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KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

剣山を歩く!

2020年09月02日 | 四国の山
先週に発症した足の腫れと痛みから、ようやく解放され

歩いていても痛みはなく、患部を押さえてもほぼ痛みがなくなった。

WOC登山部は足の回復の目途が経たなかったので早々に欠席。

それじゃ~独りで何処かに出かけようと色々と考えた。

先ずは先週考えていた風呂塔~白滝山に、次に思いついたのが

綱付山半平山。いずれも未踏の山だけれども

どうやら台風の影響で天気予報は雨。雨の日にあまり踏まれていない山を歩くのも

何だか億劫になり、ここは無難な線で毎回リハビリで登っている剣山

登ることにした。過去に何十回と登っている山だけれど、けっこうな回数で

ギックリ腰の後のリハビリと二日酔いで登っているという、

体調不良か体調を測るバロメーターとしての山。登山口までも、登山口からも

通いなれた山なので安心して歩ける。


という事でまだ青空の広がる自宅を出発して、脇町、貞光町を通り

国道483号線を南下して、第五ヘアピンを曲がる頃には雨が降ってきた。

いつもならテンションが下がるのだが、今日はリハビリともう一つ、

先週天気が悪かったら検証してみようと思っていた、ワークマン

透湿レインスーツR600の性能を見てみたかったので、雨降りも苦にならない。

それどころか何だかテンションが上がってきた。

R600の性能表示は耐水圧10,000mm、透湿度8,000g/㎡/24hとなっている。

ちなみにお値段4,900円。これがお値段以上・・・になるのか、

安物買いの銭失いになるのか、はたして・・・・?


見ノ越の駐車場は公衆トイレの建築の為の作業車両以外は、

予想通り登山者らしき車は停まっていない。




先ずは劔神社への石段を登って行き、いつものように本殿でお参りを済ませ

登山口へと歩いて行く。入り口には注連縄が掛けれ、劔神社のご神体である剣山の

聖域にここから立ち入ったことになる。








山上ヒュッテのFBにトリカブトが咲き始めましたとアップされていたのを

目にしたが、道の脇に早速、雨に濡れて濃い紫色のトリカブトが目に付いた。




今日は平日の雨。登山者も観光客の姿もなく、リフトも営業時間だが

動かず止まっている。




登山道には静かに霧が流れ、久しぶりの雨に周りの草木が

何だか喜んでいるような感じがする。

レインウェアのフードを被っているせいか、自身の荒い息だけが聞こえてくる。




すると道の脇から突然横切る物体が!一瞬ひやっとしたが、ピョンピョン跳ねる

大きな大きなヒキガエル?




さらにその先にはなが~い大きなヤマミミズ。草木だけでなく、

森にすむ住民たちも、この雨を喜んでいるようだ!




普段はあまり周りの木々に目をやることがないが、今日は独りでのんびりと

歩いていると、通いなれたこの道には様々なまた堂々とした木々が深い森の中に立ち並んでいる。




相変わらず雨はやむ気配もなく、普段ならすれ違う人のいる道も人影はなく、

定点観測する場所からもいつもは見える雲海荘も濃い霧に遮られて見えない。

更に長~いヤマミミズがゆっくりと動いている。










西島駅には見ノ越の駐車場から45分で着いた。遅くもなく、早くもなく

まずまずのペース。駅舎の横の茶店は随分と前から閉まっていて、

最近は入り口のガラスが割られ中を覗ける。この山に通い始めた頃は

まだこの中であめゆを飲んだ記憶がよみがえる。




今日の課題のレインウェアの性能だが、まだこれくらいの雨だと

水を弾いているみたいだが、中は汗でたっぷりと濡れている。




茶店の軒先で水分補給と一服を済ませて駅舎の横を通り

山頂へと歩いて行くと、次第に雨脚が強くなってきた。

道の脇にはトリカブトとテンニンソウが群れを成して目立ち始めた。







刀掛けの松では低く垂れ込めた雲から大粒の雨が横殴りに吹き始めた。




しばらくはそのまま登って行ったが頭の上でゴロ!と音が。

一瞬、ヒヤリとしたがそのまま歩いていると、更に大きなゴロゴロ!

何度も音がし始めた。手に持つストックを放そうと身構えたが、これ以上進んで

万が一のことがあってもいけないので、山頂手前で引き返す。

周りにはトリカブトとテンニンソウが咲き乱れていた。

何十回と登ったこの山で、それはそれは酷い二日酔いの時にも

何とか登りきったのに、初めて中途半端な所での撤退となった。




樹林帯を抜けた場所から避難して、西島駅まで戻ると

雷の恐怖から何とか落ち着いてきた。後は樹林帯の中になるので

大丈夫だろうという事で、西島神社から久しぶりに左に折れて下ってみる。

西島神社の大岩の足元には太鼓くぐりがあり、

前回、丸石へ歩いた時にやっさんとあっちゃんとゆかりん

寄り道した場所だ。




ここからは登りの道以上に深い広葉樹林の中の道になる。

道自体もしっかりしていて歩きやすくて普段登ってくる道以上に

剣山の懐の深さを感じられる道だ。







相変わらず雨脚は強く、木々に遮られていても登山道の上を流れていく水で

その降っている量が分かる。森はあくまでも静かで自分の吐く息と

歩く足音だけが聞こえてくる。







祖谷川源流の谷には透き通った水が流れ、この場所から祖谷へと水は流れ

そしてさらに吉野川へと流れていく源。ひょっとしたらこの水の

何万分の一かを自宅で飲んでいるかもしれないと思うと感慨深い。




劔神社に戻ると温度計は20℃を指していた。駐車場ので上着を脱ぎ

下着も脱ぐとどちらもびっしょり濡れている。

レインウェアのズボンを脱いでみると下に履いていたタイツは

ほとんど濡れていない所を見ると、やはり上着は汗のせいなのか、

その判断はつかない。

家に帰ってモンベルのゴアテックスのレインウェアの性能表示を見てみると

耐水圧50,000mm以上、浸透性35,000g/㎡/24hとなっている。

そのお値段上下着だとで38,000円近いので、性能値で単純に割ると

割安感はあるが、結局のところ、性能のいいレインウェアの着心地を

着てみないと分からないとという結論に至った。

今までのダンロップのゴアテックスのレインウェアと比べると、

ほとんど遜色はないけれど、さらにお高いレインウェアを買うとなると、

やはり躊躇してしまう今日のリハビリand検証登山の剣山散歩だった。

今日はドライブ!

2020年08月26日 | 四国の山
今週も県内のコロナの感染状況を鑑み、WOC登山部はお休み。

独りでどこに出かけようかと先週から色々と考えていた。

第一のコース! 落合峠~寒峰

天気が良ければ以前に一度だけ歩いたことのある、落合峠から

寒峰を縦走。意外とこの時期のこのコースはいろんな花が咲いていて

アップダウンの繰り返しで体力測定になる。

第二のコース! 風呂塔~白滝山

天気が悪ければ、ワークマンで買ったR-006の耐水圧10.000mm、

透湿度5,000gという性能のチェックをしてみる。そして

前回に石堂山の帰り道に寄った白滝山へ風呂塔から歩き、

途中の未踏の火打山を経由して線を繋いでみるという、

天気次第で二つのコースを考えていた。 

一週間前はあまり良くなかった予報も、週が明けるとまずまずになった。

それじゃ~と思っていたら、前日の朝に起きるとくるぶしの辺りが動くと痛む。

昨夜まで何ともなかったのに、おかしいな〜と思いながらも、

そのまま出社してみるものの、段々痛みが酷くなってくる。

翌日を控えて気になるので一応、整形外科でレントゲンを撮ってもらうと、

骨には異常はないが、くるぶしの上がたしかに腫れている。

『どこかでぶつけましたか?』と先生に聞かれるが、思い当たる節がない。

『通風ではないですよね?』と聞くと、通風だと普通はくるぶしの下の方が

腫れるらしい。尿酸値もギリギリだが規定値をオーバーしているわけでもない。

原因は結局わからないが触ると痛いし、腫れが酷くなってきている。

何かの原因で炎症していると言う事だが、痛みは数日後に出ることもあると言われ、

『明日、山歩きをしようと思うのですが?』と聞くと、『痛みを我慢しながら

歩いても楽しくないでしょう!』と言われて納得して病院を後にした。







朝起きると天気予報通り青空が広がっている。家の中でじっとしているのも勿体ないので、

予定していた登山口の落合峠までドライブする事に。


三加茂から県道44号線を走ると、桟敷峠を経て深淵を通り落合峠に着く。

深淵から峠までの間は30年ほど前はまだ未舗装部分が多かったが、

今はすべて舗装路となって走りやすい。小学校のあった深淵の集落もほとんどが今は廃屋となってしまった。

そんな中でも、一軒だけ洗濯物を干している家屋があった。







深淵、落合の集落を抜け峠へのくねくねした道を走って行く。峠までの道は

至るところで路肩が崩れていたが、樹林帯から道の両側に笹原が現れると、

見慣れた標識の立つ落合峠に着いた。




車のメーターの外気温は22℃を表示している。車を降りるとさっそく秋の訪れを予感させる

涼しい風が祖谷谷から吹き上げている。正面には三嶺から天狗塚の稜線。




しばらくの間ベンチに腰掛けのんびりと峠の景色を眺める。

東には矢筈山とサガリハゲに続く稜線。




西を見ると落禿に続く笹原が広がっている。

落合の禿(カムロ・山)と言う事で落禿と呼ばれているのだろうが、

東側のサガリハゲといい落禿といい、最近少し頭部の薄くなってきた私には

あまりいい気のしない山域だ!(笑)




しばらくして峠の周りを散策。舗装路を北に歩いて行くと烏帽子山が見えた。

道の両側には小さな可愛い花があちらこちらで咲いていが、ここ最近は雨が降っていないので、

どの花も萎びている。














峠まで戻りまだ色ついているススキの穂を見ながら少し東へと歩いてみる。

こちらも斜面の笹の足元にいろんな花が咲いている。










矢筈山への登山道を少しだけ登ると、やはり笹は朝露で濡れている。

反対側の寒峰への道はほとんど道が隠れるほど笹に覆われているので、

縦走するとなると雨具の下とスパッツは必須のようだ。







峠まで戻って最後に深呼吸。今から涼しい風の吹くこの峠からグングンと気温の上がった

下界へと戻って行くのだ。峠を下り落合の集落では廃屋となった家の屋根が朽ち果て、

中から勢いよく木が伸びている。この家は人がいなくなって随分と時間が経っているのだろう。





深淵川に架かる橋から下を覗くと、透明度バツグンの水が流れている。

峠から下って少し気温が上がってきたので、この冷たそうな水に飛び込みたい気分だ。




桟敷峠から右に折れて先ずは風呂塔のキャンプ場を覗いてみる。このキャンプ場ができてからは

風呂塔へは手軽に登れるようになったが、キャンプ場自体が今はほとんど使われていない様子で、

キャンプ場までの途中の道もけっこう荒れていた。




次回の為の登山口を確認した後は水の丸へと向かう。

以前にセニョさん・コアラさん・ルリちゃんと令和元年記念に日の丸山に登った帰り道に

立ち寄った場所で、WOCではパラグライダーで飛んだ時のは発進場所になっている丘だ。

公園の施設の並ぶ場所から三角点のある丘までは少し距離があるので、今日は歩かずに

そのまま上の駐車場まで車で走って行く。




駐車場から丘の上までを少し登って行く。




先ほどの落合峠からは北側の景色は望めないが、こちらは360℃の眺望。

吉野川の向こうに連なる阿讃山脈の峰々を見渡すことができる。

風呂塔や烏帽子山までは見て判るが、南側に見える山の特定がなかなか難しい。














ここから東には六地蔵峠への稜線が続き、県営農地開発事業として開かれた水の丸地区の

ビニールハウス越しに徳島市の郊外が見える。ここで水筒に入れたお湯でコーヒーを淹れ、

コンビニで買ったワッフルをおやつにコーヒータイムと洒落こむ。日差しは強いが、

その日差しが雲に遮られると、吹き上げてくる風が何とも言えず心地よい。










今日は歩く事もなく時間も気にせずのんびりと山からの景色を楽しむ。

山の高い低いにかかわらず上から見下ろすと言うのは何とも言えない気持ちになる。

水の丸を後に六地蔵峠へ向かう。阿讃縦走路にも六地蔵越え(峠)があるが、

こちらの六地蔵は讃岐と阿波の人々が行き来した峠に、人々の災いや苦しみを遮り救われたいという信仰から

建てられたと云われているが、この東みよし町の六地蔵の由来は少しおどおどしい。その由来とは、

『源平の屋島の合戦に敗れ、深淵をへて祖谷に入った平家一族は。堂々、強力(荷を背負う案内人)を

やとって平家の物資財宝を輸送していた。途中、芽の窪という地にたどりつくと、

そこを平家再興の際重要な地点であると考え、軍資金や財宝を隠す場所と決め埋蔵した。

そして、秘密がもれることを恐れた平家一族は、軍資金と財宝を運んだ六人の強力を帰すときに

ひそかに後をつけ、峠の頂上で殺してしまったという。

後に金丸城主となった平家盛は祟りを恐れ、峠に六つの地蔵を建て霊を弔った。』と云うもの。








前回はこの峠からゆめりあ34を見学した後、元来た道を引き返したが、

今日はそのまま半田町の方へと下ってみる。すでにカーナビの画面の道は途切れ、

GooglMapで見ても道は曲がりくねり何ヵ所も分岐していて複雑になっていた。

案の定、道は複雑でこのまま進んでも大丈夫かな?という場面が何度もあった。




何とか半田町までたどり着き、今日の最終目的地の穴吹町の神明神社へ向かう。

穴吹川に沿って続く国道492号線は何度も走った事のある道だが、FBで見るまでは

この神明神社の存在を知らなかった。神社の参道は工事車両が停まっていて、一旦行き過ぎてしまったので

近くにあった郵便局で尋ねると、今は崖崩れが起こらないように工事中だと教えてくれた。

参道の石段の下は崩れて仮の参道が設けられている。石段は手摺があるが見上げるほどの急な石段だ。







FBの写真で見た通り磐境に囲われた中に石祠が5体ある。磐境とは、

祭祀に際して神が降臨する岩石等を中心にした神域のことで、古代の祭祀場だという。

この神社は案内板に書かれている内容とは別に、古代イスラエル人の礼拝堂だったという説もある、

何とも言えず不思議な場所だった。













WOCのメンバーに足が痛いときくらい、家でじっとしとけんのかな?と後で言われたが、

結局ドライブといっても一日中走り回り、しかも山を絡めたドライブになってしまった。

来週には腫れはひいてまた歩けるだろうかと、やっぱり山歩きの事を考えながら家路に着いた。

WOC登山部2020.08.19.20 瓶ケ森

2020年08月21日 | 四国の山
土小屋のモンベルで冷えたビールを仕入れることができて

先ほどの手箱山での意気消沈から、ルンルン気分んで瓶ケ森駐車場まで車を走らせた。

駐車場に着くころにはガスが流れ始め日差しを遮ってくれているとは言え、車を降りると

喉の渇きが半端なく、たまらず先ほど買ったビールを一本開けてグビグビと飲む。

いつもなら家に着くまでお預けだか、今日はもう運転もしなくていいので・・・・遠慮なく。

先ほどまで担いでいた小さめのザックから今回購入した48Lのザックに少し荷物を移し、

車の中に置いていた2Lのペットボトルからウォターキャリアに水を移し替えた。







駐車場から第一キャンプ場までは850mほどだが、さっきのザックと比べると、

肩にずっしりとザックの重みがのしかかってくる。テント泊の一泊となると

もう少し大きめの55Lほどの容量が適当だが、年に何回泊まるか分からないテント泊よりは

小屋泊や普段でも使えない事もないワンサイズ小さめのザックにしてみたのだが、

やはりザックの中は一杯いっぱいで、縦走に使うならもう少し道具選びを考える必要がありそうだ。













青空が所々で顔を覗かせているが、それでも圧倒的に雲の量の方が多い。

今夜の星空は期待できそうもないが、星空モードでの撮影ができなくなった今、

諦めがついてはいるので、残るはテント場でのビール三昧!










瓶ケ森避難小屋までの道も今までになく笹の勢いが強く、太ももの辺りが濡れてくる。

古くなってボロボロな感じの避難小屋はその横に新しく小さめの小屋が建てられていた。

そしてバイオトイレなる真新しい建物もできていた。










避難小屋から第一キャンプ場での道も笹で覆われ、せっかく乾いたズボンもテント場に着くときには

もうずぶ濡れになっていた。








少し前に譲ってもらった初めて使うモンベルのステラリッジ2だが、スムーズに設営ができ

今夜のお宿は準備万端。後は・・・・・・・・呑むだけ!










テントの中で濡れた靴下を履き替え室内から外を見ると、刻々と空の様子が移り変わって行く。

陽が落ち始めると鳥の鳴く声も聞こえず、周りを飛んでいた虫も静まりかえり始めた。







他にはテント場に今日は停まっている人の姿もなく、ただただ静けさの中独り佇んでいる。

日頃暮らしている雑踏の街中とは全く違うテント泊ならではの世界。




陽が落ち始めると足早に周りは全く灯のない暗闇になった。




最初は寝袋も出さずに横になっていたが、次第に足元が冷え始め(濡れた靴下をそのまま履いていたので)

日を跨ぐ頃寝袋を取り出し中に入った。枕を変えると寝付けないとよく言うが、やはり熟睡はできず

ウトウトした状態がずっと続く。その内ふと思い出し、テントのファスナーを開けて外を見ると、

頭上には満天の星空が広がっている。星の数ほどとはよく言うが、まさしく夜空を埋め尽くす

星・ が輝いている。

一応試しにもう一台のコンデジの感度をあげて撮ってみるが、感動している気持ちを

現わすこともことはできないイマイチの写真しか撮れない。







久しぶりに見た本物の星空を目に焼き付けてまた寝袋に入ると、次に目を開けた時には

外が随分と明るくなっていた。『しまった!』と思いながら身支度をして

御来光を見るために女山を目指して登って行く。振り返ると石鎚山も見え始め、

女山の山頂の向こうが曙色に染まり初め、その東の空に向かって飛行機雲が流れていっている。







山頂に着くと一眼レフを構えた男性が一人。『遅かったですか?』と尋ねると

『今、昇ったばかりだよ!』と言ってくれた。








御来光に手を合わせていると、さっきの飛行機雲が空から落ちて、吸い込まれるように

渦を巻いて輝いている。何とも言えない神秘的な初めて目にする風景だ。




その朝日に照らされ始めた石鎚山のモルゲンロート。

南には雲海の中を峰々が連なっている。







先日やっさんがFBにアップしていたプレートを挟んで朝日を撮ってみる。







陽が一旦登り始めると周りの景色は足早に明るさを増してくる。

石鎚山の北壁には、この女山の影がくっきりと見え始め

笹原の奥の男山の向こうには、昨日歩いた石黒山から手箱山まで稜線も陽に照らされている。







テント場まで戻るとやはり笹の朝露でまたズボンが濡れた。

もちろんテントのフライシートもテントも濡れている。

朝露と言うよりは夜中にはもう周りは濡れていたので夜露になるのだろう。




テント泊は設営よりも撤収がめんどくさい。特に濡れてしまったテントは乾くまで待っていられない。

中のマットや寝袋も少し濡れたヶ所があるが、取りあえずは折りたたんでしまうのだが、

膨らんだマットや寝袋は狭いテントの中の空間では思うようにいかない。

(家に戻って乾かし平らな床の上で仕舞いなおすと案外スムーズに収まった)


予想以上に撤収に時間のかかったテント泊だったが、これは何度か繰り返して慣れるしかない。

今回は一泊だったので何とでもなったが、これが縦走で連泊となると

熟練度がますます必要になってくる。山小屋泊ならテントも必要なく、食事も用意されているが

ほとんどの山小屋ではシーズン中は大勢の人で混雑する。荷物と手間は増えるが独りの空間と

自然のど真ん中を謳歌できるテント泊とは一長一短がある。今回ひとまず練習もできた事だし、

これからの山行での選択肢のひとつとなった。(とは言え休みが取れればの話だが)


帰り道バイオトイレを覗いてみると中はとても清潔で匂いもしない。

注意書きにある様にハンドルを回して中のオガクズを撹拌して、水を使わずに微生物で

分解する仕組みのようだ。







バイオトイレを見学した後は気温の上がり始めた氷見二千石の中を駐車場へと戻って行く。

帰り道の氷見の笹原はなだらかに広がり、青空の下で光り輝いていた。










練習結果

1.テント泊では出来るだけ衣服を濡らさないようにすること。

2.御来光を見るのなら寝過ごさないようにすること。

3.撤収には思わぬ時間がかかるので、その時間も見込んで作業を早めにすること。

4.標高の上がった山ではあまり飲み過ぎないようにすること。

5.必要なもの不要なもの、小さく軽くできるものなど道具や荷物を吟味すること。

等々、まだまだ経験を重ねていかねばならないと思ったお久しぶりのテント泊でした。

WOC登山部2020.08.19 岩黒山・手箱山

2020年08月21日 | 四国の山
今週のWOC登山部はメンバーのスケジュールが合わずに自主トレとなった。

お盆休みが取れずにいたので今年初めて連休を取り、久しぶりにテント泊をしてみたくなった。

山小屋での宿泊がなかなか難しい今、遠征となると今後は

テント泊を考えなければならず、その練習もかねてどこか適当なところはないか考えていたら、

エントツ山さんが掲示板に、初心者は瓶ケ森キャンプ場

いいと薦めていたのを見て、宿泊場所は即、決定。では次にどこを歩こうかと考えて、

先ずは先週の丸石までの往復で足が攣った原因を検証するため、

同じくらいの距離のコースを歩いてみようと思った。

更に先週時間が無くて立ち寄れなかったキレンゲショウマが、まだ見られるしれない

と言う事で筒上山に的を絞った。前回に伊予富士から西黒森山を縦走した時に、

自念子ノ頭の山頂でセニョさんに『向こうに見える山は?』と

聞かれ、『手箱山・筒上山・岩黒山ですよ!』と教えてあげると、未だ登った事のないセニョさんが、

『今度、歩いてみたいな~』と言っていたので、その下調べも兼ねて歩いてみることにした。

何せ筒上山に登ったのは15年も前の事。そして林巍先生の土曜探検学校で小学生の

娘と参加したのは更にその前の事で、ほとんど記憶に残っていない。いずれも手箱山までは行けて

いないので、取りあえず下調べでルートの確認という名目で出かけて来た。

(テント泊でなければ他の人も誘ったのだが・・・・。)



西条市の加茂川の交差点では車のメーターの外気温は既に30度を越えていたが、新寒風山トンネルを抜け、

寒風茶屋へと高度を上げていくと24度を下回って来た。瓶ケ森林道は対向車もなく

いつになくスムーズに走れる。少し雲はあるものの、青空の下自念子ノ頭

続くスカイラインは何度見ても見入ってしまう。




尾根の西側と東側では全く違う形相を見せる瓶ケ森男山の岩壁を通過すると、

いつものように石鎚山が出迎えてくれる。







土小山の駐車場はお盆も過ぎ平日と言う事もあって、ロータリーの北側に車を停める事が出来た。

新しくできたモンベルの横から登山道へと入って行く。







道は直ぐに筒上山と岩黒山との分岐になり、

まだ遠慮気味に道の両側から笹が生えてしばらくは問題なく歩いて行けたが

次第に足元が全く見えないほど容赦なく暑苦しい濃い緑の笹が迫って来た。










道がダケカンンバの林になる頃には腰から下はすでにびしょ濡れ。スパッツも付けずに歩いていたので

登山靴の中も濡れてしまっている。晴天がずっと続いているのに、この朝露のお陰か、

周りの草花は意外と生き生きしている。







ダケカンバの林を抜け尾根に出ると、木々の間から北東に瓶ケ森と

山頂から緩やかに広がる氷見二千石の笹原が見える。




やっと笹の悪路が終わり山頂が近づいて来た。今度は尾根の反対側に筒上山とその手前に丸滝小屋が見えた。







岩黒山山頂は360度の眺望。今日はそのパノラマを独り占めだ。

石鎚山はもちろんのこと、瓶ケ森林道に沿って伊予富士まで稜線が続き、

その奥には寒風山から笹ヶ峰が見えている。










そして反対側には筒上山から手箱山への緩やかな稜線。










しばらくこの大パノラマを眺めた後、丸滝小屋へと下って行くがこちら側もかなりの勢いで

笹が迫り足元がほとんど見えない。靴の中が濡れると靴下も濡れ靴の中で擦れて

不快感がどんどん増してくるが、その笹海の道を抜けるとウラジロモミの快適な道になり、

土小屋からのトラバース道と合流すると丸滝小屋に着いた。







丸滝小屋からは少し下って尾根の東側の下を巻くようにして道が続いていく。

しばらくすると次第に道の雰囲気が変わってきた。

道幅が狭く危なげな場所にはロープが張られ、道が付けられない岩肌の露出した斜面には

L型アングルの手摺とデッキプレートの床で出来た橋?が造られている。







建築現場ではよく見かけるデッキプレートだが、角波型になっているので

歩いて行くと結構な金属音が静かな山の中に響いていく。







筒上山山頂への尾根道との分岐を過ぎると、更に怪しげな橋が続いていく。

先ほどまでの橋は古くなった場所には新しいものに付け替えられていたが、

この辺りは下を見ると錆びて穴が開いているヶ所がある。










地形図の筒上山山頂のほぼ東側になってくると道は登りになってくる。

道の脇にはシシウドや山アジサイが咲いている。










石の階段状になった道を登って行くと今日のお目当てのキレンゲショウマが待っていてくれた。

もうほぼ終わりに近いがそれでも何輪かが花を咲かせていた。

道の両側にはロープが張られ、中には立ち入らないようにと注意書きが書かれていたが

それでも何ヵ所かは中に入っている踏み跡が見受けられる。










キレンゲショウマの群生地を過ぎると、この道の名物?のひねくれた階段が現れた。

階段自体が内側に傾いて手摺もグラグラで、しかもこちらも板の部分に穴が開いていて危うい。










傾いた階段を越えて進んで行くと見覚えのある石垣が目の前に現れた。

こんな山中に城壁を思わせるほどの高く立派な石垣の上には、大峰宗石鎚山覚心寺手箱山根本道場がある。

それにしてもこれだけの石垣をおそらくかなりの費用と時間をかけて造った経緯が気になる。







道場前の広場では男性が二人休んでいた。『どちらまで行かれます?』と聞かれたので、

『手箱山まで行こうと思います。』と答え、『道はどうですか?』と聞き返すと、

『問題ないですよ、花もたくさん咲いていて歩きやすいですよ!』と教えてくれた。


ここまでで土小屋から3時間近くかかっているので、少し一服した後

さっそく広場の南側の脇道の奥に見える白い鳥居を潜り手箱山へと進んで行く。




教えてくれた通り道は緩やかな登り坂で一旦尾根の笹原に出て、そこから尾根の下の道になると

小さな花があちらこちらに咲いたお花畑の道になった。







道の脇から見える岩黒山が随分と遠くに見える。

オタカラコウ?やシモツケソウやシコクフウロが咲き乱れている。













手箱山山頂には小さな手箱大権現の赤い小屋があり、賽銭箱の横でお昼ご飯にする。

ここで大アクシデントが!。

写真を撮ろうと三脚を立てずに道標の柱に上にカメラを置いてシャッターを押した途端に、

カメラが柱から下の石の上に落ちて嫌な音がした。

拾い上げてみるとレンズの二段目が曲がってしまっている。

画面もエラーが出てシャッターも降りず、画面の表示に従って電源を切るしかない。

このカメラの『星空モード』を使って、今晩満天の星空を写すつもりで

久しぶりに持ってきたのに、どうにも使い物にならなくなってしまった。




気を取り直してもう一台持ってきていたカメラで取りあえず記録写真を撮る。ト・ホ・ホ~!







意気消沈で手箱越えまで戻っていると、先ほどの花畑の草花が気を紛らせてくれる。

ミヤマヒコオコシやシコクフウロの紫色の花が目につくようになると、

夏から秋の気配が漂ってくる。少し紫がかったシシウドがこの夏一度も見ることのできなかった

打ち上げ花火のようで、夏の終わりを告げてくれているように思った。













道場まで戻ってくると時間は14時を過ぎていた。最後に登ろうと思っていた筒上山だが

道場の屋根越しにそびえて見える厳しそうな山容に気持ちが萎えた。

往路は岩黒山に登った事を考えると今から筒上山まで登ると、同じくらい時間がかかりそうだ。

今日は瓶ケ森で泊まるので時間的にはまだいけるが、土小屋から瓶ケ森の駐車場までの移動時間と

キャンプ場までの歩きとテント設営を考えると、そんなには余裕がない。

などと言い訳しながら来た道を戻って行くことにした。




道場の周りには白いホソバノヤマハハコがたくさん花を咲かせている。




傾いた階段を降り、キレンゲショウマにも別れを告げ快調に下って行く。







デッキプレートの橋も反対側から見ると結構痛んでいて危なげだ。それでも日陰の道は涼しく

歩くスピードも上がっていく。先週の反省点で水分を十分に摂り、アミノ酸入りの携行食も摂ったお陰か

今のところ足が攣りそうな雰囲気もない。







丸滝小屋の手前で復路での唯一の登坂になる。

ツリガネニンジンを横目に見ながらひと登りすると丸滝小屋に着いた。










小屋の横の鳥居の脇で石段に腰を降ろすとまた急に左足の指先が攣り始めた。

西黒森の時と同じヶ所。あの時も朝露に濡れた笹道歩きで靴の中も濡れて、

靴と靴下が擦れて違和感が続いていた。幸い他の太ももや足首は問題ないので、

岩黒山のトラバース道を最後に土小屋へと下って行く。







山頂への尾根道とは比較にならないくらいウラジロモミの中の歩きやすい道が続いていく。




土小屋に近づいてくると道は地道から岩を並べた庭園のような道になる。

時折岩が動いてゴットンと音をたてるが、リズムよく渡って行くと土小屋の駐車場に着いた。











駐車場では朝に停まっていた車はまばらになり、逆に観光客の車が何台か見え、

若いカップルがモンベルのお店で冷たい飲み物を買って楽し気に出てきていた。

平野部に比べて気温の低いこの土小屋だが、とにかく気になったのが

荷室の中に置いていた保冷バックに入れたビール。

慌ててトランクを開けて保冷バックの中を確認すると、

缶ビールは汗を掻いているが冷たくはない。やはりこの気温で車の中に置いておくのには無理がある。

そこで頭の中で閃いた!モンベルに入ると予想通り冷蔵庫に入った缶ビールが置いてある。

1本400円と少々お高いが、背に腹は代えられない。2本買ってルンルン気分んでいざ瓶ケ森へ!

今日の沿面距離 12.5Km 行動時間 6時間30分 平均速度1.9km/h

今日の検証結果と反省点

1.足が攣らないように早めの水分補給と塩分やミネラル補給

2.計画は事前にコースタイムなどを調べて計画する

3.カメラでタイマー撮影をするときには安易に置かないで必ず三脚を使う

4.夏の時期に車内に保冷バックに入れているとはいえビールを冷やしておくのは至難の業


と言う事で後編につづく!


今日のトラックログ



今日の3Dトラック

WOC登山部2020.08.12 丸石

2020年08月13日 | 四国の山


先々週の伊予富士から西黒森山の稜線歩きに味をしめた?登山部。

さてそれじゃどこを歩こうかと先週の航空部のメンバーで

河川敷の暑いテントの下で話し合いをした。

メンバーが今まで歩いた事がなく、初めて見る場所がいいと思い、

剣山から見る次郎笈と違う、反対の丸石からの次郎笈の姿が頭に浮かんだ。

さっそく提案すると即決。と言う事で今日は丸石を目指すことにした。

当初は見ノ越と二重かずら橋から分かれてスタートして、

またクロス縦走をする予定だったが、どうやら国体橋から丸石分岐の

尾根に出るまでが結構キツイ登りの様だと言う事が判り、

急遽、予定を変更をして見ノ越から丸石までピストンをすることにした。

距離と時間的にはこちらの計画の方が長くなるが高度差がさほどないので、

取りあえず剣山や次郎笈には目もくれず丸石を目指し、復路で余力があれば

寄り道をすることにした。見ノ越の駐車場は予想通り平日にもかかわらず、

1階部分の駐車場は満車で、初めて2階の駐車場に車を停めることになる。


9時45分に見ノ越をスタート。いつものようにまずは劔神社の石段を登って行く。

社殿の前まで石段を登りきるとすでに息があがっている。

セニョさんも隣で『キツイわ~』と小さな声で言っている。




神社の脇を抜け注連縄を潜り登山道に入るとブナたち広葉樹林が始まり

山麓から吹き上げる風で空気が変わった。




リフト下のトンネルをくぐり分岐を左に西島駅を目指す。この分岐から右に進むと

西島神社の上に出る道が続いていて、ほとんど歩く人の少ない道だが

さらに剣山の山裾の自然の深さを感じられる道なのだ。




西島神社まで来るとゆかりんが案内板にある太鼓くぐりを見てみたいというので、

やっさんとあっちゃんと一緒に大岩の奥にある神社へとメンバーと別れて歩いて行った。




西島神社の大岩を越えるといつものように視界が開け、

森の中の道からミヤマクマザサが広がる西島尾根の肩へ道になる。

西島駅に着くと何組かの登山者が寛いでいた。寄り道をしている3人を待つしばらくの間、

剣山から続く稜線の奥に見える三嶺を眺める。




どれくらい待っただろう、3人が登って来たのでいつもは往路では歩かない遊歩道コースを

剣山と次郎笈への分岐へと歩いて行く。足元には先ほどの笹に代わってテンニンソウが広がる道。

以前崩れて通行止めになっていた石灰岩の露出するザレ場を抜け少しづつ高度を上げていく。










大劔神社の下の辺りではトリカブトの花が咲いていた。

水場から回り込むと樹林帯が終わりまた笹の道になる。

頭上の木々がなくなると視界が広がり西側の峰々が見渡せる。

途中で何人かの人とすれ違うが、特にソロで歩いてきている人は

挨拶をしても怪訝な顔をしている人がいた。

やはり団体とすれ違うのにあまりいい気がしていないようだ。

挨拶も遠目で済ませて、すれ違う時は出来るだけ話しかけないようにまだまだ気づかいも必要だ。










二度見の展望台からは次郎笈がくっきりと見える。二度見と言う事は

剣山の山頂から見た次郎笈を帰り道にもう一度眺められると言う事なので、

やはり往路で歩く道ではないという事だろう。







展望台から支尾根を回り込むと、剣山との分岐に出た。昨日降った雨のお陰か雲はあるが

空気が澄んでいて、くっきりと太郎も次郎も見える。







青い空に白い雲。その下に濃い緑と明るい緑に覆われどっしりと鎮座する次郎笈。

その次郎笈に向かってミヤマクマザサの広がる尾根に白い道が続いていく天空の稜線。

何十回と見て来た風景だが見飽きることが決してない素晴らしい景色だ。













小さなピークを昇り降りしていくとどんどんと次郎笈に近づいてくる。

山頂には何人かの姿が見える。










『ゆかりん!そんなに走らんでも、この景色は逃げんよ!』




次郎笈峠の分岐から右にトラバース道を丸石へと向かう。

道の北側の祖谷谷からは暑い日差しを和らげてくれる風が吹きあがってくる。

反対側には見上げるほど笹原が続いている。そして振り返ると

今歩いて来たトラバース道の奥に剣山が見える。










すると道の向こうから一人の男性が歩いてきている。IRIBITOさんだ!

ここの所トレーニングでこの剣山と次郎笈界隈を歩き回っているIRIBITOさんは

今日は二重かずら橋から登って来たという。お互いの健闘を祈って別れたあと気持ちのいいトラバース道を進む。













次郎笈への西側の分岐を過ぎると今日の目的地の丸石が見え始める。

最初はさらに奥に見えている高ノ瀬のピークが丸石かな?と思っていたが

道標に書かれていた距離からすると遠すぎる。

時間は丁度12時、『たぶん、あの笹原が丸石だと思いますよ。』

と言うと、それでも待ちきれずに前を歩くあっちゃんは行動食を取り出し食べ始めた。










稜線の登山道の北側にポツポツと白骨林が現れ始めた。

そして南側にはスーパー林道を見下ろせる。














白骨林の間を下って行くと道標の立つスーパー林道への分岐。

小さなピークの向こうには丸石が顔を覗かせている。

前を歩くつ~さんは帽子を脱いだり被ったりしているが、

帽子を脱いでいる時は風が吹いている時の目印。









行動食で満足したあっちゃんは気持ちよさそうに歩いているが、

こちらはシャリバテでそろそろ限界?に近づいて来た。

ルリちゃん、やっさん、ひなちゃんはまだ余裕の様だ。




『腹へった~飯食わせ~』と言いながら丸石山頂まで登りきると

先客の一人の男性のいる山頂に着いた。さぁ~お昼だ、お昼!













5年前の5月に独りで歩いた時には寒くてカッパを着こみ、

風を避けるため丸石小屋まで歩いいてお昼ご飯を食べた。

今日の丸石は容赦なく日差しが降り注いで暑いが、ゆっくりと出来る。

やはりここから見る次郎笈と剣山の山容は新鮮で美しい。







先に来ていた男性は腰を上げてこれから三嶺へ向かうと言う。

そう言えば途中で追い抜かれたトレランの4人組は、名頃からスタートして

塔ノ丸へ登り丸笹山から見ノ越に下りずに、

そのまま剣山から次郎笈、そして三嶺へと走って行った。

30kmを超えるルートを一日で走破するなんて、

我々とは次元の違う人たちだ。さすがにこの丸石まで来ると強者たちが多い。




ではお腹もおきたしそろそろ戻りましょうか。復路は次郎笈の山頂への分岐までが登りとなるので

そこまで行けば後は多少のアップダウンがあるだけだ。往路では気づかなかったが

笹の間に小さなツリガネニンジンやシコクフウロが咲いている。
















スーパー林道への分岐の手前で、ゆかりんとあっちゃんがキレンゲショウマを見たいと言うので

先に早足で歩き始めた。写真家のやっさんも当然慌てて後に続いていく。




尾根では北側から涼しい風が吹いてくるが、道が尾根の南側になると途端に

生暖かい風になったり、風が停まったりして暑さが倍増する。













尾根に尾根にと気がせくがペースは上がらず亀足。

それでも尾根に出るとまた爽やかな風に息を吹き返す。

ミヤマクマザサに葉のない白い白骨林のコントラストが何とも言えない。







ルリちゃんもひなちゃんも自分のペースでゆっくりと歩いてくる。




次郎笈の分岐までもう少し。ここで先頭が入れ替わりセニョさんがトップを行く。

振り返る麺法師さんの奥には三嶺へ続く稜線と、

三嶺の肩の向こうには天狗塚がちょこっと頭を出している。








次郎笈のトラバース道に差し掛かると急に左の太ももが少し攣り始めた。

今まで足首や足の指、太ももの裏は攣ったことがあったが、太ももが攣るのは

先々週の西黒森山が初めての事だった。今日も同じようにおかしくなってきたので度々立ち止まると、

前を歩くセニョさんの姿がどんどん小さくなってくる。










それでも緩やかな道で何とか歩いて行けるが、この最高の景色を楽しむ余裕がなくなって来た。

剣山の姿が見えると後は次郎笈峠から下り、分岐まで登るだけだ。







次郎笈峠を過ぎ鞍部から稜線道を歩いて行くと、先を急いでいた3人が、西島への分岐の向こうで

手を振り呼んでいるのが見えるが、ストックを持ち上げ合図をするのが精いっぱい。




ところが西島への分岐の手前の登りで足をもちあげた途端に左の太ももが完全に攣った。

動かすことも曲げることもできずに立ち止まっていると、今度は右の太ももが攣り始めて

直立不動でしばらく身動きが取れない。何人かの登山者が横を通り過ぎていく。

何とか少し収まってきたので出来るだけ足を曲げず、持ち上げずに登って行くが

それでも何度が攣りそうになる。最悪だ!




分岐から西島へは道は緩やかになり、下りも問題なく歩けるたが、

二度見の展望台の手前の登りでまたまた攣ってきた。仕方がないので展望台のベンチへ

何とか歩いて行き、ゆっくりと腰掛けた。足が攣るのは1.水分不足、2.塩分不足、3.マグネシウム不足、

そして筋力不足が原因だというが、どれも自分に当てはまっている気がする。

ベンチで休んでいると後ろからルミちゃんがやって来た。先々週にも分けてもらった

漢方薬と塩分チャージのタブレットを貰って飲むと次第に落ち着いてきたので

次郎笈に別れを告げて西島へと歩く。







西島への道も緩やかなトラバース道なので、先ほどまでの激痛はどこ吹く風?と

言った感じで問題なくどんどん歩いて行けた。







西島駅にはすでにセニョさんの姿はなく、先ほど展望台でつ~さんから使ったらいいと言って

手渡されたバンテリンを、トイレに入ってズボンを脱ぎ太ももに塗ってみる。

下りは恐らく問題ないとは思ったが、用心してリフトに乗って下ることにする。

リフトの脇にはニッコウキスゲやツルギハナウドが今を盛りに咲いている。

中間部分まで来るとキレンゲショウマもほぼ満開に近い状態になっていた。







駐車場まで戻ると先に下ったセニョさんが待っていた。

『すみません!足が攣ってリフトで降りてきました。』と言うと、

セニョさんも同じように西島への分岐の手前の登りで両足が攣ったと。

それでもじっとせずに激痛をこらえながら足を曲げずに

ロボットのような歩き方をして登ったと言っている。

セニョさんはギックリ腰になっても痛みをこらえながら歩いて直すというセニョ理論?という

独特の持論をもっている人だが、私のような凡人にはその理論は当てはまらない。(笑)


そうこうしている内に行場へと向かった3人が下りて来た。本当はキレンゲショウマを見たかったが、

(あっちゃんは、さらに行場の鎖を登りたかったらしい)、時間がないので大劔神社までにして下りて来たそうだ。




最後に西島からリフトを使わずに下りて来た麺法師さんとひなちゃんが到着。

汗で濡れた服を着替えたり、今日の感想を話し合ったりしながら飲み物で喉を潤す。


今日はこのメンバーと別にIRIBITOさんは見ノ越まで歩いてデポしていた自転車で、

二重かずら橋まで戻っていった。そしてさらに別部隊の山さんは寒風山に登った後に

UFOラインを自転車で走ったそうだ。三組三様でそれぞれがアウトドアを楽しんだ一日だった。







唯一、両足が攣るという災難にあったのはセニョさんと私の二人となった。

二度ある事は三度ある。これからは水分補給をしっかりとして他にも塩分やミネラルを

摂れるものを必ず持参しなければと、考えさせられた日になった。


今日のトラック(赤線)



今日の3Dトラック



WOC登山部・自転車部・航空部2020.08.05後編

2020年08月07日 | 四国の山
登山部がキレンゲショウマを見たあと、一の森を経由して剣山山頂で寛いでいる頃。

航空部はいよいよ大空に飛び立つ瞬間が迫っていた。

ハーネスがしっかり留められているか確認してGO!

麺法師さん。走る走る・・・・・・・が、あれれ~?・・・・・失速!




気を取り直してもう一度チャレンジ!

一回目の失速の後にインストラクターに『体が浮いても足を動かしてください!』と言われ、

まるで優雅に泳ぐ水面下で必死に足を動かしている水鳥のように走って行く麺法師さん。

随分先まで走って行き瞬間浮いたように見えたが『あっ、転んだ!』




よくよく見ると途中で何度かプロペラが停まっているように見える。

最後に麺法師さんが転んで尻もちをついて、後ろのインストラクターは

前のめりになり膝を強打してしまった。

『おかしいな~今回は体が浮いても足を動かしていたのに・・・?』と言いながら

麺法師さんが戻って来た。インストラクターは『予備のエンジンに積み替える』といっている。

風も問題なく吹いているし、走り方も言われたとおりにやっていたのに。







『エンジンを積み替えるなんて、それはそれで怖いなあ~』などと話をしていると

作業が終わりインストラクターが呼んでいる。男性陣が飛んだあとに女性陣の予定だったが、

少し軽めのゆかりんが『私が行きます!』と手を挙げた。

装備の安全を確認して同じようにスタート。ゆかりんも走る走る・・・・・!

あ!浮いた!と思ったらガビ~ん!またまた失速。




麺法師さんの時と同じようにインストラクターは正座をするような形で、同じ膝を強打!

30Kgもあるモーターを背中に背負って膝から落ちたのだから、かなり痛めたはずだ。

テントに戻ってくるインストラクターは足を引きずっている。

『すみません!今日はちょっともう無理です』とすまなそうに言っている。


と言う事でこの結末をFaceBookでずいぶんと話をはぐらせ

モヤモヤしていたはずの山さんごめんなさい!

大空で鳥になる!と夢見た航空部のチャレンジはあえなく敗退。

これが今回の結末でした。 チャンチャン (T_T)

午前中と午後のキャノピーの操作練習は必要ないのにな~などと思っていたが、

結果、飛べなかっただけに貴重な体験になった。



でもでも。諦めません飛ぶまでは・・・・・・WOC航空部


(画像は拾い画像です)




WOC登山部・自転車部・航空部2020.08.05

2020年08月07日 | 四国の山
今日のWOCは三つのグループに分かれて活動。

先ずは登山部はやっさん・山じい・コアラさん・ひなちゃんのやや平均年齢の高い(笑)チームに

まゆゆがその平均年齢を下げようと参加。この時期の名物のキレンゲショウマを見に、

剣山へ出かけて行った。剣山の北側の深い森の中に可憐に咲く花を楽しんできたようだ。










その頃、直近で剣山に登った山さんはこの暑さの中、自転車で汗を流していた。

と思いきや、何やら朝からうどん屋?




そして私はと言えば、麺法師さんの長年の夢だったモーターパラグライダーに挑戦。

WOCでは以前からキャニオニングやラフティング、そしてパラグライダーと会の名前の通り、

様々なアクティビティに挑戦してきたが、唯一このモーターパラグライダーだけは

まだ未体験だったようで、今回やっと夢が叶うということで麺法師さんは随分と張り切っている。


集合場所の吉野川の河川敷の鴨島運動公園に着くと、未だインストラクターの姿はなく

代りに真っ赤な消防署の車が我々の車を横切って行った。

『香川ナンバーの車を不審がられんやろか?』と車の中で話をしていると、一人の署員が車に近づいて来た。

どうやら予定していた場所でヘリコプターによる救助訓練をするので、

ホバリング時に起こるダウンウォッシュ(ヘリコプターが飛ぶために起こる吹きおろしの強烈な風)が

あるので、離れた場所でお願いしますとの事だった。

するとあっちゃんが『救助される役になりましょうか?』とニコニコ顔で言ってみたが、あっさりと断られた。




そうこうしているうちにインストラクターが到着した。この暑さの中ではと言う事でテントと椅子も用意してくれ、

日陰で色々と説明を受け必要書類書類にサインをしていると、ヘリコプターが上空を飛んで行った。

こうなると初めて間近で見るヘリコプターにメンバー全員が興奮。

インストラクターが熱心に説明してくれていても、目がどうしてもヘリコプターにいってしまう。













書類に記入した後はいよいよレクチャーが始まった。ただ午前中は練習をして昼から実際に飛んでみるとの事。

(この時期の東からの風は午後から強く吹き出すのだそうだ)

まずは飛んでいる時の記念に自身の姿を撮影するGoPro(ビデオカメラ)の説明を受ける。




後でその自撮りの動画をメールで送ってくれると言うので、顔と名前が一致するように

名前を言いながら『がんばりま~す!』とカメラに向かって宣言をする。

次第に気分も高揚し始めてきた。








本来は空を飛ぶ時の操作はインストラクターがやってくれるので、今回の体験には必要ないのだが、

このインストラクターは真面目なのか、その仕組みや操作方法を教えてくれ始めた。

キャノピーと云われる風を受ける部分から何本ものラインがでて

手元で束ねられ、ブレーキになるラインも操作しながら風を均等に受けられるように操作する。





まずは操作しやすいように後ろ向きに走りながら感覚を覚えるのだが、

これが一筋縄ではいかずにかなり難しい。先陣を切って麺法師さんがチャレンジ!




次に体重順でみやさんも挑戦。










さすがインストラクターはいとも簡単にラインを操り体の向きを変えながら操作している。





風もそろそろ吹き始め、何回もチャレンジするが皆さんなかなか上手くはいかない。

普段でも走ることなどのないメンバー。ましてや後ろ向きに走るなんて。

ほとんどの人が足をもつらせ転倒して尻もちをつく。それでもあっちゃんが意外と上手くいっている。




そろそろメンバーがばて始めたころ、インストラクターから『それじゃお昼にしましょう!』の声。

『お昼からは前向きに走る練習をします!』と言われて、『マジか!』

『もう練習はいいのに!』と不満の声が漏れ始めた。

お昼ご飯は近くにある徳島ラーメンのお店へ車を走らせる。

普段、徳島ラーメンを食べた事のないメンバーは甘辛いコクのあるラーメンに満足。







お昼ご飯を食べた後河川敷まで戻ると、インストラクターが

『川の水に浸かりに行きませんか、気持ちいいですよ!』と

何度も熱心に勧めてくる。もう早く飛びたいメンバーだったが、取りあえずお付き合いにと車に乗り込む。

座席が足りずに後ろの荷室で荷物になっているゆかりんとあっちゃん。




練習していた場所から少し車を走らせると、コンクリートの突堤の下に川の水ではなく

湧水が溜まった場所があった。高校生らしい学生がTシャツ姿で楽しそうに遊んでいた。




突堤の西側には朝来る途中に渡って来た阿波中央橋が見える。

戦後の復興時に架けられたこの橋は戦後の架設としては、

当時は日本一の長さの橋と言われたワーレントラス橋で、

橋の袂の親柱にはイサムノグチの作品のモニュメントが飾られている。




湧水の溜まりから流れ出た水に足をつけてみる。河川敷で走りこんで火照った体に、

足先が冷やされて気持ちがいい。湧水の溜まりはさらに水温が下がって冷たいくらいだ。













童心に帰って水遊びをした後は、午後からの練習。

今度は前向きに走ってキャノピーを操作するのだが、これが更に難しい。

風の向きによって走る方向を変えながらラインを操ると教えてくれるが、

後ろにあるキャノピーがどう傾いているのか皆目見当がつかない。










二人づつ練習するのでその間はテントの陰で休憩をする。

『お昼過ぎには帰れると思っていたのに。』『もう練習はいいから早く飛ぼうよ!』と

ひそひそ話をしながら練習をしているメンバーを眺めていると、

テントの陰にそよそよと気持ちのいい風が吹いてくる。

その内にみやさんが・・・・・・・!(笑)








『それじゃ~飛んでみましょう』と言うインストラクターの声に、

『待ってました!』とばかりに先発で麺法師さんがチャレンジをする。

苦節数年?、念願のモーターパラグライダーでのフライトに少し緊張気味の麺法師さん。

合図とともに思いっきり走りだした・・・・・。







後に続けとばかりにゆかりんもスタート!




続きは後編で!



WOC登山部2020.07.29 伊予富士~西黒森山

2020年07月30日 | 四国の山



いやいや今年は梅雨入りしたと思ったら晴天が続き、

今週こそは梅雨明けすると先々週ぐらいから思っていたら

次週に持ち越しが続いて、とうとう目の前に8月が迫ってきた。

この間も天気予報とにらめっこをして出かけてきたが、笹倉湿原

出かけた時に行きのUFOラインでコアラさんが、

『この稜線をあるいてみたい!』と言ったのがきっかけで、

梅雨が明け晴れたらまずは伊予富士から西黒森山を歩こうと思いながら、

気まぐれな梅雨前線に振り回されて早や一ケ月。滝巡りでお茶を濁してきたけれど、

もう辛抱できずに天気予報は怪しいけれど取りあえず一か八かで出かけてきた。


さてさてこのルートで問題となるのは車の配車。伊予富士西側登山口に一台をデポし、

吉野川源流の碑からスタートするのが通常だが、これだと下山後車を取りに源流の碑まで

往復することになる。瓶ケ森林道の時間通行制限もあり僅か10分の間で通過する

時間が読みずらい。もちろんこのコースを往復する体力もない。

そこで思いついたのが、エントツ山さんがどこかの山で、両方の登山口からそれぞれ分かれて

スタートして縦走路の途中で鍵を交換するというクロス縦走!

これなら通常のデポ縦走よりも時間通行制限に合わせて時間が読みやすい。


ということで今回は11名のメンバーが2台の車に分かれて丸亀をスタート。

天気予報は曇り、一時雷雨の可能性もあると言う事なので、高速を走っている間も

ずっと山側の空ばかり気になっていた。『新寒風トンネルを抜けてが勝負?』だなと

考えながら、トンネルを抜けいの町に入ると、意外と明るい空が広がっていた。

これはひょっとすると期待できるかも?と同乗している女性陣とも話をしながら寒風茶屋へ。

ここでゲートの横の看板を見ると、すでに8時から工事は始まっていて、8時50分から

通行できるとなっている。もう一台の麺法師さんの車はトイレを済ませた後、

そのまま走って行ったが、こちらはまだまだ時間があると、展望所でゆっくりと朝食を摂る。




時間が来たので瓶ケ森林道を走って行くと、通行制限の現場の隧道では作業はしていなくて

あっさりとそのまま通過。(昨日いの町役場に確認したら通行制限中ですと言ったのに・・・・!)

伊予富士西側登山口ではみやさんとゆかりんがしびれを切らせて待っていた。

先に源流の碑まで走ったメンバーは、西黒森山からスタートして最後に余裕があったら

伊予富士に登ると言うので、二人は伊予富士には登りたいということで、こちらの組に入ったのだ。


『随分とお待たせしました!』と二人にお詫びして9時前に登山口をスタート。








昨日まで降っていた雨のせいか足元の笹は濡れ、小さな沢の岩もとても滑りやすく、

ロープを伝って慎重に渡って行く。










登山口からは最初は伊予富士とは反対方向へ尾根まで斜めに登って行く道。

笹に覆われた道はすでにスパッツは用をなさず、ストックで露を払いながら歩いて行くが、

腰から下のズボンはもうずぶ濡れだ!少しづつ高度を上げていくとガスのかかった

伊予富士と瓶ケ森林道が見え始めた。










尾根に出ると今度は反対方向に伊予富士に向かって登って行く。相変わらず笹の勢いは強く、

伊予富士もほとんどガスに覆われ始めた。ただ風に流れて刻一刻と周りの景色も変わって行く。

振り返ると東黒森山もくっきりと見えている。














しばらくすると今度はガスに霞んで幻想的な風景になってくる。

歩いている間は日差しをガスが遮ってくれ、涼しくて丁度いい。




尾根の分岐から30分ほど歩くと伊予富士山頂に到着。するとなんと見る見るうちにガスが流れて

青空と周りの景色も見え始めた。








晴天の下の山頂も、もちろんいいのだが、こんな感じで次々と変化していく景色もいいと

キョウちゃんが言うと、他の女性陣も同じようにそんなふうに口にしている。











西側のUFOラインもガスはかかっているが空は晴れている。これなら期待できそうだ。

今日はこの後も三座を歩いて縦走になるので先を急いで折り返していく。










笹の尾根道の足元にはオトギリソウや、ささの背丈と同じくらいのトゲアザミが咲いている。










それにしても足元の見えない笹道は、普通の地道の登山道と比べると倍くらい疲れる。

所々で谷側が落とし穴(少し崩れて)になっていて足を落としてまゆゆも尻もちをついていた。

















尾根の分岐から東黒森山への道は、さらに笹の背が高くなってきた。

そんな笹の勢いに負けじとヒヨドリバナ?があちらこちらで元気よく咲いている。







東黒森山山頂直下にある大岩へ登る三人娘?相変わらず元気がいい。

今回は配車の事ばかり頭にあって、こちらの組は当初は女性六人に男は私ひとりになってしまっていた。

女性2名のキャンセルがでたものの、それでも熟女?に囲まれての縦走にどうなる事と思っていたのが

みやさんがこちらの組に参加してくれたので随分と助かった!(笑)














東黒森山からは今日のメインルートのUFOラインが見渡せる。こちらもガスがかかったと思ったら

あっという間に流れて晴れ間を見せたりと忙しい。







カローラスポーツのCMのBGMの『大きな帆を立てて~~風になりたい~!』とTHE・BOOMの歌を

最後尾でひとり口ずさみながら気分よく歩いて行く。










東黒森山から尾根道は一旦、瓶ケ森林道に合流し少しだけ林道を歩いく。











次に目指す自念子ノ頭への道はまた尾根道が続いている。

ここで今日YAMAPデビューのみやさんにゆかりんから『道が合ってるか確認してください!』と

レクチャーが始まった。慣れないYAMAPを確認するみやさん。




自念子ノ頭への尾根道は何故かここだけ笹が刈りはらわれ、先ほどまでの笹漕き道とは

比べ物にならないくらい歩きやすい。山頂直下の急登もなんのその!














東黒森の下り辺りから、反対から来ているはずの麺法師さんの組の姿が見えないか

この自念子ノ頭の山頂辺りを見ながら歩いてきたが、山頂に立ってもその西側に全く姿が見えない。

連絡をとってみるが、皆さんバッテリーの節約で機内モードにしているのか繋がらない。

この縦走路で道を間違えることはないと思うので、ここで先に昼食にする。







昼食を済ませてしばらくして山頂から西側を見ると笹原の奥に二人が歩いてくる姿が見えた。

しばらく休んでいたがこのコースを歩くのを熱望していたセニョさんルリちゃんだ!

上から眺めながら『お~い、お~い!』と呼んでいるとどんどん近づいてきた。

それにしても残りの麺法師さんとひなちゃんと山ピーの姿は全く見えない。

それでもお互いに違う場所からスタートして、こうして中間地点で顔を合わせて

無事を確認するなんて、初めての事でとても新鮮で感動的だ!










二人に残りの三人の安否?も確認でき西黒森山までの様子を確認した後、

二人を残して山頂を後にする。山頂からの下りはまた笹道になっている。しかも足元には

笹の根っこが広がり、足が引っ掛かって前のめりに転びそうになる。まるでトラップの様だ!











笹原から急な下りになり始めると鞍部から上がった尾根の先に

こちらに歩いてくる人の姿が見えた。『麺法師さんだ!』。







鞍部まで下って行くと丁度三人とすれ違いになった。ここで麺法師さんの車のカギを受け取って、

ハイタッチはせずに肘でタッチをしてお互いの無事を願って別れる。







鞍部から一旦1669mのピークまで登って行くと正面に瓶ケ森が見え始める。

更に進んで行くと樹林帯の中の下りの道になり、下りきるとまた瓶ケ森林道に飛び出す。







ここまでの足元の見えない笹道歩きが堪えたのか、登りになるたびに左の足首が攣りそうになっていたのが

林道に下りた途端に本格的に攣り始めた。腰を降ろしてじっとしてみるが痛みが治まらない。

しばらくすると痛みは治まり始めたが、ここからの西黒森山への登りでまた攣ってしまうと

もうエスケープルートはないので、ここでメンバーとは分かれて林道を歩くことにする。

『じゃ~ね~!気を付けてね~!』と余裕の笑顔で女性陣に手を振られて、少し情けない。




神鳴池の石碑を過ぎ、時々通る車やバイクを横目に見ながらゆっくりとのんびりと歩いて行くと

道の脇に咲くクガイソウが目につき、写真を撮ろうと斜面に足を置くと、今度は左足の指が攣ってきた。







それでも林道から遠くに見える筒上山や手箱山を眺めたり、

道の脇に咲くシモツケソウやシコクフウロの花を愛でながら、騙しだまし歩いて行くと、

別の組がスタートした源流の碑に着いた。











その間女性陣とその四人に囲まれてみやさんは西黒山へと歩いている。







メンバーを待つ間に源流の碑の写真を撮ろうと階段を登ろうと一段目に踏み込んだ途端、

またまた今度は左の太ももから全体が攣ってきた。こんなに足が次々と攣ったのは初めての事。

今日の悪路も原因だけけれど、先週からずっと痛かった大臀筋が影響しているのかもしれない。


更にしばらく道の脇で涼んでいると、『今、山頂です!』と写真付きのメッセージが届いた。

あれ、あれ?その写真にはみやさんの姿がない!後で聞いてみると、どうやらみやさんも

山頂直下の分岐でリタイヤしたとの事。ん~んご同輩!(笑)




どれくらい待っただろうか、静かな静かな林道では鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえ、

脇に咲く小さな花にこれも小さな虫が、一生懸命花の蜜を吸っている。

スッパッツを脱ぎ登山靴の硬い靴ひもを解き、ゆっくりと流れていくガスを眺める。

山の中でこんなにのんびりとするのは久しぶりだ!










そんな風に感慨深く思いを巡らせていると西黒森山の方から声がしてきた。

何だか俗世に戻された(笑)気がしたが、元気そうな女性陣ともうリミットいっぱいのみやさんが下りて来る。

















無事に女性陣4人は完歩した後、まだあっちゃんはここから瓶ケ森に登りたいと言っている。

『参りました!』と言って、別組の待つ伊予富士の登山口に戻る。

先に縦走を終えた別組(セニョさんだけが伊予富士まで登ったそうだ。)は、やはり30分ほど待ったようだ。

濡れた衣服を着替えたり、お互いの今日の感想を話し合ったりしながら、曇り始めた瓶ケ森林道を後にした。

梅雨が明けて晴天を狙ってと考えていた今回の縦走だが、ガスが日差しを遮ってくれ逆に暑くなく、

幻想的な風景になり、要所要所のビューポイントではガスが流れてちゃんと眺望を見ることができ、

メンバー全員が大満足の一日だった。今回のクロス縦走、これからも使えそうなので

今度はどこを縦走しようかな?と考えながら帰路についた。

WOC登山部2020.07.22 雨乞いの滝

2020年07月24日 | 四国の山

ここのところWOC登山部は観光部に近い活動になっているが、

取りあえず毎週休まずどこかに出かけるのが第一のポリシー。

山は梅雨が明けるまで延期して、今週も懲りずに『日本の滝百選』シリーズと銘打ち、

三週連続で滝巡りに出かけてきた。先週の大樽の滝で、高知県にある

三ヵ所の百選の滝を制覇できたので、今週は徳島県に的を絞り、これも三カ所ある内のひとつ

神山町の雨乞いの滝に出かけてきた。残り二つの内のひとつ大釜の滝は何度か訪れた事があるので、

最後の轟九十九滝に行ければ徳島県の制覇となる。



いつもなら上川町へは山川町から国道193号線を走るのだが、今回は運転が楽な高速を利用して

石井町から神山町へと向かった。神山町の旧道で雨乞いの滝と書かれた小さな看板を見て

南へと左折したが、どうやら道を間違えたようで、

一旦旧道まで戻り火の見櫓のある所から山道へと入って行った。

こちらは途中には何ヵ所も案内看板も有りここからは迷うことなく駐車場に着いた。







駐車場からは先週の大樽の滝と同じように、沢沿いにコンクリートの遊歩道が続いている。

しかもうぐいす滝・不動滝・もみじ滝・観音滝と雨乞いの滝まで

連続して小さな滝が続いて、飽きることなく雨乞いの滝まで歩いて行ける。




遊歩道はこれも先週と同じように表面には苔がつき、濡れて滑りやすく

しかも所々で急な斜面になっていて、とても危なっかしい。


うぐいす滝は遊歩道から滝の近くまで降りることができる。滝の正面には形のいい

モミジの木の枝がかかっていて、秋の紅葉の季節にはとても絵になる雰囲気のある滝だった。







少しその先を歩くと道の山側には岩壁がそそり立ち次第に深山幽谷の雰囲気が漂ってきた。

前を歩くさりんちゃんは時々その岩壁に近づいて

なにやら探している。前回の笹倉湿原の時もそうだったが、どうやら水晶がないか探していたようだ。










その間も水量が多いせいで至るところで小さな滝になり、水が勢いよく流れ落ちている。







不動の滝は先ほどのうぐいす滝に比べると段差のある滝だった。

道の脇には不動尊と書かれて石仏が祀られていたが、どう見てもタヌキにしか見えない?。

キョウちゃんも連続する滝に見入って、度々立ち止まっては写真を撮っている。










次にコンクリートの遊歩道は突堤を右岸へと渡ると道は更に急になってきた。

所々で沢からの涼しい風が吹くものの、湿度が高いせいでそれこそ滝のように汗が流れ落ちてくる。







コンクリートの道が中央が階段状になり少しは歩きやすくなってくると観音滝に着いた。

さっきまでの滑らないようにと緊張していたのが随分と楽になる。










観音滝は遊歩道から滝の落ち口まで近づける。『あっちゃん、滑らんようにね!』と思いながら

眺めていたら自分が足を滑らせスマホやペットボトルを落としてしまった。







観音滝を過ぎると今日の目的地の雨乞いの滝に着いた。広場の横には東屋の休憩所があり、

広場の奥に進んで行くと先ずは雄滝が目に飛び込んできた。

さらに右奥に2段になった雌滝が谷あいの上から注ぎ込む陽に当たり眩しく光っている。










滝の両側の岩肌には一面の苔の緑、そして廻りの木々にも陽が当たり

まるで春の新緑のように若々しい色で輝いている。

三週連続で百選の滝を見て来たけれど、どれひとつ同じ表情の滝はなく、

それぞれに違った特徴があり滝見の旅もまんざらではない!

雌滝の左側には鎖が続いていて滝の上部に見える石仏まで登れるようだ。

その鎖場の上の方で地元の人か、鎖の周りの草刈りをしながら降りてきている。













雨乞いの滝を堪能した後は次の目的地の悲願寺へと向かう。

滝の広場の横から悲願寺までは四国のみちが続いている。




ただここからの道もいきなりの急登。しかも足元は滑りやすく横にある擬木の柵に

手を添えながら登って行く。その急登を登りきると北側の神山町が見える眺望が広がっていた。

先ほどの雨乞いの滝で涼んだあとなのに、また思いっきり汗が噴き出てきた。










更に折り返しの急登を登ると道は眼下に沢の流れを見ながら歩きやすい道になった。

道の谷側には石垣が続いているのを見ると、古くから悲願寺への参道になっていたのだろう。







案内では悲願寺までは滝から30分と書いたが、なかなか着かず、そろそろメンバーから

愚痴が出始めたので、『悲願が成就するのに楽な道ではいかんでしょう!』と言うと、

『何をお願いします!』と麺法師さんが言うのでしばらく考え込んだ。

すると麺法師さんが『私はサマージャンボ宝くじが当たるようお願いします』。

『当たったら皆さんに1,000万づつ差し上げますよ!』と言うので、メンバー全員が途端に盛り上がった。

『それじゃ~今日のメンバーだけにしときましょうね!』と姑息な発言をする私。







杉林の中の道になるとまた道は急登になり、せっかく盛り上がった話もいったん中断。

滝見のおまけ程度に考えて計画したのに、これはもうれっきとした登山になった。




やっとのことで前方に明るくなった場所と山門が見え始めた。







先ほどまでの山中の険しい道からは想像もつかないほど境内は明るく広々としている。

廻りには数本巨大な杉の木が立ち、山門の中には小ぶりな仁王を安置している所を見ると仁王門の様だ。







境内の奥には立派な常夜塔が建っている

この常夜塔は山中にあった古代灯台跡から明治初期に移設されたという。




早速拝殿にお参りをするが、麺法師さんはいつもより多いお賽銭を入れるという。

もちろんそれはサマーャンボ宝くじが当たる様にと願うため。その後ろでメンバー全員が揃って

『どうぞ宝くじがあたりますように!』とお参りをする。イッヒ・ヒー! (*´▽`*)





常夜塔には弘法大師が伝え残したと言う額が掛けられているが、

正面に「葆光(ほうこう)」向かって右側に「虚」左側に「空」

書かれているそうだが、左側の額を見て『麺法師さん!ほらって書いてありますよ!』と

私が言うと、ここでも麺法師さんが丁寧に手を合わせていた!(笑)




帰りの下りは時間もかからずトントンと下って行く。

すると麺法師さんは宝くじを30人近くでまとめ買いをしていることが判明した。

それじゃ麺法師さん自体の配分も随分と少なくなる計算。

『さっきの一人1,000万円は訂正します!』と麺法師さん。







登り鈍行、下りは急行で降りた後、雨乞いの滝で休憩をして駐車場まで下って行く。

ただここからが今日最大の難所。登りであれだけ慎重に登った苔むしたコンクリートの坂道を

更に慎重に一歩一歩と下って行く。普段あまり履いていないショートのトレッキングシューズは

経年で靴底が滑りやすく、余分に足に力を入れるため指先に痛みを感じ始めた。










何とかメンバー全員尻もちをつくことなく無事に駐車場に到着した。




さぁ~お腹が空いたので何処かのお店で食事にしよう!とGoogleで探したピザ屋へ向かうが、

今日は予約でいっぱいだと断られ、次にめし処萬や山びこに向かう。

国道からは倉庫にしか見えない建物は中に入ると新しく改装され、

名前からは想像つかないおしゃれな雰囲気のお店だった。ランチは日替わりでパスタと丼と定食があり、

私は日替わりのから揚げ定食を頼んだが、量が多くて満腹になった。

以前に食事をしたことのあるかま屋も含めて、神山町にはオサレ~な

お店が多く、平日でも徳島市内から来る人がいるのか、けっこう賑わっている。










まだ時間もあるので食事の後は車で焼山寺まで足を延ばすことにする。

狭い山道を登って行くと広い駐車場に着いた。駐車場からは奉納による石灯篭が境内まで続いている。

やっさんと私は藤井寺からへんろ道を歩いた事があり、

ひなちゃんとさりんちゃんは車で来たことがあるそうだが、

麺法師さんとキョウちゃんは初めてだそうだ。私は14年も前になるのでほとんど記憶がないが

この石灯篭の参道だけは記憶に残っている。




参道の途中からは東の眺望があり、遠くに風力発電のある大川原高原が見える。







境内はまだコロナのせいか人影は少なく、家族連れの兄弟の声だけが静かな境内で可愛く響いていた。










焼山寺でのお参りの後は最後の最後に奥の院のある焼山寺山を目指すことになる。

さすが登山部のだけあってメンバーは元気よく本堂の脇へと歩いて行くが、

今日はやはり靴のせいか大殿筋の辺りが痛み始めて足が進まない。




藤井寺からこの焼山寺に歩いた時も奥の院まで歩いたのだが、最後に随分と急な坂に

最年長で参加していた女性がメンバーから遅れていたので、それを見守る様に後ろから付いて行くと、

何度も先に行くようにと言われたが『私もしんどいので!』と言いながら、わざと疲れたふりをして歩いた。

すると後で、一緒に来ていたその女性の妹に『あの人、若いのに大したことないわね!』と

言っていたというのを聞いてがっかりした記憶が蘇ってきた。




この道には杉の木を始めたくさんの巨木が道の脇に立っている。







巨木の道を過ぎると今度は巨岩の道になってきた。コンクリートでできたような垂直な

岩壁を横目に見ながら歩くとその岩の正面に出た。大蛇封じ込めの岩と書かれた巨岩は、

弘法大師が開山した時、焼山寺山の台地に大蛇がいて、火を吐いて山を焼くなど

村人を困らせていることを聞いて、水輪の印を結んで退治に出かけた。

襲いかかる大蛇を虚空蔵菩薩の加護を得て退治、この岩に閉じ込めたと伝わる巨岩だ。

蛇がとにかく苦手な麺法師さんは『蛇さん出てこんでええからね』と言っている。







さらに途中には大師の杖を立てた杖立権現の小さな祠があった。

祠の前には奥の院の標識があり、疲れてきた麺法師さんがここを奥の院だと思って

『着いたよ~!』と言っているが、先を行くやっさんが『まだ先だよ!』と呼んでいるのでガッカリ。

山ではにせピークはよくあるがこれは『にせ奥の院だ!』と麺法師さんが愚痴った。







杖立権現から尾根に出ると南側に麓の神山町が見えた。

痩せ尾根を歩き登りきると正真正銘の弥山(蔵王)権現を祀った焼山寺奥の院に着いた。










ここは奥の院と同時に焼山寺山(938m)の山頂にもなっていて、

二本の可愛らしい山名札が立っている。

南の正面には旭ケ丸雲早山や砥石権現が見え、

西側に見えるとんがり山は東宮山だろうか?、その奥には霞んでいなければ剣山が見えるはずだ。










後で気づいたのだが集合写真でも欲深い(笑)5人は『宝くじがあたりますように!』と拝んでいる。

そうとは知らずにひなちゃんと私は吞気にピースサイン!




願掛けも無事終えて焼山寺へと下って行く。

今日は一日曇り空だったが蒸し暑く下りでも汗が噴き出てくる。

麺法師さんがテレビ番組で見た、吉野川は現在の阿波池田から東に紀伊水道に流れているが

300万年前は美馬市の辺りから北上し(現在の三頭越えの辺り)、瀬戸内海へと流れていたのが

断層活動で讃岐山脈が隆起し山地に遮られて現在の流れになったと話をしてくれた。

『阿波池田で90度に曲がって更に北に曲がっていたんですね?』と言うと、

あっちゃんが『吉野川が阿波池田で90度に曲がっている?』と不思議そうに聞いてくる。

『奥様、その場所は何度も車で通っていますよ!』と言うと、

悔しがって私が首に掛けていたタオルで首を絞めてきた!『奥様~~!!』 (@_@)










駐車場まで着いて万歩計を見ると19,000歩になっていて、メンバーに聞いてみると

他のほとんどの人が15,000歩になっていた。

『ハイハイ、私は足が短いんです』などと言いながら帰路についた。

WOC登山部2020.07.15 聖神社・大樽の滝

2020年07月16日 | 四国の山
先週の香美市の『滝三昧!』に続いて、今週も“日本の滝百選”の第二弾と銘打って、

高知県で百選に選ばれた三つの滝の内のひとつ大樽の滝を目指すことにした。

残るもう一つの龍王の滝は何度も訪れた事があるので、

これで高知県にある日本の滝百選の三つを制覇できることになる。

ただ滝見物だけで越知町まで出かけるのはもったいないので、以前からさりちゃん

(WOCにさおりんが二人いるので今回改名)が勧めてくれていた

高知の投入堂で有名な聖神社を絡めて歩いてみることにした。


伊野ICで高速を降り、国道33号線を東に佐川町から越知町、そして県道18号線へと進んで行く。

途中で工事中の現場があったが通行止めにはなっていなかったので、現場の人が鉄板を

敷いて車を通れるようにしてくれた。




桐見神社を過ぎたところで県道から左に下がって林道になる。

少しだけ未舗装になったヶ所があるが、あとは舗装路なので駐車場まで車は問題なく走れる。

集落を過ぎ林道を登って行くと道の脇に休憩所のような小さな小屋に

駐車場の看板と、聖神社の案内板が掛けられている。車は4.5台停められるスペースがあった。




駐車場から少し上に青い建物がありその横が神社への入り口となっている。更に橋を渡った所に

もう一つ案内板があるが、こちらは聖神社に直接行ける道で、手前の入り口が

対岸から神社の全景を眺められる展望所への道になっているようだ。

道の脇の沢には昨日の雨で勢いよく水が流れている。









入り口からは直ぐに急登が始まり、小さな沢を渡渉すると杉林の中の道になる。










急な場所には丸太の階段とトラロープが張られていて、谷筋では普段なら空沢なのだろうが

今日は小さな滝になって水が流れている。




杉林から自然林になり尾根の下を巻くようにして歩いて行くと聖神社の対岸の展望所に着いた。

晴れの日には朝10時を過ぎると神社側は日陰になるようだが、曇り空の今日は影もできずに

断崖絶壁に建つ聖神社をきれいに眺めることができた。

投入堂としては鳥取県の三徳山の投入堂が全国的には有名だが、

この聖神社もなかなかどうして三徳山に負けず劣らず見応えがある。







三徳山の投入堂は長い柱で床を支える懸崖(けんがい)造りになっていて、投入堂の足元までは行けるが

その中まで立ち入ることはできない。しかしこの聖神社はここから周回路を歩いて行くと神社にお参りできる

というので展望所から更に進んで行くことにする。


山さんは今日は自慢の一眼レフを持ってきているが

展望所の一番奥のビューポイントまで怖くて近づけずに、『ここで十分!』と強がりを

言いながら写真を撮っている。







展望所から聖神社への道は谷の上流に向かって進んで行くようになる。雨上がりの道は滑りやすく

特に沢に架かる丸太の橋はツルツルで靴底が滑り危ういが、前をいく女性陣は難なく渡って行っている。













振り返ると山さんが手摺を使わず、何故か平均台の上を歩くコマネチ(古い)のようにして渡っている。




二つ目の丸太橋を渡ると道には苔むした岩が目につくようになってきた。

丸太の橋を渡ったり脚立の梯子を降りたりと変化があって楽しい道だ。










充分に水分を吸った緑は瑞々しく、苔も今日は生き生きとしている。







谷筋の上流では仮設足場の踏み板を渡らせた吊り橋が架かっていた。

丸太の上に載せてある橋は今までも見た事はあるが、吊り橋に足場板が載っているのは初めてだ!




その吊り橋の手前に巨岩に梯子が掛けられていて、岩の上から横を流れる

沢と小滝を眺められるようになっている。










梯子を昇り降りした後は沢の左岸へと吊り橋を渡って行く。

ゆらゆらと揺れる吊り橋をキャッキャと言いながら渡ってくる女性陣。










相変わらず慎重に慎重にとゆっくりと渡っていく山さん。




吊り橋を渡ると今度はマンガン鉱を採掘していた跡だという洞窟があった。中に入ると一瞬真っ暗になるが

途中ではライトが有り、出口の明かりも漏れている中を問題なく歩いて行く。

それにしても丸太の橋や梯子に吊り橋に洞窟と、この道はちょっとしたアトラクションみたいだ。










洞窟を出ると神社へと向かう急登になる。大木に遮られて陽の当らない道は苔の道で、

少しザレた場所もあり滑らないように注意しながら登って行く。







聖神社の絶壁が近づいてくると谷側には丸太の階段になっているが、

ここも濡れて滑りやすく注意深く登って行く。








何ヵ所かの階段を登りきると頭上にお目当ての聖神社の社殿が現れた。




三徳山の投入堂はその昔、役小角が投げた蓮の花びらの1枚は

神仏にゆかりのあるところに舞い落ちた一つが

三徳山で。役小角が三徳山を訪れた時、その山のふもとでお堂をつくり、

役行者は法力でお堂を手のひらに乗るほどに小さくし、

大きな掛け声と共に断崖絶壁にある岩窟に投入れたと言われ、

このことから「投入堂」と呼ばれるようになったというが、

この聖神社は明治12年に改築された記録は残っているがその創建はあきらかではない。

60年ほど前までは近くの小日浦(こびうら)集落に約200人が住んでおり、住民たちが通っていた。

しかし、その険しさから次第に集落の人の足が遠のいた。

屋根が崩れ、床が抜け落ちている状態を知り、「もったいない。なんとかせんと」と

立ち上がったのが岡村豊延さん、1988年12月のことだった。

絶壁にはしごを作るところから始めた。社での作業も落ちれば命に関わる大仕事。

豊延さんは腰に命綱を巻き、滑車を通したロープの端を妻、袈裟子さんが持って支えた。

夫婦で命懸けの作業を続けた。

2人が“難工事”に取り組んでいることを聞きつけた集落の出身者らが材料費を寄付してくれたり、

資材の運搬を手伝ってくれたり。2カ月ほどで修復は完了したという。




社殿に入るり窓を開けると開放的な景色が広がっていた。奥には不動明王が祀られている。










よくぞこんな場所で2ヶ月あまりの短い期間で、それもほとんど個人の手で改修できたもんだと

感心する事ひとしきり。窓と入り口の扉を閉め後にした。










登りよりさらに注意深く濡れて滑りやすい丸太の階段を下って行く。

この道も階段も岡村さんや地元の方が整備したという。大変な作業だったに違いない。







ザレた下り坂を降りきると左に参道入り口への道が続いている。

道は沢沿いの道にあり綺麗な小滝が続いていく。この小さな渓谷も秋になったら紅葉に囲まれ

風情のある景色になるだろう。














聖神社への参道の下りは展望所からの登りに比べておもったより短い時間で林道の入り口に着いた。







休憩所にあった置物(笑)でポーズをするさりんちゃんとみやさん







この休憩所も横から見てみると投入堂に見えなくはない!





ミニアトラクションを楽しんだ後は、朝早くに菓子パン一個を食べただけだったので

もうお腹はペコペコ。今日の第二の目的地で昼食を摂るため車を移動する。

高知の人に越知町でお昼ご飯と聞けば、自由軒とほとんどの人が教えてくれるほどの

ラーメン店で有名なお店で、なかでも味噌ラーメンが名物の様で越知町のホームページの

グルメ情報にも掲載されているほどのお店だ。もちろん他にも醤油や塩ラーメン、チャーハンもある。










お店では入店の際にはマスク着用で、注文も食券機。さらにはテーブルの対面は

ビニールで仕切られているという、コロナ対策が徹底されていた。

当然、ここでは私は味噌ラーメンを注文したが、他の人は味噌カツラーメンの上にチャーハンを

セットにして頼んでいた!あっさりと優しい味のラーメンは噂通りで美味しく頂けた。







自由軒でお腹を満たした後は、第三の目的地というか最初に決めた目的地の大樽の滝へ!

県道の脇に案内板があるが、GooglMapでは駐車場までの道は載っていなくて、

最初は東側の道を走ってしまい迷ってしまった。駐車場へは県道の看板から山道を走って行くが

道幅は狭く、果たして本当に駐車場まで行けるのだろうかと思うような道だった。

運転手の山さんが『大丈夫?』と聞いてくるが、最初は『大丈夫!』と答えていたが

次第に不安になってきた。最後は道の両側から草が延び道幅を狭めている。

何とかその場所も無理やり過ぎるとトイレのある駐車場に着いた。

『ほ~らね!』と嘯く私を後ろの座っている女性陣が笑っている。

それにしても日本の滝百選に選ばれているのに、もう少し途中の道を整備すればいいのに。







大樽の滝へは駐車場からコンクリートの遊歩道が500mほど続いている。

沢沿いに続く道は大小の岩の間を水が流れ小さな滝を造り、時折段差のある滝の前では

流れ落ちる水が涼風を運んでくれる。







お昼を過ぎて気温が上がり湿度も高くなってきたが、渓谷沿いの道は気持ちよく歩ける。







遊歩道の突き当りに落差34mの大樽の滝が正面に見えた。

大樽の水を撒いた様に豪快に流れ落ちるのでその名が付けられたというが、今日は昨日の雨で

更に豪快に流れ落ちている。滝壺の正面には“にじのはし”の

名前のとおり優美な形をした橋が架けらている。










橋の上からは間近に滝を見ることができ、橋の脇からは滝壺まで降りることができる。

滝の本体は『三滝花崗岩(みたきかこうがん)』と呼ばれる4億年以上も前の古い花崗岩でできていて、

坂折川を挟んだ北方の横倉山にもこれと同じ花崗岩が分布しているそうだ。







滝壺近くまで降りたオトメ隊?が写真を撮ろうとポーズをしているが、

その格好が可笑しくて笑いを誘う!








この写真を撮ってくれた山さんが『日頃の行いを悔い改めている』などとFBに書いていたので

自然が造りだす造形と美しさに、しばし見とれてしまっている私ですと書き込んだ。

それは見る人の心ねを現した言葉だと私は思っている(笑)




みやさんは滝壺でロボットダンスを踊っている!




滑りやすい滝壺の横でワイワイと写真を撮っている乙女隊と

落ちないだろうかとそれを見守る親父たち!







先週の轟の滝ではあまりの飛沫の量に直ぐに引き返したが、今日は水量は多いがミストがかかる程度なので

マイナスイオンを存分に吸い込みのんびりと過ごして大樽の滝をあとにした。










帰り道に高知のながれ星さんに勧められた牧野公園に立ち寄ってみるが、

園内を歩くまでの時間がなくなり、入り口近くの風情のある酒蔵ロードを少し歩いて帰路についた。






WOC登山部2020.07.08 轟・岩屋・大荒の滝

2020年07月10日 | 四国の山
昨年より26日も早く5月31日に今年は梅雨入りをした。

梅雨入りして直ぐは好天が続き、ここ最近もあまり雨にも降られずに

山歩きができていたが、今週はやっと梅雨らしい天気となってきた。

本来登山部としては雨でも登山が原則だが、せっかくなら最低でも山頂から

眺望がある日に出かけたいので、軟弱にも予定を変更して散策を計画した。


『高知の滝三昧!』と銘打って、香美市にある日本の滝百選

選ばれた轟の滝を一つ目の滝に。残りは以前に鉢ケ森に登った時に

時間があれば立ち寄りたいと思いながらも叶わなかった岩屋の滝と大荒の滝の二つ。

天気予報では夜中にかなりの雨量が予想されていたが、観光地にもなっている場所なら

登山部のメンバーなら何とかなるだろうと思い、出かけてきた。


南国ICを降り土佐山田にかかる辺りでさおりんが、お弁当なら

チキン南蛮の美味しいお店があるというので全員一致で立ち寄ることに。

他にもメニューがあるお店だが、やはり名物はチキン南蛮のようだ。




いつもなら絶対に頼まないのだが、『今の時間ならご飯大盛無料です!』の店員さんの言葉に、

貧乏性の私は大盛をと頼んでしまった。(これが間違いのもとだった。)




アンパンマンミュージーアムを右手に見ながら国道195号線を東に進むと

もうほぼ枯れかけたあじさいの花が道の両側に植えられ続いている。

見頃の時期ならさぞ華やかだっただろう。左側には増水して濁った物部川が勢いよく流れている。

永瀬発電所を過ぎて国道から左に下がって物部川に架かる橋を渡ろうとしたら、

ヌ・ヌ・ヌ!橋の手前で通行止めの看板!

未明に降った集中豪雨の影響で通行止めになったらしい。麺法師さん

『どうしましょう?あきらめますか?』などと話になったが、

取りあえずもう少し上流にある新神賀橋まで行ってみて

同じような状況なら引き返すことにする。幸い新神賀橋には通行止めの看板はなく、

右岸に渡って少し走ると轟の滝の標識があった。

集落の間を抜け山あいをどんどんと走って行くと、道は意外と荒れていなくて

程なく轟の滝の駐車場に着いた。駐車場の横を流れる日比原川は激しい音をたてて流れている。

案内板には香美市のイメージキャラクターの瀧のシブキちゃんが描かれている。

このキャラクターの作者はあのやなせたかしさんだそうだ。







案内板に従って展望台まで歩いて行く。途中の舗装路の上にも行き場のない水が流れている。







展望台からは轟の滝の全容が眺められる。先ほど見た駐車場の横を流れていた日比原川の水が

滝となって一気に流れ落ちている。普段なら三段ある滝のそれぞれに青く輝く滝壺が見えるようだが

今日はこの水量で滝壺は隠れてしまって見ることができない。










普段の轟の滝




展望台からは遊歩道を歩いて一番下の滝壺まで降りられるようになっている。

コンクリートの道の遊歩道は濡れて滑りやすく、一歩一歩、注意をしながら下って行くが

道の脇の至るところで水が溢れて流れている。







ある程度の所まで下って行くが、最後は遊歩道自体が川のようになっていて

これ以上は無理だと判断してあきらめて戻ることに。

戻り道も足を滑らせないように麺法師さんと山ピーが慎重に登って行っている。










駐車場に戻り案内板を見てみると、少し下がった場所にある轟神社の横から

先ほどの展望台へと遊歩道が続いている。やはり滝壺まで行ってみたいので取りあえず

行ける所まで行ってみることに。すると以外にもこちら側の遊歩道は荒れていなくて、

間近に滝の流れを見ながらどんどんと下って行く。







一番下の滝壺には対岸に渡る橋が架けられていた。展望台から見えた滝の流れは更に迫力を増し、

滝壺にある巨岩にぶつかって轟音と共に飛沫が舞い上がっている。

これだけ迫力のある滝を間近で見たのは四国では初めてだ。

まるでダムの放流を真下で眺めているようで恐怖すら感じる。













いつもなら滝からのミストを浴びて『マイナスイオンだ!』なんて言うところだが、

今日のこの凄まじい量ではじっとしているとびしょ濡れになってしまう。

メンバー全員が『凄いね~!』と言いながら、一生分のマイナスイオンを浴びて

駐車場へと戻って行く。するとつ~さんが落石注意の看板の脇に小さく

大星山登山口と書かれた標識があるのを教えてくれた。

ここからだと大星山は少し遠いように思うが、未踏の山、また登ってみたい。













駐車場に戻って少し歩いて耳の神様を覗いてみる。

その由来は『今から二百年前の藩政時代、地区内のある民家の縁の下で、

オオカミが子供を生んでいるのを家人が見つけ、あわてて糸をつむぐ用具の一部を耳に突き刺して殺しまい、

オオカミの親子は近くの石の下に埋葬されたが、以来、耳の病に苦しむ人が、ここを訪ね願いごとをすると、

なぜかその病がばったり治るようになった』と伝えられている。オオカミの親子を助けて

それ以来、病が治る様になったというのが普通にある話だが、殺しておいて願いが叶うなんて・・・・・?




轟の滝の大迫力に満足した後、車を走らせると少し雨が降り始めた。

取りあえず屋根のある場所でお弁当を食べようということになって、

アンパンマンミュージーアムまで戻り、屋根のあるベンチでお弁当を広げる。







名物のチキン南蛮弁当は少し冷めてはいたが、美味しく頂けた

ただ大盛ご飯はぎゅうぎゅう詰めで。(これはご飯普通)、

普段お昼はあまり食べない私は完食するのに一苦労した。







お弁当を食べ終え、いつものようにお湯を沸かせてコーヒータイムも済ませて、

次に向かうは岩屋の滝と大荒の滝。途中でさっきの轟の滝であんなに凄かったから、

大荒の滝はどれだけ荒れているんだろうなどと冗談を言いながら山道を進んで行くと

道の脇の至るところの山側から滝のように水が流れ出ている。

次第にメンバーの中に不安な気持ちが・・・・・。


やはり予感的中で岩屋の滝の入り口の手前で道に土砂が崩れてこれ以上は進めない。

仕方がないので手前に車を置いて歩くことにした。







幸い車を停めた場所からは少し歩くと岩屋の滝の入り口に着いた。

手前の久保川に架かる橋からも先ほどの日比原川と同じように凄い量の水が流れている。







滝への道は階段状の急登が続いている。先ほどの大盛ご飯が堪えてげっぷが出る。

急登を登りきると道は緩やかになり、しばらくするとまた轟音が聞こえ始めた。岩屋の滝だ!




岩屋の滝の滝壺にも赤い橋が架けられていて、その脇を上がると滝壺に近づける。

ただここでも流れ落ちる水の量が半端ではない!







普段の岩屋の滝






橋を渡り左岸からもさらに近くで滝を眺められる。物部川の濁った茶色の水とは違い

これだけの量の水が流れていても、水の色は澄んで青い!

傘をさす痩せのあっちゃんがその落ちる水の風圧で今にも飛んでいきそうだ。














岩屋の滝から大荒の滝への道は、この雨で崩れたのか所々でザレている。

途中で真っ赤な可愛らしいタマゴダケを初めて目にする。











大荒の滝が近づいてくると、道は右岸から左岸に渡る橋があった。

橋から眺めると渓谷の中を小さな滝がいくつも流れ落ちている。周りはモミジの木々に囲まれていて

是非もう一度、秋に訪れてみたいと思わせる景色だ。










左岸の道は大荒の滝の滝壺へと続いている。川の流れを眺めながら登って行くと、

今日の最終目的地の大荒の滝に着いた。










落差40mの滝は先ほどの轟の滝に次いで香美市では2番目の高さを誇る滝だ。

滝の落ち口の両側には岩壁がそびえ立ち、その間から流れ落ちる滝はまた迫力満点だ。







普段の大荒の滝




滝の脇には東屋があるが今日の雨か、この滝の飛沫かわからないが中のベンチも濡れている。








東屋からは少し登って行くと林道に出た。ここでも道の至るところで水が滝になって流れ出ている。

その滝の水を撮ろうとカメラを構えるやっさん

その滝に打たれて滝修行?をしているように見える!(笑)







道が地道から舗装路になると展望所と至るところで駐車スペースがあった。

やはり秋の紅葉の季節にはかなりの人出で賑わうようだ。











今日も案内には散策と書いたが、意外と15,000歩近く歩いていた。

朝早く降った雨で想像以上の水量の迫力ある滝を三つも見ることができ、

いずれも滝壺の近くで眺めることができ、メンバー全員が満足して帰路についた。



WOC登山部2020.07.01 霧石渓谷

2020年07月02日 | 四国の山




梅雨のこの時期、毎週の山行となると毎年いつも行き先に頭を悩ませる。

取りあえず晴れれば先週の笹倉湿原へ向かう途中で車で走った

UFOラインの秀麗な稜線を見て、コアラさん

『この稜線を歩いてみたいですね!』と言っていたので、吉野川源流の碑辺りから

伊予富士まで歩く予定にした。

雨の場合は取りあえず新宮のあじさいの里はどうですか?と麺法師さんに伝えると、

『そのあとどこか回れるところはないですか?』と聞かれたので、GooglMapで調べていると

大歩危の少し南の山の中に霧石渓谷と書かれたピンが目に留まった。

ネットで調べてみると、どうやらJR土佐岩原駅を起点に3つの

トレッキングコースがあるというのが判った。

よしひとまず雨の日は『あじさいの里と霧石渓谷の散策』に決定!

ただ今回は麺法師さんはモーターパラグライダーにチャレンジする

と言うので別部隊に分かれることになった。


週末から天気予報が変わり回復傾向になったが、伊予富士辺りはガスがかかっていそうなので

せっかくなら晴天の下で稜線歩きがしたいと思って、早々に雨の日計画の方に切り替えた。

別部隊の航空部もインストラクターから中止の連絡が入り合流する事になり、

結局最終的には今回も14名の参加となった。


土佐岩原駅の駅舎の北側にトレッキングコース用の駐車場があった。駅舎の前にはコースの案内板がある。

コースは3つに分かれていて、今日はロングコースを歩いて霧石渓谷を目指すことに。







駐車場からは北に線路に沿って歩いて行き、踏切を渡って集落へと進んで行くと

直ぐに道は二手に分かれていて脇にある岩原神社と書かれたプレートには、

ロングコースの赤い三角の目印が付いている。今日はこの赤い三角の目印に沿って進んで行く。










プレートの先には橋が架かっていて、巨大な岩壁の下を昨日降った雨の後で、

轟音をたてて水が流れていた。橋を渡り坂道を登って行くとその川の際に

肩を寄せ合って建つ民家が見える。その奥には青空の下にこれも水量の増えた吉野川が見える。







ロングコースの赤い三角プレートは要所要所に立てられていて、

ばらけてしまったメンバーも今日は道に迷う事もない。




道は集落の中の車道から脇に入ると地道の急登となる。










自然林から杉林になるとさらに道は急登になってきた。先ほどの駐車場でザックも背負わずウエストバックだけの

私の姿を見て、コアラさんに『何!その格好!』と言われ、『今日は楽勝ですから!』と答えたのが悔やまれる。

先週の笹倉湿原の時に歩いた事があるキョウちゃんが、『今日はハイキング程度!』と

言ってしまってひんしゅくをかった(笑)のも頭に浮かんできた。『霧石渓谷の散策』と案内をした手前、

いかんいかん、このままではキョウちゃんの二の前になると思い、メンバーに言われる前に

『誰や!今日は散策やと言ったんわ!』と自分で言って予防線をはった。

前を歩く久しぶりの参加のセニョさんも『もういっぱいいっぱいや!』と珍しく弱音をはいている。







一旦、車道に出ると道の脇にお寺があった。その先には小さな校庭と建物が残る学校跡があった。

大きな石碑には『岩原校 校跡』と彫られているのを見ると、小・中学校があったようだ。










校舎跡からしばらくは集落の中の車道を進んで行く。道には色とりどりのあじさいが咲いて

点在する民家や廃屋の中を、今のこの時期らしい山あいの風情を感じながら歩いて行く。










赤根川に架かる赤い橋を左岸へと渡って行くと、麓からけっこう登って来たのが見て取れる。







道にはきれいなグラデーションのねむの木の花が

まるで色紙を巻き散らかしたようにたくさん落ちていた。




山の北側になる薄暗い道の脇のコンクリートの擁壁には苔がびっしりと付いている。

その苔をよ~く見ると何やら文字が浮かんでいるので

丁度、後ろから来ていたあっちゃんを呼んで、『その辺りに立ってみて!』と言うと

『何・なに?』と言いながら、何のことか判らずポカ~んとして立つあっちゃん。(笑)




さらに三角プレートに沿って進んで行くと、車道から逸れて杉林の中の道になってきた。










駅舎の横にあったコース案内板に石積みの道と書かれていた辺りになるようだ。

確かに谷側には古い石積みが続いている。




山側には高い岩壁が続き、所々で巨岩が道まで迫っている。

思った以上に雰囲気のある道だが、こんな山中で石積みがあると言う事は、昔はけっこうな

往来があったということ。更にこれだけの道幅があると言う事は荷物を運ぶ牛車道の

ような使われ方をしていたのだろう。この辺りに鉱山があったというのは聞いたことがないので、

それ以外にこの山間部で生産されていたものを麓へ運んでいたのかな?などと思いながら歩いて行く。







もう使われなくなった道は所々で崩れてザレたヵ所もあり、所々は急登になっている。

案内板で見た以上に石積みの道はしばらく続いていく。

今日も『散策!』の案内で気軽な気持ちで参加した杉さんの粗い息遣いが聞こえてくる。













石積みの道が終わると案内板に展望スポットと書かれた場所に出た。

渓谷に向かって飛び出した巨壁の頂部が展望台になっている。

ここからは北側に向かっての眺望が広がっている。







丁度、地元のおじいさんがいて眺望の一番奥に見える山が国見山だと教えてくれた。

そのおじいさんとやまじいが何やら話し込んでいる。

『梅雨晴間 話はずます 翁二人(字余り)』(笑)







展望台からは渓谷には下りずにそのまま集落の中の車道を歩いて行く。

この辺りでも今を盛りにあじさいが咲き誇っていた。















しばらくすると今回のロングコースの最上部に架かる赤根橋に出た。橋の脇には公共トイレもある。

橋から見える赤根川もすごい量の水が流れている。







橋を渡り少し歩くと赤根川に自然の岩盤をくり抜いた突堤があった。

丁度よく目にする砂防ダムのような形をしているが、その下部はくり抜かれて

勢いよく水が飛び出している。







車道から斜め下に三角プレートが誘導している。ここからは舗装路から少し草が茂る道になる。

野草の写真を写真を撮りながら歩いて行くと前の方で山さん

『そこ、滑るから注意して!』と声をあげている。どうやら自身が滑って転んだらしい。

それもさらに前を歩く麺法師さんが滑ったのを見たあとだったのに・・・・・。










草道を過ぎると山あいの集落を眺められる場所に出た。

畑の作業小屋の横を通りどんどんと下って行く。










道がコンクリート道になるとスタート地点まであと少し。

山さんが『お母さん、ここ・ここケガしたんで~』と言っている!(笑)










若干1名負傷者がでたが2時間強で無事散策?が終わって岩原駅に着いた。







標高差308m、沿面距離6.8kmのトレッキングの後は

メンバーと相談をして少し戻って歩危マートに立ち寄ることにした。

お店へは石鹸で手洗いをしてから中に入ってと教えられる。

やはり地元住民以外にも観光客も訪れるお店なので、コロナ対策はしっかりとしている。

今日の案内にも『集落の中ではむやみに住民に話しかけないように!』と書いたが、

県外から訪れるときはまだまだ気配りが必要だと感じた。

登山部の中でも感染のリスクが高い場所や町に出かけた人がいた場合は、やはり注意が必要だ。



ここでお弁当を買って河原で食事でと思っていたが、

予想通り14名の人数分はなく向かいの茶店で食事をすることに。

まずは名物の豆腐やお揚げを買って、それぞれお蕎麦やうどんを注文する。










お腹を満たした後は更に北の川口駅まで戻り、河原に下りて恒例のコーヒータイム。

途中のコンビニでコアラさんが気を利かして買ってくれたドリップコーヒーを頂く。

蒸し暑かった山の中とは打って変わって、吉野川の川上から爽やかな風が吹いてくる。











帰宅時間を急ぐメンバーは先に帰路についたが、私の車に乗っていたあっちゃんとみなちゃん

新宮のあじさいの里へは行ったことがないというので立ち寄ることに。

前日のセニョさんのお店に来たお客さんが、『あじさいは終わっていた』と言っていたというのを

聞いていたが取りあえず覗いてみると、やはりあじさいの花の色付きは悪くもうほぼ終盤だった。




それでも約4ヘクタールの山の斜面に植えられた約2万株のあじさいを

初めて目にする二人はまるで少女のように?喜んでいる。先週も来たと言うルリちゃん

まだ残る咲き頃の色とりどりの花に満足げだ。







『今日は散策!』と案内したのは反省点だが、思っていた以上に変化のある道で

ある程度の距離も歩けて取りあえずは合格点と言う事にしよう。



今日のトラックです!


WOC登山部2020.06.24 笹倉湿原

2020年06月25日 | 四国の山
さぁ~今週はどこに行こうかと思案していたら先週の石堂山ゆかりん

『KAZASHIさん笹倉湿原、知ってます?』と言うので『知ってるけど行った事ないわ~』

と答えると、『行きたいな~』とおねだりしていたのを思い出した。

ただスタート地点の石鎚スカイラインまではけっこうな距離があるので、

運転手になるIRIBITOさんに事前に

『長距離運転大丈夫ですか?』と聞くと、『全然大丈夫!』と返事が返ってきた。

それじゃあと言う事で『神の庭・笹倉湿原!』とFBで案内したところ、いつも以上に参加希望が

直ぐに集まった。では2台の車でと思っていたらさらに定員オーバーになり、3台目を出すことに。

ただ今回は高速料金がけっこうかかるので頭を悩ませていたところ、3台目目も何とか埋まって

ほっと一息。週末の天気予報ではあまりよくなかったのがどんどん回復してラッキー!

3台目は3ヶ月近く動かしていなかった車をコアラさんが出してくれるというので、

取りあえずその助手席には子守役(笑)の私が乗ることにして丸亀を出発した。


天気もいいので往きはUFOラインを通り石鎚スカイラインを目指すことにする。

寒風茶屋を過ぎ伊予富士を回り込む手前からは笹ヶ峰からチチ山の稜線、そして冠山が見える。

すると山の名前をなかなか憶えないあっちゃんが『笹ヶ峰の横がチチ山やね!』と言うので

『お、正解!DランクからCランクに昇格!』

その横で運転しているコアラさんが『運転しているから全然見えん!』と愚痴を言っているので

あっちゃんより山名音痴のコアラさんに、『コアラさんはEランクやから見えんでもええやん!』と言うと

『憶えないんではではなくて必要のないものは憶える気がないだけや!』強がりを言っている。

伊予富士直下まで来るとまたあっちゃんが『今度は瓶ケ森を当てるから教えんといてよ!』と。

すると前方斜め前の東黒森山のピークを『あれ、あれ!が瓶ケ森!』と言うので

『ブ・ブー!Dランクに降格!』などと、たわいもない話で盛り上がっていたら、

UFOラインの絶景が見える場所で前を走っている2台に追いついた。

ここから見える東黒森山から自念子ノ頭に続く稜線。

そしてその奥の筒上山と手箱山の山容は四国でも屈指の展望だ!







瓶ケ森の展望台で車を降り、氷見二千石の笹原と山頂を見上げ

さらに近づいてきた石鎚山を写真に収める。強い風が吹きこの時期だというのに肌寒い。










土小屋でトイレを済ませ先行するメンバーの元へ。土小屋の駐車場からは更に瓶ケ森の笹原の広さが見て取れる。

『あっちゃん、あれが瓶ケ森ですよ!』(以前にここから石鎚山に登った時に、

所々で見える瓶ケ森を見て何回も『あの山はなんていう山?』とあっちゃんは聞いてきた)





石鎚スカイラインを面河へと下り金山谷に掛る橋の手前で先行していたメンバーが待っていた。

そして平日にも関わらずすでに他にも3台程車が停まっていた。

身支度をして10時15分にスタート!







橋を渡って金山林道の案内板が脇に立つ場所から林道へと入って行く。

林道とはなっているが、道は荒れて車はとても走れないような道をしばらく歩いて行く。







砂防ダムの下を渡渉しさらに進んで行くと笹倉湿原と書かれた看板。ここからが登山口となる。










登山口からはいきなり急登が始まる。晴天が続いた後なのに足元はまだ少しぬかるんでいる。

コロナ以降数カ月ぶりの山登りのさおりんが、『やっぱりしんどいな~』と言っている。

直ぐに傾きかけたヒメシャラの大木。そいてウラジロモミの真直ぐに伸びた大木が現れる。







所々で杉林の道になり急登はさらに続いていく。







二ヵ所ほど小さな水の流れを渡り進んで行くと、林床は背丈ほどのスズタケに覆われてくるが

道のスズタケは刈りはらわれているので問題なく進んで行ける。








そんな中で天までグイグイと延びていきそうな巨大なブナの木。この大きさだとこの森の中で

何百年と逞しく生き延びてきたことだろう。




道は緩急をつけながら続いていく。次第に深い森の雰囲気になり、湿気が多いのだろうか

立ち枯れた木や倒木はコケがまとわりつき、あちこちでキノコが生えている。







以前に来たことのあるキョウちゃんが車の中で、『今日はハイキング程度』と言ったらしくて

『全然話と違うやんか!キツイよ!』と山さんが後ろから来て文句(笑)を言っている。




さらに進んで行くとやっさんとキョウちゃんが空沢に下りて何やら物色している。

どうやら天然のワサビが自生しているらしく、他のメンバーも探し始める。

ただ葉は大きくても芋の部分は小さく、足元の岩で擦ってみてもほとんどワサビの匂いはしない。











ワサビ田?を後に苔むした空沢を登ると道はやっと緩やかになってくる。








90度に折れ曲がった巨木のトンネルを抜けると道は左に折れ、

真っすぐに伸びた杉の林とスズタケの道を少しづつ下って行く。










そんな薄暗い杉林を進んで行くと忽然と一面ウマスギゴケに覆われた笹倉湿原が現れる。











ただ何度か訪れた事のあるやっさんが『ん~ん?』と言って頭をひねっている。

苔は懸念していた水没はせずに丁度いいバランスで水面から出ているが

ネットの写真で見たモコモコ感があまりない!少し先に回り込んでみても変わり映えがしない。

苔の上の方はまだ茶色く、これから成長したらよく見る写真のようになるのだろうか?













田んぼを眺めながら『今年の稲は不作やな~』と言っているような杉さんとまゆゆ

杉さんもキョウちゃんの『ハイキング程度!』の言葉に騙されたうちの一人。

(キョウちゃん多分参加するたびにしばらくは言われ続けると思うよ!ー(笑)ー)

たっぷりと汗を掻いてズボンのお尻までびっしょりと濡らしている。





回り込んだ場所は広場になっていて杉の高木で日陰になっている。丁度いい時間、ここでお昼ご飯にする。

先ほどまでの蒸し暑さから解放され、木々の間から湿気の少ない爽やかな風が吹いてくる。

三人寄ればただでさえ“かしましい”のに、今日は女性陣が多くお弁当を食べている間も賑やかだ。

この笹倉湿原は笹に浸食されて年々その湿原の面積が小さくなっているというが、

WOC登山部もこのままいくと女性陣に浸食されていくかもしれない! (*´▽`*)







お弁当を食べ終える頃に、まゆゆがお手製の白玉で作ったというケーキを配り始めた。

もちもちとして程よい甘さでとても美味しい!

みやさんに配り終えた時に『あれ?ひとつ余っている!』とまゆゆが騒いでいる。







するとまゆゆのすぐ目の前に立っていたコアラさんが『僕、もらってないんですけど!』と。

すねたコアラさんに最後に渡すと『美味しい!』と言いながら喜んで食べている。




そんなひと騒動?の後、名残り惜しんで湿原を撮影。













写真を撮る寸胴のような私の背中をやまさんが後ろから!




その山さんを横から!




せっかくだから湿原をバックにと三脚を構える場所を色々考えた山さんだが、

その甲斐なく15人が並んだら湿原はほとんど写っていないですよ山さん!







神の庭を見てご飯も食べデザートも食べられたことだしそろそろ下って行こう。

下山はほぼ立ち止まることなくどんどん下って行く。







『いつも企画でお世話になっているからKAZASHIさん、腰か肩か揉もうか』とゆかりんが言ってきた。

『どっちがいい?』と言うので、『若い女性ならともかく、遠慮しときます!』。さらに

ウラジロモミの巨木に抱きつく私に、『肩も揉みとこっち、どっちが幸せかな?』と聞くので

『相手がゆかりんなら、もちろん、こっちです!』




登りで私は全く気が付かなかった二本の木の横でゆかりんがまた騒ぎ始めた。

ネット上では『ラブラブの木』とか『助平な木』とか色々と書かれているが、

見る人の感性によるものだろう。ゆかりんは助平な木と言っている。

私には今日神戸(実は三木市)で69歳の誕生日を迎えたやまじい(エロじい)の木に見える。(笑)





林道近くまで下り、ふと振り返ると『ゲ・ゲ~!』後ろは熟女ばかり!

『このままでは本当にWOC登山部は・・・・・?』などと思いながら、

相変わらず賑やかな声を背中に受けながら下って行く。













ほどなく林道入り口に到着。するとあっちゃんがザックに何やらビニール袋をぶら下げている。

『ヌ・ヌ・ヌ!ワサビをいつの間に!』でもねあっちゃん、あっちゃんの横にこんな看板があるよ!















道路脇の日陰で寛ぐ女性陣。しばらくして男性陣が遅れて次々と到着してきた。

『おじさんたち!もっとがんばらにゃ~、ほんまにWOC登山部アマゾネスになっちゃうかも!』














ここからは石鎚スカイラインを下って面河渓谷の駐車場の木陰で

いつものコーヒータイムにする。今日はあっちゃんに代わってさおりんが淹れてくれる。










渓谷を流れる水は身震いしそうなくらい透明で、川底まで透き通っている。







美味しくコーヒーを頂いた後はIRIBITOさん号はまたUFOラインへと走り、

残りの2台は黒森峠を通り川内ICから高速に乗り、

途中で石鎚ハイウェイオアシスのモンベルを覗いたり、その横で買い物をしたりしながら帰路につく。




山頂も踏まず三角点もなかった今回だったが、UFOラインからの眺望と巨木のたつ深い森、

少し物足りなかったが神秘的な湿原、そして透き通った面河の川の流れと色々と楽しめた一日となった。

今日のトラック



今日の3Dトラック





WOC登山部2020.06.17 石堂山

2020年06月18日 | 四国の山


先週は持病?が再発した為WOC登山部をお休みして軽くウォーキング。

まだまだ朝起きると腰からお尻にかけてガチガチで、少しでも変な姿勢をとると

直ぐにまた発症しそうで、毎朝用心深く顔を洗っている状態だった。

WOC登山部のセニョさんの理論では、無理してでも歩けば治るというものだが、

治りはしないが、取りあえず山歩きをしている間は今までも大丈夫だったので、

麺法師さんの企画の比較的楽な石堂神社からの石堂山に今週は参加した。

石堂山は過去の記録を見てみると15年以上前は落合峠から矢筈山を経由して往復していた。

矢筈山からの道は笹が生い茂り足元の見えない長い激坂。当然帰りは同じ道の急登でけっこうしんどかった。

2013年に石堂神社からのコースがあるのを初めて知って登ったのが、もう7年も前になる。

神社の記憶と笹を掻き分け歩いた記憶はあるが途中の記憶はほとんどない。


今週も2台の車で石堂神社を目指す。県道304号線から神社手前の林道に入ると悪路というよりは

車がひっくり返るんじゃないかと思うほどの急坂。IRIBITOさんの四駆は問題なかったが

後ろから来た麺法師さんのワゴン車は、全員が降りて登ってきたそうだ。

神社の前に車を止め脇にあるトイレで用を済まし、9時50分にスタート。

神社の右脇の鳥居が登山口。標識には石堂山まで3.2kmとなっている。










最初は尾根の北側に道が続いていて陽があまり当たらない場所では苔むした岩が点在している。




急坂を登りしばらくすると明るい尾根に出た。尾根の南側は際まで伐採地が広がっている。

伐採の影響で雨風が強く当たるようになったのか、大きな木が何本も倒れている。










麓に流れる片川を挟んで向かいの矢筈山から黒笠山に続く稜線の北斜面で大きな土砂崩れの跡が見える。

よく見るとその土砂崩れの際には鉄塔が立っている。崩れたケ所をコンクリートで補強しているが

何だかとてもあぶなかっしい!







伐採地を過ぎると道は緩やかになり自然林の中の素敵な道が続いていく。

新緑の中に賑やかに鳥の鳴く声が響き渡っている。










登山口から20分弱で途中にある1335m、四等三角点石小屋

道の両側に群生しているのはテンニンソウだろうか?







しばらくはさほど負荷もなくのんびりと尾根道を歩いて行く。










尾根の北側をトラバースしはじめると、周りには巨木も目立ち始めた。

この辺りが今日のコースの中で特に雰囲気のある自然の奥深さが感じられる場所だった。













白滝山への分岐の手前から足元は笹が目立ち始めて急登が始まる。

分岐からはまずは石堂山を目指すことに。







ここからも石堂山に続く尾根道。まだ新緑の明るい道が続いていく。

前回歩いた時はもっと笹の背が高く、笹を掻き分けて歩いた場所もあったように思ったが、

道なりにきれいに笹は刈りはらわれ、とても歩きやすい快適な道になっている。

時折木々の間から矢筈山が顔を覗かせてくれている。











1533mの標高点辺りから樹林帯から笹原の道になる。

早弁大将の山さんが例によって『腹がへった!』と言って、コアラさんのザックのポケットに

食料がはいっていないか漁っている。








笹原の向こうにこんもりと石堂山の頭が見え始める。木々のない笹原の道は日差しも強いが、

まだ今日は湿気の少ない爽やかな風が、笹原の頭を撫でながら吹き上げてきて気持ちがいい。







道の脇にモフモフの綿毛をつけたヤマナラシ?の木だろうか。




しばらく歩くと足元にそこら中その綿毛が落ちていた。それを見た麺法師さんが

『何の獣の抜け毛だろうか?』と。


笹原から山頂手前の樹林帯に入りしばらくすると巨石が目の前に現れる。

石堂山の名前の由来になっている石の下が石室になっている大工小屋石だ。

好奇心旺盛なキョウちゃんとみなちゃんが覗き込んでいる。







大工小屋石を過ぎるとこの山のシンボルの御塔石が鎮座していた。

神が宿るという御塔石は石鎚山にも剣山にもあるが、正面から見ると大きさ的にはその二つには劣るものの

山頂手前から全体を見ると、そこそこの大きさがある。

また何層にも重ね積み上げたまるでミルフィーユのように見える独特な外観をしている。







そのご神体に神妙な顔で手を合わして拝むまゆゆとみなちゃん。







するとその後ゆかりんとみなちゃんが神聖な神様に登り始めた。

『こら、こら!』と言っているうちにまゆゆまでもが!





すぐ下の岩のテラスから御塔石を見ると、信号機の色をした三人が仲良く並んで腰掛、

手を振っている。今にバチが当たるぞかしまし娘?




御塔石から山頂はすぐそこ。途中で振り返るとその全景が見える。

こちらから見ると剣山の御塔石にも引けを取らない大きさだ!

『コアラさん!御塔石が見えるよ!』と声を掛けるが、

聞こえていないのか見向きもせずにコアラさんは先を歩いて行く。

どうやらいつものように悪口をたたかないとあまり聞こえないようだ。







山頂からは南に矢筈山と落合峠からの稜線が見える。西側には木地屋から一字に続く谷あい。










山頂広場でお昼ごはんにする。途中で食べ損ねた菓子パンの袋がパンパンに膨れている。







ルリちゃんがギリギリセ-フ?写ってる。




お腹もおきたし。それでは下山開始!コアラさんと同じように往路で御塔石の

全景が見える場所がなかったねと言っていた麺法師さんも『見えた!見えた!』と言いながら下って行く。







帰り道に見ると大工小屋石の大岩が犬の横顔に見える。

岩の下の石室は大工仕事をするにはちと狭い!







山頂直下の樹林帯を抜けて笹原へ。













標高点を過ぎてさらに進んで行くと尾根の北斜面には新緑の広葉樹と下草の笹が広がり

今にもその辺りからバンビでもぴょんぴょんと飛び出してきそうな雰囲気だ。







分岐から白滝山は直ぐ近く。石堂山にはなかった三角点が白滝山にはあった。

1526m、三等三角点男竜。何だか任侠映画に出てきそうな男っぽい点名だ。










往路では先頭をグイグイ登っていたコアラさんだが、膝が悪くて下りは滅法遅い。

山さんに『後ろから押してやれ!』と言ったら、『コアラさんがおらんようになったら困る!』と。

『なんで~』と聞くと、『途中でお腹が減ったら食料を貰える人がおらんようになる』と。




急坂が終わると緩やかな下り坂。時折木々の間を爽やかな風が吹き抜けていく。







北側に桟敷峠から六地蔵峠を通り水の丸に向かう途中にあるビニールハウス群が見える。

随分前にこの登山部のメンバーは、水の丸からパラグライダーで飛んだ事があるらしい。




自然林の広がる尾根道。後ろでIRIBITOさんが『秋にも来てみたいな!』と。

その内に片側が自然林、もう片側が杉林の植林の道になる。










伐採地まで来ると登山口まではもうすぐ。登山あるあるの『最後に油断して転倒』に

ならないように急坂を下る。










山頂から白滝山に立ち寄って、おおよそ1時間30分で石堂神社に帰ってきた。







帰りは土々呂の滝に寄り道。

公園の中にある東屋の下でいつものようにコーヒータイム。いつもIRIBITOさんが焙煎した

美味しいコーヒーを飲めるのをみんな楽しみにしている。










みなちゃんが滝壺の近くまで降りている。青く澄んだ滝壺と滝は

あのニコ淵と見間違えるほどきれいだ!







梅雨に入って水量の増えた土々呂の滝は迫力満載!










ほとんど記憶になかった今回のコースだが、梅雨の晴れ間に自然林の中の新鮮な空気を

思う存分吸ってリフレッシュ。山はやっぱりいいな~!


今日のトラック



今日の3Dトラック

WOC登山部2020.06.03 山犬嶽

2020年06月04日 | 四国の山


緊急事態制限が解除され、6月1日からは県を跨ぐ移動も解除された、

朝にはランドセルを背負って通学する子供たちの姿も見られるようになり、

少しづつだが日常が戻りつつある。

WOC登山部も再開後は里山を歩いていたが、今週からは県外の山に!

久しぶりに標高の高い山の稜線歩きでもと思っていたら、今度は例年より早い

梅雨入りとなった。雨の中を歩くのもどうかな・・・と言う事で、雨が似合う山?の

水苔で有名な山犬嶽に出かけることにした。


するとどうだろう。週が明けると天気予報が変わり朝起きると窓の外は晴れ!

まぁ~こればかりは仕方がない。今週も2台の車に乗り合わせ一路、上勝町へ。

山犬嶽の駐車場には既に2台の車が停まっていたが、もう少し上の道幅が

広がった場所に停めさせてもらう。今日も総勢15名の参加。登山部を再開してから

今までになく15名以上の参加が続いている。




車を停めた場所から直ぐに『日本の棚田百選』に選ばれ、徳島県では初めて『国の重要文化的景観』にも

選ばれた樫原の棚田を見下ろせる場所に着く。等高線に沿った不規則な曲線のあぜと

田植えが終わって水の張られた棚田は、一枚一枚が小さく全部で550枚近くあるという。










その棚田を眺めながら樫原の集落の中の道をのんびりと登って行く。

この集落の中に続く道と棚田は200年前に描かれた絵図と全く変わっていないというが、

恐らくこの集落でも高齢化が進み、この棚田を維持するのも難しくなっている事だろう。










くねくねと続く道を登って行くと最終民家に着いた。ここが山犬嶽の登山口で登山道が始まる。

さぁ~それでは!と思っていたら早弁大将の山さんがさっそく腰を降ろしておにぎりを食べている。

その横で今日の隊長の麺法師さんが案内板を見ながら、コースの説明をしてくれている。







鳥居とシカ避けのネットを開けて杉林の中へ入って行くと、道の脇が広場になりベンチと見慣れない

ベルトが二本の木の間に張られていた。最初は進入禁止の目印かな?と思っていたら

どうやら最近テレビなどで目にする、綱渡りをスポーツにしたスラックラインのベルトの様だ。

物珍しさでチャレンジするが木から手を離したら2、3歩進むのがやっと。ゆかりんも直ぐに落ちる。










道は枝打ちされ手入れの行き届いた杉林の中を続いている。急な斜面でも天に向かって真っすぐに伸びる杉の木は

見ていて気持ちがいいが、前を歩くコアラさんが『私の性格のように真っすぐやね!』というので、

『え~~??』と言うと本人は納得していない様子だ。((笑)













しばらく歩くとフタリシズカが道の脇に目につくようになった、

そのうちに道の両側に今まで見たこともないような群生が広がっている。

花は二本だけでなく三、四本のも見える。『これはシズカじゃくくて、賑やかやな!』




フタリシズカの群生地を過ぎると杉林から自然林の森になり、苔のついた岩が目立ち始める。










山犬嶽への道からすこし外れると今日の目的地の苔の庭園がある。

他の山でも苔むした風景は目にするが、これだけの規模で岩と苔が広がっている場所は他にはない。













周りの木々の新緑と苔の緑の中、先ほどまでの蒸し暑さが一変してひんやりとした空気が漂っている。

初めて来るメンバーも何度も来たことのあるメンバーも、しばらくの間この緑の海にどっぷりと浸かって楽しんでいる。







まるで緑の団子を積み上げたような苔の小山。今にももののけがどこからか飛び出してきそうな気がする。










木々の間から差し込む光がスポットライトの様にさらに苔の緑を際立たせている。







苔の広場でリフレッシュした後、登山道を進むと山の神さんと案内板に書かれた大木がある。

あっちゃんがその大木に手を添え、何やらパワーを頂いているようだ。







山の神さんから急登を登ると石鎚山を模した巨石とその上に石鎚神社がある。

男性陣が見守る中、おてんば娘??達が鎖を登って行く。頂部にはこれも苔むした石鎚神社が祀られている。

見る角度によってはこの巨石は石鎚の天狗岳のようにも見える。










石鎚神社からはまた杉林が始まり、このコースで一番の急登の階段が続いている。

自粛期間中に山には出かけていなかったのにやまじいは元気に登って行く。




ふと見ると先週に続いてまたお尻がびっしょりと濡れている。先週の失敗に懲りてハイドレーションの

チューブはしっかりと差し込んできているはずなのに『まさか??やまじい!』





杉林の上に更に大きな杉の木が目に入ると、東光寺に着いた。











ここで昨年登ったメンバーは山頂まで行かずに待っているというので、初めてのメンバーを中心に

ザックを置いて山頂を目指すことにした。

『山頂までは10分くらいで登れるので』と麺法師さんが言うと、去年登ったコアラさんが『判りますよ!』

と道案内をかって出た。『珍しいな~』と山さんと二人で感心していると、さらに麺法師さんが

『山頂から西に行くと景色のいい場所があるから』と言うと、今度はコアラさんが『覚えてないわ~』と。

山さんと二人で『やっぱり~~!』


身軽になって山頂までの急登もグイグイと登っていける。巨岩が目立ち始めると程なく山頂に着いた。

山犬嶽は1660年に7日7夜にわたって大雨が降り続いて山頂が崩れ落ち、

岩と土砂が山麓の集落を埋め尽くした大災害があったと言い伝えられていて、

崩落前の頂上が山犬が口を開いたように岩石が形づくられていたため「山犬嶽」という名前がつけられたという。

また山頂には早雲神社があることから雲早山とも地元では呼ばれている。










先週に続いてここにも以前からあったキティー山岳会のプレートがある。

徳島の山の山頂で時々見かける木彫りのヤッホー地蔵とはまた違う可愛らしいお地蔵さんが置いてある。

下で待っているメンバーもいるがここで取りあえず記念撮影。

鳴門から来たという二人組の男性に写真を撮ってもらう。







山頂から西へ痩せ尾根を進んで行くと南の眺望が広がっている。

足元が崩れていて少し危ういが、先ほどの麓の棚田も見渡せる。

びびって近づけない男性陣を尻目に、あっちゃんが平気で覗き込んでいる。










東光寺まで戻って行くと待っていたメンバーは昼食を済ませ、IRIBITOさんがお湯を沸かせてくれていた。

東屋やベンチやトイレもあるこの場所は休憩するにはもってこい。

登山口からはミニ八十八カ所霊場の石仏が点在しているが、この奥に結願の大窪寺の石仏があった。







全員揃っての記念撮影の後はしばらくは往路を下って行く。







途中の分岐から展望岩と金毘羅のあるコースへと進んで行く。往路の苔の広場とは違う

巨石が点在するまた違った雰囲気のする道だ。手水舎にもびっしりと苔がまとわりついている。

これだけ広く苔の森になっているということは、大雨災害の伝承通り、

普段から雨の多い地域なのだろう。










巨石の脇を抜けたり跨いだり狭い岩穴を通ったりしながら下って行く。

なかなか変化があって楽しい道だ。周りの木々を見ると秋に訪れても見ごたえのありそうな場所だ。
















金毘羅はこのコースで最も大きな岩の下に祭られていた。頭上で大きくオーバーハングした巨岩は圧巻だ。













また集落の中を通り、登山口まで戻ると最終民家の脇には2台の車が停まっていた。

平日にもかかわらず、やはりこの時期みなさん考えることは同じの様だ。

集落を抜け水車小屋の脇の東屋で恒例のコーヒータイム。




お揃い?の帽子を被った、あっちゃん、みやさん、亀仙人!((笑)










今日も手慣れたあっちゃんが美味しいコーヒーを淹れてくれている。

棚田を眺めながらのんびりとした時間を過ごす。











せっかくなので帰りは色々と寄り道をしてみる。まずは月ケ谷温泉にできたいろどり橋へ。

キャンプ場と対岸の温泉の間の勝浦川にかかるつり橋は18年に新しくできた橋。

注意書きには『揺らさないように!』と書いているのに、みんなが渡ってくるとゆらゆらと揺れる。













次に日浦休憩所で買い物そして、先にあるRISE&Brewingで地ビールを購入。







そして最後は雁頂ケ滝へ。落差80mはあるというこんな写真を見て出かけたのだが、




雨があまり降っていないせいか、『あれ?』という感じだ。

落ち口からは流れ落ちずにそのまま空中に飛び出した水は霧状になって落ちている。

それでも不動明王が祀られている滝壺近くまで登ったメンバーは『まぁまぁ』だったとか。










標高自体はさほではないが、途中の水苔や巨石群。そして麓の棚田と見所満載の山犬嶽。

上勝町の名所巡りもできて二カ月ぶりの県外の山を楽しめた一日となった。


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