“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「デジタル顕微鏡で楽しむ! ミクロワールド美術館」(池田圭一著/技術評論社)

2018-08-30 11:13:32 |    化学

 

<新刊情報>

 

書名:デジタル顕微鏡で楽しむ! ミクロワールド美術館

著者:池田圭一

発行:技術評論社

 デジタル顕微鏡とは?簡単に言ってしまえば、小中学校にあるような「顕微鏡」と「デジタルカメラ」を合体させたもの。小中学校で使う学習用の顕微鏡と同じで、難しくない。同書では、数万円程度で買えるデジタル顕微鏡を使い、簡単に入手できる「身の回りにあるもの」の写真をたくさん掲載している。ミクロワールドに魅了されたら、ぜひ自分でもデジタル顕微鏡を使って、驚きと迫力の世界を覗いてみてください。

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★水素ニュース★KEKなど、水素化合物中の水素の作る微小な磁場とその揺らぎの観測に世界で初めて成功

2018-08-30 11:13:13 |    ★水素ニュース★

 豊田中央研究所(豊田中研)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、大阪大学大学院、国際基督教大学らの共同研究グル-プは、負電荷を有する素粒子ミュオン(µ-)が物質中では水素以外の原子核に捕獲されて動かないことに注目し、負ミュオンスピン回転緩和(µ-SR)測定により、水素化合物中の水素の作る微小な磁場とその揺らぎの観測に世界で初めて成功した。

 同成果は、大強度陽子加速器施設(J-PARC)で開発された大強度負ミュオンビームと高集積陽電子検出器システムの組み合わせと、適切な測定材料の選択により得られた。

 µ-SRは、エネルギー関連材料中で重要な水素や軽元素の状態や運動を調べるのに重要な道具となることが実証された。微小な磁場をµ-SRで観測できるのは世界でもJ-PARCのみなので、国内外のユーザーによりµ-SRの世界がさらに深化・発展していくことが期待される。

  ミュオンの固定から6マイクロ秒までは、Mgに捕獲された負ミュオンからの信号が支配的。しかし試料周辺の鉛、炭素、酸素に捕獲された負ミュオンの崩壊信号や長寿命の中性子の信号も僅かに含まれている。

 これらの信号からMgに捕獲された負ミュオンの信号を抽出したµ-SR非対称性スペクトルを解析すると、負ミュオンの感じる磁場は、Mg位置に水素の作る磁場分布幅の計算予測とほぼ一致した。

 つまり、µ-SRにより、世界で初めて物質内で水素が作る微小磁場を観測した。また室温でも磁場は僅かに揺らいでいて、水素が少し動いていることも分かった。

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★科学技術ニュース★文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、「科学技術指標2018」を発表

2018-08-30 11:12:50 |    科学技術全般

 文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、日本及び主要国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に分析した「科学技術指標2018」を発表した。

 「科学技術指標2018」から見た日本の状況は次の通り。

 主要な指標を見ると、日本の研究開発費、研究者数は共に主要国(日米独仏英中韓の7か国)中第3位、論文数(分数カウント)は世界第4位、注目度の高い論文数(分数カウント)では世界第9位、パテントファミリー(2か国以上への特許出願)数では世界第1位。

 これらは昨年と同じ順位。

 日本の大学と民間企業との共同研究実施件数及び研究費受入額は着実に増加している。企業の論文数は減少しているが、そのうちの産学共著論文数の割合は増加しており、企業の論文を生み出すような研究活動における大学の重みが増している。

 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「電力系統」(前田 隆文著/オーム社)

2018-08-30 11:12:30 |    電気・電子工学

 

<新刊情報>

 

書名:電力系統

著者:前田 隆文

発行:オーム社

 同書は、電力系統の構成と各要素の平常時・異常時特性、電力系統の平常時の需給、周波数や電圧の制御、事故発生時の保護と安定化対策など、電力系統全体と個別設備との関係を掴むことに配慮して解説。また、個々の専門書では省略しがちな基礎理論を、電気回路、力学(水力学、熱力学を含む)、制御工学等関連分野をつないで丁寧に解説。

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