“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「化石のきほん」(泉 賢太郎著/誠文堂新光社)

2023-04-21 09:41:18 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:化石のきほん~最古の生命はいつ生まれた? 古生物はなぜ絶滅した? 進化を読み解く化石の話~

著者: 泉 賢太郎

イラスト: 菊谷 詩子

発行:誠文堂新光社

 「化石」と聞いて、何を思い浮かべますか? 博物館での人気者といえば恐竜など大型古生物の体化石だが、彼らの暮らしぶりを想像するには足跡や糞など生痕化石の調査も欠かせない。古生物が生きた当時の環境を知りたければ、目に見えない分子化石を分析することも必要。同書では、バラエティーに富んだ化石を通じて、生命の歴史や地球環境の変動について、イラストを使ってわかりやすく解説する。化石はどのようにできるのか、生命はどのような進化を遂げたのか、化石から何がわかって、何がわからないのか……。様々な視点から化石を捉えることで、生命とは何か、そして地球のあり方について、一緒に考えてみませんか? 最新研究を多数ピックアップしているので、これから古生物学を学びたい方におすすめの一冊。
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●科学技術ニュース●空飛ぶクルマ「SD-05」を開発するスカイドライブ、大豊産業とプレオーダー契約を締結し空飛ぶクルマ事業をスタート

2023-04-21 09:40:20 |    輸送機器工学
 「空飛ぶクルマ」および「物流ドローン」を開発するスカイドライブ(本社:愛知県豊田市、福澤知浩社長)は、大豊産業(本社:香川県高松市、乾和行社長)と、空飛ぶクルマ導入に関する覚書を締結した。大豊産業は、2023年3月に設置された空飛ぶクルマに関する香川版官民協議会の構成員であり、同覚書により、スカイドライブは「空飛ぶクルマ」の商用機「SkyDrive式SD-05型(SD-05)」のプレオーダーを合意した。

 スカイドライブは現在、小型で電動、2人乗りの空飛ぶクルマ「SD-05」の開発に取り組んでおり、2021年10月には、国土交通省が「SD-05」の型式証明申請を受理し、日本で初めての型式証明取得を目指して開発を推進している。

 大豊産業は、省力化・インフラ整備・新エネルギーなどの分野で価値を創造する、トータル・エンジニアリング企業。四国電力グループ、大手化学工場、石油精製工場、原子力発電所、製紙工場等を顧客とし、制御・計装機器の販売や保守、電気・通信・土木工事を行っている。近年では、畜産業界向けに自動走行・監視ロボットを自社開発するなど、ロボティクスを始めとした新規分野への投資を積極的に行なっている。

 大豊産業は、島嶼エリアを抱える香川県、愛媛県を始めとした四国の移動課題解決や、地域活性化を目的として、今後、空飛ぶクルマを活用することが重要と考え、事業検討の本格化に際し、購入予約をおこなった。

 今後、スカイドライブと大豊産業は、四国での空飛ぶクルマの活用を目的として、運航オペレーター、バーティポート(離発着場)や給電インフラのプロバイダーなど、実現にあたり必要なあらゆるステークホルダーと共に協力して進める。<スカイドライブ>
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●科学技術ニュース●豊田工業大学など、放射光の光電場を計測する新しい方法を発見

2023-04-21 09:39:55 |    物理
 豊田工業大学 レーザ科学研究室 藤 貴夫 教授と広島大学 放射光科学研究センター 加藤 政博 教授(自然科学研究機構分子科学研究所特任教授兼任)、九州シンクロトロン光研究センター 金安 達夫 副主任研究員、名古屋大学シンクロトロン光研究センター 保坂 将人 客員准教授、富山大学 学術研究部教養教育学系(教養教育院)彦坂 泰正 教授らは、分子科学研究所の極端紫外光研究施設の放射光源「UVSOR-III」において、シンクロトロン光源から出射される光電場がフェムト秒からアト秒の周期で振動する様子を観測する新しい手法の開発に成功した。

 この手法は、小惑星の成分分析や犯罪捜査における毒物検出などのさまざまな実験、研究に用いられる自由電子レーザーを含めた放射光源の開発に大きく貢献することが見込まれる。

 最近のシンクロトロン放射光施設では、アンジュレータと呼ばれる永久磁石を交互に並べた装置によって電子を蛇行させ、光を発生させていることが多い。交互に並べた永久磁石の数だけ電子が蛇行するため、その数だけ振動する矩形の包絡線をもった光電場波束が発生すると考えられている。しかし、フェムト秒からアト秒で振動する光電場を計測する手法がなかったため、実際にシンクロトロン放射光の光電場が測定されたことはなかった。

 藤教授らは、2つのアンジュレータが直列に並べてあれば、フェムト秒レーザーパルスを測定するためによく使われるスペクトル位相干渉法(SPIDER 法) を適用して、シンクロトロン放射光の光電場を測定できることを見出した。

 それぞれ10ペアの永久磁石で構成された直列アンジュレータから発生する光に対し、その技術を適用させた。

 紫外光の350nmおよび極端紫外光の35nmの2つの波長で実験を行い、両方とも10回光電場が振動する矩形の包絡線をもった波束が測定された。

 波長が短い極端紫外光やX線の光電場波形は、位相の揃ったレーザー光でも計測が困難であるが、同手法ではアンジュレータをうまく使うことによって、波形を計測することができた。将来的には、X線の放射光や自由電子レーザーパルスに適用させ、これまでできなかった短波長の光電場波形計測を実現化するなど、放射光施設の可能性を広げ、各分野のさらなる発展に貢献したい。<分子科学研究所(分子研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「2022年版 電気事業便覧」(経済産業省資源エネルギー庁編/経済産業調査会)

2023-04-21 09:39:25 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:2022年版 電気事業便覧

編者:経済産業省資源エネルギー庁 

発行:経済産業調査会

 同書は、日本の電気事業の現状と累年的推移の概要を統計的に集録。旧一般電気事業者のみならず、新規参入事業者や卸電力取引所の動向も掲載。全面自由化以降の電気事業を取り巻く状況を俯瞰できる一冊。
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