ラジオ爺の道楽三昧

原発放射能汚染により素人百姓・孫専科を奪われ、病で蕎麦打ちも廃業。最後に残ったアマチュア無線と男の料理の細々生存証明。

製粉工場見学会

2015年05月09日 | 手打ち蕎麦打ち
   
   
福島手打ちそば研究会仲間10人と共にそば粉購入先の一社、郡山市にある“アベ食粉”の工場見学をしてきた。
先ずは全員事務室へ案内され挨拶後に見学と思っていたら、早速社長の座講が始まってしまった。
予備知識としてだろう、世界各国の生産量と食べ方の違いや歴史まで、国内産地の特徴や生産量と昨年の作柄など実に豊富なそば学の後、本題の製粉工程を詳しく、また製粉者としての信念まで実に興味深く熱く語られた。
社長業よりも製粉職人の座講は90分も過ぎていたが、決して長くは感じず、その後30分程で工場見学を終えた。
石臼の製粉工程については瀬戸工房で知識はあったので改めて驚く様な事は無かったが、8台の大型石臼製粉機が稼動していて2人の職人がこまめにで関わっていた。そして大きな扉を開くと冷蔵庫になっていて「この工場で輸入品は一切挽いていません」の社長の言葉通り、温度と湿度が厳重に管理された製粉待ちの国内産の玄蕎麦が山積されていた。
産地から出荷されて来る玄蕎麦も品質管理を重要視して、近年では茶袋からアルミ箔の袋にしかも真空パック詰(画像の白い袋)が多くなったそうだ。

   
昼食は工場から車で5分程の手打ち蕎麦屋“そば処げん”で済ませた。
ここは“アベ食粉”の納入先で、どうやら道楽が高じて自宅の納屋を改装して定年後に始めたのだろうか?そんな雰囲気が感じられる蕎麦屋だった。
メニューには10割りそばとうどん。うどんの文字を見てアッ!と疑問視したが、注文した野菜天ぷらそばが出されて、抹茶塩が眼に止り一瞬にして期待感。先ずはそばを素のまま一口、“10割り”にしては艶もあり“二八”と思うほど滑らか、しかも喉越しも良くもっちりした歯ごたえと香りもある細切りの長さも十分なそば。汁は甘口で上品な仕上がり、鰹節や昆布も表面に出る事も無く、こんな汁、自分に作れるかなと思ったほどだった。
社長の話「家の粉はロール挽きと間違える程石臼では限界の挽き方で、挽き立てなら誰が打っても繋がる」からも、この10割りそばは正真正銘紛い物では無い本物。そば通には10割りそば本来の姿が失われているかも知れないが、自分はこんな10割りも“有り”だと感じた美味いそばだった。

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