日本裁判官ネットワークブログ
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日経新聞からです。「生まれる前からやっている」と感じた方も多かったのではないでしょうか。でも、差戻審でまだ続きます。

光華寮訴訟、審理差し戻し・最高裁
 京都市左京区の留学生寮「光華寮」を巡り、台湾が中国人寮生に建物の明け渡しを求めた訴訟の上告審判決が27日、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)であった。同小法廷は訴訟の原告は「国家としての中国」と述べ、1972年の日中共同声明で日本政府が中華人民共和国を承認した後は、台湾(中華民国)特命全権大使の代表権は消滅したと判断。そのうえで訴訟手続きに違法があったとして、台湾側の所有権を認めた二審・大阪高裁判決を破棄、京都地裁に差し戻した。

 同訴訟は台湾側の提訴から40年、上告からも20年が経過し、最高裁に係属する最も古い訴訟。中国、台湾のどちらが訴訟を継承するか、「二つの中国」を巡り政治問題化した経緯がある。

 台湾は1952年、留学生の研修施設として利用されていた「光華寮」を買収。67年に中国を支持する寮生らの立ち退きを求めて提訴した。



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 検察官にも国際的組織があるようです。そして,日本の敷田稔元名古屋高検検事長が1996年の設立総会以来継続して副会長(上席副会長)を務め,昨年名誉章を授与されたようです。弁護士だけでなく,検察官も国際的活躍があるようですね。裁判官もがんばらないといけないですね。なお,敷田さんのご活躍は,法曹3月号に紹介されています。(瑞祥)

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国際法曹協会(IBA)は,ロンドンに本部を置き,全世界130か国,199の弁護士会を会員とする組織です。設立は1947年で,国連の創立に呼応して,ニューヨークに34か国の弁護士会が集まり,設立されました。この団体の事務局長に日本の川村明弁護士(第2東京弁護士会)が就任されました。御本人が,自由と正義2月号に「海外法曹だより」として書かれています。本稿も,「海外法曹だより」からのものです。それにしても,アジアの弁護士会から,国際法曹協会の3役が出るのは初めてのようで,快挙と言えましょう。ご活躍をお祈りします。(瑞祥)

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最高裁のホームページに載っている、23日の決定の要旨は、以下のとおりです。

1 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反するものとして,我が国において効力を有しない
2 女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合における出生した子の母は,現行民法の解釈としては,その子を懐胎し出産した女性と解さざるを得ず,卵子を提供した女性との間で母子関係の成立を認めることはできない
3 代理出産という民法の想定していない事態が現実に生じている以上,代理出産について法制度としてどう取り扱うかに関しては,医学的な観点からの問題,関係者間に生ずることが予想される問題,生まれてくる子の福祉などの諸問題につき,医療法制,親子法制の両面にわたる検討が必要であり,立法による速やかな対応が強く望まれる

注目されるのは、上記3です。
裁判の結論に関係のないことを理由に書いてはいけないという、「蛇足判決」批判論者は、最高裁が決定本文の理由のみならず、その要旨においてまで立法論を取り上げたことを怒るかも知れません。
しかし、やはりこの部分は、重要な「理由」になっているのだと思います。(チェックメイト)


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福岡高裁(正木勝彦裁判長)の判決文では、「直接的・決定的な証拠は皆無。この程度の証拠で被告を有罪とすることは刑事裁判の鉄則に照らしてできない」と捜査のありようを批判しているそうです(チェックメイト)。
(以下、21日の東京新聞から抜粋)
 佐賀県の山中から女性三人の他殺体が見つかった「北方事件」で、三件の殺人罪に問われ死刑を求刑された被告の会社員に、福岡高裁が一審に続き、無罪を言い渡した。
 一、二審とも検察側の主たるよりどころは、遺体発見の九カ月後に警察が会社員を事情聴取した時に作成された、犯行を認める上申書だ。
 聴取は当時、別件で拘置中の会社員に“任意”で行われたが、一日十-十五時間の取り調べが“自白”するまで十七日間続いた。食事抜きのときもあった。
 普通の市民は、このような取り調べに耐え切れず、やってもいない犯行を“自白”することもあろう。一、二審とも、違法性が高いと上申書を証拠から排除したのは当然だ。逆に、容疑者を何としても自白させようとする警察、それを是認した検察の姿勢には強い不信がわく。
 しかも会社員が殺人容疑で逮捕、起訴されたのは十二年以上経た後である。時効が迫り焦ったのか。未解決事件への非難を恐れたのか。いずれにしても適正な手続きを無視し、罪人をつくるのは許されない。
(中略)
 警察、検察は自白頼みの捜査と決別し、物証第一に体質を切り替えるべきときだ。自白偏重から脱却する制度的な保障は、検察庁での一部試行でなく、警察、検察双方で容疑者の取り調べを終始録画、少なくとも録音し、法廷で開示できるようにすることだ。


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と題する文章が,自由と正義2月号に掲載されています。執筆者は,市川尚弁護士。沖縄県宮古島で開業する弁護士です。本人の弁によると,市川弁護士は,若いころからひきごもりがちなところがあり,もともと友達がほとんどいないとのこと。でも,ブログを通じてストレスを発散し,かつ日本中の人たちと出会いがあったといいます。ブログは改めて偉大だと思いました。

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日経新聞からです。模擬とはいえ,対象者の職場や家庭でちょっとした波紋が広がるのでしょうか。

最高裁、裁判員選びで予行演習・4月から
 2009年スタートの裁判員制度に向け、最高裁は4月からトヨタ自動車など大手企業と協力し、従業員から候補者を無作為に抽出する「模擬裁判員選び」を始める。本番同様、招集日の6週間前に呼び出し状を送り、どの程度の人数が実際に仕事の都合をやり繰りして参加できるか調べる。裁判員の確保は制度運用の成否を握るため、辞退理由の分析も進める。

 最高裁の案によると、各地裁は毎年12月に翌年の裁判員候補者リストを作り、本人に通知。殺人など重要事件の裁判日程の決定後、リストから50―100人を無作為に選び、初公判の6週間前に呼び出し状を送る。


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東電や九電で,裁判員のための休暇制度ができそうです。嬉しい動きですね。もっと広がって欲しいものです。以下は,読売新聞からです。(瑞祥)

裁判員に有給休暇…東電が制度導入
 東京電力は15日、2009年から始まる裁判員制度で、社員が裁判員に選ばれた場合の有給休暇制度を導入することを決めた。今春闘で、同社の労働組合が経営側に導入を求めていたもので、同日、労使が合意した。

 九州電力も同日、既存の公務休暇制度を裁判員にも適用できるように決めた。連合は、「大手企業が導入を決めた意義は大きい。これを機に、取り組みが広がることを期待したい」としている。

 裁判員制度は、裁判員の職務で仕事を休むことを理由に、解雇など不利益な取り扱いをすることを禁じている。ただ、仕事を休んでいる間の給与の取り扱いは各企業の判断に委ねられており、連合は今春闘、有給扱いとする労働協約締結を進める方針を掲げている。

 東京電力の場合は、全社員約3万8000人が対象となり、裁判員を務めるための休暇期間に上限は設けない。今後、就業規則を改定し、裁判員休暇制度の規定を整備する。同社は「有給休暇を制度化することで、裁判員制度に参加する社会的役割を明確化したい」と話している。

 昨年12月には、化粧品メーカーのマンダム(大阪市)が同様の休暇制度導入を決めていた。




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読売新聞からです。刑事訴訟関係では色々な動きがありますね。(瑞祥)


容疑者と弁護人「夜間接見」可能に、面会は夜8時まで

 法務省と日本弁護士連合会は16日、拘置所などに拘置中の容疑者や被告との弁護人の面会時間について、現在の午後5時までから同8時に拡大することで合意したと発表した。今年6月までに実施する。

 この措置は、起訴前の容疑者段階でも、国選弁護人が選任される制度が昨年10月に始まったことや、裁判員制度が始まると公判が短期間に集中して開かれ、被告と弁護人が頻繁に打ち合わせをする必要が生じることを想定したもの。全容疑者が対象で、被告の場合は公判が5日以内に予定されている場合に認められる。

 一方、弁護士と容疑者・被告が電話で打ち合わせをする「電話接見」についても、東京や大阪など全国8か所の拘置所、拘置支所で実施することを正式に合意。警察署に拘置中の容疑者・被告については、警察庁と日弁連が、9道県の16警察署で電話接見を試験的に実施する方向で最終調整している。


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これはまたアメリカの裁判所らしい判断と思います。こんなグローバル・スタンダードなら歓迎でしょうか。(チェックメイト)
(以下、毎日から抜粋)
 ワシントンの米連邦地裁は16日、米たばこ各社が「ライト」など喫煙による健康被害の印象を弱める言葉を広告やパッケージに使用することを禁じた昨夏の同地裁の命令は、米国外での広告活動にも適用されるとの決定を示した。
 同地裁は昨年8月、米国内での広告で「ライト」「低タール」「マイルド」などの表現を禁止する判決を出した。これに対し、被告のフィリップ・モリス社などは、判決の効力が米国内に限定されることを明確化するよう求めていた。

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今日の東京新聞夕刊からです。ドイツならではの興味深い判決だと思ったので紹介します。(チェックメイト)
(以下、抜粋)
 ナチスの復活阻止のため、公の場で「かぎ十字」を掲示することを刑法で禁じているドイツで、連邦最高裁判所は十七日までに、反ナチスを意味するのであれば、かぎ十字を書き入れても罪には当たらないとする判断を下した。
 ドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州の通販業者が、かぎ十字に赤い斜線を重ねてナチズムへの反対を意味する印をTシャツにプリントして販売したところ、公の場でのかぎ十字の使用を禁じる刑法の「反憲法的象徴使用罪」に当たるとして起訴された。
 これに対し、最高裁は、ナチズムへの反対を表しているのは明確だとして地裁の有罪判決を破棄。逆転無罪を言い渡した。




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今日のニュースはこれしかないでしょう。時事通信社からです。ご意見をお願いします。(瑞祥)

堀江被告を懲役2年6月の実刑

判決公判のため、緊張の面持ちで東京地裁に入廷する堀江貴文被告。ライブドア事件判決で、東京地裁は堀江貴文被告を懲役2年6月の実刑とした(16日午前、東京・霞が関)【時事通信社】

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今日発行されたとのことで、さっそく日弁連の会館地下の書店で買って来ました。1冊100円です。
面白そうなので、皆様もいかがですか。(チェックメイト)
(朝日から抜粋)
 日本弁護士連合会は8日、裁判員として選ばれた市民が裁判官とともに有罪か無罪かを決めるまでを描いた漫画「裁判員になりました—疑惑と真実の間で—」を、15日付で発行することを明らかにした。
 漫画「家栽の人」で知られる毛利甚八さんの作。毛利さんは同日の記者会見で、最高裁などが作った広報映画を「人間の性格や感情の動きが全く描かれていない。裁判官は全員いい人という前提で描かれている」と批評。今回の漫画では裁判官3人のそれぞれの性格に気を配ったという。
 漫画では、右陪席判事が「法廷でうそをつく被告人をたくさん見てきた」と発言して裁判員から批判を浴びる「悪玉」として描かれる一方、裁判長は制度の意義を裁判員たちに説く「善玉」として登場する。


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読売新聞の3月10日付朝刊に,社会部の小林篤子記者が,袴田事件における熊本元裁判官の発言を問題視する記事を書いています。
骨子は,①裁判官が評議で自由な意見を出すのを保障すること,裁判官の意見の不一致が明らかになれば判決への信頼が損なわれるのでそれを避ける必要があることから,裁判所法が評議の秘密保持を定めるが,熊本元裁判官の発言は裁判所法の規定に反する,②袴田事件が現在も再審請求の特別抗告中であるが,熊本元裁判官の発言により評議の秘密が新証拠に使われかねない,③裁判員制度でも評議の秘密保持が重要であるのに,模範となるべきプロが禁を犯しては示しがつかない,④熊本元裁判官の心痛は理解できないではないが,評議に参加した他の2人の裁判官が(死亡により)反論できない中で,2人が有罪と判断した理由などを推測混じりに語るのはやはり疑問が残る」というものです。さて,皆さん,どう考えられるでしょうか。

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犯罪被害者が刑事裁判に参加する新制度が今日閣議決定された。
 97年に小学2年生の息子隼くんをひき逃げされて失った片山徒有さんらが反対の声を上げている。片山さんは,被害者運動の初期に被害者遺族の悲痛な声を捜査機関に届け,被害者の地位の向上に功績を上げた方である。「被害者と司法を考える会」を立ち上げた片山さんは,今回の立法の動きについては「声の大きい意見だけを採り上げた結果」だと批判している(3月13日朝日夕刊)。
 片山さんは,被害者の立場に立ちながら加害者の問題も考え続けておられる。「加害者は極悪人か,普通の人か」「被害者が声を上げ,権利を拡大すれば悲劇の連鎖は防げるのか」
 「加害者と法廷で対決しあっても,それで終わりではない。被害者と加害者が社会でどう立ち直るのか。「新制度」には社会という視点が欠けている」と片山さんは語る。
 被害者支援は大切な課題である。しかし,被害者の癒しは,はたして裁判の厳罰化によって得られるものであろうか。医療,福祉,地域,ボランティア,そして何よりも行財政の温かい支援こそが最重要ではなかろうか。(伊東武是)

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