「唱歌・童謡・名歌を歌う会」の6月例会に行って来ました。 今回は梅雨の時期に因んだ曲(雨降り、てるてる坊主、雨、雨降りお月、蛙の笛)など5曲を始め、16曲を歌いました。No.6の「雨(北原白秋作詞、弘田龍太郎作曲)」は、歌詞が5番までありますが、すべて“雨がふります 雨がふる”ではじまります。特に5番の歌詞は“雨がふります 雨がふる 昼もふるふる 夜もふる 雨がふります 雨がふる”となり、梅雨の“じめじめしたうっとおしさ”が感じられます。すばらしい描写です。 私が子供の頃は北原白秋がこの歌詞で表現したようなうっとおしい毎日が続いていましたが、昨今は梅雨入りしてもカラ梅雨の年が多いです。梅雨の時期はいやなうっとおしい季節というのは、今の子供には実感できないのだろうと思います。
1、港(旗野十一郎・林柳波作詞、吉田信太作曲)
2 かっこう(大浦正美作詞・ドイツ曲)
3、かたつむり(作詞・作曲者不詳)
4、雨降り(北原白秋作詞、中山晋平作曲)
5、てるてる坊主(浅原鏡村作詞、中山晋平作曲)
6、雨(北原白秋作詞、弘田龍太郎作曲)
7、雨降りお月(野口雨情作詞、中山晋平作曲)
8、蛙の笛(齋藤信夫作詞、海沼実作曲)
9、ほたるこい(わらべうた、坊田かずま編曲)
10、ないしょ話(結城芳夫作詞、山口保治作曲)
11、ゆりかごの歌(北原白秋作詞、草川信作曲)
12、みかんの花咲く丘(加藤省吾作詞、海沼実作曲)
13、大きな古時計(ヘンリー・ クレイ・ワーク作曲、保富康午作詞)
⒕、モーツアルトの子守歌(ベルンハルト・ フリース作曲、堀内敬三作詞)
15、花の街(江間章子作詞、團伊玖磨作曲)
16、フニクリフニクラ(清野協・青木爽訳詩、デンツア作曲)わらべうた
「雨降りお月」は、雑誌『コドモノクニ』の大正14年(1925年)正月号に野口雨情の「雨降りお月さん」(中山晋平の譜面付き)が発表されました。上記歌詞の一番の部分です。大好評だったので、3月号に「雲の陰」を発表しますが、『雨降りお月さん』の続きと紹介しています。これは、上記歌詞の二番の部分です。昭和4年にレコード化された時には、「雨降りお月~雲の陰」として、この2つの曲が1つの曲のように収録されています。1番と2番は、よく似たメロディですが、2番は歌詞のアクセントに合わせ高低を変えたメロディになっており、1番と2番とではメロディが微妙に異なっています。歌い方がなかなか難しくなっており、正確に歌うにはピアノの伴奏をよく聞かなければならないと感じました。
さて、『お嫁にゆくときゃ 誰とゆく ひとりで傘(からかさ) さしてゆく』という歌詞は不思議な情緒を感じます。日本では嫁入りの時には、一般的には、“嫁入り行列”が組まれていたと思いますし、現に雨情の婚姻の時にも、(現在の)栃木県さくら市喜連川から高塩武の三女ヒロが、白無垢で馬の背にゆられながら花嫁行列で、(現在の)茨城県北茨城市磯原にある野口家の大門の前まできました。大門の前には、大きな菊水の提灯を掲げて、雨情をはじめ多くの村人がヒロの到着を迎えたと言われています。(出典「さくら市ゆかりの詩人 野口雨情」企画展図録)
雨情は、「雨降りお月」の詩を作るにあたって、自分の婚姻の時の様子を思い浮かべたとも言われていますが、「花嫁が一人で嫁入りする」という情景は何とも物悲しいものがあります。この辺りの雨情の心情やいかに、と思います。
なお、この歌は、平成19年(2007年)に『日本の歌百選』に選ばれています。
「雨降りお月」
作詞:野口雨情、作曲:中山晋平 「大正14年(1925年)」
(一)(雨降りお月さん)
雨降りお月さん 雲の蔭
お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
ひとりで傘(からかさ) さしてゆく
傘(からかさ)な いときゃ 誰とゆく
シャラシャラ シャンシャン 鈴付けた
お馬にゆられて 濡れてゆく
(二)(雲の蔭)
いそがにゃお馬よ 夜が明けよ
手綱の下から ちょいと見たりゃ
お袖でお顔を 隠してる
お袖は濡れても 干しゃ乾く
雨降りお月さん 雲の蔭
お馬にゆられて 濡れてゆく
〆
1、港(旗野十一郎・林柳波作詞、吉田信太作曲)
2 かっこう(大浦正美作詞・ドイツ曲)
3、かたつむり(作詞・作曲者不詳)
4、雨降り(北原白秋作詞、中山晋平作曲)
5、てるてる坊主(浅原鏡村作詞、中山晋平作曲)
6、雨(北原白秋作詞、弘田龍太郎作曲)
7、雨降りお月(野口雨情作詞、中山晋平作曲)
8、蛙の笛(齋藤信夫作詞、海沼実作曲)
9、ほたるこい(わらべうた、坊田かずま編曲)
10、ないしょ話(結城芳夫作詞、山口保治作曲)
11、ゆりかごの歌(北原白秋作詞、草川信作曲)
12、みかんの花咲く丘(加藤省吾作詞、海沼実作曲)
13、大きな古時計(ヘンリー・ クレイ・ワーク作曲、保富康午作詞)
⒕、モーツアルトの子守歌(ベルンハルト・ フリース作曲、堀内敬三作詞)
15、花の街(江間章子作詞、團伊玖磨作曲)
16、フニクリフニクラ(清野協・青木爽訳詩、デンツア作曲)わらべうた
「雨降りお月」は、雑誌『コドモノクニ』の大正14年(1925年)正月号に野口雨情の「雨降りお月さん」(中山晋平の譜面付き)が発表されました。上記歌詞の一番の部分です。大好評だったので、3月号に「雲の陰」を発表しますが、『雨降りお月さん』の続きと紹介しています。これは、上記歌詞の二番の部分です。昭和4年にレコード化された時には、「雨降りお月~雲の陰」として、この2つの曲が1つの曲のように収録されています。1番と2番は、よく似たメロディですが、2番は歌詞のアクセントに合わせ高低を変えたメロディになっており、1番と2番とではメロディが微妙に異なっています。歌い方がなかなか難しくなっており、正確に歌うにはピアノの伴奏をよく聞かなければならないと感じました。
さて、『お嫁にゆくときゃ 誰とゆく ひとりで傘(からかさ) さしてゆく』という歌詞は不思議な情緒を感じます。日本では嫁入りの時には、一般的には、“嫁入り行列”が組まれていたと思いますし、現に雨情の婚姻の時にも、(現在の)栃木県さくら市喜連川から高塩武の三女ヒロが、白無垢で馬の背にゆられながら花嫁行列で、(現在の)茨城県北茨城市磯原にある野口家の大門の前まできました。大門の前には、大きな菊水の提灯を掲げて、雨情をはじめ多くの村人がヒロの到着を迎えたと言われています。(出典「さくら市ゆかりの詩人 野口雨情」企画展図録)
雨情は、「雨降りお月」の詩を作るにあたって、自分の婚姻の時の様子を思い浮かべたとも言われていますが、「花嫁が一人で嫁入りする」という情景は何とも物悲しいものがあります。この辺りの雨情の心情やいかに、と思います。
なお、この歌は、平成19年(2007年)に『日本の歌百選』に選ばれています。
「雨降りお月」
作詞:野口雨情、作曲:中山晋平 「大正14年(1925年)」
(一)(雨降りお月さん)
雨降りお月さん 雲の蔭
お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
ひとりで傘(からかさ) さしてゆく
傘(からかさ)な いときゃ 誰とゆく
シャラシャラ シャンシャン 鈴付けた
お馬にゆられて 濡れてゆく
(二)(雲の蔭)
いそがにゃお馬よ 夜が明けよ
手綱の下から ちょいと見たりゃ
お袖でお顔を 隠してる
お袖は濡れても 干しゃ乾く
雨降りお月さん 雲の蔭
お馬にゆられて 濡れてゆく
〆