昨日、福祉保健委員会及び区民文教委員会を傍聴し、たいへん気が滅入っておりました。
その理由は、付託された請願が、請願者の意図した形に反した議決がなされたこと(ブログ:http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/db85dfe8173bca8d06b0939a91e73072)とともに、中央区議会に『趣旨採択』なるものが登場したことがあります。
『趣旨採択』なるものが横行すれば、この度の請願決議でなされたように、あやふやな議決がなされることが増えるであろうし、賛成を装った不採択が増えることが懸念されます。
そんなことが、議会でまかり通ってよいのかと、区議会会議規則に当たってみました。
果たして、会議規則には、請願の審査にあやふやな決議がなされないようにする規則が存在していました。
第百三条 委員会は、請願について審査の結果を次の区分により意見を附し、議長に報告しなければならない。
一 採択すべきもの
二 不採択とすべきもの
第百三条にありますように、請願の審査結果は、「採択」か、「不採択」の区分しか存在していません。「趣旨採択」なるものは存在しないのです。
すなわち、請願では、
『区内全保育所・全区立学校における給食の安全に関する請願』
一、給食食材の産地等情報開示
給食及び食材に対して徹底した情報開示を行うこと。食材の原産地表示を明確にし、保護者への十分な説明を求めます。
二、安全な給食食材の使用と放射性物質の測定
安全な給食食材の使用と安全性を担保するために放射性物質の測定を求めます。
三、給食・弁当の選択制の導入
給食への不安を払拭できない家庭に柔軟に対応し、給食と弁当の選択性の導入及び飲料の持ち込みを求めます。
三つのことが求められていましたが、『趣旨採択』といいながら、
一、情報開示は、現状のまま
二、食材の放射性物質測定はやらない
三、選択制は導入しない
との結論が出されようとされていました。
会議規則に沿うと「採択」と「不採択」の区分しかないことより、このたびは「不採択」がなされなかったことは事実であり、ならば二者択一の区分のもう一方である「採択」はなされたと言わざるを得ません。
これ以上、「趣旨採択」を主張するという場合は、区議会会議規則を変更し、「趣旨採択」の規定を設けるところから始めるべきでしょう。
会議規則に存在しない用語を持ち出して、定義もなされないまま、議会で用いるべきではないと考えます。用いるのであれば、定義からまず、行うべきです。
どうか、どうか、法的根拠のない「趣旨採択」なることばを議会で横行させないように、お願い申し上げます。
*****中央区ホームページより*****
http://www1.g-reiki.net/reiki/Li05_Hon_Main_Frame.exe?UTDIR=C:\EFServ2\ss0003E647\GUEST&TID=1&SYSID=32
○中央区議会会議規則
昭和五十年五月二十八日
議会決定
中央区議会会議規則
(題名改正〔平成一二年議会規則一号〕)
東京都中央区議会会議規則(昭和二十二年六月東京都中央区議会議決)の全部を改正する。
目次
第一章 会議
第一節 総則(第一条―第十三条)
第二節 議案及び動議(第十四条―第十九条)
第三節 議事日程(第二十条―第二十四条)
第四節 選挙(第二十五条―第三十五条)
第五節 議事(第三十六条―第四十九条)
第六節 秘密会(第五十条・第五十一条)
第七節 発言(第五十二条―第六十九条)
第八節 表決(第七十条―第八十条)
第九節 会議録(第八十一条―第八十五条)
第二章 委員会(第八十六条―第九十八条)
第三章 請願(第九十九条―第百五条)
第四章 辞職及び資格の決定(第百六条―第百十条)
第五章 規律(第百十一条―第百十九条)
第六章 懲罰(第百二十条―第百二十五条)
第七章 議員の派遣(第百二十六条)
第八章 補則(第百二十七条)
附則
第三章 請願
(請願書の記載事項等)
第九十九条 請願書には、邦文を用いて、請願の件名及び趣旨、提出年月日、請願者の住所及び氏名(法人の場合にはその名称及び代表者の氏名)を記載し、押印をしなければならない。
2 請願を紹介する議員は、請願書の表紙に署名又は記名押印しなければならない。
3 請願書の提出は、平穏になされなければならない。
(請願文書表の作成及び配付)
第百条 議長は、請願文書表を作成し、議員に配付する。
2 請願文書表には、請願書の受理番号、請願者の住所及び氏名、請願の件名及び要旨、紹介議員の氏名並びに受理年月日を記載する。
3 請願者数人連署のものは請願者某ほか何人と記載し、同一議員の紹介による数件の内容同一のものは請願者某ほか何人と記載するほかその件数を記載する。
(請願の委員会付託)
第百一条 議長は、請願文書表の配付とともに、請願を、所管の常任委員会又は議会運営委員会に付託する。ただし、議長において常任委員会又は議会運営委員会に付託する必要がないと認めるときは、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、議長が特に必要があると認める請願は、議会の議決で、特別委員会に付託することができる。
3 請願の内容が二以上の委員会の所管に属する場合は、二以上の請願が提出されたものとみなす。
(一部改正〔平成三年議会規則一号〕)
(紹介議員の委員会出席)
第百二条 委員会は、審査のため必要があると認めるときは、紹介議員の説明を求めることができる。
(請願の審査報告)
第百三条 委員会は、請願について審査の結果を次の区分により意見を附し、議長に報告しなければならない。
一 採択すべきもの
二 不採択とすべきもの
2 採択すべきものと決定した請願で、区長その他の関係執行機関に送付することを適当と認めるもの並びにその処理の経過及び結果の報告を請求することを適当と認めるものについては、その旨を附記しなければならない。
(請願の送付並びに処理の経過及び結果報告の請求等)
第百四条 議長は、議会の採択した請願で、区長その他の関係執行機関に送付しなければならないものはこれを送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求することに決したものについてはこれを請求しなければならない。
2 採択及び不採択の結果は、請願者に通知する。
(陳情書の処理)
第百五条 議長は、陳情書又はこれに類するもので、その内容が請願に適合するものは、請願書の例により処理するものとする。