問い:包括的性教育って、なに?
回答:
包括的性教育は、科学的根拠に基づき性に関し広い視野から学ぶ教育です。生殖・性交、性感染に限定することなく、ジェンダー、性自認、からだの権利、人権、性的同意、人間関係、生命の安全などの幅広い知識を、乳幼児期から誰に対しても、性的発達のすべての局面で、日常生活のあらゆる場面で学びがなされることで、共生を育み、ポジティブに性を捉え人生が豊かになることが目指されています。
性教育は「寝た子を起こす」と抑制やバッシングをされてきた過去があり、教科書でも妊娠の過程(性交)を扱わないという「はどめ規定」が学習指導要領にあります。
しかし、包括的性教育プログラムが世界的にスタンダードになりつつあり、初交年齢の遅延、性交頻度の減少、性的パートナーの数の減少、リスクの高い行為の減少、コンドーム・避妊具使用の増加など若者の健康に望ましい結果が導かれています。現在、文科省では「はどめ既定」の是正に向け検討中です。
学ぶ指針として、ユネスコによる『国際セクシュアリティ教育ガイダンス(改訂版)』があり、年代別に8つのキーコンセプトに分けて知識・態度・スキルの整理がなされています。いかに子ども達に伝え、行動・価値観を育みエンパワメントするか小児科医としても重要な課題です。
以上
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】――科学的根拠に基づいたアプローチ』
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