ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Complete Studio Albums 1970-1990 / ZZ Top

2013年12月29日 | クラシック・ロック

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The Complete Studio Albums 1970-1990 / ZZ Top (2013)

最近多くなったコンプリート・アルバム・セット。キャリアのあるアーティストの既発アルバムをレーベル毎に紙ジャケットで再現し、ボックスに収納したもの。ファンにはもちろん、これからそのアーティストを掘り下げていこうという方には1枚づつ集めるよりも手っ取り早いし、何しろ1枚当たりのコストはとても安くあがるので嬉しい。この作品なんて1枚当たり300円ちょっと。ボックスで紙ジャケがまとまっていると壮観だしね。

でもいいところばかりかと言えばそうでもない。こういったセットの場合、時代を共にしてきたアーティストを振り返るためならいざ知らず、これから聴き始めようとする者にとってはどうしてもアルバム単体への思い入れが小さくなるし、いっぺんに揃ってしまうので手にとってもその時の空気感まで記憶されない。ちょっと説明が分かりづらいかもしれないが、買おうかどうしようか悩んでやっと手に入れたアルバムというのは、買った時の自分の年齢、環境、心情、値段に至るまで結構覚えているものなのだ(自分の場合、特にアナログ・レコードは所有する約1000枚のほとんどでそういった内容を思い出す事が出来る)。特にこういったコンプリート・アルバム物は聴き方も雑になり、手に入れただけで聴いた気になってしまう。

このZZトップ(ZZ Top)の場合、自分は80年代前半から時代を共有したし、過去にさかのぼってアルバムもほとんどを集めたので、ちゃんとアルバム順も把握出来ているし、思い入れも強い。初めて聴いたのはテレビ朝日系(こちらでは名古屋テレビ)の洋楽番組、小林克也の「ベスト・ヒットU.S.A.」で紹介されたのを見たのが初めてだったと思う(ステージ上に生きたバッファローがのぼる事もある凄い実力派ブルース・バンド…と紹介されていた記憶が…)。それとも83年のMTVのビデオ・クリップ「Sharp Dressed Man」が先だったか。すぐにレコード屋へ買いに行ったが、自分の街にはもちろんなく、名古屋市中心部のレコード屋までいっても店員は名前さえ知らなかった。その後輸入盤も扱っていた店で見かけたが、その頃はまだ輸入盤の事をよく知らずに買う勇気がなく、結局レコード屋で取り寄せてもらい、当時名古屋市中心部である栄で働いていた姉貴に買ってきてもらったと記憶している。70年代の昔からのファンにはあのMTV時代のZZトップには違和感があるかもしれないが、自分にはPVも含めて痛快だった。アルバム「Eliminator」収録曲のPVでのセンスの良さと、LPジャケットのお世辞にもかっこいいとは言えない垢抜けなさが印象的だった。

amazonにて購入(¥3,109)

  • CD (2013/6/11)
  • Disc: 10
  • Format: CD, Box set, Import
  • Label: Wea/Rhino

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    4 コメント

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    ハリー様 (GAOHEWGII)
    2014-01-03 11:51:02
    ハリー様

    こんにちは。
    あけましておめでとうございます。

    このシリーズは(紙ジャケはペラペラですが)お買い得ですよね。
    1枚300円ですか。

    確かにアルバム単位での思い入れは少なくなるかも。
    1枚300円でも大事に聴こうと訴えるしかないかと。

    それに、新品CD自体が今は高すぎる気がします。
    返信する
    GAOHEWGII様、 (ハリー)
    2014-01-05 21:48:03
    GAOHEWGII様、

    >新品CD自体が今は高すぎる気がします

    (おいくつか存じませんが)私のガキの頃はLP1枚が2500円~2800円しましたんで、
    どのLPを購入するかは必死に悩んだものです。ですから今の音楽媒体の値段は
    (自分のよく買う激安中古は別としても)安過ぎて夢のようですよ。アーティストには
    申し訳ないですが…。

    だから結果的に適当に買い漁り散財してしまっていますし、思い入れがないのも
    自業自得なんです(笑)。分かってはいるのですが…。
    返信する
    ハリー様 (GAOHEWGII)
    2014-01-09 17:56:21
    ハリー様

    こんばんは

    ちょっと言葉が足りませんでした。
    ごめんなさい。

    僕の頃はCDに移行していてやはり値段は3000くらいでした。
    今は確かに廉価盤がたくさん出ていますし、
    そちらでは安くなったと言えますね。

    高すぎ、というのは現在の新譜についての発言で、
    洋楽は2500くらいがマックスだとは思うのですが
    邦楽は2800~3000くらいで固定してしまっていることに
    対してのものです。

    この廉価盤までとは言いませんが、
    もうちょっと安くしたほうが
    若者が音楽に触れやすいのではないか、と思ったためでした。

    横道へそれてしまい申し訳ありません。
    返信する
    GAOHEWGII様、 (ハリー)
    2014-01-16 16:08:11
    GAOHEWGII様、

    こちらこそ言葉足らずで申し訳ありません。輸入盤と激安中古ばかり買っておいて何言ってんだと
    笑い飛ばして下さい(笑)。

    >>邦楽は2800~3000くらいで固定

    なるほどこのデフレの時代に邦楽の新譜は高いままですよね。25年前と変わらない値段。
    私はめったに国内盤は買わないのですが。でも日本では某女性大集団アイドルとかがばんばん
    売れるたりするのでレコード会社も強気なのかな。

    つくづく学生の頃はよくあんな高いものをなけなしの小遣いから買ったなぁ…と思います。

    それにしてもGAOHEWGIIさんのブログの音楽的知識と興味の幅はものすごいですね!
    自分位のメジャーなものしか聴いていないヒヨッコレベルでも嫁さんのあきれ度は相当なもんですが、
    次からGAOHEWGIIさんのブログを見せようかな(笑)。
    返信する

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