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夏の食べ物

 我が家は今毎日父が採って来るゴーヤに溢れている。昨年ゴーヤが血糖値を下げる効果を持つと聞いた伯母がゴーヤ茶を作って飲み始めたため、今年はそれに協力しようと父がせっせとゴーヤ作りに専念した成果だ。


 サツマイモを作っていた畑を全面ゴーヤ栽培に変えてしまっただけあって、毎日一籠ずつ収穫してくる。さすがに伯母もそうは要らないので、このところは我が家の食卓に上ることも多い。私はゴーヤがあまり好きじゃないので食べたくはないが、食べないと文句を言われるから仕方なく食べている・・。
 もちろんゴーヤ以外にも色んな野菜がとれる。先日も妻が「お父さんのスイカ」と言って、小さなスイカを切ってくれた。


 黄色いスイカだ。結構甘くておいしかった。「色んなものをつくるんだなあ・・」と感心したが、後で聞いたところによると、このスイカは父が作ったものではなく、近所でもらってきたものを台所に置いておいたら妻が勘違いしたらしい。「俺はスイカを作ったことなんかないぞ」と言ったらしいが、トウモロコシも何年かかかってずいぶんおいしいものを作れるようになった父のことだから、来年当たりはスイカ作りに挑むかもしれない・・。
 スイカと言えば、「伊勢虎屋のういろう」に季節限定で「すいかういろう」が出ていた。


 スイカの赤実がういろうで種があずきで表現されている。見た目にも「あっ、スイカだ!」と分かるが、食べてみるとしっかりスイカの味がする!!ういろうを食べてすいかの味がするなんて不思議な感じがするが、ほんとうにおいしい。虎屋は季節ごとに季節を象徴するういろうを出しているが、これほどまでに綺麗で美味しい限定ういろうは初めてだ。
 上の写真中の、もう一本のういろうは「土用もち」と名付けられていた。これも季節限定品だったが、どういう意味があるのかよく分からなかった。ういろうの間に餅米を搗いたものが挟まれていて、それなりに美味しいが、「スイカういろう」と比べれば陰が薄い印象は否めなかった。だが、木曜日遅くにバスを運転しながら聞いた「ラジオ深夜便」で面白い話を聞いた。どこの地方なのかはあいにく聞き漏らしてしまったが、土用の丑の頃になると鰻の代わりに餅を搗いて食べる習慣があるのだそうだ。餅が貴重品だった頃に始まった風習で、餅を食べて暑い夏を乗り切るだけの体力をつけることが主旨のようだ。「夏バテ防止には鰻!」と短絡的に思ってしまう私は、「餅で体力を付けられるのか?」と訝しく思ってしまったが、こうした風習には長い年月を経て考え出された民衆の知恵が生きているものだから、きっと夏を乗り切るだけのエネルギーを餅は持っているのだろう。
 そう言えばオクラも今が旬だ。粘り気のあるものは暑い夏を乗り切るだけの粘りを身体に与えるのかもしれない。ならば、よく粘る餅も体力増進に効果があるというのも納得できる・・かな・・。


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