“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「iPod特許侵害訴訟」(新井信昭著/日本経済新聞出版社)

2018-10-17 09:39:47 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:iPod特許侵害訴訟~アップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家~

著者:新井信昭

発行:日本経済新聞出版社
 
 2015年9月、iPodに搭載されたクリックホイールを巡る特許訴訟で、最高裁は原告の個人発明家・斎藤憲彦氏の言い分を認め、アップルに対し3億3000万円の支払いを命じた。一個人が世界的企業を相手に戦った特許侵害訴訟で、勝訴が確定した瞬間だった。個人発明家が大企業と互角に戦うためになくてはならないものの一つが特許だ。しかし、特許を武器にして勝つためには、心理的・経済的・法律的なノウハウを組み合わせた、高度な戦略を必要とする。一方で、「知財立国」を標榜しながら、新しい技術・製品開発に閉塞感が漂う日本はいま、知財の正しい実務知識を身につけた「ジャパニーズドリーム」の実現が求められている。斉藤氏が歩んだ道は、まさに特許取得から、それを武器に実際のビジネスにするまでのフルコースの物語である。

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★科学技術ニュース★NICTとフジクラ、直径0.16mmの4コア・3モード光ファイバで毎秒1.2ペタビット伝送成功

2018-10-17 09:36:28 |    通信工学

 情報通信研究機構(NICT)とフジクラは、北海道大学、オーストラリアMacquarie 大学と共同で、直径0.16mmの4コア・3モードの光ファイバと、コアとモードを一括で多重/分離するカプラを開発し、368波長全て256QAMという非常に高密度な多値変調を行い、毎秒1.2ペタビットの伝送実験に成功した。

 これまでの毎秒ペタビットを超える大容量光伝送の研究では、12コア以上で直径が0.21mmを超えた光ファイバを用いていた。

 今回、世界で初めて曲げや引っ張りに強い直径0.2mm以下の光ファイバで毎秒1ペタビットを超える伝送に成功した。また、既存光ファイバとほぼ同サイズのため、ケーブル化や既存ファイバとの接続が容易であり、早期実用化に向けて大きく前進した。

 これまで、マルチコアファイバでは、大容量かつ長距離の伝送実験の成功が報告されているが、光ファイバが太くなるため、曲げや引っ張りの機械的ストレスに弱く、製造性や敷設作業による破断確率の増大、接続施工の難易度などが課題であった。

 なお、同実験の結果は、イタリア ローマで開催された光ファイバ通信関係最大の国際会議の一つである第44回「欧州光通信国際会議(ECOC2018)」(9月23日~9月27日)で非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文として採択された。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ノーベル賞に二度も輝いた不思議な生物」(沼田 治著/慶應義塾大学出版会)

2018-10-17 09:35:59 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:ノーベル賞に二度も輝いた不思議な生物~テトラヒメナの魅力~

著者:沼田 治 

発行:慶應義塾大学出版会

 テトラヒメナをご存知ですか?それは、ノーベル賞に輝いたリボザイムとテロメアの発見に導いた研究材料。ダイニン、テロメア、リボザイム、ヒストンアセチラーゼ、テロメアRNA、スキャンRNAと、次々と重要な発見に結びついた、優れた生物の魅力を紹介。この書の目的は2つ。1番目は、分子生物学の発展に大きな貢献をしているテトラヒメナを多くの方々に知ってもらいたい。2番目は、一人の生物学者が愛すべき研究材料テトラヒメナについて思いをつづり、こんなに魅力的な生物がいることを皆さんに知ってもらいたい。

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