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09 紅白ライブ

 今年もとうとうこの日になってしまった。これで連続5回目となる「紅白ライブ」!!今年一年の垢を洗い流し、来年に存分の活躍ができるよう、今年も「紅白ライブ」で盛り上がろうではないか!!
 なんだか意味の分からない文章を書いてしまうほど、早くも勝手に興奮しているようだ・・。でも、そんなことに照れてる場合じゃない。とにかく全力で駆け抜けるつもりだ。めざせ、200コメ!!
 というわけで、紅白歌合戦に出場する歌手と曲名を、登場順に掲げておく。 

1 浜崎あゆみ(11)「Rule」
2 EXILE(5)「Someday」
3 AKB48(2)「RIVERサプライズ! 紅白Remix」
4 flumpool(初)「星に願いを」
5 NYC boys(初)「紅白60回記念NYCスペシャル」
6 いきものがかり(2)「YELL」
7 伍代夏子(16)「忍ぶ雨」
8 北山たけし(5)「剣山」
9 GIRL NEXT DOOR(2)「Infinity」
10 ジェロ(2)「海雪」
11 水樹奈々(初)「深愛」
12 FUNKY MONKEY BABYS (初)「ヒーロー」
13 中村美律子(14)「河内おとこ節」
14 ポルノグラフィティ(8)「アニマロッサ」
15 天童よしみ(14)「花筏-Hanaikada-」
16 美川憲一(26)「さそり座の女 2009」
17 坂本冬美(21)「また君に恋してる」
18 細川たかし(33)「望郷じょんから」
19 大塚愛(6)「Is」
20 レミオロメン(初)「粉雪」
21 川中美幸(22)「ふたり酒」
22 森進一(42)「花と蝶」

23 遊助(初)「ひまわり」
24 aiko(8)「あの子の夢」
25 徳永英明(4)「壊れかけのRadio」
26 平原綾香(6)「ミオ・アモーレ」
27 TOKIO(16)「太陽と砂漠のバラ」
28 秋元順子(2)「愛のままで…」
29 Perfume(2)「ワンルーム・ディスコ」
30 東方神起(2)「Stand by U」
31 水森かおり(7)「安芸の宮島」
32 五木ひろし(39)「凍て鶴」
33 木村カエラ(初)「Butterfly」
34 アリス(3)「チャンピオン」
35 中島美嘉(8)「流れ星」
36 ゆず(3)「逢いたい」
37 アンジェラ・アキ(4)「手紙~拝啓 十五の君へ~」
38 布施明(25)「MY WAY」
39 小林幸子(31)「万葉恋歌 あぁ、君待つと」
40 福山雅治(2)「はつ恋」
41 倖田來未(5)「2009紅白KODA SPECIAL」
42 嵐(初)「嵐×紅白スペシャルメドレー」
43 コブクロ(5)「STAY」
44 和田アキ子(33)「もう一度ふたりで歌いたい」
45 氷川きよし(10)「ときめきのルンバ」
46 石川さゆり(32)「津軽海峡・冬景色」
47 絢香(4)「みんな空の下」
48 SMAP(17)「そっと きゅっと~世界に一つだけの花」
49 DREAMS COME TRUE(13)「その先へ ~紅白スペシャルヴァージョン~」
50 北島三郎(46)「まつり」

前半はどうでもいいから、後半勝負!!さゆりちゃんが「天城越え」を歌わないのは寂しいけど、さぶちゃんの「まつり」で一年を締めくくれるのはいい!!

「祭りだ 祭りだ 祭りだ」!!!

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09 私の十大ニュース

 2009年ももうすぐ終わる。今年が私にとってどんな年だったかを振り返ったところで何になる、という気もしなくもないが、一応のけじめをつけ、新たな気持ちで新しい年を迎えられるよう、心に残った出来事のいくつかを例に倣って選び出してみる。

第10位 「塾の苦闘」
 日本中に不況の嵐が吹き荒れている中、私の塾だけが安穏としていられるはずもない。厳しいことは年の初めから覚悟していたが、予想以上に生徒が集まってくれず、やりくりに必死になった一年だった。実を言えば、このことを第1位にするべきかとも思ったが、さすがにそれではあまりに貧乏くさい。カッコつけたって仕方ないけど、カッコつけなきゃ生きていけないのも私だ・・。
  
第9位 「歯の治療完了」
 昨年中途半端な状態で通うのを中断してしまった歯の治療、春になったら治していない虫歯がキリキリ痛み出した。できれば通わずにいたかったが、さすがに我慢の限界を超えたので、渋々通い始めた。何度行っても慣れることはなかったが、妻の協力も得て何とか治療を完了することができた。歯痛の心配がなくなったのは嬉しい。

第8位 「色々お出掛け」
 なんだか色んなところにちょくちょく出かけた。毎月一回のお稲荷さん詣で以外にも映画館や、ダム見学など、半日で行って帰ってこれるくらいの距離をあちこちした。その度に報告はこのブログでしたから、ブログのネタを集めるためのようにも思えるが、そんなことは決してないので、誤解しないでくださいよ、付き合ってくれた妻様。

第7位 「父の喜寿」
 父が数えで喜寿を迎えたので、私たち兄弟など近親者が集って、ささやかなお祝い会を開いた。何よりもこの会を喜んでくれたのが父だったのは、会の最初から最後までずっとカラオケのマイクを離さずに同じ曲を何度も何度も歌い続けたことで分った。孫たちは手持ち無沙汰で困っていたが、そんなこともお構いなしの怪気炎には参加者一同、正直参った・・。

第6位 「息子の成人式」
 息子が成人式に参列した。「成人式にも着るんだよ」という約束で大学の入学式のために買ってやったちょっと贅沢なスーツは、なかなか似合っていた。親戚からもらったお祝いで買ったこれもまたちょっと贅沢なコートもカッコよかった。コテコテに着飾っても中身が伴わなけりゃ話にならないけど、息子なりにだいぶ成長して、少々頼もしく思えるようになってきた。

第5位 「娘の就職内定」
 娘の就職活動は、昨今の経済状況を反映してかなり厳しいものだったようだが、それでも早い段階で数社から内定をもらった。結局就職を決めたのは、大学で学んだ分野とはまるで関係のない職種であり、親としては心配な面は多々あるが、「そんなに気張って働かなくてもいいから、気楽に頑張ってくれよ」と声をかけてやりたい。でも、そんなことを言ったら怒られるだろうな・・。

第4位 「車の購入」
 お金などないけど、車を買い替えてしまった・・。塾のバスを7人乗りのシエンタに替えたのは補助金も利用できたからグッドタイミングだったような気がするが、乗用車を替えたのはどう考えても無謀だろう。だが、新しい車は乗っていて楽しいし、心も弾んでくるから、後悔はしていない。一生懸命働いてせっせとローンを返していこう!!

第3位 「松井がWSでMVP」
 松井が念願のチャンピオンリングを獲得した。しかもシリーズMVPのおまけまで付けて。ポストシーズンの間はずっとハラハラドキドキしっぱなしだった。松井がメジャーリーグで苦悶した7年間がこのMVPで報われた気がして、受賞が決まった瞬間には涙が止まらなかった。これで私の応援にも大きな一区切りがついた。エンゼルスのユニホームを着た松井を今まで通り応援できるかどうかは、今はまだ分からない。

第2位 「弁慶の死」
 弁慶の寿命がそう長くはないことは、獣医から何度か話を聞いていたが、まさかこんな突然に動けなくなり、死んでしまうとは思ってもみなかった。主のいなくなった犬小屋を見るたびにせつなくなる。生き物が死ぬということはその生き物がこの世から完全にいなくなることだ、とは分かっていても、やはり現実になると辛くて悲しい。

第1位 「家族旅行」
 夏に黒部ダム見学に、一家4人で出かけたのは何と言っても今年一番楽しかったことだ。今でも時々あの日のことを思い出すと、「楽しかったなあ・・」と呟いてしまう。家族旅行なんて6・7年ぶりだったし、これから先みんな揃って旅行することなんてたぶんないだろうから、これから先もずっと私の心の中で輝き続ける「黄金の時」となるだろう。


 総じて2009年が苦しい年だったように思えるのはやはり塾が苦闘していたからだろう。それでもそれにへこたれずに精一杯頑張って来たつもりだから、来年はその成果が表れ、毎日が楽しい日々になるように!、と心から願わずにはいられない。
 頑張ろう!
 
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門松(5)

 今年も塾舎の入り口に門松が飾られた。このブログで父が作ったこの門松を取り上げるのも5回目となる。これもこの5年間父が元気で過ごして来てくれたお蔭であるから、考えてみれば「門松(5)」というタイトルも実にめでたいものである。

 先週初め、弁慶を火葬場に送り届けた帰り道に、父が
「門松はどうする?」
と訊いてきた。
「喪中ってこと?犬なんだから関係ないよ」
「そうか・・。じゃあ、竹を切ってくるか」

 その日の夕方、弁慶の遺骸を積んで行ったライトバンの荷台に、何本もの太い竹を載せて帰って来た。
「立派だなあ」
私が讃嘆すると、
「こんなものはいくらでもある」
とよく分からない言葉が返って来た。顔を見たら嬉しそうだったので、いい竹を見つけた自負心があるのだろう。それからは一日一日と門松が出来上がっていった。

  

  

  

 竹を立て、松と梅と南天を加え、さらには大きな葉牡丹を添えた。もうこれで完成かな、と思っていたら、翌日になって笹が加わった。そうだ、やはり笹がないと全体が締まらない。

  

 これで本当に完成!!バランスのとれたなかなかの出来栄えだ。毎年のことながら、父の腕前には脱帽するばかりだ。

「竹が嬉しそうに笑っている!!」
あまり嬉しいことがなかった今年だが、来年はこの竹のように笑顔で過ごせる年になってもらいたいものだ。
 前からだけでなく、横から見ても竹の切り口がスパッとしているのは実に気持のいいものだ。


 
 来年も、再来年も、さらにはずっとずっと門松を作ってもらわなくちゃいけないから、酒はもうちょっと控えた方がいいかな・・、お父さん!!
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フィギュア代表決定!!

 塾の冬期講習を終え、家にたどり着いて間もなく、携帯にメールが届いた。
「フィギュアの浅田真央選手 全日本選手権で優勝 初のオリンピック代表に内定
というNHKからのニュース速報だった。来年からはいろいろと世話にならねばならないNHKから速報が届くように設定して以来、多様なメールが届くが、新幹線が不通になったとか、私にとってはほとんどどうでもいい速報が多い。それでも時には「おっ!」と思うメールもあって、「さすがNHK!」と思うこともある。それは単に私の好みの問題に過ぎないのだろうが、12月15日に送られてきた、
「松井秀喜選手 エンジェルスと1年契約で合意」
というメールは、それ以前に概要は知っていたものの、改めて松井のエンゼルス移籍が現実のものとなったという意味で、私にとっては大きな意味を持ったメールだった。
 が、それ以降は何でこんなことを速報として送ってくるのだろうと、少しばかり不思議に思うメールが続いていただけに、フィギュア日本選手権の速報を送ってくれたのは、NHKと契約していてよかったな、と改めて思うほどのタイムリーなメールだった。
 
 その後TVで放映された選手権の様子は見たのだが、なにせ日曜日の夜、バタバタしていたら、浅田真央の演技は見落としてしまった。しかし、中野選手を10点以上抑えての1位とのことだったので鈴木選手の演技を見るまでもなくオリンピック出場は決定だな、と安心した。やっぱり真央ちゃんが出ないとね!
 その後、何人かの選手が試技をおこなったが、私にとって印象に残ったのは最終で登場した、村上佳菜子選手の演技だった。15歳という若さで並みいる強豪を抑えて、なんと全体の5位入賞とは恐れ入った。彼女の切れのある演技を見ていたら、思わず4年前に年齢制限の枠にかかって出場できなかった浅田真央の無念さを思いだしてしまった。間違いなく四年後には代表争いの中心になるだろう。


 
 その後オリンピックに出場できる男女3人が決定した結果がメールで送られてきたのを見て、正直ホッとした。
「フィギュア五輪女子代表 浅田・鈴木・安藤の3選手
 フィギュア五輪男子代表 小塚・高橋・織田の3選手
女子の代表選手決定までには、GPファイナルで2位をとり出場が内定していた安藤選手を除いた、浅田、鈴木、中野の3選手の間で激しい戦いが繰り広げられたが、全日本選手権で1位と2位となった2選手が選ばれたのは、選考経過にいらぬ憶測が及ばぬ、すっきりした結論となって、選手個々にとっても良かったと思う(中野選手が僅差で代表を逃したのは残念ではあるが・・)

 
 09年も押し詰まった中、決定された男女6人は誰もがメダルの可能性を秘めた優れた選手ばかりだ。が、メダルのプレッシャーに押しつぶされることなく、オリンピックでは日頃積み重ねた成果を十分に発揮できるよう、選手一人一人の活躍を祈っている。
 がんばれ!!

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この冬はこれ!!

 先週ユニクロに行ってきた。何が欲しいというわけでもなかったが、久しぶりにのぞいてみようかな、そんな気持ちだった。大勢の人で店の中はごった返していて、相変わらずの盛況ぶりだった。何かいいものはないかな・・、ぶらぶらしていたら、「エアテックリバーシブルパーカ」なるものを見つけた。


 エアテックが軽くて暖かいのは、もう何年もずっと着ているから十分知っている。そう言えば、もうそろそろ買い替えてもいい時期だなと思って、一着買うことにした。そこで何色にしようか物色してみたところ、金色と黄土色の中間のような微妙な色合いの物が目に留まった。私には似合わないかな、と思いながらも試着してみたら、案外いい感じだ。フードが付いているのはいいのか悪いのかよく分からなかったが、あれこれ迷うほどのことでもないので、この色に決めた。
 さらには、「マイクロフリースパンツ」というものも安く売っていたので、買うことにした。


 私の冬の定番アイテムとしてフリースのパンツは欠かせない。部屋着でもあり、パジャマでもあり、時にはそのまま外出してしまうこともある、まさに万能のアイテムだ。もちろんそんなものをはいて外に出ようとすると、妻は本気で嫌がるのだが、暖かくてはき心地がいいから、あえて反対を押し切ってしまうこともしばしばだ・・。だが、さすがのフリースパンツも何年もはき続けてきたため、ヨタヨタしてきた。もうそろそろ新しいものを買った方がいいなと思っていたところなので、これを見つけたのは実にいいタイミングだった。

 冬の服装は見かけよりも暖かさを重視してしまう。少々寒くても恰好のいい方が・・、などという色気はもうまったくない。少々見苦しくても暖かければ十分だ。そんな私に、この冬新しいお気に入りアイテムが一つ加わった。これだ・・、


 一見腹巻のようだが、「ネックウォーマー」という代物だ。小学生や中学生で頭からかぶってすっぽり首の回りを覆ってくれるニットやフリースでできたものを身につけていた塾生が何人かいたので、それは何というものなの?と尋ねたところ、「ネックウォーマー」だと教えてくれた。昨年までは冬になるとマフラーをしていた私だが、マフラーを首に巻くのは結構面倒くさいし、巻いていてもずれてしまって鬱陶しいことがよくある。このネックウォーマーなら一度身につけてしまえば外れることもないし、楽そうだな、と新し物好きの私は欲しくなってしまった。そんなことを妻に話したら、出かけたついでに買ってきてくれたのが上の写真の物だ。子供たちが身に付けていたのとは、少しばかり感じが違うが、試着してみたところめちゃくちゃ暖かった。かなり安いものだったらしいが、これなら上等だ。実際寒波が襲ってきた先週は、このネックウォーマーがあったからこそ、夜の寒さをさほど気にせずに死にかけていた弁慶の世話をすることができた。今週は寒さが緩んだから使わずに済んだが、まだまだこれから寒い日は何日もあるだろうから、その時は大いに役立ってくれるだろう。

 以上今年の冬を乗り切るための私のアイテムのご紹介・・。
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「眠れる美女」

 ガルシア・マルケスの「わが悲しき娼婦たちの思い出」の巻頭に、その冒頭の一文が掲げられた川端康成の「眠れる美女」を読んだ。
 私は川端康成の作品はあまり読んだことはないが、中学生か高校生の頃に川端康成の小説を基にしたドラマがいくつも続けて放映された折に、「美しさと哀しみと」を見て、10代の私の琴線が大いに震わされて、原作をどうしても読みたくなり、書店に注文して読みふけったことを鮮やかに覚えている。その内容は今ではもうまったく忘れてしまったので何の感想も記せないが、私と川端康成の出会いはあの時が最初で最後となってしまったのは何故だろう。日本の古典的な感情に満ちた小説など10代の若者にはかったるくて仕方なかったのかな、と今は思うが、そんな若造に日本的情緒の機微が理解できるはずもないというのもまた真実だろう。
 なので、マルケスの誘いがなかったなら、この「眠れる美女」という小説を読むことは永遠になかったであろう。だが、果たしてその導きに従ってよかったのかどうか、最初の数ページを読んだだけで「なんて小説だろう!」とあきれ返ってしまった。

 67歳の江口老人は知り合いから「眠れる美女」の家を紹介される。そこの一室には何らかの方法で深く眠らされた若い女性が全裸で布団の中に横たわっている・・。「たちの悪いいたずらはなさらないでくださいませよ、眠っている女の子の口に指を入れようとなさったりすることもいけませんよ」と、その家の女が注意するように、女性に危害を加えない限り、朝まで眠り続ける女性と一夜をともにできる。とは言え、売春宿などではないのは、その家に訪問を許されるのは、もう男性としての機能が衰えてしまった老人のみであることからも分かる。性交渉をしたくとも出来ぬ老齢の者ばかりだから安心しているのか、そこで眠る女性たちは決して目を覚ますことはない。しかし、江口老人は己がまだ「男」であることを自負し、10代から20代の少女と読んでいいような眠れる娘たちを前にして、何度となく暴力的な衝動に駆られる。しかし、その度に横たわる娘たちの発する匂いや容姿などに触発されて、過去に巡り合ってきた幾人もの女性たちとの関係を思い出す。甘美な思い出もあれば切ない思い出もある、そうした過去の女性遍歴を反芻するうちに、彼の心に頭をもたげた暴力的な衝動は鎮まっていき、備え付けの睡眠薬の助けも借りて、眠る女性たちの傍らで眠りに就く・・。

 ざっとこんな物語だが、たしかにマルケスがこの小説にインスピレーションを受け「わが悲しき娼婦たちの思い出」を書いた事情も分からなくもない。「老人の性」と呼ばれるものが赤裸々に語られているのは共通している。調べてみたら、この小説が発表された1961年、川端康成は61歳であった。今から50年近くも前では、61歳というのは老人と呼ぶべき年齢であったのかもしれない。すると川端は己の姿を江口老人に投影したと考えてもあながち間違いではないように思う。61歳の川端康成の心と体には、まだ男としての色情が消えずにくすぶっていたのだろうか。写真などで見る枯れた雰囲気の川端しか知らない私には、人間の業の深さに想いが行かざるを得なかった。「60過ぎてもこんなことをしたいのかなあ・・。男って因果な生き物だなあ・・」そう思わずにはいられない私の方がずっと枯れているのかもしれない・・。

 この小説は中央公論社「日本の文学」の中の川端康成の巻に収められたものを読んだのだが、巻末に解説をしているのが三島由紀夫であったのには驚いた。三島はあまり好きな作家ではないのだが、その解説の中の次の一部はさすがだと思った。

「川端文学においては、かくて、もっともエロティックなものは処女であり、しかも眠っていて、言葉を発せず、そこに一糸まとわず横たわっていながら、水平線のように永久に到達不可能な存在である。「眠れる美女」たちは、こういう欲求の論理的帰結なのだ」

 悔しいけど私の駄文など足元にも及ばない。



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年賀状づくり’09

 今年の年末はもう何もかもが中途半端な状態で滞っていて困ってしまう。年賀状がその最たるものだ。
 とっかかりは例年に比べ早かった。11月の終わりにCD付きの本を買ってきて、どれにしようか2・3日思い悩んだ結果、まずは作ってみたのが塾用の年賀状、これだ。



イラストと文字を選んで貼り付けただけだと言ってしまえばその通りだが、思うほど簡単ではない。何度か試行錯誤した成果だけに、自分としては結構自信作だ。
妻には見せなかったが、
「家の年賀状もすぐに作ってやるからな」
などと大見得を切った。だが、そこからが問題だった・・。
 何か一つの山を乗り越えると、すべて終わってしまったような気になるのが私の悪い癖だ。妻には「任せとけ」などと言ったものの、塾の年賀状を完成した時に、そのうち印刷すればいいや、といい加減な気持ちになってしまったので、家用の年賀状作りなどいつの間にか頭から消えてしまった。その後弁慶のことや冬期講習のプリント作りなどで慌ただしい日々が続いたので、年賀状のことを思い出すことはほとんどなかった。それでも何とか「あッ、年賀状!」と気づいたのが一昨日。改めて思い出してみたら、塾用の年賀状は印刷してもいないし、それどころか年賀状を買うのをまったく忘れていた。当然家用の年賀状など作ってさえいない・・、なんてことだ・・。すっかり準備万端のような気がしていたのに、実はほぼこれから作り始めるような状態のままだったのだ・・。焦った!!
 ちょうど冬期講習が始まる前日だったから、夜は早めに眠ろうと思っていたのに、そんな悠長なことも言っていられない。部屋の隅に打っ棄ってあった本のページをもう一度繰ってみて、大雑把なイメージを浮かべてみた。時間がないから凝ったことはできない。きれいなイラストと新年の挨拶が大きく書いてありさえすれば、年賀状の体はなすだろう。ことしはそれでいい、そんな気持ちでささっと作ってみたのがこれだ。



 大袈裟じゃなくて、これを作るのに10分もかからなかった。何の面白みもないようにも思えるが、"Simple is beautiful." と開き直ることにした。妻に見せたところ、「いいんじゃない」と賛成を得たので、住所と名前を書き込んで完成ということにした。
 後は妻が買ってくる年賀状に印刷して、表面に宛名と住所を書き込めばいいだけだ。それも大変な作業だが、せめてそれくらいは自筆したいというのが私のちっぽけなこだわりなので、今年も時間をやりくりして何とか元日配達に間に合うタイムリミットまでに投函しようと思っている。
 
 あっ、そう言えばプリンターのインクが!!
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マカロニ

 はっと気付けば、今日はクリスマスイブ。子供が大きくなるにつれ、クリスマスなんてどうでもいい日になってしまったが、それでもクリスマスイブは毎年やってくる。このブログでもそれにふさわしい記事を毎年考えてきたが、今年は弁慶のこともあって、何も考えていなかった。まったく関係ないことを書いておこうかな、とも思ったが、それもなんだか味気ない。急遽このところゴジ健さんがブログで展開されているクリスマスソング特集のまねをして、私が今年のクリスマスイブに一番聞きたい一曲を貼ってみることにした。
 と言っても、クリスマスとはまるで関係のない、Perfume の「マカロニ」という曲である。1か月近く前にラジオで流れてくるのを聞いて、「いい曲だな」と思って、いつかこのブログで話題にしようと、YouTube でビデオクリップを見つけておいたものが、やっと日の目を見ることになる。どこがいいのか何とも表現のしようがないが、聞いた後でゆったりした気持ちになれる気がする。




見上げた空は高くて
だんだん手が冷たいの
キミの温度はどれくらい
手をつないで歩くの

名前を呼び合うときに
少しだけ照れるくらい
そんな空気もいいよね
やらかいよね

これくらいのかんじで
いつまでもいたいよね
どれくらいの時間を
寄り添って過ごせるの?
これくらいのかんじで
たぶんちょうどいいよね
わからないことだらけ
でも安心できるの


 中田ヤスタカの楽曲だが、「これくらいのかんじで いつまでもいたいよね」という詞がいい。どっぷりと愛憎の沼に浸かったりはしない今風の男女の恋愛を歌ったようでもあるが、私たちのように共に長い年月を暮らし、互いが空気のような存在となった者たちをにも当てはまる心情でもあり、なんだか聴いているとホンワカした気持ちになってくる。でも、上の詞に続く、

あきれた顔がみたくて
時々じゃまもするけど
大切なのはマカロニ
ぐつぐつ溶けるスープ

という一節がよく分からない。そんなこと気にしなくてもいいのかもしれないけど、「マカロニ」は題名にもなっているのだから、そこに何らかの意味合いが込められているような気がする。それが何なのか?分からない・・。
 
 冬休みが始まって例年の如く朝から深夜まで塾の授業に忙しく、とてもそんなことを考えている暇などないが、せっかくのクリスマスイブ、少しでも時間を見つけて考えてみようかな・・。
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朝三暮四

 昨日の毎日新聞朝刊の一面に、
「鳩山由紀夫首相は21日、10年度税制改革の最大の焦点となっているガソリン税などの暫定税率を廃止したうえで、新たな税制措置に置き換えると発表した。税率は現行水準に据え置き、ガソリン価格などの引き下げを見送った」
とあった。先の衆議院議員選挙での民主党のマニフェストには、「課税根拠を失っており廃止。2.5兆円減税」などと威勢のいいことが記されていたため、首相は公約違反を陳謝したそうだが、昨年のガソリン代高騰の折には、まさに目の敵の如く思っていた暫定税率が結局は今まで通り維持されることになったのは、いくら民主党のマニフェストに重きを置いていない私でも、「嘘つき!!」と文句を言いたくなる。不景気風が一向に収まらない日本では、税収が激減するのは目に見えており、少しでも税収を増やしたい政府が暫定税率の廃止などかできるわけがないと私でさえ分かるのに、政権欲しさにあえてそれを公約にした民主党の未熟さは大いに指弾されるべきだ。
 さらに違和感を持ったのは、首相と記者団との質疑応答を抜粋した記事を読んだときだった。「何これ?」と思う箇所がいくつもあった。例えば、
「私が最終的に得た結論は、地球環境、景気の二つを考えたときに、まず、これは暫定税率の仕組みそのものはいったんは廃止することになりますけれども、問題としては、その税率は維持をするということにいたしました」
「この税収の極めて大きな落ち込みに対処していかなければならない。経済政策などもきちんと打ち出していかなければならない。その思いの下で、暫定税率そのものを維持をすると。暫定税率の仕組みそのものは変わりますけれども、暫定税率の税率部分は維持をすることにいたしました」
 結局何が言いたいのかよく分からないが、この歯切れの悪い会見を読んでいるうちにふと、「列子」に書かれている「朝三暮四」の話を思い出した。

 宋に狙公なる者有り。狙を愛し、之を養って羣(むれ)を成す。能く狙の意を解し、狙も亦公の心を得たり。其の家口を損(へら)して、狙の欲を充せり。
 俄にして匱(とぼ)し。将に其の食を限らんとす。衆狙の己に馴れざるを恐るるや、先ず之を誑(たぶら)かして曰はく、
「若(なんじ)に茅(しょ)を与えんに、朝に三にして暮に四にせん。足らんか」と。
 衆狙皆起って怒る。俄にして日はく、
「若に茅を与えんに、朝に四にして暮に三にせん。足らんか」と。
衆狙皆伏して喜ぶ。

<口語訳>
 宋の国に狙公という人がいた。猿を可愛がって群れをなすほど養っていた。サルの気持ちを理解することができ、猿も同様に主人の心をつかんでいた。自分の家族の食べ物を減らしてまで、猿の食欲を充たしていた。
 ところが急に貧しくなったので、猿に与える餌の茅(どんぐり)を減らすことにした。
猿たちが自分になつかなくなってしまうのではないかと心配したので、まず猿たちを誑かして言った。
「お前たちにどんぐりをやるのに、朝は三つで暮は四つにする。足りるか」
すると猿たちは皆起ち上がって怒りだした。そこで狙公は急に言い変えて、、
「それじゃ、朝は四つで暮は三つにしよう。足りるか」と言うと、
猿たちは皆平伏して喜んだ。

 民主党政権にとって私たちはサルなのだろうか?「暫定」を廃止しすれば大喜びで新税を受け入れるとでも思っているのだろうか。小手先の政策でだまされるほど日本の国民は甘くはないということを彼らは知らないのだろうか・・。
 などと唸ってみたところで、向こう4年間は絶対多数を得た民主党政権はゆるぎないものだ。第一、いくら民主党が失政を重ねたとしても、それを追求するべき野党があまりに腑抜けすぎるから、どうにもならない。なんだか何10年も前の自民党が己の春を謳歌していた頃の状況と変わりないようになってきたような気がする。くだらない・・。
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天に向かって

 昨日の午前中、父のライトバンに乗せて、弁慶の遺体を火葬場に持っていった。父の運転する車に乗るのは久しぶりだった。妻が手続きを済ませて、斎場の裏側にある動物専用の入り口まで車を進めると、職員が待っていてくれた。荷台から弁慶を下し、簡単な作りの台の上に置くと、職員が三本の線香に火をつけて私たち一人一人に渡してくれた。線香を立て、合掌したところで、ごく簡単な儀式は終わった。
「丁重にお見送りさせていただきます」
「よろしくお願いします」
動物は一度に焼いてしまうので、骨はもらえないのだそうだ。それはそれで仕方のないことだが、それを見越して妻は弁慶のひげを何本か切っておいた。
「子供たちに渡すって弁慶と約束したから・・」
子供たちがそれを受け取るかどうかはまた別の話だが、弁慶の体の一部がこの世に残ったことは、素直によかったと思う。
 
 その後お世話になった獣医のところへ報告とお礼のために出かけた。妻が弁慶が死んだことを告げると、
「最期はどんな様子でしたか?」
「眠るように息を引き取りました」
「それはよかったですね・・・」
この獣医には猫のトラも最後までお世話になった。飼い主の意向を尊重しながらも、動物が苦しまない治療をしてくれるので信頼している。
「番犬は必要なので、きっとまた犬を飼うことになると思いますが、その時はよろしくお願いします」

 弁慶の小屋はバスの車庫のすぐ後ろにある。さすがに昨日は弁慶がいないことにまだ慣れていないため、今まで通りバスの乗り降りの時にさっと犬小屋の方に目をやってしまい、その度に「ああ、そうか・・」と溜息をついてしまった・・。
「去る者は日々に疎し、すぐに慣れるさ」
とは思うものの、やはり一朝一夕では無理に決まっている。しばらくは弁慶を亡くした悲哀を事あるごとにかみしめねばならないだろう。

 塾が終って遅い晩ご飯を食べ、少し休憩してから、弁慶に餌をやるために塾舎の方へ降りて行く、これが10年以上続いた私の日課だった。私の足音を聞き付けた空腹の弁慶が盛んに吠えたてる中、「お待たせ!」と言いながら、食器にご飯を盛ってやると、ものすごい勢いで食べ始める。量が少ない時にはドッグフードを足してやると、嬉しそうに尻尾を振ってくれる・・。その様子を見ながら、その時私の心を領している心配事を弁慶に話したりすることもよくあった。
「ダメだよなあ、こんなことじゃあ・・。もっともっと頑張るよ・・。おやすみ、弁慶!!」
そんな愚痴とも自分への励ましともつかない言葉をぶつける相手はもういない・・。
 
 なので、夜、一度家に戻ったら外に出る必要はなくなってしまった。このブログに記事を書くのも少し前から自室のPCを使うようになったので、塾舎の事務室に戻る必要もない。今までよりも少しは時間に余裕ができて、ゆったり眠る前のひと時を過ごすこともできるような気がする。さらには、今までよりも早く布団の中に入れるだろうから、体も休まるはずだ。特に冬休み期間中のハードスケジュールがもうすぐ始まるから、願ってもないことだ、などと無理に強がっても空しいだけだが・・。

 弁慶は私たち家族の心の中ではこれからもずっと生き続けるだろう。優しい弁慶のことだ、きっと天から私たちを見守っていてくれるだろう。今まで犬小屋に向かって呟いていた一言は、天の弁慶に向って呟けばいいのだろうか。ただ、天に唾するようなことにはならぬよう気をつけねばならないが・・。

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