“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「惑星地質学入門」(H・ジェイ・メロシュ著/京都大学学術出版会)

2024-06-28 09:42:37 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:惑星地質学入門~惑星と衛星の表層過程~

著者:H・ジェイ・メロシュ

訳者:山路 敦、成瀬 元

発行:京都大学学術出版会

 惑星表面に存在する千姿万態な地形、火山、氷河、土——、地球と共通する特徴をもつものもあれば、ときに地球とまったく異なる姿を見せることもある。これれらを説明する普遍的な原理はなにか。地球にとらわれない広い視野で地質現象の奥深さを学ぶ惑星地質学の名著、待望の邦訳。【著者】H・ジェイ・メロシュ(H. Jay Melosh) はじめ理論物理学を専攻し地球物理学に移った、衝突クレータに関する世界的な権威。また、惑星や衛星のテクトニクス、地震、地すべりの研究でも重要な貢献をした。ニュージャージー州で1947年に生まれ2020年にマサチューセッツ州で亡くなるまでに、カリフォルニア工科大学・ニューヨーク州立大学・アリゾナ大学・パーデュー大学で教鞭をとった。国際隕石学会のバリンジャー・メダル(1999年)、アメリカ地質学会のギルバート賞(2001年)、アメリカ地球物理学連合のヘス・メダル(2008年)などを受賞。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「宇宙はいかに始まったのか」(浅田秀樹著/講談社)

2024-06-25 09:52:53 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:宇宙はいかに始まったのか~ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学~

著者:浅田秀樹

発行:講談社(ブルーバックス)

 謎の「ナノヘルツ重力波」は、宇宙誕生の痕跡なのか!? 2023年、世界に衝撃を与えた国際研究チーム「ナノグラブ」の報告。それはある重力波の存在を捉えたというものであった。発見された重力波は、ナノヘルツ(ナノ=10のマイナス9乗)、つまり数年もの非常に長い周期の超長波長の重力波であった。この観測プロジェクトで使われた手法は「パルサー・タイミング法」というもの。電波星ともいわれる「パルサー」から送られてくる電波を観測することで、宇宙の空間の歪みを検出するという手法が、この「パルサー・タイミング法」である。では、このナノヘルツ(超長波長の)重力波はどこで生まれたのか?・宇宙のはじまり、ビッグバンより前に起きたとされる「インフレーション」によって空間が引き延ばされたさいの痕跡「原始背景重力波」・銀河の中心「活動銀河核」に存在する太陽質量の数万倍といわれる「超巨大なブラックホール」が合体した―といった候補が考えられている。これまで謎とされていた「宇宙のはじまりの姿」。その痕跡を見ることが人類にとって現実のものとなりはじめた。同書では、その背景にある宇宙論を、重力とは何か?アインシュタイン方程式とは?そして宇宙のはじまりはどのように考えられてるのか?を、ひとつずつ段階を踏みながら解説し、「ナノグラブ」によって行われた「パルサー」を用いた宇宙空間の精密観測「パルサータイミング法」と今後の観測計画、そして15年以上にもわたる「パルサー・タイミング・アレイ」による観測の結果から、この謎の超長波長の重力波「ナノヘルツ重力波」の正体に迫っていく。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「雲の物理とエアロゾル」(近藤 豊著/東京大学出版会)

2024-06-21 09:49:32 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:雲の物理とエアロゾル~物理と化学の基礎から学ぶ~

著者:近藤 豊

発行:東京大学出版会

 地球の気候・環境に重要な役割を果たしている大気エアロゾルと雲。同書はエアロゾルと雲・降水粒子を、両者に共通した生成・変容過程に注目しつつ、物理と化学の基礎から説き起こす。初学者がエアロゾルと雲の重要な諸過程を体系的に理解できる本格的な解説書。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「人類は宇宙のどこまで旅できるのか」(レス・ジョンソン著/東洋経済新報社)

2024-06-20 09:32:55 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:人類は宇宙のどこまで旅できるのか~これからの「遠い恒星への旅」の科学とテクノロジー~

著者:レス・ジョンソン

訳者:吉田三知世

発行:東洋経済新報社

 未来の「星間旅行」はどのようなものとなるのか?光子ロケットや静電セイル、反物質駆動、ワープ航法など、NASAテクノロジストの物理学者が本気で考えた宇宙トラベルガイド。想像以上に困難だが、想像すれば実現できる。宇宙のスケールの大きさや人類の叡智に圧倒させられる、ワクワク感あふれる全人類待望の書。光子ロケットや静電セイル、反物質駆動、ワープ航法など、NASAの物理学者が本気で考えた宇宙トラベルガイド。【目次】第1章 宇宙はどんなところで、何があるのか? 第2章 宇宙探査の試みと課題 第3章 星間旅行の難しさと、それでも挑戦すべき理由 第4章 旅行するのは、ロボット? 人間? その両方? 第5章 ロケットで行く 第6章 光で行く 第7章 星間宇宙船の設計 第8章 科学についての無茶な憶測とSF
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「恐竜大陸 中国」(安田峰俊著/KADOKAWA)

2024-06-17 09:56:01 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:恐竜大陸 中国

監修:田中康平

著者:安田峰俊

発行:KADOKAWA(角川新書)

 恐竜種発見&新種報告数は世界最多。だが盗掘・密売や政治関与も世界有数。世界一の恐竜大国、その実態。世界の恐竜研究史を塗り替えた羽毛恐竜の化石や琥珀漬けの恐竜の尾「EVA」など、革新的な発見は中国で相次いできた。発見された恐竜の種類も既にアメリカを抜いており、世界一の恐竜大国となっている。日中戦争や文化大革命をはじめとした動乱の影響や盗掘・密売の横行など、一筋縄ではいかぬ国で世紀の発見や研究はどの様に行われたのか。研究の最前線と、それを取り巻く社会の歴史と現状まで、中国恐竜事情を初めて網羅する。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「日本一わかりやすい 宇宙ビジネス」(中村尚樹著/プレジデント社)

2024-06-14 09:51:52 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:日本一わかりやすい 宇宙ビジネス~ネクストフロンティアを切り拓く人びと~

著者:中村尚樹

発行:プレジデント社

 2040年には150兆円規模とも言われる宇宙ビジネスの最前線とは?無人探査機SLIMの月面へのピンポイント着陸、カイロスロケット初号機の打ち上げ、九州のQPS研究所の小型SAR衛星打ち上げをはじめ、国内外で宇宙開発競争が熱気を帯びている。国家事業を請け負うことで進歩してきた宇宙産業は、今世紀に入って構造が大きく変化した。急速に発達したIT技術を活用したビジネスをつくろうと、アメリカを中心とする民間のIT関連企業が宇宙産業に参入してきた。いまや大企業からベンチャー企業まで、様々な企業が宇宙開発に尽力。実際に宇宙関連のビジネスを行う企業は世界全体で約1万社を超え、その企業価値総額は4兆ドルを超えると言われている。同書では、宇宙ビジネスの最前線で活躍する人びとに、元NHK記者である筆者が直接インタビュー。彼らが宇宙にかける熱い思いをひもときつつ、衛星ビジネスから宇宙法の話題まで、様々な角度から宇宙ビジネスの‶今″を紹介。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「首都直下 南海トラフ地震に備えよ」(鎌田浩毅著/SBクリエイティブ)

2024-06-04 09:33:43 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:首都直下 南海トラフ地震に備えよ

著者:鎌田浩毅

発行:SBクリエイティブ(新書)

 高い確率で発生されるといわれる首都直下地震。2024年元日に起こった能登半島地震により首都直下地震、そして連動して起こる大災害の警戒が強まっている。同書は、内陸地震が増えているという新事実、新たに危惧される震源域、活動が活発になっている火山、能登半島の地下に集中する「ひずみ」で急務を要する直下型地震の対策など最新の知見から、日本国民が知るべきリスクと、予想される災害のシナリオ、被害想定、そして命を守るためになにをすべきかを簡潔に網羅した警鐘の書。【目次】序章 能登半島地震からわかったこと 1章 地震の活動期に入った日本列島 2章 想定以上の大災害となる首都直下地震 3章 「西日本大震災」という時限爆弾 4章 南海トラフ巨大地震が誘発する富士山噴火 5章 災害、異常気象で世界はどう変わっていくのか 6章 「これからの大災害」に不安を感じないために 7章 科学で災害はコントロールできるのか 終章 地球や自然とどうつきあうか
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「新版 宇宙に命はあるのか」(小野雅裕著/SBクリエイティブ)

2024-05-30 09:33:12 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:新版 宇宙に命はあるのか

著者:小野雅裕

発行:SBクリエイティブ(SB新書)

 銀河系には約1000億個もの惑星が存在すると言われている。そのうち人類が歩いた惑星は地球のただひとつ。無人探査機が近くを通り過ぎただけのものを含めても、8個しかない。人類の宇宙への旅は、まだ始まったばかり――。同書は、NASAジェット推進研究所で火星探査の技術開発に従事し、人気コミック「宇宙兄弟」の監修協力も務める著者が、人類の謎に挑む、壮大な宇宙の旅の物語。私たちはどこからきたのか。どこへ行くのか――。同書は2018年2月に同社より刊行された「宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八」(SB新書)に、最新情報を加筆・改筆・再編集したもの。4万9000部突破、第6回ブクログ大賞受賞 。「本好きのみんなで決める 本当に面白い本」(人文・自然科学部門)のベストセラー書籍が、新版として最新情報にアップデートされ刊行。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「宇宙の地政学」(倉澤治雄著/筑摩書房)

2024-05-24 09:49:57 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:宇宙の地政学

著者:倉澤治雄

発行:筑摩書房(ちくま新書)

 国策から民間へ、国威発揚からビジネスへ、平和利用から軍民一体へ……と大きくシフトする宇宙開発。覇権を争う米国と中国、そして日本の最新事情をレポート。【筆者】倉澤治雄 1952年、千葉県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。フランス国立ボルドー大学第3課程博士号取得(物理化学専攻)。80年、日本テレビ入社。社会部、外報部、政治部、経済部、北京支局長、解説主幹などを歴任。2012年、科学技術振興機構中国綜合研究センター副センター長をへて、独立。現在は科学ジャーナリスト、日本記者クラブ会員、日本科学技術ジャーナリスト会議会員。立教大学、上智大学、獨協大学など非常勤講師。著書は、『原子力船「むつ」――虚構の航跡』(現代書館)、『原発爆発』(高文研)、『原発ゴミはどこへ行く』(リベルタ出版)、『中国、科学技術覇権への野望』(中公新書ラクレ)、『新型コロナワクチン 不都合な真実』(高文研)など。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「日本列島はすごい」(伊藤 孝著/中央公論新社)

2024-05-21 09:35:16 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:日本列島はすごい~水・森林・黄金を生んだ大地~

著者:伊藤 孝

発行:中央公論新社(中公新書)

 1万4千の島々が連なる日本列島は、ユーラシア大陸の東縁でその土台ができ、やがて分離。3万8千年前に人類が上陸し、歴史を紡いできた。変化に富んだ気候が豊かな資源を生み、国土を潤す。同書は、時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日本列島史を読み直す。天災から命を守り、資源を活かす暮らしとは。地学教育の第一人者が、列島で生きる醍醐味をやさしく解説する。
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