“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書<新刊情報>●「カミオカンデとニュートリノ 」(鈴木厚人監修/丸善出版)

2016-07-07 07:37:35 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:カミオカンデとニュートリノ  

監修:鈴木厚人      
 
発行:丸善出版

 存在自体は確認されていたものの、「謎の粒子」や「幽霊粒子」と呼ばれていたニュートリノ。他の素粒子と比較すると、きわめて反応力が弱く、その正体は、なかなか捉えることができなかった。1世紀に一度遭遇するかどうかという陽子崩壊の探索を主目的に建設されたカミオカンデは、そのニュートリノの性質の解明に向け潮流を築いた。従来の素粒子実験装置には無い大容量の3000トン水チェレンコフ検出器が大きな利点を生み、ニュートリノの検出に成功した。さらに、ニュートリノ反応とよく似た現象を引き起こす検出器内の自然放射物質を除去する方法を開発し、観測の精度を高めた。 同書は、カミオカンデの始まりから、現在の最前線までのニュートリノ研究について、研究者たちが何を追い求めて実験を進めたのか、どのように新しい発見を成し遂げてきたのかを紹介。ニュートリノ研究の生の声を書き留めており、発見現場の興奮が、読者の方々にも伝わる。

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★炭素ニュース★産総研とマイクロフェーズ、3次元物体表面に多層CNTを成長させる簡便な方法を開発

2016-07-07 07:37:11 |    ★炭素ニュース★

 産業技術総合研究所(産総研)は、マイクロフェーズと共同で、多層カーボンナノチューブ(CNT)を、金属や炭素材料からなる3次元物体の表面に成長させる方法を開発した。

 この方法では、化学気相成長法(CVD法)によるCNTの成長に必須である金属触媒の担持層を、従来のスパッタリング法ではなく大気雰囲気中で容易に行える粒子ブラスト法により形成することに世界で初めて成功したもの。

 この技術により、例えば、円筒形状のレンズ鏡筒内部に多層CNTを直接成長させて鏡筒内の散乱光を大幅に抑制することで、カメラや天体望遠鏡の解像度・光感度を大幅に向上させることが期待される。

 また、同技術は、単層CNTと多層CNTのどちらの成長にも必要である金属触媒の担持層の成膜に簡便で低コストの粒子ブラスト法を用いており、その条件の制御により成長するCNTの特性を制御できる可能性があり、CNTの新しい成長法として幅広い応用が期待される。

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★科学技術ニュース★NICTと東工大、情報漏えいのない分散ストレージシステムの実証に成功

2016-07-07 07:36:44 |    通信工学

 情報通信研究機構(NICT)量子ICT先端開発センター及びセキュリティ基盤研究室は、東京工業大学工学院情報通信系の尾形わかは教授と共同で、分散ストレージシステムにおいて認証・伝送・保存の過程をすべて情報理論的安全性で担保されるシステムの実証実験に世界で初めて成功した。

 NICTが運用している量子鍵配送(QKD)ネットワーク(名称: Tokyo QKD Network)を利用し、情報理論的に安全なデータ保存を可能とする分散ストレージプロトコルを実装した。さらに、独自のプロトコルであり、一つのパスワードだけで情報理論的に安全なユーザ認証を可能とするパスワード分散プロトコルも併せて実装した。

 今回、情報理論的に安全なデータ保存を可能とする秘密分散法の代表的な方式であるShamir(シャミア)の(k,n)しきい値秘密分散法を用いた分散ネットワークを、NICTが運用している量子鍵配送(QKD)ネットワーク上に実装し、さらに、NICT・東工大独自のプロトコルである利便性・操作性に優れたパスワード分散プロトコルを同時に実装し、分散ストレージに重要な3つのプロセスであるユーザ認証・伝送・保存のプロセスにおいて情報理論的に安全な分散システムの実証に成功しましたもの。
 

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●科学技術書<新刊情報>●「匠の技の科学~材料編~」(京都工芸繊維大学編/日刊工業新聞社)

2016-07-07 07:36:00 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:おもしろサイエンス 匠の技の科学~材料編~

編者:京都工芸繊維大学 伝統みらい教育研究センター

発行:日刊工業新聞社  

 日本が西洋以外では最も早く近代的な工業国となった要因の一つは、近代以前から蓄積されてきた伝統産業の匠の技にある。伝統産業の匠の技は現代の工業技術にも応用できるヒントを秘めている。匠の技の科学的解明にはいくつもの切り口があるが、同書では材料から匠の技を取り上げる。

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