World Gone Wrong / Bob Dylan (1993)
アルバム・ジャケットには頓着しない(としか思えない)ディラン(Bob Dylan)のアルバムで、このアルバムのジャケットは好きだな。ジャケット写真はビデオ撮影のセッションで撮られたようで、PV「Blood In My Eyes」で見る事が出来る。山高帽を被り、革手袋に杖という姿のディランが、街で気さくにサインに応じる姿がモノクロで捉えられている。実際にはある時期から彼からはサインを簡単に貰えないんだとか。サインが売られるようになってから、ファンであっても簡単に応じてくれないとのレポートを読んだ事がある。来日時だったか、駅かどこかでサインをせがむファンに向かって淡々とサインしない理由を繰り返し述べて拒否し続けたんだとか。
シンプルなギターとハーモニカの演奏に、淡々と歌われるディランの枯れた声が印象的なアルバム。前作と同様にアコースティックでのカヴァーで、この頃から以前のような変な抑揚が無くなり、歳をとったなりの彼の声の魅力が味わえるようになってくる。発売当時は安易な企画だとか、作曲意欲が無くなっただとか、賛否で言うと「否」の方がやや強かった覚えがある。ただ、この頃からディランは達観したというか、別の次元へ行ったというか、やりたい事を淡々とやるといった雰囲気を発していたので、まさにこの頃はカヴァーにハマっていただけなのかもしれない。自分はこの雰囲気、かなり好きです。ロックじゃなくてもディランはかっこいい。
中古店にて購入(¥388)