“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ものづくり日本再興プロジェクト」(辻村裕寛著/ダイヤモンド社)

2022-12-08 09:36:05 |    企業経営



<新刊情報>



書名:中小企業のまち大田区からはじまる ものづくり日本再興プロジェクト

著者:辻村裕寛

発行:ダイヤモンド社

 地盤沈下を言われる「ものづくり」日本復活を目指し、東京都大田区と企業、日立コンサルティングが三位一体となり持続可能なエコシステムをつくりあげた全記録を公開!特に地域から参加する中小企業を集め、コンソーシアムをつくり、イノベーションにつながるプロジェクト立ち上げのための一連のプロセスは必読。
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●科学技術ニュース●米Hexagonと富士通、独シュトゥットガルト市において都市課題解決に向けたデジタルツイン・プラットフォームの提供開始

2022-12-08 09:35:22 |    情報工学
 米Hexagon Safety, Infrastructure & Geospatial division(Hexagon、米国アラバマ州ハンツビル)と富士通は、両社で構築したデジタルツイン・プラットフォームを活用し、ドイツのシュトゥットガルト市の「Urban Digital Twin project」を支援する取り組みを開始する。

 同デジタルツイン・プラットフォームは、Hexagonの可視化ツール「M.App Enterprise」、IoTフレームワーク「Xalt | Integration」と富士通が提供するクラウドインフラストラクチャーサービスにより構成されており、収集したさまざまなセンサー情報から、空気、水道、交通など、都市環境におけるインフラ状況のモニタリングや分析が可能となる。

 これにより、シュトゥットガルト市の都市環境最適化に向けた意思決定を支援する。

 同取り組みは今後、都市の持続可能性の促進と市民生活の改善に向けた、より広範囲での都市データの活用に発展していく。

 両社は、2022年6月に、社会課題解決に向けたデジタルツイン技術領域での提携を発表しており、同件はその提携に伴った取り組みの第一弾となる。

 今後も、持続可能性に関する社会課題を解決するユースケースの構築や、ユースケースを実現するためのソリューションの提供を、アジリティをもって推進していく。<富士通>
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●科学技術ニュース●量研、核融合炉の効率的な燃焼制御への道筋を切り開く

2022-12-08 09:34:39 |    物理
 量子科学技術研究開発機構(量研)は、核融合反応により発生した高速ヘリウムを炉心プラズマ中に閉じ込めてプラズマ加熱に利用することと、エネルギーを失い核融合反応を阻害する低速ヘリウムを炉心から選択的に排出することを両立できる条件を世界で初めて明らかにした。

 核融合炉では、重水素と三重水素を燃料とする核融合反応によって、高速ヘリウムが生成される。

 核融合実験炉ITERにおいては、高速ヘリウムをプラズマの加熱に利用することで、核融合反応を起こすため外部から投入したエネルギーの10倍(エネルギー増倍率)以上のエネルギーを発生することを目標としている。

 一方で高速ヘリウムは、プラズマを加熱してエネルギーを失って低速ヘリウムとなり、炉心プラズマに蓄積する。この低速ヘリウムは、燃料を希釈し核融合反応を阻害する。

 よって、効率的な運転には、高速ヘリウムでプラズマを加熱しつつ、この低速ヘリウムを排出することが必要不可欠だが、低速ヘリウムのみを選択的に排出する条件が明らかにされていなかった。

 今回、量研は、欧州の核融合研究機関コンソーシアムであるEUROfusionおよび東京大学との国際共同研究により、欧州にある核融合実験装置JETにおいて生成されたプラズマの高速および低速ヘリウムの振る舞いを数値実験により調べた。

 日欧で進める幅広いアプローチ活動(BA活動)の下で量研六ヶ所研究所に設置された核融合専用スーパーコンピュータJFRS-1(通称:六ちゃん-II)において、数値実験を実施した。

 数値実験で、プラズマに流す電流の分布を最適化することにより、高速ヘリウムによるプラズマ加熱と低速ヘリウムの炉心からの排出を両立できる条件を世界で初めて明らかにした。これは量研が進める数値トカマク実験(NEXT)計画の主要な成果でもある。

 理論シミュレーション研究としては高速ヘリウムと低速ヘリウムの蓄積や排出を制御する物理機構の解明を継続して行う必要がある。核融合反応を制御するための手法を拡大するためには、同研究で得られた手法のみならず、その他の手法を検討していく必要がある。最先端のスーパーコンピュータ上で数値実験を行うことで、新しいアイデアを試し、物理基盤を拡げることが可能。さらにJT-60SAやITERを用いた実験を通じた検証によりモデルの精度を高めることで、信頼性のある予測を行う重要なツールとして今後も活用されることが期待される。<量子科学技術研究開発機構(量研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「作業標準の管理と改善力の育て方」(椎屋幸雄著/日刊工業新聞社)

2022-12-08 09:33:40 |    企業経営



<新刊情報>



書名:課題と目標がわかって動ける! 作業標準の管理と改善力の育て方

著者:椎屋幸雄

発行:日刊工業新聞社

 日本の現場力が弱ってきており、現場経営の責任者である管理・監督者が不足している。今後、中小製造業が勝ち残るための条件は、現場の要となるこれらの人材を育てることにある。同書では、「業務課題改善計画」の策定により課題と目標を構築して、現場がやるべきことをわかったうえで実践できる改善のノウハウと、「作業工程を分析」し、「作業標準書を設定」することで、「作業改善」や「作業統制」につなげていく方法を、実践的な事例とともに紹介する。
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