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“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「なぜ世界はデジタルになったのか」(Ken Steiglitz著/共立出版)

2023-06-06 10:18:43 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:なぜ世界はデジタルになったのか~マシーンの離散的な魅⼒~

著者:Ken Steiglitz

訳者:岩野 和生

発行:共立出版

 ほんの数十年前、テレビやラジオ、電話機などの情報機器はすべてアナログ信号を用いており、コンピューターももともとはアナログであった。しかし現在までの劇的な進歩により、コンピューターはもとより、あらゆる情報機器はデジタルとなっている。同書は、デジタル信号処理の創始者の一人であり、コンピューターの本質とその応用における原理を幅広く追求してきた著者が、デジタルな世界はどのように進歩してきたか、なぜアナログからデジタルへという大きな変化が起こったのかといった面に焦点を当て、アナログコンピューターの時代から、インターネットや人工知能が普通に存在する現代までの変遷を解説し、最後には我々の未来の話までに及ぶ。コンピュータサイエンス的な面はもちろん、物理学的な側面からも解説を加える。同時代を生きてきた著者ならではのユニークな書籍である。若い高校生、大学生、コンピューターサイエンティスト、そして社会人まで、理系や文系に関係なく、それぞれの立場にとって、いろいろなヒントが詰まっているだろう。
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●科学技術ニュース●東電とトヨタ、電気自動車用蓄電池を活用した定置用蓄電池システムの開発・実証を開始

2023-06-06 10:18:18 |    電気・電子工学
 東京電力ホールディングス(東電HD)とトヨタは、東電HDの「定置用蓄電池の運用技術・安全基準」とトヨタの「電動車用蓄電池のシステム技術」を融合した定置用蓄電池システム(出力1MW、容量3MWh)を開発した。

 このシステムを、豊田通商とユーラスエナジーホールディングスが、ユーラス田代平ウインドファーム(豊田通商子会社ユーラスエナジーホールディングスが所有する大規模風力発電所)へ導入し、今年秋頃より、4社が連携して、実証試験を開始する。

 蓄電池市場は、再生可能エネルギー発電や、電気自動車・ハイブリッド車などの電動車の普及、世界的なカーボンニュートラルの潮流などを踏まえ、今後も拡大していくことが見込まれる。

 そのような中、環境・経済性向上、電力市場への参加、さらにはBCP対策など増加する蓄電の需要・ニーズに、価格と量の両面から応えるために、今後は電動車用蓄電池の活用が必要となる。

 そのため、両者は、電気自動車用蓄電池を複数台連結させ、既製のPCS(蓄電池を直流電源として接続し電力系統や各種電気機器に交流電力を供給する設備)と組み合わせて利用できる定置用蓄電池システムを共同で開発した。

 同実証では、このシステムの動作・性能及び事業用途での電力市場への供出も含めた実現可能性を確認する。<トヨタ>

<実証スケジュール>

 2023年夏頃 設備構築、蓄電池システム評価

 2023年秋頃 実証試験開始

 以降、数年程度の実運用をもって、運用・性能評価を予定
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「<改訂> 実習で学ぶ モデルベース開発」(山本 透編著/コロナ社)

2023-05-25 09:35:23 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:<改訂> 実習で学ぶ モデルベース開発~「モデル」を共通言語とするV字開発プロセス~

編著:山本 透

著者:脇谷 伸、原田 靖裕 元、香川 直己、足立 智彦、沖 俊任、原田 真悟

発行:コロナ社

 製品設計にシミュレーションモデルを用いるモデルベース開発(MBD)について、MATLABを用いて体験的に学習できる良書の改訂版。HILシミュレータなどもWebで提供し、今回の改訂ではスマートMBDについても紹介した。同書は、おもに1章~3章の準備にあたる部分と、MBDの醍醐味となる4章~6章から構成され、さらに新しく7章ではMBDの今後について概観している。1章『モデルベース開発(MBD)』では、「MBDとは何か?」について、MBDによる開発エピソードを交えながら、わかりやすくまとめている。2章『MATLAB/Simulinkによるモデル構築』では、モデリング、シミュレーション、検証などモデルベース開発に必要不可欠となる開発ツールの操作方法を中心に解説している。3章『物理モデリングと解析の基礎』では、「モデルとは何か?」に始まり、微分方程式による物理モデリングについて、上述の開発ツールを用いた実習を通して詳述している。4章『MILS』では、「DCモータの制御システム」を題材として、MILS(Model–In–the–Loop Simulation)の手順をわかりやすくまとめている。5章『HILS』では、HILS(Hardware–In–the–Loop Simulation)について解説している。6章『MBC』では,モデルと実システムとをつなぐキャリブレーションとしてMBC(Model–Based Calibration)の概略を紹介している。7章『モデルとデータのインタプレイによるスマートMBD』では、「モデル」と「データ」のインタプレイ(相互作用)に基づく新しいデジタルものづくり開発プラットフォームの必要性を述べるとともに、その開発プラットフォームの一例として、編者らが広島大学デジタルものづくり教育研究センター「データ駆動型スマートシステムプロジェクト」において考察を重ねてきた「スマートMBD」を紹介している。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「磁性複合材料」(田島 伸著/コロナ社)

2023-05-22 09:36:17 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:磁性複合材料~圧粉磁心とボンド磁石~

監修:小林久理眞

編者:(株)豊田中央研究所

著者:田島 伸

発行:コロナ社

 同書は,電源やモータ(いわゆる強電)関係に使用されている圧粉磁心とボンド磁石の基礎から応用までを記述している。これらの磁性複合材料について学びたい方に役立つような内容となるように説明している。同書のレベルは、大学工学部4年生程度の材料科学の知識を学んでいることを想定している。ただし、重要な部分は、できるだけ本書だけで理解できるように記載している。内容としては、圧粉磁心とボンド磁石の具体的なプロセスや,それらの材料特性に関する情報が主体である。実用例に関しては,筆者の所属の関係で,自動車関連が多い内容となっている。あまり詳細な磁性理論などには立ち入らないようにした。また、最近、軟質磁性材料に関する教科書がほとんど発行されていないので、軟質磁性材料の説明を多めにしている。なお、磁気センサ、電磁波吸収体や磁気記録などは同書では取り扱っていない。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「半導体超進化論」(黒田忠広著/日本経済新聞出版)

2023-05-17 09:35:10 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:半導体超進化論~世界を制する技術の未来~

著者:黒田忠広

発行:日本経済新聞出版(日経プレミアシリーズ)

 半導体戦略の要諦は、一言でいえば微細化技術への積極投資である。ただし、定石だけでは失った30年を取り戻すのは難しい。競争の舞台の第2幕を予見して先行投資をすることも必要である。剣道でいう「先々の先を撃つ」である。現下の複雑な情勢を読み解くためには、そのうなりを生み出す3種類の変化(①産業の主役交代、②市場の波、③技術のパラダイムシフト)を理解する必要がある。これらの変化によって、半導体チップの設計がソフトウエアのコードを書くくらい簡単になる。そうなれば世界に革命が起こる。アップルやテスラのようなTSMCの少数の大口顧客だけでなく、多くの人がチップを作れるようになればイノベーションが起こるということである。半導体技術を活用できる人を1桁、2桁増やすという意味だ。これこそが同書の主題として謳っている「半導体の民主化」であり、そのシチュエーションに日本逆転のチャンスがある。ソフトウエア開発者と比べると、ハードウエア設計者の人口は桁違いに少ない現状が一挙に変わり、新たな形のイノベーションが咲き乱れる時代がやってくる。同書は、この激変する半導体戦略をリードするキーパーソン黒田忠広・東大教授が、新しい半導体の世界、激変する環境、それへの対応策を明らかにする初めての一般向けの書。黒田氏は「2030 半導体の地政学」(太田泰彦著)でも半導体界の最重要人物として紙幅を割いて紹介されている。同書は、産官学の枠を超えて半導体に関わるあらゆる人にとって必読の書となる。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「半導体有事」(湯之上隆著/文芸春秋)

2023-04-24 09:31:54 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:半導体有事

著者:湯之上隆

発行:文芸春秋(文春新書)

 アメリカが中国に突きつけた異次元の半導体規制。このままだと中国の半導体工場はやがて稼働できなくなる。追い詰められた中国が狙うのは、世界のトップ企業、台湾のTSMC——。世界中が半導体製造能力をめぐる競争に駆り立てられているなか、日本は再び失敗を繰り返すのか? 新会社ラピダスのいう、「2027年までに2ナノの最先端半導体をつくる」なんてできっこない! 
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「2022年版 電気事業便覧」(経済産業省資源エネルギー庁編/経済産業調査会)

2023-04-21 09:39:25 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:2022年版 電気事業便覧

編者:経済産業省資源エネルギー庁 

発行:経済産業調査会

 同書は、日本の電気事業の現状と累年的推移の概要を統計的に集録。旧一般電気事業者のみならず、新規参入事業者や卸電力取引所の動向も掲載。全面自由化以降の電気事業を取り巻く状況を俯瞰できる一冊。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「電磁界解析による最適設計」(五十嵐 一著/森北出版)

2023-04-18 09:31:41 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:電磁界解析による最適設計~トポロジー最適化の基礎から機械学習まで~

著者:五十嵐 一

発行:森北出版

 近年注目を集めるトポロジー最適化と、深層学習やモンテカルロ木探索などの機械学習を用いた手法を中心に、電気機器の各種デバイスの形状最適化の理論をまとめた待望の書籍。モータ、アンテナ、マイクロストリップ線路、磁気シールドといった具体例を対象に、最適化の理論的基礎やアルゴリズム、計算の高速化まで詳しく解説。また、最適化に用いられる数理的手法についても、電磁界解析の基礎からはじめて、均質化・モデル縮約・等価回路生成などまでわかりやすくフォローしている。電気機器の設計開発に携わるエンジニア、研究者に有用な一冊。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「アナログ電子回路」(前多 正著/森北出版)

2023-04-17 09:31:06 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:アナログ電子回路

著者:前多 正

発行:森北出版

 MOSFETによる回路を中心として、オーソドックスな構成をコンパクトにまとめた、やさしいテキスト。とくに、等価回路への変形過程を丁寧に説明することで、回路の動作解析の仕方を、初学者でも理解しやすいよう工夫している。また、具体的な回路例が併記され、どのように応用されるのかが直感的にわかるような説明となっている。大学・高専の講義における教科書・参考書として、大変使いやすい内容。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「計測機器 防爆規格適合製品ガイド2023」(石田 豊著/日本工業出版)

2023-04-13 09:34:00 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:計測機器 防爆規格適合製品ガイド2023

著者:石田 豊

発行:日本工業出版

 世界の防爆規格の概要と動向の解説と、各社の防爆製品が一覧できる製品ガイドで、製品選びに役立つコンパクトな冊子。巻末には掲載製品の各種防爆規格への対応状況が分かるマトリクス表も掲載。【目次】◆DX を活用した防爆方策◆【特別企画 執筆者インタビュー】◆対象製品:温度計/流量計/レベル計/伝送器/分析計/湿度計/バルブ(電磁弁・電動アクチュエータ・リミットスイッチ)/バリヤ/はかり/カメラ/表示器/その他◆掲載会社:Iアズビル㈱、ヴァイサラ㈱、㈱オーバル、音羽電機工業㈱、オリエントブレイン㈱、金子産業㈱、サンテスト㈱、GMIジャパン㈱、CKD㈱、システムギア㈱、島津システムソリューションズ㈱、セフテック電装㈱、㈱大同工業所、竹中電子工業㈱、㈱チノー、東京計装㈱、㈱東陽テクニカ、㈱中村電機製作所、㈱日本アスコ、日本安全システム㈱、日本エマソン㈱、日本ダイニスコ㈱、日本フイツシヤ㈱、日本ベーカーヒューズ㈱、㈱ノーケン、バルテック・ジャパン㈱、㈱マーストーケンソリューション、ミッシェルジャパン㈱、ムーア・プロダクツ㈱、メトラー・トレド㈱、大和製衡㈱、山本電機工業㈱、横河電機㈱、理研計器㈱
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