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後見制度の将来あるべき姿(私見):市民後見NPOの広がり及び地域誰でも市民後見サポーター

2012-02-03 10:51:56 | 医療
Ⅰ後見制度の沿革

 後見制度の節目は、以下の三つの年。

 2000年:後見制度 開始 
     *自己決定やノーマライゼーションが言われだした。
     *財産管理中心
     *後見人は、家族が中心

 2006年:介護保険法改正、高齢者虐待防止法に伴い、二つの大きな変革
     *介護の要、地域包括支援センターが公的に設置された。
     *権利擁護が打ち出される。この権利擁護と成年後見が強く結びついた。

 2011年:東日本大震災による震災遺児・孤児の問題、児童虐待の増加の二つの要因から、「未成年後見」の重要性にも焦点があたる。


Ⅱ後見制度の課題、「高い」「固い」「遅い」

 では、今後のあるべき後見制度の方向性とは?

 その前に現在の課題。

 後見制度は、今、「高い」「固い」「遅い」と言われている。

 「高い」弁護士などが後見を行うとその費用がかかる。
     家裁への申し立て4-5000円
     鑑定に5-10万円

 「固い」他人に「代理人」というものすごい権限を与えるゆえ、いたし方なし。

 「遅い」家裁の審判が出るのに半年かかったこともあった。今は、改善し、2-3ヶ月で半数が出るようになっている。


Ⅲ課題解決のための二つの改革検討の必要性

 上記課題を克服し、今後、後見制度は、誰でも、必要なときに安心して利用できる制度になるためには、以下、二点の改革のありかたが検討される余地がある。

 *生活保護として、今ある「生活扶助」「医療扶助」「住宅扶助」に告ぐもうひとつの形として、「後見扶助」

 *介護保険から、後見サービス利用を出せる仕組み


Ⅳ将来の後見制度のあるべき姿、私見


 以下、私見であるが、後見制度の将来の展望は、

 *市民後見NPO:家族による後見、弁護士/司法書士らプロによる後見ともうひとつの柱として(選択肢として)市民後見の広がり
 そのためには、市民後見(社会貢献型後見)がチームで責任を持っていく体制の整備、たとえば、NPOの形での後見サービスの提供がなされ、広がっていくことが必要と考えます。
 一人では、市民後見の荷が重過ぎます。
 現在、各地域で、社会福祉協議会らがバックアップの体制をひき、その相談支援を行っているところ。
 ただ、広がりを持たせるには、もう一段階の脱皮が必要と私は感じます。
 もちろん、社会福祉協議会と市民後見NPOとは、強い連携のもとやっていく点での変わりはございません。


 *市民後見サポーター:だれもが、市民後見人に頼まれればなれる程の、地域への普及
 現在、「認知症サポーター」の広がりがありますが、それに勝るとも劣らない広がり、なんらかの形ですべての地域のひとが、市民後見の基礎的知識をもてる環境づくりがなされるとよいと思います。
 その裾野の広がりがあれば、市民後見人にはならなくとも、逆に適切な形での被後見人となることができ、その方の、財産はもちろん、生活の安心、そのかたの尊厳までも最後の最後まで守られることになると信じています。


 
            
 
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