kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

アップルは特別

2015-10-28 07:40:11 | 日記
日本市場でも注目されたアップルの決算は純利益が31%増と好調だったよう
です。特に中国市場の売り上げは2倍に増加しました。中国の景気減速は世
界の市場関係者の注目の的です。アップルの決算を見る限り中国景気の鈍化
の影響は少ないように感じますがアイ.フォーンという抜群の競争力のある製品
を持っているアップルは特別なようです。

キャノンの12月期決算は純利益が12%減、中国の一眼レフの販売不振や事務
機販売も振るいませんでした。オムロンはスマホ需要の鈍化、日本精工や日立
金属も中国景気の鈍化で下方修正という結果になりました。日本企業の強みで
ある資本財メーカーの業績が厳しいようです。スマホ市場もアップルを除けば
減速が続いているようです。

ECBの追加緩和観測と中国の追加金融緩和で週末から週明けにかけて世界の
市場は上昇が目立ちましたが中国景気減速の影響はやはり無視できないようで
す。景気敏感株の中でもいすゞや東京エレクなど業績上方修正する企業もあり
ますがここまでの決算を見る限り業種、企業によってばらつきがありまだら模様
の決算のようです。

米国企業の中でも総じて好調なのはマクロソフトやアマゾン、旧グーグルなど
独自のサービスを展開できる世界でも断トツの企業です。これらの企業は中国
景気減速の影響は軽微です。米国でも製造業は総じてさえない決算だったよう
です。一方製造業でも北米市場好調と円安のWの恩恵を受ける自動車メーカ
ーの好調は例外のようです。

ここまでの日本企業の決算を見る限り年内2万円は再び遠くなったようです。
大幅な円安とか神風頼みの相場になりそうです。売り方の買い戻しが主導し
た1万9000円回復も決算後の11月には再び下落も考えておくべきかもしれま
せん。やはり海外投資家が本格的に買い出動しなければ日本株の上値は限
定的です。今後は海外投資家がどう動くのかが焦点です。
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一段高か一服か

2015-10-27 07:39:18 | 日記
26日の東京市場では海外株高と円安を支援材料に1万9034円で始まり午前
中は1万9000円台で揉み合いました。午後の取引は利益確定売りに押されて
大引けは前引けの上げ幅の半分の1万8947円と引け値では1万9000円を維持
できませんでした。1万9100円前後は75日移動平均やテクニカル指標の雲の
上限にあたります。上値が重くなった午後には次第に売り優勢になったのは
海外投資家がまだ本格的に戻ってきていないからでしょうか。

19日の終値1万8131円から1週間で1000円近く上昇した訳ですから短期的な
過熱感は否定できません。騰落レシオが買われすぎの120%を越えているこ
とを警戒する市場関係者も一部にはいるようです。もっとも大きな上昇トレンド
であれば120%を越えてもしばらくは上昇するケースが何度もありました。今回
がこのケースに当たるかどうかは海外要因が握っているようです。

8月の急落前までは内需銘柄オンパレードの相場でしたが、過度な中国景気悪
化懸念から今回は売られすぎた景気敏感株中心のリバウンド相場です。今日の
経済紙が伝えているように日本の自動車各社の業績は米国市場の好調と円安
で好調だったようです。

勿論これから決算本番を向かえ中国景気悪化に対する影響度は業界や個別
企業によって違ってくるでしょう。業績悪化が大きい銘柄は再び売りの対象に
されるかもしれません。FOMCや日銀の政策決定会合で予期しない材料が出
れば日米とも今月はここまで順調すぎるほどの反発だったことから反動安が早
めに出ることも有り得るでしょう。

それでも日本企業の業績が全体的に好調だということが市場から評価されれば
下値は限定的で9月下旬のような一方的な下落はないかもしれません。8月以降
の急落相場の元凶は海外投資家の大量売りでした。海外投資家が日本株の命
運を握っていることだけは間違いないようです。
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緩和相場の賞味期限

2015-10-26 07:31:01 | 日記
少し前までは米国の利上げ先送りが不透明要因として株価の頭を押さえてい
ました。FRBが利上げできないほど世界の景気は悪いとの見方が堂々と語ら
れていました。それがECBの追加緩和観測もあり年内利上げ先送りが株高要
因に変身しました。また中国発の景気低迷がECBの追加緩和を誘発し当の中
国の利下げへと繋がり中国発の悪いニュースばかりが目立った少し前の状況
から一転して先週の世界的な株高に繋がりました。

東京市場も先初には二営業日続けて売買代金が2兆円を割り込み閑古鳥が
鳴く状態でした。それが1週間後の26日には1万9000円乗せが期待できる状況
です。2兆円割れした1週間前が陰の局だったようです。市場の一部には8月中
旬からの急落過程で1万9500円までの価格帯での売買代金は少なく真空地帯
の大幅な戻りもあり得るとの見方もあるようです。

この秋最大の上場案件である郵政が11月4日に新規公開されます。一部には
成長期待の乏しさを懸念する市場関係者もいますが厚い株主配分もあり個人
投資家のニーズは高いようです。事前の人気は公開株数も少ないかんぽ生命
次が郵貯、最後が日本郵政の順のようです。このところの市場環境の好転は郵
政上場成功に向けて追い風になってきたようです。

下げの大きかった銘柄中心に今日も戻りを試す展開が予想されます。もっとも
相場全体が水準訂正して戻ってきたということは上値余地だけでなく下値も心配
する必要が出てきます。決算次第では銘柄ごとに波乱が起こる可能性もあり得ま
す。事前に業績悪が報道されある程度株価が調整した銘柄は悪材料出尽くしで
反発する銘柄がある一方、想定外の下方修正で急落する銘柄も出てきそうです。
決算を手掛かりに短期筋による順張り行動が上げ下げの幅を増幅します。決算
発表時の光景が今回も繰り返されそうです。

また今回の反発が海外発の動きということには注意が必要です。米国企業の
四半期決算は事前予想の4.6%減益から3%程度の減益と予想を上回って着地
しそうです。しかし現在の株価はPER19倍まで上昇して割高感は明らかです。
市場では年内利上げなしという予想で株高になっていいます。今後の経済指標
次第では再び12月利上げが浮上した時の反動安も懸念されます。

強気筋だってこのまま年末の株高にすんなりことが進むとは思っていないでし
ょう。年末までにはもう一度下値を探る動きがあっても不思議ではありません。
ここはこの上昇相場の賞味期限も考えながら機敏に行動したいところです。
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成功体験がアダになる

2015-10-25 09:56:24 | 日記
25日の経済紙一面では「中国、液晶で世界一に」と大きく報じています。中国企業
が今後3年間で3兆円を液晶事業に投資し2018年にも中国が韓国を上回り世界一
の液晶パネル生産国になると記事は伝えています。人件費の高騰や人民元の高
止まりから中国の輸出競争力に陰りが出ています。

中国当局はハイテク産業の育成を通じて産業の高度化を図り輸出の立て直しを
国益として推し進めようとしています。ハイテク分野でも特に力を入れているのが
液晶事業や半導体事業です。設備投資に巨額な資金が必要な分野で政府の直
接的、間接的な支援策で育成を図るというのが国の方針です。中国政府が旗振
りをしているインフラ輸出も同じ構図です。中国企業の巨額の設備投資で今後予
想されることは液晶分野での熾烈な競争です。シャープやジャパンディスプレイの
先行きにも大きな影響が出そうです。

液晶事業を切り開いたのはシャープです。シャープが1999年に20型液晶テレビを
発売しました。2000年代前半にはそれまで主流だったブラウン管テレビがあっと
いう間に液晶テレビに置き換わりました。液晶はその後テレビだけでなくPCや携
帯電話、カーナビ、ゲームといった分野に広がっていきます。この時点では液晶の
シャープの未来は明るいものでした。

しかし韓国勢の猛追でその優位性は永く続きませんでした。まずテレビ用の大型
パネルで劣勢に立たされたシャープは得意の中小型パネルでも急速に競争力を
失い液晶がシャープの未来をも奪ってしまった格好です。液晶で一世を風靡した
シャープは液晶で足元を掬われました。

東芝のパソコン事業も同じ構造です。ノートパソコンを世に広めたのは東芝でし
た。東芝のノートPCは2000年のITバブル時は世界一を手中に収めダイナブック
はノートPCの代表的なブランドを確立しました。ノートPC時代を牽引したのは
東芝だったのです。しかし会社の代名詞だったパソコン事業がお荷物事業にな
ったのはシャープの液晶事業と同じでした。

両社とも過去の成功体験が忘れられず競争力を失ったにも拘わらずずるずると
事業を展開して赤字を垂れ流しました。こんな例は海外企業でもあります。写真
フィルムで世界のトップ企業だったコダックはその後に訪れるデジタル革命に乗
り遅れダウ銘柄に採用される程、米国を代表する優良企業だったにも拘わらず
凋落の一途を辿ります。

会社経営でもっとも難しいのは成功体験にいつまでも捉われ競争力を失っても
その事業に大胆なメスを入れられないことです。経営者の判断でもっとも難しい
決断は新規事業に乗り出すことよりもお荷物になった事業からの撤退です。両
社の躓きの原因は多くの企業が陥るケースでもあります。



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予想とは外れるもの?

2015-10-24 09:23:34 | 日記
下の記事は経済紙に載った今週の株式市場と為替市場の見通しです。

≪株式市場≫
「今週(19~23日)の日経平均株価は海外の景気指標に神経質な展開となり
そうだ。企業の7~9月期決算発表の本格化を前に国内に材料が乏しいなか
中国の国内総生産(GDP)の発表などに相場が左右されそう。もっとも日銀に
よる追加緩和の期待も根強く、1万8000円台前半での値動きが予想される。」

≪為替市場≫
「今週の円相場は1ドル=117円台への上昇をうかがう展開になりそうだ。米景
気指標の悪化に伴い米連邦準備理事会(FRB)による年内利上げ観測は一段
と後退した。対ルで円高が進みやすくなっている。」

結果は株式、為替相場とも予想は見事に大きく外れました。中国景気懸念が尾
を引き日本企業の業績にも市場が確信を持てず決算前は様子見ムードというの
が大方の見方でした。円相場もFRBの年内利上げ見送り説が多くなり月末の日
銀追加緩和も一部には期待はあってもハードルは決して低くなく反動も予想され
る状況では117円台の可能性はあっても120円を超える円安は想定できないとい
うのが大方の相場見通しでした。

外需銘柄には割安感はあっても業績不安がつきまとい市場関係者の見立てでは
目先は業績に安心感のある内需銘柄が中心とみられていました。ところが今週の
相場を振り帰ると内需銘柄よりも外需銘柄が上昇のリード役でした。12月にもECB
が追加緩和に踏み切りそうだという神風が吹いたことが予想外の大幅高の背景で
すが市場に上昇する下地が整っていたとの見方も出来ます。

中国発の世界景気不安から景気敏感株は8月中旬以降下げ足を早め底が抜け
たような下落が続く配当落ち後の9月28日、29日は下値の目途が分からないくら
い急激な下げに見舞われました。思い起こせばこれがセイリングクライマックスだ
ったのでしょう。その後はパニック的な売りは影を潜め自律反発に移ります。
それでもこれまで絶好調だった日本企業も外部環境の悪化から中間決算では
下方修正が相次ぐとの見方もあり1万8000円前後での軟調な展開は続くという
のがメインシナリオでした。

相場とは不思議なものでわからないものです。中国発の景気減速が結果的に
ECBの追加緩和を引出しおひざ元も中国でも23日には追加緩和を発表した
こともあり海外市場では一段と株高が進み円相場は121円台に乗せシカゴCM
Eは1万9000円を越えました。期待が低い分上げだしたら予想外の値幅で上昇
というケースです。

俄かに走り出した金融相場で市場は息を吹き返しつつあります。追加緩和を
するということは実体経済の悪化ということと裏返しです。不景気の株高の持
続性には疑問符が付きますがそれでもこのバスに乗り遅れた投資家が上値を
買うことで戻り相場が続きそうです。
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