日本裁判官ネットワークブログ

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下級審にあって最高裁にない物!

2007年12月27日 | チェックメイト
長嶺超輝著「サイコーですか?最高裁!」を読む(その2)

前回のあるなしクイズ
「下級裁判所の法廷にはあるけれど、最高裁の法廷にはないもの」
の正解は「証言台」だそうです(58頁)。
最高裁は法律審ですから、書面審理しか行わず、証人等の尋問は予定されていないので、確かに基本的に不要なのです。

なお、こちらには「のぞき窓」という答も寄せられました。実際にそうかどうかは未確認ですが、もしかしたらこれも正解かも知れません。もちろん傍聴席はありますが、傍聴希望者が自由に法廷のドアの外まで行って、中の様子を見てから入るような体制にはなっていませんから。

もっとも、理論上は、最高裁でも事実審理をしなければならず、証人尋問の必要が生じ得る特殊な事件があるのだそうです。
それは、どんな事件でしょうか。
答はまた次回に。
(チェックメイト)

裁判員制度のこと(続)

2007年12月27日 | 風船
裁判員制度について(続)

裁判員制度に対する私の「推進」意見について、「人生幸朗」さんの、ネットの裁判官ですら、制度ができれば推進するしかないのか、との意見に考え込んでいます。
まず、ネットのなかにも、裁判員制度に反対の方もおられますので、ブログでの意見は個人的意見にすぎないことを確認させてください。

以下、あくまで私個人の意見です。
私は、もともとは陪審賛成論で、参審制度には懐疑的でした。しかし、審議会の審議がすすむうちに、比較的早い段階で陪審制度の採用が遠のいてしまいました。私は、その時点で、仮に、参審の方向に行くにしても、陪審制の長所とすべき部分がとりいれられればいいなあ、と思うようになりました。結果的に、裁判に関与する市民が無作為抽出で選出されること、裁判官3人に対して市民が6人も参加する制度になったことに、不十分にせよ、市民参加の制度としては評価できると考えました。喜びすぎたかもしれませんが、この裁判員制度が失敗すれば、陪審はもちろん、市民参加の制度は革命でもおきなければ実現できないと思いました。それゆえ、その後は、裁判員制度の推進派になったわけですが、市民のみなさんから、問題が多すぎるのではないかとの意見が、その後も続出しています。
 私自身、もう一度、この問題について、腰を据えて考えたいとおもっています。 具体的な問題点については、次回以降に述べたいと思います。(風船)