岐阜県各務原市鵜沼宝積寺町にある重要文化財、川上貞奴の別荘「萬松園」を予約して見学。その後に向かったのは木曽川を渡った愛知県犬山市の城下町にある蕎麦の「野和」。確か別の場所で類焼に遭ってこちらに移って来たんじゃなかったかな。店の横の駐車場に車を入れて店内へ。空いていた入口近くの土間の小テーブル席に腰掛けた。給仕は中年女性2人。お願いしたのは「二八せいろ蕎麦」。
程なくして「二八せいろ蕎麦」が運ばれた。刻みネギと山葵は別皿に。蒸籠に拡げられた少し緑色っぽく見える細切りの蕎麦は張りがあって喉越しの良いもの。旨い。蕎麦粉の産地が書いてあったと思うが失念。意外と量もある。つゆは色濃いが辛汁という程ではない。ささっと手繰って蕎麦湯をもらう。とろみのある蕎麦湯をつゆに加えて飲み干して勘定してもらった。(勘定は¥1,023)
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↓ 酷暑の下、岐阜県各務原市鵜沼宝積寺町にある国の重要文化財、旧川上家別邸「萬松園」(昭和8年・1933・建造◇)を見学。月に1度程度公開されているようだが予約が必要(有料)。この日は平日だったが、なかなか機会が無いので申し込んでみた。この日集まったのは6名程度。さすがに平日だし暑すぎるか。案内役の方が邸内を丁寧に説明してくれる。
敷地は1,000坪、建坪は150坪だそう。木曽川を望む鋳鉄製瓦を用いた建物で、茶室、客室、洋間など26部屋あるとのこと。保存状態が良く、ほとんど建築当時の姿を残しているのだとか。貞奴はこの建物を全て自己の財産を用いて建て、配偶者伴侶の電力王・福澤桃介の資金は借りていないとのこと。下世話な話だが、建築費用は現在の貨幣価値で20ウン億円だそう。
どの部屋も全て貞奴自身の指示のもと同じ意匠の部屋は無く、細部に至るまでこだわって造られている。当時最先端だったボイラーや水洗トイレも備え、電気のスイッチ類やコンセントも隠し扉の中に配置。電力事業に携わっていて電気の素晴らしさを誇示するために来客の際には建物中の照明を点灯したのだとか(笑)。
建築当時は窓の外に木曽川が一望出来たが、所有者が変わった際に木が植えられてしまったのだとか。にしてもこんな川縁で一度も洪水に遭わなかったのかな。
他の残存する近代建築と同様に、この時代の各部屋の照明は全てワンオフ。個性ある照明器具を見ているだけでも楽しい。その凝りように当時の有力者の計り知れないパワーを感じる。
鉄製の瓦やガラス製の庇(写真下3枚)など、他で見られない意匠が採用されているが、現在まで壊れずに維持されているというのだから凄い。
この日の外気温は38℃。もちろん冷房は無いので暑いのなんの。案内の方も夏の暑さと冬の寒さはとんでもないと仰っていた。最後に庭を案内してもらう頃には他の参加者は帰ってしまっていて案内者と2人きりに…(苦笑)。
↓ 同敷地にある「迎賓館サクラヒルズ川上別荘・迎賓館 (旧・後藤恕作邸)」(大正13年・1924・建造、移築)◇。元は東京の後藤毛織経営者の別荘として建てられた建物。移築されたのは一部で、移築前は荒廃した状態だったそう。経緯からいくと内部がどの程度当時のまま再現されているかは不明だが、洋風の豪華な意匠を観ることが出来る。現在はブライダル施設として利用されている(※普段の見学は不可のようです)。
↓ 入口脇の象2体も建築当時から置かれていたものだそう。
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手打ち蕎麦 野和
愛知県犬山市東古券588-3
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( 犬山 いぬやま 各務原 かかみがはら 鵜沼 うぬま のわ そば 手打ちそば 近代建築 洋風建築 国指定重要文化財 かわかみさだやっこ ばんしょうえん 川上別邸 )
福澤桃介の妻は経済的にも悲惨な晩年をおくったようですね。
>「配偶者」とは呼べない
そうですね。”伴侶”と書くべきでした。訂正します。ご指摘ありがとうございます。