目が覚めて窓を開けたらあたりは真っ白
「雪が降るらしいよ」
とは聞いていたが
ひたすら黙って雪をみる
豪雪地帯の人から見たら
こういう東京の雪など雪景色とはイエナイ
初めて積もった雪を見た日のことは忘れない
あれは十日町に取材に出かけたときだった
まさしく川端康成の「雪国」のあの出だしの文章そのもの
「長い国境のトンネルを抜けるとそこは雪国だった」
上越線に乗り高崎あたりは全く雪もなく晴れ渡り遠くに富士山までも見える
そして本当に長いトンネルを抜けたとたん
「あっ雪」
「うわっつ」
車内は感嘆詞しかない
みんなの顔が雪に反射されて急に明るくなる
いままですまし顔の人々が突然饒舌になって周りの人々と笑顔でかたりあう
ほとんどの人が窓に駆け寄り立ったまま車窓を見据えている
外は目の届く限り真っ白
しかも白いカーテンが天からぶら下がったように
絶え間なく雪が落ちて来る
越後湯沢の駅に着くまで乗客は総立ち
落ち着いている人は地元の人たちだ
それでもにこにこ笑って立ち騒ぐ乗客に温かい笑顔を送っている
いまはもうこの感激は味わえない
新幹線でシューーーーと通り過ぎて終わり
それでもトンネルの向こうと此方の雪の違いはやはり驚く
もちろん雪がいつもいつもきれいなだけではない
なにもかも消してしまった美しさもあるが
その雪のために生活を脅かされることもある
そういう思いを流すのが
雪が溶け一気に咲く花の美しさ
東京では梅が咲き、桃が続き、桜が咲くという季節の順序があるが
雪国はすべて一緒百花繚乱だ
其れがまた見事
待ちわびた春をこうして迎える
しかし雪は美しい
今日の東京は一日雪が続くというがーーーー
「雪が降るらしいよ」
とは聞いていたが
ひたすら黙って雪をみる
豪雪地帯の人から見たら
こういう東京の雪など雪景色とはイエナイ
初めて積もった雪を見た日のことは忘れない
あれは十日町に取材に出かけたときだった
まさしく川端康成の「雪国」のあの出だしの文章そのもの
「長い国境のトンネルを抜けるとそこは雪国だった」
上越線に乗り高崎あたりは全く雪もなく晴れ渡り遠くに富士山までも見える
そして本当に長いトンネルを抜けたとたん
「あっ雪」
「うわっつ」
車内は感嘆詞しかない
みんなの顔が雪に反射されて急に明るくなる
いままですまし顔の人々が突然饒舌になって周りの人々と笑顔でかたりあう
ほとんどの人が窓に駆け寄り立ったまま車窓を見据えている
外は目の届く限り真っ白
しかも白いカーテンが天からぶら下がったように
絶え間なく雪が落ちて来る
越後湯沢の駅に着くまで乗客は総立ち
落ち着いている人は地元の人たちだ
それでもにこにこ笑って立ち騒ぐ乗客に温かい笑顔を送っている
いまはもうこの感激は味わえない
新幹線でシューーーーと通り過ぎて終わり
それでもトンネルの向こうと此方の雪の違いはやはり驚く
もちろん雪がいつもいつもきれいなだけではない
なにもかも消してしまった美しさもあるが
その雪のために生活を脅かされることもある
そういう思いを流すのが
雪が溶け一気に咲く花の美しさ
東京では梅が咲き、桃が続き、桜が咲くという季節の順序があるが
雪国はすべて一緒百花繚乱だ
其れがまた見事
待ちわびた春をこうして迎える
しかし雪は美しい
今日の東京は一日雪が続くというがーーーー