“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

◆科学技術書<新刊情報>◆「五重塔の科学」(谷村康行著/日刊工業新聞社)

2013-04-12 10:51:32 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:五重塔の科学―おもしろサイエンス―

著者:谷村康行

発行:日刊工業新聞社 

 五重塔は、火災や落雷で焼失・倒壊した記録はあるものの、地震で倒壊した記録はない。東日本大震災以降、改めて伝統的な木組みの技で造られている五重塔の耐震性に注目が集まっている。同書は、さまざまな科学的実験から解明されてきてはいるものの、いまだに謎のある五重塔の耐震性にまつわる話題を中心にやさしく解説する。(日刊工業新聞社の紹介文から)

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■科学技術ニュース■産総研とPVTEC、薄膜微結晶シリコン太陽電池で発電効率10.5%を達成

2013-04-11 10:35:51 |    エネルギー

 産業技術総合研究所(産総研)太陽光発電工学研究センター先端産業プロセス・低コスト化チーム 齋 均 主任研究員は、太陽光発電技術研究組合(PVTEC)と共同で、薄膜シリコン太陽電池内部の光吸収力を増強する新しい光閉じ込め構造を開発し、この構造を用いた薄膜微結晶シリコン太陽電池で、これまでで最高となる発電効率10.5%を達成した。

 今回開発した光閉じ込め構造は、従来用いられてきた不規則性をもつ光散乱構造と異なり、直径数µmの穴が蜂の巣状に並んだ周期構造(ハニカムテクスチャ)をもつ。この周期構造では、光閉じ込め構造の形状やサイズと太陽電池特性の相関を明確に把握できた。

 これを基に、ハニカムテクスチャを最適化し、さらにドーピング層と透明導電膜を高度化したことで、高い短絡電流密度が得られた。

 この結果は、高度に制御した光閉じ込め構造によって太陽電池内部の光吸収力を効果的に増強できることを示し、設計の最適化や多接合太陽電池への応用によって、一層の高性能化・高効率化が期待される。

 今回は微結晶シリコン太陽電池について高効率化を行ったが、薄膜シリコン太陽電池は多接合構造が一般的で、発電の高効率化には全ての要素太陽電池の光吸収力増強が必要である。今後は今回開発した光閉じ込め構造を多接合型太陽電池に応用し、さらなる発電効率の向上を目指す。

 また、今回の成果を大面積太陽電池に応用する技術も検討し、低コスト太陽電池の実現を目指すことにしている。

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◆科学技術書<新刊情報>◆「スカイツリーから目薬―森羅万象をとらえる数学―」(関沢正躬著/岩波書店)

2013-04-09 10:40:35 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:スカイツリーから目薬―森羅万象をとらえる数学―

著者:関沢正躬

発行:岩波書店

 スカイツリーのてっぺんから落ちてくる一滴を,見事に目でキャッチするには? 回る野球場で放ったホームランは,打者からどう見える? 荒唐無稽に見えて,実は身近な物理現象の解析につながる16問を,数学を道具に解いてみよう。愉快なイラストが,思考実験をより楽しませてくれる。数学は,この世界の一切の物事をとらえられるだろうか!?(岩波書店の紹介文より)

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◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/BS朝日「BBC地球伝説」/TBSテレビ「夢の扉+」/他

2013-04-08 10:43:52 |    ◆TV番組◆

 
        

<テレビ番組情報>
 

 

 NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO 毎週日曜日 午後11時30分~0時00分
                            再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分
 
4月14日(日) 3Dプリンター 「魔法の箱」の真骨頂

女優:南沢 奈央/サイエンス作家:竹内 薫/アナウンサー:中村 慶子

東京大学生産技術研究所  新野 俊樹

 BS朝日   BBC地球伝説 午後8時~9時

4月15日(月)休止
4月16日(火)地中海6つの旅:石と建築
4月17日(水)地中海6つの旅:色と芸術
4月18日(木)地中海6つの旅:信仰と科学

TBSテレビ   夢の扉+ 毎週日曜日 午後6時30分~7時
 
4月14日(日) 常識を覆すスギの巨大建造物!新技術開発で驚異の強度を実現!
                            ~“日本の宝”国産スギ材を有効活用し、日本の林業を救え!~

ナレーター:坂口憲二

ドリームメーカー:宮崎県木材利用技術センター所長 飯村 豊

 「スギはやわらかいから、大型建造物には向かない―」。そんな業界の常識を覆し、国産のスギ材を使って、あの読売巨人軍がキャンプに使用している直径120メートルの巨大ドームを完成させた男たちがいる。宮崎県木材利用技術センターの、飯村豊所長率いる研究者たちだ。飯村たちは、徹底的な分析と、スギの特性を生かした新たな技術開発で、驚きの強度と耐久性を証明し、数々の木造巨大建造物を生み出した。そして今、飯村は、さらなるスギの有効活用に奔走している。「資源を眠らせておくのは、もったいない」。国産材の需要を復活させ、日本の林業の未来を変えようと奮闘する、“静かな情熱家”飯村の熱き挑戦を追う。

NHKテレビ Eテレ   地球ドラマチック 毎週土曜日 午後7時00分~44分
                             再放送 毎週 午前0時00分~0時44分
 
4月13日(土) 「飛べ!模型グライダー~英仏海峡を越えられるか?~」
 
 手作りの模型グライダーは英仏海峡を越えられるか?無謀ともいえる企画に挑戦する。グライダーの素材や型選び、飛行高度の計算も。飛行当日に非常事態発生。結果はいかに?イギリスからフランスまで、海を越えて35キロメートルの飛行に挑戦するのは、無人で無動力の模型グライダー。メーカーに依頼し、翼の端から端まで2メートルほどの大きさの特別版を作った。どの高さから飛ばせば、35キロメートルを無動力で飛びきることができるのか。実験に基づき高度2400メートルからヘリコプターを使って発射することに。周到な準備の末迎えた飛行当日。しかし、思わぬハプニングが発生する。  
 
NHK-BSプレミアム   コズミック フロント 毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                             再放送 月曜日 午後11時45分~0時44分
 
4月11日(木) "宇宙の終わり"に迫れ

 現在、多くの科学者たちは宇宙にはいずれ終わりが訪れると考えており、これまでに主に3つのシナリオが考えられてきた。1つめのシナリオは、宇宙に存在する無数の天体などの重力によって、いずれ宇宙は収縮し一点につぶれてしまう、というもの。言わば宇宙が始まったビッグバンの状態に逆戻りしてしまうというシナリオだ。2つめは、宇宙は永久に膨張し続け、やがてエネルギーや物質の密度が低下して絶対零度にまで凍りついてしまう、というシナリオ。3つめは、さらに激しく宇宙が急激に膨張し、素粒子レベルにまで引き裂かれて破裂してしまう、というシナリオだ。宇宙はこれからどうなっていくのか? 不思議とロマンに満ちた究極の謎に、日本を代表する物理学者・村山斉さん(東京大学)の案内で迫る。

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◆科学技術書<新刊情報>◆「量子革命」(マンジット・クマール著/新潮社)

2013-04-05 10:46:42 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:量子革命―アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突―

著者:マンジット・クマール

訳者:青木 薫

発行:新潮社

 世界の根源には何がある? 量子の謎に挑んだ天才物理学者たちの100年史。20世紀に生まれた量子論は、ニュートン以来の古典的な世界像をどう書き換えたのか。アインシュタイン、ボーア、ハイゼンベルク、ド・ブロイ、シュレーディンガー……彼ら「偉大なる頭脳」たちが火花を散らした量子革命100年の流れを、豊富な逸話をまじえ、舌を巻く物語術で描き切る驚異のポピュラー・サイエンス!著者のマンジット・クマールは、ロンドン在住のサイエンス・ライター。物理学と哲学の学位を取得し、アートとサイエンスを扱う異色の学際雑誌「Prometheus(プロメテウス)」創刊編集長を務める。共著に「Science and the Retreat from Reason」、編著に「Physics2001」などがある。本書はAmazon.comの2010年科学書ベストテン(Top Ten Science Books for 2010)にも選ばれた。(新潮社の紹介文より)

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■科学技術ニュース■NIMS、新電子材料チオフェンナノシートの薄膜製造法を世界で初めて開発

2013-04-04 10:25:02 |    電気・電子工学

 物質・材料研究機構(NIMS)高分子材料ユニット電子機能材料グループの池田 太一主任研究員は、ドイツのMax Planck Institute for Polymer Researchと共同で、厚さが3.5ナノメートルの2次元シート状有機材料、超分子チオフェンナノシートを世界で初めて開発した。

 近年、グラフェンなど2次元シート構造をもつ電子材料が注目を集めている。しかし、グラフェンは大きさの制御が難しく、表面の化学修飾による高次機能化ができない。一方、チオフェンは、電界効果トランジスタ、有機太陽電池、有機発光材料(有機EL)などの電子材料として活発に研究されているが、その薄膜製造法には問題が多い。例えば、真空蒸着法は多くのエネルギーが必要で生産コストも高い。また、高分子溶液を用いたウェットプロセスでは結晶性の高い薄膜を得るのが困難であった。

 今回、これらの問題を克服し、2次元結晶性のチオフェンナノシートを溶液中で簡便に調製することに世界で初めて成功したもの。

 今回、チオフェン誘導体と柔軟なエチレングリコール鎖を交互につなげた高分子が、特定の有機溶媒中でチオフェン同士が重なり合うように折り畳まれ、さらに折り畳まれた高分子同士が自発的に集まって(自己組織化して)2次元シート構造を形成することを発見した。

 用いた高分子は約80ナノメートルの長さがあるが、きちんと折り畳まれているためにシートの厚さは3.5ナノメートルしかない。シート内でのチオフェンの配列は、低分子チオフェン化合物を真空蒸着法で製膜した場合の構造と同様であり、電子機能材料への応用が期待される。ナノシートの大きさは溶液の濃度を調節することで制御でき、高分子の末端を化学修飾することで、ナノシートの表面の高次機能化も可能であることを確認した。

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◆科学技術書<新刊情報>◆月刊「ニュートン」/月刊「日経サイエンス」2013年5月号特集

2013-04-02 10:54:39 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 
 <新刊情報>
 

月刊「ニュートン」 2013年05月号
 
★特集:村山斉博士が語る 宇宙の果てをめぐる最新宇宙論

協力:村山 斉

宇宙は,どこまで広がっているのか。
宇宙をずっと進んでいったら,いつかは宇宙の“端”にたどりつくのか。
不思議な宇宙の果てを,世界的に有名な物理学者の村山斉博士と見にいこう。

★特集:新ゲノム革命 あなたは究極の個人情報を手に入れたいか?
        ゲノムで何がわかり,暮らしはどうかわるのか

協力:油谷浩幸/尾崎紀夫/木村亮介/河野隆志/鈴木治和/冨田 勝/服部正平 /ピエロ・カルニンチ

遺伝情報の総体を意味する「ゲノム」。
1人1人が生まれもったゲノムは,約10万円で解読可能になる!
遠からず訪れるであろう“ゲノム新時代”の生活を徹底紹介。

月刊「日経サイエンス」 2013年5月号

★特集:越境汚染
 
中国からのPM2.5  安藤淳
越境大気汚染を正しく理解する  金谷有剛
黄砂が運ぶ微生物  中島林彦/協力:岩坂泰信

春は黄砂のシーズンだが,今年はPM2.5と呼ばれる大気汚染物質による越境汚染も関心を集めている。
また2月15日にロシア・チェリャビンスク近郊で起きた小惑星の落下事件には世界が驚いた。

★特集:隕石の衝撃
 
スペースガードの現在  中島林彦 協力:吉川真/杉田精司/高橋典嗣
コンドライト隕石の秘密  A. E. ルービン

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◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/BS朝日「BBC地球伝説」/TBSテレビ「夢の扉+」/他

2013-04-01 10:53:01 |    ◆TV番組◆


 
<テレビ番組情報>
 
 

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO 毎週日曜日 午後11時30分~0時00分
                          再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分

4月7日(日) 次世代国産ロケット 世界に挑む!
 
女優:南沢 奈央/サイエンス作家:竹内 薫/アナウンサー:中村 慶子/
 
JAXA宇宙科学研究所教授:森田 泰弘
 
 パソコン一つでロケット発射! こんな常識外れの次世代国産ロケットが実現する。カギは最新の人工知能。世界に挑む日本ロケット技術陣の闘いを、開発の現場から徹底紹介!
 
BS朝日   BBC地球伝説 午後8時~9時
 
4月1日(月)休止
4月2日(火)動物の親子たち~1年の成長を追う~
4月3日(水)宇宙の秘密 1 星の誕生 
4月4日(木)宇宙の秘密 2 星の消滅

宇宙の秘密(2回シリーズ)

夜空に浮かぶ壮大なドラマ。星たちの始まりと終わりの物語。
そこには地球誕生と生命の秘密を解き明かす手掛かりが隠されていた・・・。
星の一生に秘められた宇宙の謎に迫る。

TBSテレビ   夢の扉+ 毎週日曜日 午後6時30分~7時
 
4月7日(日) ニッポンの悲願! 国産初のジェット旅客機を世界の空に!
             ~日本の最先端航空技術で、世界の旅客機産業の牙城に切り込む!~

ナレーター:向井 理

ドリームメーカー:三菱航空機 MRJチーフエンジニア 岸 信夫

 「もう一度、日の丸旅客機を飛ばしたい!」今、“ニッポンの翼”復活をかけた、国産初のジェット旅客機開発が進められている。その名は、「Mitsubishi Regional Jet」、通称「MRJ」。ニッポンの威信をかけたこのプロジェクトに関わる設計エンジニアは、600人!彼らを束ねるのが、開発チーフエンジニアの岸信夫、54歳。参入を目指すのは、今後20年間で5000機もの需要があるとされる小型ジェット機市場。しかしそこは、カナダ・ブラジル・ロシア・中国がしのぎを削る激戦区だ。「欧米を追い抜き、日本が新たなグローバル・スタンダードを築く!」世界最高峰の旅客機を目指し、今年、大空へと飛立つMRJ。日本のモノづくりのプライドを懸けて世界市場へ挑む、熱い闘いの舞台裏を追う。
 
 NHKテレビ Eテレ   地球ドラマチック 毎週土曜日 午後7時00分~44分
                            再放送 毎週 午前0時00分~0時44分
 
4月 6日(土)   帰ってきた 珍鳥ヤツガシラ ~アルプスを越えて~  
 
NHK-BSプレミアム   コズミック フロント 毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                            再放送 月曜日 午後11時45分~0時44分
 
4月4日(木) 「日本人研究者が挑む 生命誕生の謎」

ナレーション:萩原聖人

 今年、人間で言えば「還暦」を迎えた科学研究のテーマがある。それは、「私たち生命はなぜ存在しているのか」というもの。生命をつくった有機物が宇宙由来である可能性が高まったことで、宇宙研究の大きなテーマに生命誕生の探求が挙げられるようになった。番組では、宇宙を視野に入れた生命誕生研究を中心に紹介する。取り上げるのは3人の日本人研究者だ。ミラーのあとを受け、化学実験から生命誕生に迫る小林憲正さん(横浜国立大学)、惑星形成の研究で「生命の星」の条件を探る阿部豊さん(東京大学)、微生物のDNAから共通祖先へと遡って調べている山岸明彦さん(東京薬科大学)。いずれも世界のなかで独自の成果を築きあげてきた。その業績を軸に、還暦を迎えた研究の最前線をたどる。

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