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NHKラジオ

 もうあと少しで夏期講習も終わるが、毎日100km前後もバスを運転していると、思わずボーっとしてしまうときもある。今年は睡眠が足りているのか、激しい睡魔に襲われることはほとんどなかったが、自動人形のように運転している瞬間があって、気づいてびっくりしてしまうことも時々あった。そういう時にはラジオをつけて気持ちを引き締めようとするが、バスはFM放送が受信できないため、AM放送を聴かざるを得ない。民放はやかましいし、NHK第1は高校野球以外は聞いていてもあまり面白くない。仕方なくNHK第2を聞くようになったが、これがなかなか面白い。私がつけるとだいたいが語学放送、特に中国語の講座をやっていることが多い。時間帯がちょうど合うのだろう、何種類かの講座があって、中国語独特の発音の仕方にだいぶ慣れた気がする。
 とは言え、私の今までの語学の勉強方法が文字から入るものであったため、テキストも持たず、耳で聞くだけの学習には慣れていないから、聞いていてもほとんど何も残らない。語学の習得は、耳で聞いて覚えることこそが肝要なのであろうが、そういった修練をしたことがない私には一番苦手な勉強法である。10代の頃にラジオ講座を聴いて、耳から英語を覚える修行をしていたらな・・、と今になって残念に思う。 だが、もう少し歳をとって、仕事などできなくなってしまったら、日がな一日ラジオの前に座って、次から次に放送される各国の語学講座を聴いていられたら、たとえ一語も身に付かずとも、結構充実した日々を送れるんじゃないないかな、と永遠にやってくることがないかもしれない日々を想像するのも楽しい・・。

 NHK第2には語学講座のほかにもうひとつ私が密かに楽しみに聴いている番組がある。それは「気象通報」。1日に、9時10分~9時30分、16時00分~16時20分、22時00分~22時20分の3回放送されているから、うまくタイミングが合うと朝と昼の放送を聴くことができる。これは、気象庁が発表した日本全国各地と周辺近隣諸国主要都市の天気と気温、並びに船舶からの報告、漁業気象概況を発表する番組であり、興味がない人にはまるで退屈な放送である。私にしても何も気象に興味があるわけではなく、ただこんな退屈な原稿を延々と読み上げなければならないNHKのアナウンサーって大変だな、と思ったのをきっかけにして、だんだん丁寧に聴くようになったのだ。その内容は例えば、
「石垣島では、北東の風、風力4、天気曇り、気圧1016ヘクトパスカル、気温11度。那覇では、北北東の風、風力3、快晴、15ヘクトパスカル、12度 ・・・」
などと言うもので、いたって無機質な情報の羅列である。こんなものを聴いていたら退屈で眠くなる、と最初は思ったが、我慢して何度か聴いているうちに面白いことに気付いた。日替わりで担当しているアナウンサーによって少しずつ読みあげかたが違うのだ。語尾に抑揚をつけてメリハリをつける人、いかにも面倒くさそうに読み上げる人、どことなく楽しそうな声の人・・、色々なタイプがあって今日はどんな人かな、そう思うだけでも楽しみが増す。人それぞれの仕事に対する姿勢が仄見えるのもまたいい。
 ところで、気象の観測点の1つに「ウルルン島」がある。ソウルの次、プサンの前に告げられる地名であるから、韓国の土地なのだろうが、実際にどういう島なのかまったく知らなかった。何度も「ウルルン島」と聞くたびに、その名前の響きがよく、どんなところか知りたくなった。

『鬱陵(ウルルン)島は、東西の長さ10km, 南北の長さ9.5km, 海岸線の長さ 56.5kmの五角形の形をした島です。 以前は、羽陵島 " 武陵島等とよばれましたが、1915年に現在の名前に変わりました。島全体が火山活動で作られ、島の最も高いソンイン(聖人)峰(984m)が 中心にあり、海岸線に沿って村が点在しています。また、北側の斜面にはカルデラ火口が崩れてできた 百合盆地・卵峰盆地があります。 平地がほとんど無く海岸の多くが絶壁からなっており、冬には雪がかなり降ります。住民の半分が漁業に従事し、以前はトウモロコシ・ジャガイモ・麦・豆等を作っていましたが、現在は山菜や薬草も栽培しています。島には椿をはじめとする650 種の多樣な植物があり、島の周囲は寒流と暖流が出会う水域のため、イカ・サンマ・タラ等がたくさんとれます。特にイカは品質が良く、鬱陵(ウルルン)島の特産物として有名です』


 1泊2日のツアーも紹介されているから、なんだか行きたくもなってくるが、問題は私は韓国料理がまったくダメだということだ・・。神秘的な島の様子に惹かれるが、無理だよなあ、やっぱり・・。
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