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“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術ニュース●丸紅、サウジアラビアのラービグ太陽光発電プロジェクト着工

2021-04-28 09:37:02 |    エネルギー

 丸紅は、サウジアラビア王国 Al Jomaih Energy & Water Company Limited(Al Jomaih)と共に出資参画する特別目的会社を通じ、サウジアラビア王国のラービグ太陽光発電プロジェクトに関わる長期売電契約を、2021年1月にSaudi Power Procurement Company(サウジアラビア電力公社子会社SPPC)との間で締結し、同プロジェクト向けの融資銀行団との間で、2021年3月に融資契約を結び、2021年4月に着工した。

 同プロジェクトは、サウジアラビア政府工業都市公団が進める工業化都市建設計画の内、メッカ州ラービグ工業都市内でリースされた土地に、最大出力300MWの太陽光発電所を建設、保守・運転し、SPPCに対して25年間にわたり売電を行うもので、丸紅にとって、サウジアラビア王国における初の太陽光発電プロジェクトとなる。

 丸紅は、日本を含む世界19カ国で持分容量約12GWの発電資産を保有・運営しており、同プロジェクトへの出資は、中東地域において、アラブ首長国連邦・スワイハン太陽光発電プロジェクト(1,177MW)、オマーン国・アミン太陽光発電プロジェクト(105MW)、およびカタール国・アル・カルサ太陽光発電プロジェクト(800MW)に続く4件目の大型太陽光発電プロジェクトへの参画となり、4件の総発電容量は約2GWに上る。(丸紅)

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●科学技術ニュース●セブン&アイとNTT、国内初となるオフサイトPPAを含むグリーン電力を一部店舗に導入

2021-04-14 09:40:39 |    エネルギー

 セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイ)とNTTは、セブン&アイグループの店舗運営における使用電力の100%再生可能エネルギー化の実現を目指し、国内初のオフサイトPPAによる電力調達およびNTTグループが所有するグリーン発電所からの電力を、2021年4月より順次、一部店舗に導入した。

 今回の取り組みは、セブン&アイグループのセブン‐イレブン40店舗およびアリオ亀有の店舗運営に100%再生可能エネルギーを使用するもの。

 NTTアノードエナジー(NTT AE)が、オフサイトPPAの仕組みで2つの太陽光発電所を設置し、送配電網を介して電力供給を行う。

 事業者が、電力消費者である企業・自治体等専用の再生可能エネルギー発電所を遠隔地に設置し、送配電網を介してその電力を長期間供給するオフサイトPPAは、国内初の取り組みとなります。また、オフサイトPPAだけでは不足する部分を、NTTグループが所有するグリーン電力発電所を活用することで、店舗運営に使用する電力を100%再生可能エネルギー化する。

 オフサイトPPAは、オフサイト型コーポレートPPA(電力購入契約:Power Purchase Agreement)の略。コーポレートPPAは、需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約。日本国内において多くの事例が存在する「オンサイトPPA」は、屋根や遊休地に発電設備を設置し需要家設備と隣接する形で電力を利用するモデルであるのに対し、今回の「オフサイトPPA」は、遠隔地の 発電設備から送配電網を介して需要家設備へ送電するモデル。(セブン&アイ・ホールディングス)

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●科学技術ニュース●日揮、海外の小型モジュール原子炉(SMR)へ進出   

2021-04-12 09:36:33 |    エネルギー

 日揮ホールディングスは、このたび、海外における小型モジュール原子炉(SMR)プラントのEPC(設計・調達・建設)事業への進出を目指し、小型モジュール原子炉(SMR)の開発を行っている米国ニュースケール(NuScale Power)への出資を決定した。

 同社は、米国子会社を通じて特別目的会社を設立、同特別目的会社を経由してニュースケール社に対し40百万米ドルの出資を行う。

 同社は、SMRの将来的な市場拡大に加えて、SMRが水素や再生可能エネルギーと並び、脱炭素社会の実現への貢献が期待できること、さらにニュースケール社の技術が他のSMR技術に先駆けて、2020年8月に米国初の設計認証を取得し、米国原子力規制委員会によりその安全面が認められ、商業化に最も近いSMR技術であることから、今般、SMRプラントのEPC事業への進出を目指し、ニュースケールに出資を決定したもの。

 同出資により、同社は、海外EPC事業会社である日揮グローバルを通じて、ニュースケールの親会社であり、これまでエネルギー及びインフラストラクチャー分野の大型EPCプロジェクトで協業してきた米国大手エンジニアリング会社フルア(Fluor Corporation)と協業し、ニュースケールの最初のSMRプラント建設プロジェクトに参画する予定。

 さらに、中長期的には海外市場を中心にSMRの EPCプロジェクトを受注・遂行していくことを視野に入れ活動していくほか、SMRと再生可能エネルギー設備、水素製造設備、海水淡水化設備とのインテグレーションも検討していく。(日揮ホールディングス)

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●科学技術ニュース●日本原子力研究開発機構、ナトリウム冷却高速炉の実用化に目途

2020-09-04 09:39:03 |    エネルギー

 日本原子力研究開発機構(JAEA)高速炉・新型炉研究開発部門の久保次長、近澤GL、加藤主幹らにより、2014年~2019年の「仏国次世代炉計画(ASTRID)及びナトリウム高速炉の協力に関する実施取決め」(日仏ASTRID協力、2019年12月に期間満了)に基づく共同開発を通じて得られた知見を用いて、従来のループ型炉と異なるタンク型ナトリウム冷却高速炉について、耐震性、安全性、経済性等が成立する見通しが得られた。

 ナトリウム冷却高速炉は、第4世代原子力システムと称される、高い信頼性、経済性等を実現する次世代の原子力システムのうち、最も有望な技術のひとつ。

 核燃料サイクルは、ウラン資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化、潜在的有害度の低減を目指すものであり、その実現のため、高速炉は重要な選択肢のひとつとなっている。

 JAEA等は、日仏ASTRID協力における設計協力として11分野を実施し、フランスの既存炉の経験を反映した設計データを入手し改良作業を実施することで、フランスの設計をJAEAが今後開発するナトリウム冷却高速炉に反映するための使用権を入手した。

 また、燃料8分野、シビアアクシデント9分野、原子炉技術11分野において、日仏間で技術を融合(データシェア、設備共同利用、評価手法共同開発)することで、効率的な開発を行った。

 また、JAEAはフランスの既存の高速炉であるフェニックスおよびスーパーフェニックスの経験を踏まえたタンク型炉の設計情報を入手し、日本の「もんじゅ」等で培われた安全技術、耐震技術と融合することで、高速炉の実用化に寄与する大きな成果を上げることができた。

 具体的には、我が国の立地条件におけるタンク型炉の設計概念を検討することにより、重要課題である耐震性を含めたその設計が成立する見通しが得られた。

 引き続き、研究開発を効率的に進めていくことを目的として、JAEAとフランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)等は「ナトリウム冷却高速炉開発計画協力の実施取決め」を2019年12月3日に締結した。今後は同取決めに基づき、日仏相互の優位な技術を生かしたナトリウム冷却高速炉の安全性・経済性向上のため、シビアアクシデント、解析コード開発等を中心としたR&D協力を進める予定。(日本原子力研究開発機構<JAEA>)

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★科学技術ニュース★原子力機構と原子燃料工業、高性能かつ量産可能・実用化レベルの高温ガス炉用燃料を開発

2019-10-09 09:37:43 |    エネルギー

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、原子燃料工業と、将来の高温ガス炉に使用される粒子状ウラン燃料の被覆燃料粒子に、従来のHTTRの燃料に比べて格段に高いウラン燃焼性能を持たせる設計技術を開発した。

 また、その新燃料について、カザフスタン共和国での中性子照射試験を通じて、高い中性子照射安定性を確認し、高品質な量産化技術を確立した。

 高温ガス炉は、固有の安全性に優れた原子炉。しかし、高温ガス炉の実用化に向けては、現在HTTRで使用されている燃料(燃焼度33 GWd/t)の3倍(約100 GWd/t)のウラン燃焼エネルギーを安全に取り出せる性能が要求される。

 この度、原子力機構は、ウラン球の直径や被覆層の厚さの制御のみで、被覆燃料粒子の破損を100 GWd/t規模でもほぼゼロ(破損確率100万分の1)に抑える設計技術を完成させた。

 また、この設計技術にもとづいて、原子燃料工業が、大量生産用設備を用いて、新しい被覆燃料粒子を製造した。

 さらに、国際科学技術センター(ISTC)レギュラープロジェクトの枠組みのもと、カザフスタン共和国の核物理研究所(INP)が所有する中性子照射炉(WWR-K炉)を用いて、新開発した燃料の高温での中性子照射試験を実施した。その結果、開発した燃料が高温かつ中性子照射環境下において極めて高い健全性を持つことを確認した。

 これにより、世界に先駆けて将来の高温ガス炉用燃料の設計技術および高品質な量産化技術を確立した。

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★科学技術ニュース★NEDOなど、100℃以下の廃熱を利用可能な蓄熱システムの本格実証試験を開始

2019-08-02 09:28:41 |    エネルギー

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と高砂熱学工業、石原産業、東京電力エナジーパートナー、森松工業、日野自動車、産業技術総合研究所、羽村市は、100℃以下の低温廃熱を利用可能な蓄熱材を約12t利用した蓄熱システムの本格実証試験を2019年7月から開始した。

 同実証試験で用いる蓄熱材は、産業技術総合研究所が開発した「ハスクレイ」をベースに高性能化・高耐久化を図ったもので、従来から使用されている潜熱蓄熱材よりも体積当たりで2倍以上の蓄熱が可能。

 同実証では、オフライン熱輸送型と定置型の2通りの蓄熱システムを通年で検証する。オフライン熱輸送型では、日野自動車羽村工場のコージェネレーションシステム(CGS)設備で発生した廃熱を蓄熱材に蓄熱し、工場内の産業空調設備で利用することに加えて、約2km離れた羽村市スイミングセンターへ大型トレーラーで輸送し、温水プールの熱源としても利用する。

 また、定置型では、石原産業四日市工場の酸化チタンを乾燥させる工程で、上流側の高温の酸化チタンから発生する熱を蓄熱材に蓄熱し、下流側の比較的低温の酸化チタンへ放熱し乾燥に用いることで、既存の加熱用蒸気の消費量を削減する。

 これらの実証試験を季節ごとの実証データを取得しながら2020年2月まで実施し、コージェネレーションシステムの廃熱や工場廃熱を除湿・暖房・乾燥工程などへ適用する熱利用システムの技術を確立し、市場展開を目指す。

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★科学技術ニュース★三菱重工、再生可能エネルギーとの“トリプルハイブリッド”自立給電システムを開発 

2019-06-27 09:53:20 |    エネルギー

 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)は、太陽光などによる再生可能エネルギー発電とレシプロエンジン発電および蓄電池を組み合わせ最適な安定制御ができる“トリプルハイブリッド”自立給電システムを開発した。

 再生可能エネルギーの不安定な電力を3種の電源ミックスにより安定化できるのが強みで、高効率低コストの電力供給を環境に優しく多用途な分散型電源で追求できる。

 同社の本社の相模原工場内で、太陽光発電設備と蓄電池、エンジン発電設備を組み合わせた実証設備「トリプルハイブリッド発電所」を稼働。発電設備を「EBLOX(イブロックス)」、制御システムを「COORDY(コーディー)」と名づけ、多様な電力供給ニーズに応えるソリューション提案を行う体制を整えた。

 トリプルハイブリッド自立給電システムは、天候などに左右されやすい自然エネルギー(変動性再生可能エネルギー)由来電力の割合が大きくなると電力供給量が不安定となる現象への対応手段として、MHIETの技術基盤を有効活用して開発したもの。

 変動性再生可能エネルギーによる電力の変動を蓄電池で吸収し平準化させるとともに、天候変化や昼夜の時間帯変化に発電量が左右されないディーゼルエンジンやガスエンジンによる発電がバックアップする仕組み。

 世界中には、電力会社の送配電網が行き届かないため簡便な自立型電源を求める地域が多数ある一方、地震や風水害などの災害対策としても自立可能な分散型電源への期待が高まっている。MHIETは、こうした強いニーズに応え変動する再生可能エネルギーを安定化させ組み込んだハイブリッド発電システム(EBLOX・COORDY)を新たに提案することで、再生可能エネルギーの付加価値を高めて可能性を広げ、低炭素社会づくりに貢献していく。

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★科学技術ニュース★NEDO、ロシア極東に極寒冷地仕様の風力発電機3基が完成、実証運転を開始

2018-11-14 09:43:50 |    エネルギー

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ロシア極東に極寒冷地仕様の風力発電機3基を完成させ、このたび風力発電システムの実証運転を開始した。

 同実証事業は、北極圏に位置し、ロシア極東でも特に寒冷な地域、サハ共和国内のティクシ市で実施する。

 今後、風力発電システムに加え、ディーゼル発電機、蓄電池などを組み合わせて、極寒冷地に適応した電力系統の安定化を実現するエネルギーマネジメントシステム「ポーラーマイクログリッドシステム(Polar Microgrid System)」を構築する。

 その後、2019年12月から低コストで安定的なエネルギー供給を目指した本格的な実証を行う予定。

<実証事業の内容>

(1)期間:2018年2月~2021年2月(予定)

        主なスケジュール

          2018年9月 風力発電システム導入
          2019年9月 ディーゼル発電機、蓄電池等を組み合わせた再エネ協調システム導入
          2019年12月 エネルギーマネジメントシステム実証運転開始

(2)実施体制

      NEDOのMOC締結先:サハ共和国、ロシア国営電力会社ルスギドロ
      NEDOの委託先:三井物産、東光高岳、駒井ハルテック

(3)導入技術

      【1】極寒冷地仕様風力発電機(中型300kW、3基)
      【2】ディーゼル発電機、蓄電池等を組み合わせた再エネ協調システム

(4)実施場所

      サハ共和国ティクシ市

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★科学技術ニュース★東京大学など、日本が保有する47tのプルトニウムの有効利用を促進する新技術開発

2018-10-04 10:24:52 |    エネルギー

 東京大学、日本原子力研究開発機構、富士電機、原子燃料工業の共同研究グループは、従来の高温ガス炉用燃料(TRISO燃料粒子)に、新たに安全性(Safety)、核セキュリティ(Security)、核不拡散性(Safeguards)の機能を強化した3S-TRISO燃料粒子の製造基盤技術のうち、プルトニウムの模擬物質としてセリウム(Ce)を用いた、YSZ燃料核固化技術及びジルコニウムカーバイド(ZrC)層の被覆技術を確立した。

 プルトニウム燃焼の燃料製造から原子炉の運転及び使用済燃料処分までのライフサイクルを通じた3Sの成立は、従来のTRISO燃料粒子では困難であったが、3S-TRISO燃料粒子の導入により成立することを確認した。

 同研究成果から、3Sを成立させつつ、現在日本が保有するプルトニウム47tを、プルトニウム燃焼高温ガス炉を15基導入した場合は10年程度、4基導入した場合は40年程度で消費することが可能。

 今後の展開は、許認可に必要となる実燃料を用いた3S-TRISO燃料粒子の照射を含めたデータの収集、炉心設計の詳細化を予定している。

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★科学技術ニュース★NEDO、ロシア極東で風力発電を含むエネルギーインフラ実証を開始

2018-03-06 07:59:56 |    エネルギー

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2月27日(現地時間)、ロシアのサハ共和国政府およびルスギドロ社との間で、風力発電システムを含むエネルギーインフラ実証事業に関する協力覚書(MOC)を締結し、実証事業を開始した。

 この実証事業は、北極圏に位置しロシア極東でも特に寒冷な地域であるサハ共和国内の独立系統地域であるティクシ市において初めて実施されるものであり、風力発電システムを含む系統を安定化させる「ポーラーマイクログリッドシステム(Polar Microgrid System)」を構築し、安定的なエネルギー供給技術に関する実証を行う。

 同実証事業では、既存の発電設備に、風力発電機とディーゼル発電機、蓄電池によるエネルギーマネジメントシステムを組み合わせた「ポーラーマイクログリッドシステム」を構築し、極寒冷地における低コストかつ安定的なエネルギー供給技術に関する実証を行う。

 同実証では、風力発電機とディーゼル発電機の効率的な運用により、年間約16%ものディーゼル燃料の焚き減らしが可能になると見込んでいる。実証期間は、2018年2月~2021年2月(予定)。

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