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早期発見

 バスを降りた小学生2人が車庫の屋根を見上げていた。
「どうしたの?」
「ハチが・・」
「ハチ?ハチがいるの?」
「う~ん・・」
「どこ?」
「う~ん・・・。あっ、あった!」
「どこ?」
「あそこ」
 指さす方を見たら、確かにあった。


 目を凝らしてみたら、10匹ほどが巣くっている。
「よし、オレが巣を落とすから、君らは塾の中に入って」
 
 急いで殺虫剤をとってきて、長い棒を1本用意した。さあ、いくぞ!!

 殺虫剤をまいて、ハチを追い払おうとしたが、高いところにあるのでガスが巣に届かない。それでも、気配を察したハチたちは大慌てで逃げ始めた。こっちに向かってくるのかな、と身構えたけど、一目散に飛んでいって、巣はもぬけの殻状態になった。チャンス!!
 棒で叩いたら、簡単に落ちた。

 

 おお!!落ちた拍子にウジが飛び出した。インターフォンで妻を呼び出して、
「ハチの巣を落としたんだけど、ウジがいたから、どうする?食べる?」
「いくついたの?」
「少し」
「じゃあ、いらない」

 ゲテモノ食いの妻にフラれては立つ瀬がないが、まあ、それでも一応、と思って、巣を壊してみた。すると、思ったよりウジがいた。


 ハチの巣のありかを教えてくれた小学生に見せたが、オエッて顔をされてしまった。仕方なく家に持って行ったところ、タイミングよく父がいた。
「ハチのウジ取ったけど、食べる?」
「食べんことはないけど・・」
と、まんざらでもない顔をしたので、手渡した・・。

 今まで何度かハチとの闘いを記事にしたが、梅雨時に巣を落とした記憶はない。塾生がバスを乗り降りする場所だけに、発見が早くてよかった。取りあえずホッとした。

 でも、まだ他にもあるかもしれないから、注意しなくては!!
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五輪マーク

 昨日の毎日新聞朝刊1面に載っていた記事。
『ロンドン五輪の開幕まであと1カ月となった27日、ロンドン市内を流れるテムズ川に架かるタワーブリッジに高さ約11メートル、幅25メートルの五輪のマークが掲げられた。
 五輪マークが橋の前面に現れると、川岸や水面を行く船上などから見守った大勢の人から歓声と拍手がわき上がった。市内に住むバーバラ・キャプシーさん(65)は「この瞬間が来たことがうれしい」と話した』


 ロンドンはかなり盛り上がってきているようだが、私もオリンピックが近づいていることを実感するために、レゴで作ったタワーブリッジに五輪マークを飾ってみようと思い立った。
 しかし、さすがに五色の輪っかがレゴにあるはずもなく、何かいい手立てはないものか、と考えた末に、一応それらしきものが出来上がったから、お披露目してみる・・。


 新聞の写真と同じような角度から映したつもりだが、どうだろう。6色の丸いポッチを並べただけだが、まあまあのできではないだろうか。試しに塾生の何人かに写真を見せたところ、女子高生からは「かわいい!」とお褒めの言葉を頂いた・・。
 至近距離で見るとこんな感じだが・・。



 オリンピックが始まれば否が応でも気持ちは高ぶってくるから、こんなこんな五輪マークなど要らないかもしれないが、「タワーブリッジの製作者兼所有者」でもある私だから、あえて試してみた・・。

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六月の雨

 6月もあとわずか。時の流れの速さを憂う間もなく時が過ぎていく、そんな感覚だが、6月は自分の誕生月だけに、思い入れが強い。梅雨空の鬱陶しさに心は塞ぎながらも、雨の香りに慰められる、そんな日々を送っていると、思い出すのは、中原中也の「六月の雨」。

  またひとしきり 午前の雨が
  菖蒲のいろの みどりいろ
  眼うるめる 面長き女(ひと)
  たちあらわれて 消えてゆく
 
  たちあらわれて 消えゆけば
  うれいに沈み しとしとと
  畠の上に 落ちている
  はてもしれず 落ちている

  お太鼓叩いて 笛吹いて
  あどけない子が 日曜日
  畳の上で 遊びます

  お太鼓叩いて 笛吹いて
  遊んでいれば 雨が降る
  櫺子(れんじ)の外に 雨が降る


 今更中原中也でもないかもしれないが、私にとって一番の詩人は中原だから、どうしたって彼の詩は折に触れて思い出す。
 しかし、中原がこの詩を書いたのは昭和11年(1936年)と言われるから、29歳の頃。長男も1歳半になり、かわいい盛り、中原の生涯の中で最も穏やかな時期だったかもしれない。そんな時期に書かれた詩だから、六月の雨も好ましく感じられる・・。中原にこんなほんのりした時間がもっと長く続いていたらどうだろう?子供も大きくなり、一家団欒の時を過ごせたとしたら、どんな詩を書いただろう、知りたい気もするし、知りたくない気もする。
  
 夭逝した人間はある意味幸せかもしない。老いさらばえた中也など中也じゃないと思えるから・・。
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バネ

消費増税関連法案が衆議院で可決されたことについて書こうかな、と思ったが、今日は何だか気力が出てこないので、ボールペンのことを書くことにする。

 何年か前から、文房具・事務用品はカウネットで買っているが、生徒の答えを添削するときに必要不可欠な赤ペンが、ちょっと前から変わった。キャップ式だったものが、ノック式になったのだ。


 だが、このノック式、結構使いにくい。先ずは、ノックする時のカチャカチャ音がうるさい。シャープで芯を出すときにやたらカチャカチャ音を出す生徒もいて、「うるさい!」と注意することもよくあるが、その注意する私がいつの間にかボールペンでカチャカチャやっているのだから、バツが悪い・・。
 2番目にインクを最後まで使い切る前に、インクの出が悪くなりかすれてしまう。インクの残量を調べると、まだ十分残っている場合でも、出にくくなる。前のはインクを全部使い切ってから、書けなくなったものだが・・。
 それとこれは最近気づいたことだが、机の上に置いてあるボールペンからバネを抜き取る悪戯をする生徒がいる。キャップ式にはバネは付いていなかったから、バネが抜き取られていたのを見つけたときは驚いたが、どうしてこんな物を抜き取るんだろう・・。理由が分からない・・。


 「誰だ?バネを抜いた者は?」
と授業中に私が声を荒げたら、何人かの中学生が、「あいつだ」「いやこいつだ」などと騒ぎ始めた。多分この中にいるんだろうな、と分かったが、さらに追求したりしたら、面倒なことになりそうだったので、それ以上ボールペンの話をするのはやめた。まったくやんちゃ盛りの中学生は御しにくい・・。

 でも、こうした小さな部品にも消費税ってかかっているんだろうな・・。このバネ一個いったいいくらするんだろう?それにかかる消費税が5%も上がったら、値上げが困難な昨今、その経費の上昇分は誰がかぶるんだろう?
 ああ、いやだいやだ・・。
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馴化作戦

 毎週日曜日に近くの公園まで妻と犬のタロウの散歩に行っていることは以前記事にしたが、公園まで行く途中に、やたら吠えまくる犬が一匹いて、そこを通る度にうるさくて叶わない。最初の頃はタロウも平気で近づいていたが、ある時、近づきすぎたのか、鼻を咬まれてしまい、それ以来まったく近づかなくなった。体躯はタロウの半分ほどしかない犬だが、歯をむき出しにして吠え立てるのを見ると、狂犬のような気もして、私もタロウと同じく無視するようにしていた。
 しかし、よく見ると、狭い庭に鎖でつながれ、糞も掃除されていない。ひょっとしたら餌も満足にもらっていないのではないか、散歩なんて連れて行ってもらったことなどないだろうな、などと考えたら、
「犬なりにストレスが溜まった状態にいて、吠えることくらいでしか発散できないのかもしれない、ちょっと可哀相だな・・」
と仏心が浮かんできた。そんな私の同情心などまるで感じることのできないその犬は相変わらず吠え続けていたが、私がポケットからタロウにやるために持っていた干し貝柱を小さく分けて投げてやったら、空中でキャッチした。なかなか上手いなあ、と感心したのも束の間、また激しく吠え始めたので、残りの貝柱も投げてやった。今度はキャッチし損ねたが、地面に落ちた貝柱を目敏く見つけて飲み込んだ。
「この犬バカじゃないと思うんだけど・・。」
その様子を見ていた妻が言った。
「ちゃんとしつければ、お利口さんになると思うけど・・」
「じゃあ、これから毎週、餌やってみるか。馴れるかなあ・・」
「どうかな、それは・・。飼い主がもうちょっと世話してやればいいのにね」
「汚いものなあ・・」


 それ以来ほぼ毎週、散歩のついでに干し貝柱をやるようになったが、相手もなかなか頑固だ。と言うよりも、頑迷なのかもしれない・・。必ず吠える。餌を求めて吠えるのとは違い、ただただ闖入者を阻止せんがための戦闘態勢に入った吠え方だ。だが、ほんの僅かだが、吠える時間が短くなった気がする。それは多分貝柱のお陰なのだろうけど、徐々に馴化し始めているのかもしれない。
『馴化(ジュンカ)』
[1] 生物が高地移動・季節変化などの環境の変化に数日から数週間かけて適応していくこと。
[2] 野生の動物を、人間の生活に役立てるために馴らすこと。

 なにもこの犬を私の生活に役立てようとは全く思っていないが、敵対心が満腔に横溢して攻撃してくる生き物を手懐けることができたら、創世期の人間が野生動物を家畜としていったときの心持ちを味わうことができるのではないだろうか、そんな気がして結構本気で馴化作戦に取り組んでいる・・。



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羽化!!

 6月15日に記事にした青虫が、さなぎになったのは記事にしてすぐのこと。その様子。


 プラスチックの容器にへばりついたさなぎを剥がして別の所に移動させようとしてみたが、ぴったりくっついて剥がれなかった。このままで成虫になるのか、心配だったが、自然の神秘に私ごときが踏み入るのもおこがましいと思って、そのままにしておいた。
 すると昨日、モンシロチョウが容器に貼り付いているのを見つけた。


「おお!!さなぎからかえったぞ!! 」
 大声で妻を呼んだら、
「えええええ????」
と叫びながら走ってきた妻が嬉しそうにモンシロチョウを触ろうとした。
「今はまだ触らない方がいいぞ」
「かえったばっかりかもね」
「そうかもね。しかし、よくかえったな」
「ダメかと思ってたけど。やっぱりモンシロチョウだったね」
「蛾だとちょっとガッカリだったけど、モンシロチョウでよかった・・」

 蛾とモンシロチョウの優劣などあるわけはないが、蛾の羽の文様や鱗片が好きになれず、どうしても蛾には冷淡になってしまう。よく見れば、モンシロチョウもさほど可愛くはないのだけど・・。

 しかし、これで久しぶりに昆虫の完全変態を実際に見ることができた。
『卵→(孵化)→幼虫→(蛹化)→蛹→(羽化)→成虫 』
という段階を経る代表としてモンシロチョウの名を挙げている私としては、その変化の様子を目の当たりにできたのは収穫だった。どうしても問題集に載っている、いわば「机上の空論」しか身につけていない私にとって、こうやって手に触れられる観察ができたのは意義深い。「生きた知識」を身につけられる機会はなかなかないが、自分からそうしたチャンスを開拓していかねばならない。そういう意味で、この青虫観察は、なかなか有意義であった。
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キングパーム

 1ヶ月前に葉焼けした記事を載せたキングパーム、余りに茶色くなってしまったので、葉を切った。後は去年からまったく成長していない新しく伸びた茎のみ、なんとも寂しい様子になってしまった・・。
 が、これが奏功したのか、茎が開き始めた。先が茶色くなってしまったので、この茎もそのうち萎んでしまうかな、と半ば諦めていたから、開き始めたのを見つけたときは嬉しかった。


 すぐに写真を撮ればよかったのに、うっかり忘れてしまい、大分開いてからの写真しか残っていない。残念だが、今更仕方ないので、これからはマメに写真を撮っていこうと思っている。
 で、これが昨日撮った写真。


 葉が広がるのにもかなりの時間がかかる。ジョオウヤシも地植えしてから葉が開いたが、きちんと開ききるまでには多くの日数がかかった。で、今はこんな感じ。



 結局、冬を乗り越えられなかったヤシは、ココスヤシ、ウチワヤシ、ホワイトパーム、赤ヤシの4本。これらは皆根腐れしたようだ。あれほど注意しながら、日を置いて少しずつ水遣りをしたはずなのに、どうしてなんだろう。お気に入りのヤシばかりだったから、無念・・。
 やはりヤシのように大きな物は植木鉢のような小さな所に押し込めていては、人間の思い通りになってくれないものかも知れない。特に冬場の水遣りは、いくら気をつけても上手くいかない。悔しい・・。
 
 もうこれからは、ある程度寒さに強いものは、地植えするようにしよう!!
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プリン+α


 今調べたら、この写真の日付は5月23日、1ヶ月も前だ。「おお!!こんなものが!!」と感動して、写真を撮って、1個買って食べたのに、機会がなくて記事にできなかった。1ヶ月の間、この「プッチンプリン」を隅に追いやるような立派な記事は書いた覚えはまるでないのから、何故今まで記事にしなかったのか不思議でたまらない。
 実は私、この「プッチンプリンパン」のことを誤解していた。パンの中にプッチンプリンが丸ごと1個入った物かしら、と思っていたのだが、全くちがった。今袋を改めて見たところ、「プッチンプリン」と「パン」の間に「蒸し」という字が確かにある。そう、蒸しパンなのだ。

 

 そんなこととはつゆ知らず、がぶりと食べたときは、予想外の食感にちょっと戸惑った。プリンが口に入ると思っていたのに、蒸しパンなのだから、かなりの違和感があった。しかし、そんな感触は束の間、すぐにあのプッチンプリンの味が口中に広がって、「やっぱ、プッチンプリンじゃん!」などと思ったりした。要するに、パンであってプリン、プリンであってパン、と言った玄妙な味わいの食べ物なのだ。文句なく、美味しい!!
 これは「神戸屋」と「グリコ」のコラボによって誕生したものらしいが、ミスマッチも多々あるコラボ製品の中では出色の出来映えだと思う。

 でもね、私としてはこちらの方がもっと好きだな、やっぱり。


 「プリンアラモード」・・・。名前が素敵だ。

『プリン・ア・ラ・モード (Le Pudding a la mode) とは、細長い皿に、カスタードプディング、ホイップクリーム、アイスクリーム、フルーツを主体として、その他の甘い具を加えてデコレーションした盛り合わせデザート。店によっては、生クリーム、バタークリーム、チョコレートソースなどを加える。
「ア・ラ・モード」は「最新の流行の」「洗練されたもの」を意味するフランス語から取られている。神奈川県横浜市中区にあるホテルニューグランド「ザ・カフェ」が考案したデザートといわれる』(Wikipedia)



 
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レゴの病院

 「タワーブリッジ」を完成させたら、しばらくレゴを休憩しようと本気で思っていたのだが、私の誕生日と父の日のお祝いに、娘と息子がレゴのブロックを大量に買ってくれたものだから、そんな決意はあっという間に吹き飛んで、今度は病院を作り始めた。
 組み立て図は、「Queens Bridge Victorian Train Station」と同じサイトからダウンロードした。完成したらこんな感じ。


 組み立て図の通りに作るとすると3297ピース必要だが、自分なりに工夫しながら組み立てているので、この数字より多くいるのか、少なくて済むのか、はっきり分からない。が、なかなか難しい。作り始めてから10日以上経ったが、まだ一階全部と二階半分ができ上がっただけなので、60%くらいしかできていないように思う。パーツ集めが大変なのは、「駅」の時と同じだが、白いブロックが基調であるため、白のブロックが大量にいることと、窓やドアが半端なく必要であることが、「駅」の時よりもパーツ集めに苦労している点だ。
 とは言え、レゴを組み立てるのが今の私には無上の喜びであるから、多少の困難は必死で乗り越えてきた。その成果を以下にお披露目しようと思う。

 

 

 

 

 


 

 
 内装に凝っているため、これからも大変だと思うが、コツコツ頑張ってなるべく早く完成しようと思っている。息子から「誕生日おめでとう!」の電話がかかってきたときに、完成したら写真を送る、途約束した手前、グズグズしてはいられない。頑張らねば!!!
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統一戦

 録画予約はしたはずなのに、どういうわけか試合開始直前までしか録画されていなかった。井岡が勝ったことは知っていたが、それでもどんな試合内容だったか、ゆっくり見ようと思っていただけに、残念で仕方なかった。ちゃんと確認しなかった私のミスではあるが・・。
 仕方ないので、ニュースサイトから幾つかの記事をピックアップしてみた。これによって、白熱した試合の興奮を少しでも味わえたらいいのだけど・・。

 『日本人の世界王者同士による史上初の2団体統一戦として注目された世界ボクシング評議会(WBC)、世界ボクシング協会(WBA)ミニマム級王座統一戦12回戦は20日、大阪市のボディメーカーコロシアムで行われ、WBC王者の井岡一翔(井岡)がWBA王者の八重樫東(大橋)に3-0の判定で勝ち、両団体のタイトルを統一した。WBC王座は3度目の防衛。
 井岡は無敗を守り、戦績は10戦全勝(6KO)。10日以内にいずれか一方の王座を返上することが義務付けられている。八重樫は15勝(8KO)3敗。日本のジムに所属する男子の現役世界王者は7人(休養王者扱いの亀田興毅=亀田=を含む)となった。
 井岡はショートのパンチや左ボディーブローを効果的に使いポイントを重ねた。序盤から左目付近が大きくはれ上がった八重樫も右を軸に攻めたが、やや大振りだった。採点は2点差が2人、1点差が1人と競った内容だった。 

『試合後の談話』
 井岡一翔 本当に八重樫さんは強かったので、皆さんの応援なしでは勝てなかった。まだまだ(王座統一は)通過点。複数階級(制覇)を狙っていきたい。
 八重樫東 判定は微妙だなと思った。力は出し切った。井岡君は予想通り強かったが、効いたパンチはなかった。
 大橋秀行会長 負けたのは残念だが、いい試合だった。8回までの採点は予定通り。9回以降に左ジャブをもらったのが敗因。
 粟生隆寛WBCスーパーフェザー級王者 名勝負だった。日本人同士の対戦で、これだけ素晴らしい試合をしてくれた。ボクシング界に勢いが出ると思う。
 山中慎介WBCバンタム級王者 素晴らしかった。どちらが勝ちでも、引き分けでもいいような内容。周囲の期待と盛り上がりに応える試合だった。

 八重樫目線
『初回、八重樫にいきなりアクシデントがあった。井岡のパンチを受けて左目の上が腫れ上がる。3回には右目も腫れ始めた。しかし、そんな苦境にも6歳年下の相手に立ち向かった。
 この一戦に備えて約200ラウンドのスパーリングをこなし、仕上がりは万全。手数、前に出る圧力では井岡を上回った。作戦通り終盤勝負に持ち込んだが、「視界が悪くなり、距離感が分からず前に行くしかなかった」。
 こうなると、ある程度の被弾は覚悟で打ち合いに持ち込むしかない。だが、至近距離でのパンチの交換は、有効打の精度でやや劣った。
 プロ17戦目で手に入れた王座は手放したが、勝者に劣らない大きな拍手が送られた。試合後、両目がふさがった痛々しい姿は、むしろ勲章とも言える。それだけ、日本人の世界王者同士が互いにベルトをかけた戦いは見る側の心を動かした。
 29歳の敗者は「また一からやり直したい」。両陣営の英断で実現した好試合は、2人のボクサーを大きく成長させる。

 井岡目線
『少年に戻ったように、リングのロープに上ってこぶしを突き上げた。井岡は「最高やと思う。日本初の統一王者は自分しか味わえない」。苦しみ抜いた勝利が喜びを倍増させた。
 「八重樫さんは強かった」と認めざるを得ない一戦だった。1回と3回に切れのいいパンチを当て、早くも相手の両まぶたを腫れ上がらせた。しかし、流れをつかむことはできず、一進一退の展開が続いた。
 実は井岡自身の体調に問題があった。試合5日前、もともと弱かったへんとうが腫れ、減量の過程で発熱。父の一法トレーナーは「いつものコンビネーションは少なかった」と振り返る。6、7回にドクターが八重樫のまぶたをチェックした時、井岡本人は「正直、止めてくれないかと思った」ほどだった。
 最後は気持ち。「鬼になって、男になる」と力を振り絞った。8回終了時に公開された採点は2-1でわずかなリード。終盤は互いに壮絶に打ち合い、優劣はほぼなかった。
 八重樫には「お疲れさまでした」と声を掛け、「強かったよ」の言葉をもらった。洗練された過去3度の世界戦とは対照的な勝利。ミニマム級最強を証明したが、今後は減量苦などから階級を上げる予定にしている。
 「勝ち続けることが僕の使命」。次は叔父の弘樹会長が現役時代に達成した2階級制覇を目指す。


 ああ!!本当に見たかったなあ・・。
 再放送してくれないかなあ・・。


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