goo

高速道路

 今度の旅行での大団円は、長野の豊科インターから200km近く走ってたどり着いた自宅近くの料金所で、1000円と料金表示が出た瞬間だった。これで高速を下りられるというホッとした気持ちと、これだけ走っても1000円で済むのかといういう驚きとが一緒になって、車の中の家族全員で、「おお!!」と声を上げてしまった。それだけインパクトのある電光表示だった。
 試しに通常だったら高速代がいくらになるのか検索してみたら、4950円だった。往復で9900円が2000円になったのだから、約8000円も割安になったことになる。これはすごい。ものすごく得した気分になる。
 これはこのお盆に高速道路を利用した人なら誰もが実感したことだろうし、それを目論んで自動車で移動した人も多かったはずだ。その証拠に高速道路の渋滞率は、昨年と比べて24%も増えたという記事が新聞に載っていた。地震で静岡県内の高速が通行止めになった影響もあるのだろうが、渋滞が多くなった大きな理由は、やっぱりどこまで行っても1000円という割引料金だったように思う。
 私の場合、旅行1日目の長野に向かう中央道ではほとんど渋滞に巻き込まれなかったが、2日目は長野道が中央道と交わる岡谷ジャンクションまではかなり渋滞していて、中央道に入るまでかなりの時間がかかった。それでもいやになるほどでもなかったのは、中央道の下り方面を走ったからであって、もし上り路線で東京まで行くのだったら、とても我慢できないほどの渋滞に巻き込まれていたかもしれない・・。

 とは言え、中央道に入ってしばらく経ったら日が落ちてしまい、夜間運転となってしまってからはかなり緊張した。ところどころで強い雨に襲われ、視界はますます悪くなるし、何より街路灯がまったくないところが多く、闇の中を車のライトのみで走っていくのはひたすら怖かった。私は最近高速道路を運転することが多くなり、かなり慣れてきたつもりでいたが、よく考えたら夜の高速はほとんど運転したことがない。東名や名神ならまだ直線が多くじっとハンドルを握っていればいいからさほど怖くないが、中央道は坂やカーブが多く、明るい時でも登ったり下ったり曲がったりと、かなり神経を使わねばならない。元々好きな道ではないが、暗くなったらもう怖さばかりが募ってきて、走行車線をタラタラ走ることしかできなかった。暗くなってからは一度も追い越し車線を走ることなく、時速も100kmを超えたことはなかったように思う・・。
 どうして他の車はあんなに速く走れるんだろう?何度も繰り返す私に家族中が「ゆっくり行けばいいよ」と励ましてくれたが、夜の中央道だけはもう走りたくない・・。
 
 衆議院議員選挙が公示され、月末の投票日まで選挙戦が繰り広げられる。各党のマニフェストも出揃って、聞こえのいい選挙公約ばかりが目立っているが、私は民主党の掲げる「高速道路無料化」には反対だ。もちろん高速道路の通行料は安いほうがいいに決まっているが、これを一律無料化にするのはいくらなんでも無茶だと思う。通行料には道路の維持管理費が含まれているはずだから、それがなくなったらどうやって道路の整備を進めるというのだろう。万が一無料化になれば、今までよりも交通量がずっと多くなり、道路の傷みも激しくなるだろうし、交通渋滞も激しくなり、交通事故も多発するようになるかもしれない。そうしたことをすべて処理するには今までよりも多くの費用がかかるはずなのに、財源を無くしてしまうというのだから、いったい必要な費用はどうやってまかなうと言うのだろう。同時にガソリンの暫定税率の廃止まで謳っているのだから、道路整備に回せるお金はますます減ることになる。これでは新たな名目で税金を徴収する必要があるのではないか、それくらいなら高速道路の通行料を払ったほうが利用者も納得できるように思う。もちろん今までの高速道路の料金が高すぎるのは誰もが思っていることだから、適正な料金に改定してからの話だが・・。

 などと細かな事情をほとんど知らない私がいい加減なことをここで言っても何にもならないが、今度の選挙では、表面的なきれいごとに目を奪われないよう、細心の注意を払いながら、立候補者と政党の主張を十分精査していくことこそが有権者に求められていることだと思う。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする