今日、図書館で
『亜洲週刊』(09.6.28号)という雑誌を
読んだのですよ。
全篇、繁体字。
つまり、台湾の雑誌です。
「日本の漢字」の
特集をしていました。
表紙は堂々、日の丸。
おそらく、中国本土じゃ
文句が付くかと予想されますが、
さすが台湾、ってところでしょうか。
ところで何故こんな特集かと言うと、
台湾では今、漢字は
大陸推廣「識繁書簡」つまり
「簡体字」を使うか、
台灣實現「識簡書繁」つまり
「繁体字」を使うかで
もめている、と言うことです。
ほら、そういえば、
台湾の指導者が、
普段は簡体字を使ってるとかで
ものすごい反発を受けているって
ニュースが流れたではないですか。
その一方で、
では日本はどうなんだ、
というのが今回の
特集の意図のようです。
それで昨今の日本の
漢字ブームを取り上げて、
上手いこと大和言葉と漢字を
ミックスさせた上に外来語を
積極的に取り上げる
「共存互補」の精神が実を結んで
羨ましいぜ、と書いてある
わけでございますね。
その、日本の漢字ブーム。
「電腦﹑手機等」の発達で
見直しの機運が高まった
という背景を指摘。
そして「看似會讀實則不會讀的易錯漢字」
が100万部突破のベストセラーに、
「漢檢協會」が300種もの
「漢字相關的圖書」が出版されたと
書いてあります。
またテレビでも
「富士電視台的「六角猜謎」」や
「朝日電視台的「阿Q猜謎王」」が
放送されるなど、その勢いは
増していると書いていたのですよ。
ただ、「六角猜謎」は
別のブームだと思うのですがね。
「平成教育學院」がそうでは。
「阿Q猜謎王」というのは
「Q王!!」でよさそうなものですが
「阿Q正伝」をもじっているのでしょうかね。
蛇足でした。
閑話休題。
日本の今日の漢字ブームとは
裏腹に、明治時代では
「「脱亞入歐」的思潮下,漢字「繁雜不便」」
との声が高まり、
一時期漢字が危機的状況に
あったと書かれています。
補足ですが、小説の神様である
志賀直哉氏も漢字廃止論者で、
フランス語を公用語に、と
言っていたのですよね。
日本語を華麗に綴る人が、
なんだか意外ですよね。
しかし、反・漢字廃止論者の
努力によって何とか
漢字は常用漢字表に
まとめられて、より便利に
そして日本独自に
発達していったのです。
つまり日本の漢字は、
「日本の」漢字。
中国や台湾も、あんまし
ひと括りに統一しないで、
それぞれ独自に、伝統的に
使っていけばいいじゃないか
ということで「共存互補」を
訴えていた、という
ことだったのです。
なんだか面白いですね。
「漢字ブーム」が、同じ漢字圏で
羨ましい、と思われているのが。
そういう風に、台湾では
日本が注目されているのだなぁ、
と思うと嬉しいですね。
さて余計な蛇足ですが、
文中、どうも気になる
書かれ方がなされていたのですよ。
うちの国の総理が
漢字を読み間違えるという件(くだり)。
もっともこれもまた
昨今の漢字ブームの
一因とも言われていますが。
その一例の文章。
「踏襲村山談話」中的「踏襲(沿襲、繼承)」
讀成了「腐臭」,被媒體嘲笑為
「首相似乎在說政府的政策發臭」。
一部だけ切り取るのは
偏向だ、と思われてはいけないので
前文は「亜洲週刊」記事一覧から
特集記事の全文リンクへ入って
ご覧になすって。
同じ漢字圏なのだから、
日本人でも読めますよ。
ちょっと、踏み込みすぎと言うか
別の意味が加えられているのが
どうも気になりますよね。
確かに「ふしゅう」とは
言っていたけれども。
心中はともかくとして。
※注
今日の文章には時折
中国語の繁体字を
混ぜ込んであります。
文字エラーしたらすいません。
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