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「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

小さな子どもを、地域の力で、交通事故から守る。

2017-03-02 23:00:00 | 防災・減災
 交通事故は、加害者も、被害者も、どちらも一瞬にして、不幸になってしまいます。

 下の新聞記事抜粋も、とても不幸な事例のひとつ。読んでいて胸がいたみます。
 
 
 何かが機能すれば、防ぎ得たのに、そのすべてが機能せず、発生することもまた、事故にはつきものです。

 
 記事の事例でも、

 〇店のドアが施錠されていたら…

 〇小さな子どものひとりでのとぼとぼ歩きに気をつける大人がその時その場所にいたら…

 〇歩道から車道に容易く出れない構造であったら…

 〇そのドライバーが、ストレスを抱えることなく運転していたら…

 

 地域の力で、小さな子どもの不幸な交通事故は、絶対に防いでいきたいと思います。

********朝日新聞20170220 35頁 抜粋*****************


 長野県小諸市の母親(29)はアルバイト募集の案内を見て、「これなら私もできる」と考えた。子どもを連れて働ける環境が整っているとあったからだ。

 車で契約先を回り、パンを売る仕事で、勤め先は家から車で10分ほど。少しでも家計を助けたかった。

 働き始めて1カ月後の2014年7月の朝。母親は長女(6)を幼稚園に送った後、1歳2カ月の次女・松本佳桜(かお)ちゃんを連れて出勤した。ほかにも母親が働いていて、この日は佳桜ちゃんと同じ年頃の子もいた。

 パンをかごに並べる約15分間の作業中、佳桜ちゃんを視界に入れるように気をつけていた。だが、ふと気がつくと姿が見えない。いつもは閉まっている事務所の出入り口の引き戸が、この日に限って開いたままになっていた

 佳桜ちゃんは歩けるようになったばかり。外へ捜しに飛び出すと、見知らぬ女性が「お母さんですか」と声をかけてきた。小さな子が車にはねられたという。

 佳桜ちゃんだった。

 裁判記録によると、現場は事務所から20メートルほどの交差点。信号機や横断歩道はない。佳桜ちゃんは歩道から車道に出たところを、左折しようとしたトラックにはねられ、亡くなった。

 「私がアルバイトをしなければ。嫌がっても抱っこをしていたら……」

 夫(36)は高校教員で、休日も部活動の指導に忙しい。母親は買い物でも公園でも娘を1人にしないように目を配ってきた。危ないと感じたことは日記に書き込んでいた。それでも思いがけず、事故は起きた。

 「小さなことが重なって事故は起きてしまうのだということを伝えたくて、取材を受けました」


 ■運転手、ミラー見ず

 このトラックの男性運転手(61)は交差点にさしかかる前、スリッパを持った佳桜ちゃんが左手の歩道にいるのを見かけていた。

 配送会社の運転手になって約30年。通い慣れた道だった。交差点を曲がればあと少しで配達先だった。

 小さな子がなぜ1人で歩いているのかとは思った。「まさか、車の近くまで来ないだろう」と思い込み、前輪の周辺を映すミラーは確認しなかった。ハンドルをゆっくり左に切った。

 「子どもに気付いていたのに注意が抜けてしまった。ミラーを見ていれば、こんな悲しいことにはならなかった」。男性は取材に後悔の気持ちを語った。

 当時は同居する長男が仕事で悩んだ末に1週間も家を空けていて、心配ごとを抱えての運転だった

 事故後、男性は運転手の仕事を辞めた。佳桜ちゃんの月命日に、事故現場とお墓に足を運んでいる。(板橋洋佳)
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2 コメント

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Unknown (山猫)
2020-01-17 15:47:43
突然のコメントで失礼します。
この記事を読んだ翌日、幼稚園のお迎えに行った際に同じような事が起こりました。

1月の夕方5時半。天気は曇りで暗い。
常に自動ロックで施錠している出入り口のドアの前で話し込むママさん集団とお迎えラッシュの為にドアが解放状態。
紺色の制服を来た年中さんが手に工作の作品を持ったままそれに夢中の状態で事故が多発している道路の方へ前も見ずにフラフラ歩いていました。

付近に10人ほど保護者がいてチラッと見る人もいるが我が子のお迎えやママ友とのお喋りにスルー状態。

この子を捕まえた際に保護者から『大丈夫ですから!』と逆ギレされるかもしれないけれど、この記事を思い出し直ぐに捕まえて「君、お母さんはどこだい?」と尋ねたら「あれ!?あれれ?お母さーん!」と慌ててダッシュで園内に戻って行きました。

どうやら、その子のお母さんは違う教室の下のお子さんも迎えに行っており、その子はお母さんが後ろについてきてくれていると勘違いして外に出ていってしまったようでした。

このまま、駐車場まで狭い歩道を無事に通れても暗い駐車場でお母さんを探してウロウロしていたら車と接触していたかもしれません。※当時、お迎えの車が20台以上入れ代わりしていました。

このような情報の共有は本当に意味があると思いました。

お子さんを亡くされたお母さんが辛いけれどインタビューに答えてくれたお陰で助かる命があるんだと思いました。
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コメント投稿ありがとうございました。 (小坂和輝)
2020-01-18 20:54:57
山猫様、コメント投稿ありがとうございました。
山猫様の事例も一歩間違えば事故が起こりうることであり、共有でき、たいへん参考になりました。
返信する

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