ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

悲しいことばっかり / RCサクセション

2017年02月14日 | ロック(日本)

悲しいことばっかり (オフィシャル・ブートレグ) / RCサクセション (2013)

RCサクセションのオフィシャル・ブートレッグ「悲しいことばっかり」。まだ3人組だった1972~1973年頃のRCの貴重なライヴ音源。メンバーは、忌野清志郎(Vo. G.)、林小和生(B.)、破廉ケンチ(G. Vo.)。もちろん公式録音ではなくカセットテープによる隠密録音で、一部は以前に雑誌「ロック画報」10号の付録CDで発表されていた。晴れて21曲入りのアルバムとなって登場。ライヴ会場は「渋谷ジァンジァン」や「渋谷青い森」とのこと。前述の雑誌を購入した時には全然気付いていなかったが、ライナーノーツを呼んで驚いた。この貴重な録音を残したのは作家の太田和彦氏。酒呑みには有名だが「居酒屋大全」など居酒屋に関する著作が多く、自分もほとんどの著作を所有している。昔、RCのライヴに足繁く通い、楽屋にも招かれたりしたそうだ。清志郎の没後に自分が隠密録音していたカセットテープを清志郎の所属事務所に寄託し、発売と相成ったらしい。

のっけからスゴイ。清志郎が小さい頃に産みの親を亡くしていたことを知ったのはずいぶん後になってからだったが、もう最初期にこんなに赤裸々に歌詞にしていたとは…。どの曲もストレートで、激しく、でも彼にしか書けなかった歌。MCが聴けたりする曲もあるが、辛辣で、ひねくれていて、なんと反社会的な奴だろう(笑)。その姿勢は、まさにパンク。当時の彼らはもちろん”フォーク”にジャンル分けされていたが、これはやっぱり、違う。録音状態から想像出来るように音は決して良いとは言えないが、思っていたよりも悪くない。リマスタリングされた時にかなり調整はあったと想像するが。むしろこの音質だからこその迫力やリアルさがあり、聴いていると胸がザワザワと落ち着かなくなる。こんなライヴを実際に体験したのなら人生変わってしまうだろう(実際に太田氏は変わったようだ)。

 

時々あんたを恨んだりして僕はこうして今日まで生きてきた (黄色いお月様)

たとえ愛していたとしても君は君だろ? あの娘にはなれないくせに (愛してくれるなら)

いつわりとあやまちの上に築きあげた幸福を 大事そうに抱きしめていつでも震えてる (マイホーム)

汚れた心しかあげられないとあの娘は泣いていた きれいじゃないか (ぼくとあの娘)

あの娘とはただの遊び 遊びでやったのさ (あそび)

これからはいかにも悲しい顔をして みんなの前でも泣いて見せるよ (悲しいことばっかり)

一番変わってしまったのはぼくなのです (ぼくの家の前の道を今朝も小学生が通います)

もしも僕が偉くなったなら 偉くなかった頃を忘れないさ (もしも僕が偉くなったら)

おもしろくもない事をおもしろそうに それが仕事なので無理に笑っています (仕事なので)

利己主義で高慢でどうしようもない人さ だけど怖いから何にも言えないよ 干されたら大変さ (わるいディレクター)

ぼくはあの街に二度と行かないはずさ ぼくの心が死んだところさ そしてお墓が建っているのさ (お墓)

嘘で固めるのさ 一日を嘘で固めるのさ (一日)

(※カッコ内は曲名)

 

こんな言葉を吐いて音楽にのせられる奴がそうそういるだろうか?

 

オークションにて購入(¥1,576)

  • CD (2013/5/3)
  • Disc : 1
  • Label : ユニバーサルミュージック

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