理化学研究所(理研)の研究チームは、銅触媒を用いて、二酸化炭素(CO2)やホウ素化合物など入手容易な原料から、新奇な構造を持つ「リチウムホウ素化合物」を簡便に合成する手法を開発した。
同研究チームはこれまで、CO2を利用する有機合成反応について研究を進めてきた。今回、銅触媒を用いることにより、CO2、ホウ素化合物、アルデヒド類、リチウムアルコキシドといった複数の入手容易な原料から、1段階で多様なリチウムホウ素化合物を合成する新しい手法の開発に成功したもの。
この手法を用いることで、従来のリチウムイオン電池の電解質とそれを溶かす溶媒が一体化した、新奇なリチウムホウ素化合物を合成することができる。
同研究は今後、溶媒を必要としない、新しいリチウムイオン電池の電解質の開発へ展開することが期待できる。また、これまで合成困難であったリチウムホウ素化合物を合成できることから、CO2の新たな有効利用法の開発にもつながると考えられる。