名古屋大学 大学院医学系研究科 ウイルス学の木村 宏 教授、佐藤 好隆 准教授らの研究グループは、血液・腫瘍内科学の清井 仁 教授、佐合 健 大学院生、生体反応病理学の豊國 伸哉 教授、名古屋市立大学 ウイルス学の奥野 友介 教授、藤田医科大学 ウイルス学の村田 貴之 教授らとの共同研究で、発がんウイルス Epstein-BarrウイルスがB細胞を不死化する際にウイルス因子BNRF1が宿主因子IFI27を誘導し、安定した細胞増殖能を獲得することを明らかにした。
Epstein-Barrウイルス関連リンパ腫は、一般に抗がん剤が効きにくく、予後不良であることが知られており、これらのリンパ腫に有効な治療法の開発が求められている。
同発見は、BNRF1やIFI27を治療標的とする新たな治療法の開発につながると期待される。
①悪性リンパ腫の原因となるEBウイルス(Epstein-Barrウイルス)が持つBNRF1遺伝子は感染細胞の細胞死を抑制し、安定した増殖を可能にする
同発見は、BNRF1やIFI27を治療標的とする新たな治療法の開発につながると期待される。
①悪性リンパ腫の原因となるEBウイルス(Epstein-Barrウイルス)が持つBNRF1遺伝子は感染細胞の細胞死を抑制し、安定した増殖を可能にする
②BNRF1が誘導する“安定な細胞増殖”にはミトコンドリアたんぱく質IFI27が関与する
③BNRF1やIFI27が存在しないEBウイルス感染細胞の腫瘍形成能は著しく低下し、EBウイルス関連腫瘍の形成には効率的なエネルギー産生が必要である。<科学技術振興機構(JST)>