花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「浮世絵猫百景 国芳一門ネコづくし(太田記念美術館)」

2012年08月10日 16時44分02秒 | 趣味(音楽、絵画、等)
浮世絵専門の「太田記念美術館」(東京都渋谷区)で“浮世絵猫百景国芳一門ネコづくし”特別展を見てきました。  (展示は7月26日で終了しました)
中高年が中心に訪れるのだろうと思っていましたが、10代~20代の若い世代も多く、また、外国人の姿も見かけました。今回は特にネコをテーマにした浮世絵ということもあったのかもしれませんが、浮世絵は幅広い世代に人気があることを実感しました。

さて、今回の展示品は、江戸末期の人気浮世絵師である歌川国芳とその門人たちを中心に、歌川(かつて“安藤”と表記されていた)広重、鈴木晴信、渓斎英泉、などの有名な浮世絵師たちが描いたネコの浮世絵の展示で、243点が展示されています。 国芳は無類のネコ好きで、ネコを供養する仏壇まで持っていたと言われています。そんな国芳だからこそ、ネコの愛らしく微妙な仕草を細やかに描くことが出来たのだと思われます。


展示の構成はつぎの通り。

1、猫百変化  :36点    
2、猫の一日  :48点    
3、猫のお化け :20点    
4、猫は千両役者:17点    
5、猫の仕草  :34点    
6、猫の事件簿 :21点     
7、猫のまち  :39点    
8、猫の絵本  :28点    
    計  :243点 


<美術館ホームページより引用>

『古今東西を問わず、私たち人間の最も身近な動物である猫。江戸時代の人々も猫をペットとして可愛がっていました。近年、猫の愛らしい姿を捉えた写真集や動画が人気ですが、それは江戸時代にも同じだった様です。  江戸庶民の生活を活写した浮世絵の中には、飼い主のそばでまどろむ猫、じゃれつく猫の姿を多く見つけることが出来ます。しかし、浮世絵に描かれる猫は、愛らしいだけではありません。説話に登場する恐ろしい化け猫や、人間の様にふるまうユーモアあふれる擬人化された猫たちも大活躍。  そのバラエティー豊かな作品群からは、猫がいかに江戸の人々の生活に溶け込み、そして愛されていたのかが伝わってきます。 近年注目を集める歌川国芳は、そんな猫を愛でる江戸っ子の代表格の一人です。家には常に十数匹の猫を飼っていたと伝えられる国芳が描く猫たちは、いきいきとして愛嬌たっぷり。今回の展示では国芳とその弟子たちの作品をはじめとする浮世絵243点が大集合します。登場する猫はなんと2321匹、人と猫が織りなす豊かな世界は、浮世絵ファンならずとも十分にお楽しみいただけることでしょう。』


<以下の写真は太田美術館のホームページから借用>

歌川国芳 : 「山海愛度図会 七 ヲゝいたい 越中滑川大蛸」  
  ネコが美女にじゃれている姿が実物のように伝わってきます。




月岡芳年 : 「風俗三十二相 うるさそう 寛政年間処女之風俗」  
  ネコをいとおしむ美女と何か言いたげなネコの表情が何とも言えません。

  



歌川国芳 : 「猫の当て字 かつを」  
  ネコを組み合わせて かつを という文字をつくっています。




歌川国芳 : 「小判を集め大猫にする」  
  可愛らしい19匹のネコを組み合わせて大きなネコを描いています。 大猫の表情は
  なんとも不気味です。
  版画の中の文字“猫の子の 小猫を十九あつめつつ 大猫にする絵師のわざくれ”




歌川広重 : 「名所江戸百景 浅草田圃酉の町詣」  
  ネコが窓の桟に遠くの富士山(?)を見ています。なんと思っているのでしょうか。  なにげなく手拭いが置いてありますが、いかにも、浮世絵の大家・広重らしい風情を  感じます。




小林清親 : 「猫と提灯」  
  ネコが提灯で遊んでいる姿が生き生きと描かれています。




歌川国芳 : 「国芳もやう 正札附現金男 野晒悟助」  
  伊達男の着物にドクロが描かれていますが、良く見ると、ドクロは多くの子猫が集ま
  って描かれています。




歌川国芳 : 「流行猫の曲毬」  
  ネコを擬人化して様々な人物に描いています。




落合芳幾 : 「当世見立忠臣蔵」  
  ネコを忠臣蔵の主人公に擬人化して描いています。




歌川国芳 : 「流行猫じゃらし」  
  ネコを擬人化して3人の役者を描いています。




歌川国芳 : 「鏡見山」  
  扇絵で花嫁姿の女性に化けたネコが描かれています。




歌川国利 : 「志んばんねこ尽」  
  実に多くのネコが描かれています。中央の大きなネコは怖そうな顔をしています。




(作者不明): 道化肴市場  
  魚市場の慌しい様子と中央に魚めがけて集まる大くのネコが描かれています。




歌川国芳 : 「荷宝蔵壁のむだ書」  
  繊細な絵から一転して単純な線で描かれています。中央部のネコが赤塚不二夫の漫画
  に出てくる“ニャロメ“そっくりです。





(2012年8月10日 花熟里)
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