チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

43年

2010年12月30日 16時02分46秒 | 日記
保育の仕事を43年続けているwさん
年の暮れにゆっくり会いたいというので
午前中自宅の掃除をし
午後から買い物に出て
急いで約束の場に駆けつける

このWさんの一言で「比佐子つれづれ」を続けた経緯が或る
今から23年前
「来年からこの会は辞めようと思います」
と言った瞬間
「あっそれはダメです。絶対ダメです」とWさん
毎日の過酷な職場から、このつれづれにきものを着て出席する時間が
wさんにとって生きる上で絶対に必要な時間なのだと言う

そうすると
MさんもIさんもTさんもSさんも続けて欲しいと懇願

これほど大切に思われていたのかと
チャコちゃん先生はその日から根性を入れ替えて
まず仕事の優先順位を「比佐子つれづれ」にし
きものの勉強をもっと深くするようになった

43年保育士をしていると
二世、三世が生まれてくる
「子供好きなの?」
「いえスキではいですよ、でも面白いんですよ」
面と向かって子供と語り合う時間は
たった一人と話していても、意識は全体の子にわたっている
その感覚がとても面白いし充実している

「私にはエンドがあるけど、親はエンドレスですよね」
そのため、一旦時間で仕切り直しができるので
親の見えないものが見えてきて
その子の素質が俯瞰でわかるのだと言う

「いまこの場でどの子と目を合わせるとこの場が収まるか」
そういうことも一瞬に見極められる

「あなたのような先生少ないでしょうねえ」
「他にいないと思いますよ、其れくらい自信ありますから」

きものを着て静かなそれでいて優雅で粋な佇まいと
きびきびとそのとき、その子に熱中している彼女の姿の差がまぶしい

定年が過ぎ、いまはお手伝い状況だが
次を育てないままにこの世界から去るのは寂しい

「ね、腕章付けて若い保育士に指導すると言う制度はないの」
「公務員と言うのは四角定規ですからね」
wさんのような保母さんがあふれたら
働くお母さんはどんなに安心だろう

「この27年ずいぶんきものもたまったでしょう?」
「そうですよ、きものの仕事に切り替えたいくらいです」
幼い子供を見続けた経験を大人にも生かせるのではないかと
アレコレ夢を語り合った年末であった
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送迎バス

2010年12月28日 09時23分26秒 | 日記
「十二社池の上」と言うバス停の傍に
最近にょきにょきと出来た大手のマンションや事務所ビルの送迎所が出来た
20分おきぐらいに送迎バスが来て
そのビルやマンションに住んでいる人たちが乗る
いつも30人くらいは列を作っている

この30人が
通常のバスに乗れば200円カケ30人
その都度6000円の収入源
其れが往復そして一日の損失だとたいした額だ

乗る人は毎日無料で交通費はゼロ
しかし通常運行のバス会社は
この無料送迎バスのために収入が減る

複雑な思いでチャコちゃん先生は通常のバスに乗っている

十二社界隈はこの大手会社のビルが10棟近く出来ているので
其処の人達の利用人数は半端ではない
その人たちが通常のバスに乗れば
そのバス会社はホクホクだし
車の渋滞も減る


お陰で通常のバスがガラガラでいつも座れる
なんだか納得のいかない感じで乗っている

誰かが得すると
誰かが損する
こういう構図はなんだかヘン

皆が得する「ウィンウィン」が望ましいのだが
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浅田真央

2010年12月27日 09時37分46秒 | 日記
挑戦する姿勢が感動的
少しずつ元に戻ったようで嬉しい
ジャンプをするたびに胸が痛む
成功するとホッと安堵

これって親の感覚かな
いつもドキドキしながら観戦
見たいのに怖い
絶対成功すると思っているのに
どうなのだろうと心配

人をそのように惹き付けるのが
類まれなスターの素質
真央ちゃんのジャンプ成功のたびに
大きな拍手
其れが誰よりも大きいと
贔屓のチャコちゃん先生は思う

ほーーーと安定したすべりをする人より
ハラハラドキドキ
確実な演技より
挑戦の演技に挑む姿に心奪われる

どんなことにも完結はないのだと
真央ちゃんの姿を見ていて思う
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歌うクリスマス大盛況

2010年12月26日 13時51分21秒 | 日記
青空が輝く東京の空
富士山の白くて端正な姿
東京湾を望める都庁45階のレストラン
そこへきもの姿の紳士淑女総勢60人

工夫を凝らしたきものや帯の数々
江戸時代の豪商の衣装比べのよう

冬の葉っぱを細かく刺繍を施した訪問着
サンタが楽しそうにそりに野って遊ぶ訪問着
雀の柄のきものに其れを狙う猫の目が強く光る帯のコウデイネート
猫の足跡だけの着物の柄に
猫がよだれをたらしそうな肴の柄の帯
もう染める人がいなくなった唐桟の江戸小紋
ひとつひとつ解説すると終わりがないほどに個性的なきものの集団

スタッフはいつものように黒紋付に袋帯
チャコちゃん先生は30年前に自分でデザインをした
大きな直径15センチは或る紅型紋を5つですそぼかし

さて5年のうつ病を克服して歌を歌うテノールの帆足琢也先生
その琢也先生を支えた奥様の山城道子はソプラノ
そして家族全員がこの日を喜んで詰め掛けている
先生の鬱は家族の愛、そして歌で治ったと思う

最後は皆で聖夜とジングルベルを歌い
その歌の途中に嶋田旺子さんが作った花束を6個廻して
歌が終わった瞬間にその花を持っている人にプレゼント
けい子さんと聖夜を二人で二重唱をし
「私達ってうまいわね」
と肩をすくめあう

終わった時間から壮大な夕焼けが始まり
富士の脇に落ちていく夕日の輝きに魅せられた

みなさんニコニコ笑顔で
本当に嬉しい
集まっていただいた方に感謝

終わって皇太后の納棺
わがスタッフははなから黒紋付を着ているので
その格好で納棺の儀に臨む

皇太后はセキドやヨシダによくしてもらい
二人にいつも感謝していたので
きっと大喜び
「好子ちゃん関戸さんと加奈ちゃんよ」
と呼びかけるタナカの声に思わず胸が熱くなる

日本の絹を身にまとい
絹の布団に抱かれて静かに休んでいる
クリスマスの日に納棺とはーーー

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皇太后逝く

2010年12月25日 09時42分37秒 | 日記
「寒昴 静かに深く 母逝く」 龍子

愛する息子中谷吉隆の俳句
中谷好子 行年98歳

「朝目がさめたら逝っていたという風になりたい」
とつぶやいていたが全くその通りの逝きかた

6年の密度の高い娘田中清子との生活に自然に終止符
「夕べ10時頃おやすみなさいをしてやすんだけど」
朝7時に口と目を拭こうと思って顔をさわったらもう冷たかったという

医者の診断書は老衰・自然死

見事 お見事

紅花染の下着をつけ 
日本の絹の旅立ちの祝い衣をまとい
ピンクの絹のキャップをかぶって静かに横たわっている

「可愛い、かわいい」
通夜の客の顔から笑みがこぼれる

好子さんは人柄が良く
医師、看護士、ヘルパーさんに愛され大切にされた
その姿は私たちに沢山のことを無言で教えてたように思う

明るく活発に看護生活を送っていたタナカに頭が下がる

チャコちゃん先生は
ただ「ありがとう」
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日本の独立

2010年12月23日 11時23分50秒 | 日記
植草一秀著作 飛鳥新社「日本の独立」を読む
淡々とこの二十年の日本の真実を解いていく
小泉内閣のとき国の罠にはめられた政治経済学者

当時チャコちゃん先生は
あんなに著名な頭のよさそうな学者が
こういう品のないことをするのかなあ
「男はどこまで哀れなんだろう」
とエラソウにまた半信半疑で報道を見ていたが

暫くして友人からの誘いで彼の経済講演に連れて行かれた
野次馬根性でくっついていった
植草フアンは大人の男性に多く
かの事件については何の影響もなく
みんなが「あの事件は免罪」と思っているようだった

チャコちゃん先生だけが
ちょっと斜めから「この男がねえ」
なんて薄い色眼鏡をかけて話を聞いていたが
30分もしたらその眼鏡は透通しになっていて
話に引き込まれている自分を発見

日本を本当に愛し
日本の行く末を心から憂えている
また説明が丁寧で経済音痴のチャコちゃん先生でも
いっぱしの経済通になっていく
何よりもご本人に品格があり感謝の心がある

この本も彼の人格が現れていて日本の道が良く分かる
おかしな日本になっていく状況が静かに身にしみてきて
今まさに自分の立ち位置を決めるべきことが見えてくる

きものを愛し
きものの周りを心配し
きものから教えてもらう日本人の知恵を知り
そのことが
日本のあり方と結びついていく

日本を知るいい本に出会った

もう1冊
もと外務省官僚の天木直人著 「さらば日米同盟」講談社
とあわせて読むと日本がわかり、これからの自分自身の肚が決まる

今日は天皇誕生日
廣島から来た知人がきものを着て皇居に行くと張り切っている
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冬至南瓜

2010年12月22日 11時34分24秒 | 日記
今日12月22日は冬至
この日は一番夜が長い
これから少しずつ昼が長くなるけど寒さはつのる

江戸時代に普及した冬至に南瓜を食べる
柚子風呂に入るという習慣

夏に出来た南瓜をずっと保存して
この冬至あたりで食べると言うことが行われていた
今ではこの時期の南瓜は輸入物が多いと思う

チャコちゃん先生のところでは
北海道のニセコから南瓜
十勝から小豆
そして青梅から柚子
と冬至の役者が揃った

冬至の日は「死に一番近い日」と言われ
無病息災を祈って体の温まる南瓜を食べ
血行を良くし香りから精神を安定する柚子湯につかる
小豆も保存食で殺菌作用と腸の働きをスムースにする

これからの厳寒に向かって
冬至小豆南瓜と柚子湯は欠かせない日本の習慣
しかも南瓜も柚子も黄色
黄色は太陽の色で太陽のパワーを取り込む
人のお腹界隈が黄色の波動を持っている
昔の人は「エライナア」


真木さんが送ってくださったニセコの南瓜
日本で一番おいしい南瓜だと地元は自慢
たしかに
小粒だけど味が良い
これがなかなか手に入らない

ニセコは今外国になっていて
ホテル経営はほとんどが外国資本
これから本番のスキーシーズンは日本語が通じないホドだと言う

こういう土地で南瓜作りを粛々と続けている農家の方々を尊敬する
そうそう百合根もこの地の特産だ
お正月料理に間に合わせてくれると真木さん

今日は冬至
セキドが割烹着を付けて
冬至小豆南瓜づくりに挑戦している

そうしたらなんと嬉しい
家庭菜園をしている大津のズーちゃんから大根や白菜、葱が届く

ズーちゃんこと石井さんは長いこと京都の呉服問屋にお勤め
退社してから農業に目覚めたのだそうだ

ヤハリきものは農業だ

そうそう宮中でも「朔旦冬至」と言う儀式があるらしい
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格差

2010年12月21日 09時22分40秒 | 日記
日本には超富豪といわれる世帯500万軒あるそうだ
他国に比べて多いのか少ないのかわからない
昔からその層の集まりが
チャリテイーパーテイとか銘打って
年の暮れに良く行われる

若い頃は面白がって招待が来ると勇んで出かけた
しかし連れ合いが
「バカバカしい」
と頑固に拒否するようになり
こういうところに女ひとりで出席するほど
惨めなことはないので
「面白いのになあー」と未練たらたらだけど同調

そして何十年ぶりかにそのような会に出席
或る程度年を重ねると
女一人でも間が持てるようになることを発見
年齢の貫禄ちゅうものが或ることを知る

ところが会は
もう実に下品化していた
奥方達は権力のある殿方ににじり寄って嬌声を上げている
夫達はやたら権力者におもねっている
皆リッチな人たちばかりだから
着ている物、持っているもの更にいでたちが豪華絢爛

たまーにきもののご婦人がいると思うと
実齢より40歳くらい若いきものを派手に着ていてビックリ
日本の上流社会の変わりように唖然とする
電気が煌々と輝いているキャバレーに足を踏み入れた感じ

その中で日本で一番偉い人の夫人は
キャーキャー騒いでいてーーー

お金さえあれば上流人
権力さえ持っていれば上流人
これって国の心が貧困だ

翻って真摯に自分の仕事に励んでいる人は品がいい
それは自分の骨をしっかり持っているからであろう
生きることに肚が座っている

そんなことを思いながらシャンパングラスを手にしていたら
古い知人夫妻がやってきて
「お久しぶりねナカちゃんは?」
「こないこない」
「そうでしょうね、外に出てゆっくりお話しましょうよ」
と三人は早々にエスケープ

お金と権力が万能という世界は美しくない
世界の不況は
お金を追求しすぎた果て
地道にものづくりをする国が尊い

野次馬根性の抜けないチャコちゃん先生
ハナから出席しなければ賢いのだがーー
でも今の日本の実態はさもしい人たちが動かしていることを
肌で感じた会ではあった
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ニームを植える

2010年12月20日 10時38分35秒 | 日記
インドの伝承医学
アーユルヴェーダーには欠かせないニーム
これは蚕と同じように全ての命を
人間に差し出している

樹皮・葉・花・実・根
その全てが人の体を生まれたときの
調和の取れた体に戻してくれる

このニームは
アーユルヴェーダで「火と水」の調和をし
過剰な風の気を防ぐものとする
インドではこのニームを神から授かった薬木と崇めている

ニームの小枝を手にして当方にいらしたのは
平野貞夫さん
チャコちゃん先生は15年ほどアーユルヴェーダーを
学んだことがあるので
しかもそのときは粉のニームしか見たことがないので
小枝を見たときは驚いた

葉っぱを齧ると苦い
この苦さが血液を清らかにする

平野貞夫さんは
郷土の四万十川の流域にニームを植えて
高知から人の健康の素材を広めたいと言う
気候的にも高知に合うようだ

小枝を土に挿すだけで根を張ってくれるらしいが
今は季節柄根が眠る時期なので
春になったら植えてみようと思う

平野貞夫さんは
「ニームを染材にしてみて欲しいんですよ」
ニームで染めた下着を身に付ければ
肌が健康になって行くのではないかと言う

驚いたことが起きている
ニームの小枝と一緒に花を生けているのだが
恐ろしいくらい生き生きとしている
ニームの小枝は部屋中を浄化している

風水では観葉植物を室内に置くことを勧めているが
このニームが更に風水調整の要になりそうだ

平野貞夫さんはいま政治家達の調整と執筆でお忙しいが
その時間を縫って
日本人のための日本文化を伝達していきたいと
縄文文化から説き起こしていらっしゃる

「すべてのもが、道理に従えば人は心から幸せになる」
日々の生活を日本を愛して過したいと思う
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鶏鍋ソバ

2010年12月18日 14時42分01秒 | 日記
季節ですねえ
鍋物が恋しい
身内だけのランチ
ハイアットリージェンシーーホテルの翡翠宮
寒さが身にしみるとつい脚が向く

京都で鶏鍋を能く頂いたが
あの味を堪能できるのがなんとも嬉しい

鶏がらで十分にスープを取り
あとは鶏と青梗菜、其処にソバが入っている
うーーんうまい
上がりはシンプルな杏仁豆腐

下に着込んでいたヒートテックスを
こっそりトイレで脱ぐ
体が温まり元気百倍

その勢いで御苑まで歩き
出来立てホヤホヤのフランスパンを買って
また歩く

ちょっともよおしたので
またハイアットリージェンシーに立ち寄り
おマルを借りる
済ました顔ででてくると
「ナカタニさんナカタニさん」と呼び止められ
ドキッ

何のことはない色んなスープの缶詰のお歳暮を頂いた
「ありがとうありがとう」
最敬礼して押し頂く

ホッホッホ
今夜はこのスープにフランスパンだ
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