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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Story Of Treasure Isle / Various Artists

2022年03月26日 | レゲエ・スカ

The Story Of Treasure Isle (2004)

何で知ったか思いだせないが、その渋い選曲に魅せられて手に入れたジャマイカン・ミュージックのコンピレーションCD2枚組。副題に”Reggae, Ska & Rocksteady Classics”とある通り、レゲエ前史にも焦点を当てた選曲で、一般的にはあまり有名でないがジャマイカ音楽史を語る際に重要なアーティストも多数収録していて興味深い。収録曲とアーティストは以下の通り。

1-01 Phyllis Dillon - Don't Stay Away
1-02 The Jamaicans - Ba Ba Boom
1-03 Dennis Alcapone - Ba-Ba-Ri-Ba Skank
1-04 The Sensations - Baby Love
1-05 Dennis Alcapone - DJ's Choice
1-06 The Paragons feat. Roslyn Sweat - Blackbirds Singing
1-07 Alton Ellis - Dance Crasher
1-08 Dotty & Bonny feat. Don Drummond - Dearest
1-09 Phyllis Dillon - Don't Touch Me Tomato
1-10 Alton Ellis - Girl I've Got A Date
1-11 Derrick & Patsy - Housewife's Choice
1-12 Joya Landis - Angel Of The Morning
1-13 Alton Ellis - La La Means I Love You
1-14 Freddie McKay - Love Is A Treasure
1-15 The Paragons feat. Roslyn Sweat - Mother Nature
1-16 Dobby Dobson - Loving Pauper
1-17 Joya Landis - Moonlight Lover
1-18 Phyllis Dillon - Love The One You're With
1-19 U Roy - Behold
1-20 Tommy McCook & The Skatalites - Eastern Standard Time
1-21 Justin Hinds & The Dominoes - Carry Go Bring Come
1-22 Baba Brooks - Musical Communion
1-23 The Skatalites feat. Don Drummond - Mesopotamia
1-24 Shenley Duffus - Rukumbine
1-25 Justin Hinds & The Dominoes - Rub Up Push Up
1-26 The Skatalites - Musical Storeroom

2-01 Claudette Miller  Tonight Is The Night
2-02 Alton Ellis - Willow Tree
2-03 Phyllis Dillon - The Love That A Woman Should Give A Man
2-04 The Techniques - There Comes A Time
2-05 The Tennors - Weather Report
2-06 The Paragons - The Tide Is High
2-07 The Techniques - Queen Majesty
2-08 Ken Parker - True True True
2-09 The Paragons - On The Beach
2-10 Tommy McCook & The Supersonics - Mabrak
2-11 Dennis Alcapone - No. 1 Station
2-12 The Skatalites feat. Don Drummond - Occupation
2-13 The Paragons - Only A Smile
2-14 Errol Dunkley - Where Must I Go
2-15 Phyllis Dillon - Woman Of The Ghetto
2-16 Alton Ellis - Why Birds Follow Spring
2-17 The Gladiators - You Were To Be
2-18 Justin Hinds & The Dominoes - Sinners
2-19 U Roy  & Hopeton Lewis - Tom Drunk
2-20 The Techniques - You Don't Care
2-21 Phyllis Dillon - Perfidia
2-22 Alton Ellis - Rocksteady
2-23 Clive & Doreen - What More Can I Do?
2-24 Monty Morris & Tommy McCook - Penny Reel
2-25 Stranger Cole - Rough & Tough
2-26 The Skatalites feat. Don Drummond - Feeling Fine

レゲエは元々土着の音楽とか民族音楽という訳ではなく、それらが60年代にアメリカなどからラジオで流れてくるR&B等に影響を受けて発展していった比較新しいポピュラー音楽なので、ここに収録されているのも60年代の曲ばかり。大雑把に言うと、スカ~ロックステディ~レゲエという流れで発展していく。どれがどれっていうのは自分もはっきりとは指摘出来ないが、大体60年代初期から中期がスカ、中期から後期がロックステディ、そしてレゲエというのが一般的な認識か。自分は一時期凝ってこの辺りのレコードをかなり集めて聴いていたので、ここに収録されているスカタライツ(The Skatalites)はもちろんのこと、デニス・アルカポーン(Dennis Alcapone)やユー・ロイ(U Roy)、アルトン・エリス(Alton Ellis)なんかはコンピ盤に収録されていてよく聴いた。ただやはり一般的にはメジャーとは言い難い。後のボブ・マーリー(Bob Marley)らのように反体制的な歌詞の音楽も含まれているが、そうばかりではない牧歌的な曲やラヴ・ソングも多い。にしても最近はこういうある種マニアックな曲を手に入れるのが本当に簡単になったなァ。聴こうと思えばYouTubeなんかですぐに聴けるし。幸せではあるけれど…。

amazonにて購入(¥351)

  • Label ‏ : ‎ Metro Music
  • ASIN ‏ : ‎ B0002OHZH0
  • Disc ‏ : ‎ 2
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Trojan Jamaican Hits Box Set / Various Artists

2021年09月02日 | レゲエ・スカ

Trojan Jamaican Hits Box Set / Various Artists (2000)

英Trojanから沢山出ているレゲエ、スカのボックスセット。いくつか所有しているが、今回購入したのは「Jamaican Hits」と題された3枚組。このシリーズ、詳細なライナーは無く、紙スリーブに入ったCDが3枚ボックスに入っているだけなので、これがジャマイカでヒットした曲なのか、ジャマイカ人のヒット曲なのかはよく分からないのだが、昔からよくレゲエやスカを聴いている自分でもあまり知らないアーティストが並んでいる。数えてみたら名前だけでピンとくるアーティストはのべで20組弱だったから3分の1しか知らない事になる。収録曲とアーティストは以下の通り。

Disc 1

1-01 Derrick Morgan – Fat Man
1-02 The Mellow Larks – Time To Pray
1-03 Eric 'Monty' Morris – Humpty Dumpty
1-04 Derrick Morgan & Patsy Todd – Housewives Choice
1-05 Lloyd Brevett – One More Time
1-06 Desmond Dekker  Honour Your Mother & Father
1-07 Lord Tanamo  Come Down
1-08 Carlos Malcolm & His Afro-Jamaican Rhythms – Bonanza Ska
1-09 Stranger Cole & Patsy Todd – Yeah Yeah Baby
1-10 Winston Samuels – Be Prepared
1-11 Joe White & Chuck – Every Night
1-12 Justin Hinds & The Dominoes – Try Me
1-13 Delroy Wilson - I'm In A Dancing Mood
1-14 The Techniques – You Don't Care
1-15 Roy Shirley – Hold Them
1-16 The Paragons – Only A Smile
1-17 The Kingstonians – Winey Winey

Disc 2

2-01 Ken Boothe – Lady With The Starlight
2-02 The Maytals – 54-46 That's My Number
2-03 Desmond Dekker & The Aces – Intensified '68 (Music Like Dirt)
2-04 The Pioneers – Long Shot
2-05 The Melodians – It Comes And Goes
2-06 Rudy Mills  Long Story
2-07 The Ethiopians – Everything Crash
2-08 Stranger Cole & Lester Sterling – Bangarang
2-09 Winson Delano Stewart  Dance With Me
2-10 Bob Andy – Games People Play
2-11 Slim Smith – Everybody Needs Love
2-12 Roland Alphonso – A Thousand Tons Of Megaton
2-13 Johnny Osbourne & The Sensations – Come Back Darling
2-14 Pat Kelly – How Long
2-15 Little Roy – Bongo Nyah
2-16 The Hippy Boys – Doctor No Go

Disc 3

3-01 U. Roy & John Holt – Wear You To The Ball
3-02 Derrick Harriott & The Chosen Few – Psychedelic Train
3-03 Carl Dawkins – Satisfaction
3-04 Bob Marley & The Wailers – Trenchtown Rock
3-05 John Holt – Stick By Me
3-06 Willie Francis – Oh What A Mini
3-07 The Fabulous Five – Come Back And Stay
3-08 Lloyd Parks – Officially
3-09 Ken Parker – Jimmy Brown (Aka The Three Bells)
3-10 The God Sons – Merry Up
3-11 Junior Byles – Beat Down Babylon
3-12 Winston Scotland – Buttercup
3-13 Jackie Brown – One Night Of Sin
3-14 Alton Ellis – Big Bad Boy
3-15 Brent Dowe – Build Me Up
3-16 Big Youth – Cool Breeze
3-17 Dennis Brown – Westbound Train

このボックス・セット・シリーズが出始めたのは90年代頃だったと思うけれど、貴重な音源が高音質で多数収録されていて驚いた。どういう権利関係で急に市場に出回り始めたのかは知らないが、一部の有名アーティストを除いて昔からジャマイカ録音の曲は音質なんか二の次、みたいな劣悪なレコードや音の悪い編集盤ばかりだったので、そのクリアさとカタログの豊富さに圧倒された。マスターの管理がしっかりしていたのかな。調べてみたら2007年までに70余りのタイトルが発売されている。先に述べた通りインフォメーションは素っ気ないので、あまり収録アーティストのことが分からないのはもどかしい。インターナショナルにヒットした有名曲を除くとシンプルで素朴な曲も多く、全てジャマイカでヒットしたのかどうか分からないが、アイデア溢れるベースラインや独特のリズムに身を任せ、3枚組という物量を浴びながら流して聴く分には最高だ。

オークションにて購入(¥887)

  • Label ‏ : ‎ Trojan Records (UK)
  • ASIN ‏ : ‎ B00004TFB6
  • Disc ‏ : ‎ 3
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Wail'n Soul'm Singles Selecta / Bob Marley and The Wailers

2021年01月24日 | レゲエ・スカ

Wail'n Soul'm Singles Selecta / Bob Marley and The Wailers (2005)

ご存じボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley and The Wailers)がアイランド・レコーズから世界デビューする前にジャマイカで録音され、自身のレーベル「Wail'n Soul'm」から発売された楽曲のシングルを集めたCD。いわゆる”JAD”のカタログだ。1967年から68年の録音だそう。この辺りはジャマイカならではの混沌(プロデューサーの搾取)があり、カタログをしっかりと把握するのは難しい。近年になってボブの版権が遺族によって整理されてからも後から後から色んな盤が色んな会社から発売されるし、それがオフィシャルなのか、データも正確なのかどうか判断しづらい。バンド名も当時のシングル盤には「Bob Marley and The Wailing Wailers」と記されていたりするし、演奏は元スカタライツ(Skatalites)のメンバーらでスタジオ・ワンのハウス・バンドだった「The Soul Brothers」とあったりすることもあるが、実際そうだったのかよく分からない。

ただ音楽はそんな混沌とは別に素晴らしい。アイランド期に発売された彼の有名曲は多くがこの時期までに録音された楽曲のリメイクなので、その原曲を知るという楽しみもある。当然だがよりナチュラルで、より裸のアレンジで聴くことが出来、アイランド期に勝るとも劣らない輝きがある。スカの跳ねるようなリズムから、グッと腰を落とした後の典型的な70年代レゲエのリズムとの過渡期とも言えるかな。もちろん当時は付いたり離れたりを繰り返して不安定な関係だったというピーター・トッシュ(Peter Tosh)やバニー・ウェイラー(Bunny Wailer)の歌も聴け(女性の声はリタかな)、世界に飛び立つ前の戦略的なオーバーダブ無しのウェイラーズの姿がここにある(→アイランドではより白人受けするようにロック的なギター等がオーバーダブされた)。もちろんアイランド期のウェイラーズも素晴らしいが、こちらもお勧め。自分はまだこの頃のボブ・マーリーのディスコグラフィーがちゃんと把握出来ていないが、奇才リー・ペリー(Lee “Scratch” Perry)と短期間組むのはこの後になるのかな?

オークションにて購入(¥567)

  • Label : Universal UK
  • ASIN : B000AA5X20
  • Disc : 1
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Encore (Deluxe Edition) / The Specials

2019年10月04日 | レゲエ・スカ

Encore (Deluxe Edition) / The Specials (2019)

今年まさかのオリジナル・アルバム「Encore」を発表したスペシャルズ(The Specials)。こちらはそのニュー・アルバムにライヴ盤が付いた2CDデラックス・エディション。テリー・ホール(Terry Hall)を加えて再結成したのが2009年だから、再結成後10年も経ってからのオリジナル・アルバム発表には驚いた。しかも全英チャートで1位になったというのだからすごい。オリジナル・メンバーはもう3人のみ。

で、肝心の音はどうかというと…、これがなかなかいい。こんなに素敵に仕上がっているとは思わなかったので嬉しい驚き。もう年齢が年齢なので溌剌としたスカを期待すると外れるが、雰囲気としてはシングル「Ghost Town」('81)からスペシャルAKA名義の「In The Studio」('84)辺りのちょっとしっとりと落ち着いた都会的な感じ。当時ヒットした1981年の以降は参加していなかったテリーだが、元々のクールな(クール過ぎる…)歌い方はそのままに、当時と変わらず様々な社会問題(自身の鬱の問題までも)を歌詞にのせている。いまだに当時と変わらない問題があるという世界の現実はなかなか厳しいが、気負うことなく(つまり大袈裟にメッセージを唱えることなく)彼ららしいクールさで音楽とマッチさせていて完成度は高い。

2枚目は再結成後の2014年パリと2016年ロンドンでのライヴ音源。オリジナル・ドラマーのJohn Bradburyが無くなったのが2015年なので、2016年の音源(3、6、8、12)では新しいメンバーのGary Powellが叩いているようだ。有名曲に加えてボブ・マーリー(Bob Marley )の「Redemption Song」とルイ・アームストロング(Louis Armstorng)で有名な「All The Time In The World」の2曲が加えられている。特別出来のいいライヴでもないし、この頃の映像を見ると齢を重ねたテリーの相変わらずの仏頂面に引いてしまうが(笑)、音だけ聴いていると十分に楽しめる。

オークションにて購入(¥1,550)

  • CD  (2019/2/19)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label: UNIVERSAL
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Masterpiece Sound Trojan Mix / Various Artists

2019年07月24日 | レゲエ・スカ

Masterpiece Sound Trojan Mix / Various Artists (2005)

どういう企画のCDなのかいまいちよく分からないが、レゲエの名曲をノンストップで繋いだミックスCD。ジャケットのデザインはマリファナ・ネタで有名な米コメディアン、チーチ&チョン(Cheech & Chong)のセカンド・アルバム「Big Bambu」('72)のパロディだ。具体的に誰が選曲してミックスしているのかよく分からないのだが、スカ、レゲエの老舗レーベル「Trojan」の音源を使ったノンストップCD。贅沢に使っている音源が”超”の付く大物アーティスト、”超”の付く有名曲ばかりなので、”The Best Of Reggae”と言っても過言ではないような選曲になっている。Trojanは2001年に英Sanctuary Recordsに買収されてから数えきれないほどのコンピ盤やミックスCD等の企画盤をCDで出したので、これもそんな企画の1枚だろうか。

オールドスクールなレゲエばかりでダンスホール期の曲も入っておらず、リズムや曲調としては共通項が少ない曲群で、SEを間に挟んだりしてちょっと強引に寄せ集めてみました的な印象もあり、ミックスとしての完成度は正直高くなく、繋げて1枚にした意味は正直あまり感じられない。”Trojanの音源を自由に使えたらこんなに贅沢なこと出来ますヨ”っていうサンプル的な感じだろうか。ただ次々と出てくる曲がレゲエの歴史を語る時に外せない曲、アーティストばかりなのでレゲエの歴史を俯瞰するベストCDとしては十分機能していて楽しい。気軽に聴くのが吉。

オークションにて購入(¥355)

  • CD  (2005/7/21)
  • Disc : 1
  • Label : Victor Entertainment
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Dawning Of A New Era / The Coventry Automatics

2019年05月13日 | レゲエ・スカ

Dawning Of A New Era / The Coventry Automatics (2005)

スペシャルズ(The Specials)の前身、コヴェントリー・オートマチックス(The Coventry Automatics)のアルバム。スペシャルズとしが2トーン・レコーズ(Two Tone Records)からデビューを飾る前に録音された音源で、90年代に入って発表されていたものの日本盤CD。発表された当時はRecieverというパンク、ニューウェーヴ系のレーベルから発売されたが、このレーベルのレコードはいつもクレジットが少なく、音源の内容が曖昧でオフィシャルだかどうだか分からないような感じだった。最近オフィシャルとブートレグ(海賊盤)の境界がますます曖昧になっていて、amazonとかでも平気でオフィシャルでない音源が発売されていたりするので、このアルバムも日本盤だからといってバンド側に公認されているのかは怪しい。

自分は一部の有名曲しか聴いたことがなかったが、通して聴いてみると、さすがに音は貧弱だし、テンポはやや遅めだけれど、多くの曲はしっかりと形が出来上がっていて、後に発表されたヴァージョンと大差ないものもある。全部1978年の録音ということでいいのかな。スペシャルズ名義では発表されなかった4曲 01「Wake Up」、03「Rock And Roll Nightmare」、04「Look But Don't Touch」、12「Jay Walker」が収録されているのも興味深い。01はインスト。03はのちにセカンドの「More Specials」に「Pearl's Cafe」という曲名で収録される曲の原型(と思う)。

代表曲の1つ「To Much Too Young」なんかはキーも随分と低いし、雰囲気も暗め。まさに未完成といったところ。これがあんなに溌剌とした曲に進化する訳だ。デモ曲って玉石混交で、アーティストによっては聴いていられないような酷いクオリティーのものもあるが、これはスペシャルズのファンなら聴いて損は無い内容。

オークションにて購入(¥438)

  • CD  (2005/2/23)
  • Disc : 1
  • Label :  Felicity

 

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Roots, Rock, Remixed / Bob Marley And The Wailers

2019年01月19日 | レゲエ・スカ

Roots, Rock, Remixed / Bob Marley And The Wailers (2007)

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley And The Wailers)の楽曲をリミックスしたコンピレーション・アルバム。もちろん2007年発売なので発売当時にリミックスされたもの。面白い趣向だなと思ったのが、アイランド期の有名楽曲は使わず、JAD音源を使っているところ(※ボブはアイランド・レーベルから世界デビューする前にJADと契約を結んでいたが、後年アルバムが乱発され、楽曲が重なる為ややこしい)。それでもこちられっきとした正規「Tuff Gong」レーベルからの発売。レコード業界も他の業界の例に漏れず、大手による吸収合併の波が及んでいて、多くのレコード会社やレーベルがワーナー、ユニヴァーサルなどの傘下に入ったため同系列となって使用できるようになったのだろうか。皮肉なものだ。しっかりとプロデュースされたアイランド期の世界向けの楽曲よりも、この時期のよりプリミティヴで素のバンド・サウンドが味わえるJAD関連音源はまた違った魅力がある。

さてこのリミックス盤、もちろんリミキサーに聞き覚えのある名前は無し。DJなのかプロデューサーなのか分からないが、ま、想像出来る範囲でのリミックス・ヴァージョンとなっている。元の楽曲を”換骨奪胎”まではしておらず、原曲の雰囲気やメロディーラインを残してくれているのは好感が持てるところ。原曲に無い音を極力足していないのもいい。正直どのアーティストにも言えることだが、90年代以降のリミックス作品は奇を衒っていじくりまわしているだけで、原曲の痕跡さえ探せないような純粋に楽しめないものが多いしね。流して聴いていると古い時代の楽曲の底(ベースライン)の部分と、新しいリミックス方法のミスマッチが楽しい。むろんじっくり聴き込むなんていうのは野暮だろうから垂れ流すのが一番だろう。

オークションにて購入(¥215)

  • CD (2007/7/31)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Quango Fontana
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Pressure Drop : The Best Of Toots And The Maytals

2018年03月08日 | レゲエ・スカ

Pressure Drop : The Best Of Toots And The Maytals (2012)

レゲエの大ベテラン、トゥーツ&ザ・メイタルズ(Toots and The Maytals)のベスト盤。若い頃から全然変わらず、高らかに歌い上げるといった歌唱のトゥーツ・ヒバート(Toots Hibbert)はソロ・アルバムを作成したり、様々なコラボに関わったりと息の長い活動を続ける伝説の人物。もう70も後半という年齢のはずだが、特にロック畑のアーティストとの交流が多く、様々なコンピ盤に彼の名がクレジットされている。最近は新作アルバムの発売こそ無いものの、ライヴ活動はいまだに盛んのようで、フェスティバルを中心にその名前を見かけることが出来た。

自分が最初に彼らの音楽を聴いたのはやはり超のつく名盤、映画「The Harder They Come」のサントラ盤。彼らは映画にもチラッと出演していたんじゃなかったかな。サントラの入手は難しくなかったと思うが、80年代中頃にはまだ映画の日本版VHSビデオは発売されておらず、カルト・ムービーの括りで高い輸入ビデオ・ソフトを購入して観た(今でも家のどこかにあるだろう)。欧米人にも分かりにくいというジャマイカ訛りの英語なので、たしか英語字幕が付いていたと思う。映画の内容はともかく、想像でしか知らなかった当時のジャマイカの生々しい画面と挿入された音楽が素敵で、サントラは未だに一番よく聴くレゲエのアルバムのひとつかもしれない。ひと際存在感あるトゥーツのヴォーカルも印象的。彼らの代表曲は60~70年代が多いが、このベスト盤には80年代の曲も収録されていてバランスが取れている。

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD (2012/7/10)
  • Disc : 1
  • Format : CD, Import
  • Label : Island
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War Ina Babylon / Max Romeo & The Upsetters

2018年02月26日 | レゲエ・スカ

War Ina Babylon / Max Romeo & The Upsetters (1976)

レゲエの歴史を語る上で絶対に外せないアルバムのひとつであるマックス・ロメオ(Max Romeo)の「War Ina Babylon」。表題曲はあらゆるコンピレーション・アルバムに収録されるレゲエのマスター・ピース。自分も数限りなく所有しているはずだが、実はオリジナル・アルバムを丸々聴くのは初めて。もちろんプロデュースは怪人リー”スクラッチ”ペリー(Lee "Scratch" Perry)。ジ・アプセッターズ(The Upsetters)の実態はリー・ペリーのお抱えバンドだったはずだが、メンバーも流動的だったようでこの辺りの話はどうもよく分からない。ま、何しろリー・ペリーの溢れ過ぎる才能を受け止めたミュージシャン達であることは間違いない。

レゲエ・ミュージックはまるで古くからあるジャマイカの民族音楽のように捉えられている場合もあるが、実際はアメリカ南部からのラジオ電波に乗ったソウル、R&Bに影響を受けた60年代以降の新しい音楽。植民地支配や人種差別、宗教、貧困のイシューを歌詞に取り上げ、スカのリズムと結び付いた”反抗の歌”でもある(もちろんそうでないただのラヴ・ソング他もある)。ここで言う「バビロン」も彼らの多くが信仰するラスタファリ思想の対極にある悪徳資本主義を象徴する言葉のはずだ。

(もちろん皆がラスタファリ信仰者ではないだろうが)表題曲もある程度思想的な内容を伴っていると思われるので、宗教に疎い我々日本人にはピンと来ないどころか、さっぱり理解出来ないが、De Police Men(警察官)、De Dreadlocks Man(彼)といったところから想像を膨らませるしかない(話によると英語圏の人達でも何を歌っているかさっぱり分からない場合もあるとか)。何しろ大した語数じゃないのでどれほど歌詞に意味を持たせているのか知らないが、音楽に身を委ねているだけでも気持ちがいいことは確かだ。この頃のリー・ペリー仕事にハズレは無い。

オークションにて購入(¥608)

  • CD (1995/4/30)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : ISLAND
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Trojan Reggae / Variuos Artists

2018年01月06日 | レゲエ・スカ

Trojan Reggae / Variuos Artists (2007)

鳴り物入りという感じで10年程前に登場したレーベル「Starbucks Entertainment」。そうあのスターバックス・コーヒーの作った音楽レーベル。ジャケット・デザインもさすがにセンス良く、次々と有名アーティスト関連のCD(主に編集盤)を発表し、店頭などで発売したと記憶している。販売網があるからどんどん増えていくのかと思いきや、フィジカルな音楽メディアは廃れたとすぐに見限ったのか数年で尻切れトンボになり、現在はレーベル自体存在しているのかどうか。そんなスタバが2007年に発売したスカ、レゲエのコンピレーション盤がこちら「Trojan Reggae」。副題が”Ska, Rocksteady and Reggae Classics, 1967-1974”となっている通り、レゲエの殿堂「トロージャン」レーベルの70年代中盤までの有名な曲を編集したもの。

曲目はこちら↓

01 Harry J. All Stars - Liquidator
02 The Slickers - Johnny Too Bad
03 John Holt - Stick By Me (And I'll Stick By You)
04 Dennis Brown - Westbound Train
05 The Jamaicans - Ba Ba Boom
06 Dave & Ansel Collins - Double Barrel
07 Bob Marley & The Wailers - Soul Shakedown Party
08 The Chosen Few - I Second That Emotion
09 Desmond Dekker - You Can Get It If You Really Want
10 Junior Byles-  A Place Called Africa
11 Toots & The Maytals - Pressure Drop
12 The Melodians - Rivers Of Babylon
13 Ken Boothe - Ain't No Sunshine
14 Tony Tribe - Red, Red Wine
15 The Pioneers - Long Shot Kick De Bucket
16 Lee "Scratch" Perry - I Am The Upsetter
17 The Upsetters - Return Of Django
18 Augustus Pablo - Hot & Cold

レーベルの性格上、致し方ないが全くサプライズのない選曲。もちろん名曲が並んでいるので聴くのは気持ちいいが、もう少し面白味が無いと飽きるのも早い。でもこのレーベルの発売していたコンピ盤の中にはなかなかのテーマや、選曲のものもあったので(数枚しか持っていないが)中古店などで安く見つけたらお勧め。

オークションにて購入(¥288)

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