物の文化の深さに仰天しているところだ

次回は14日13時30分から
みんなで感じましょう

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