日本裁判官ネットワークブログ
日本裁判官ネットワークのブログです。
ホームページhttp://www.j-j-n.com/も御覧下さい。
 



このブログは、日本裁判官ネットワークという司法改革について発言する現職裁判官メンバーと、元裁判官サポーターによる共同執筆です。投稿は各個人の見解であり、日本裁判官ネットワークという団体の公式見解などではありません。メンバーもサポーターも、種々多忙なため、なかなかうまく更新できませんが、どうか長い目で見てください。今後ともよろしくお願いします。



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gooブログの仕様変更により、広告が表示されるようになりました。ブログ記事の内容との関連性から、弁護士事務所の広告等が表示されるようです。申すまでも無いと思いますが、これは日本裁判官ネットワークとして選定した広告が掲載されているわけではありません。広告に表示された法律事務所を当ネットワークが推奨しているなどと言うことはありません。どうぞご理解ください。



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裁判官室で仕事をしていると、書記官室での電話のやり取りが聞こえてくることがあります。
なにやら、当事者の方と揉めているようで、しばらく耳を済ませていると、どうやら電話口の相手は「あなた」と呼ばれたことに気を悪くしているようで、職員に対して謝罪を求めているようなのでした。
ちょうど、同じような話を裁判官が書かれたブログ「裁判官のおしごとーかけ出し裁判官Nonの裁判取説」
で読んだばかりだったので、とても興味深く、色々と考え込んでしまいました。
私も、法廷で当事者に対して「あなたの言いたいことは・・・」とか「あなたの書いた書面によると・・」という風に話しかけるし、尋問の際には、証人に対して「あなたは・・・ですか?」と尋ねるので、そうした呼称を使うことに違和感はないのですが、一般の方々からすると、嫌な感じがするものなのでしょうか。上から目線で言われているような、詰問されているような、そんな気がしますか。
他の行政官庁は窓口対応でどういう風にされているのでしょうか。
日本語の二人称はなかなか難しく、確かに日常会話で「あなた」というのはちょっと使う場面が次第になくなってきているような気もします。初対面の人に話しかけるのに、「あなた」という敬称を使うのはどういう場面でしょうか。「オタク」という言葉は、同じ趣味を持つ人が初対面の時に使う呼びかけとして、絶妙な距離感を持っている便利な言葉で、それゆえ、これだけ人口に膾炙するようになったのではないかと思います。
商品経済が発展し、消費者が優位になってくると、企業では「お客さま」という敬称が一般化し、それが次第に他の領域にも広がり、病院では「患者さま」、学校では「お父さま」「お母さま」「お子さま」ということで、「様」という敬称が当たり前になってきているように思います。
そうすると、裁判所でも「さま」という敬称を使う方が良いのでしょうか。
民事事件の法廷で、「被告の言い分は・・・」などというと「俺はなにも悪いことをしていない!!」と怒りだす人がいるのはよく聞く話です(刑事被告人と民事の「被告」という呼称の誤解から生じるものです。)。「原告さま」「被告さま」「証人さま」と一瞬、頭に浮かんだのですが、これはかなり違和感があります。証人尋問の際、法壇から「証人は、先ほど・・・と述べられましたが、それはこういうことでしょうか?」と問いかけると「証人」が自分のことを指しているとは分からず、キョトンとしている方がおられます。やはり「あなたは、先ほど・・・と言われましたが・・・」という方がスッキリします。
いっそ、苗字に様をつけて「○○さま」とか「○○さん」というのはどうでしょう。これは親しみやすくて良いように感じます。ただ、出頭確認の際にはともかく、ずっと法廷で、名前を呼ぶのも、個人情報の点から問題があるようにも思われます。しかし、私は、ついつい「○○さん」と呼びかけてしまいます。最初に名前を確認しているので、その後も「あなた」とか「被告」「原告」とかいうのは、一般の人には分かりにくいし、名前を聞けば、その名前で呼びかけるのが普通ではないかと思うからです。
「おたくさんは」「あんたは」というのは法廷の威厳からして問題があるでしょうし、「君は」というのも上下関係が前提になっていて使えないし、「おまえ」「きさま」に至っては論外です。
威厳を重視して、「貴殿は」「そちは」「その方は」となるともう法廷がお白州のようになってしまうし、うーん、難しい。
「あなたさま・・・」いやぁ、おかしいでしょう。「You(ユー)は・・」もっとダメダメ。
代理人が出頭した場合はそういうことは特に意識しないで済むのですが、当事者本人の場合、どうしたものでしょうか。
やっぱり「あなた」というか、名前で呼ぶしかないように思えるのです。あとは、「あなた」と呼びかける時の口調と表情、声のトーンを工夫していくほかないですかね。落ち着いた、できるだけ柔らかいトーンで、信頼できるような優しい表情で、ゆっくりと・・・・
経験を積めば、自ずとそういう声色が出せるようになるのかなぁ。


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再度の掲載

                                        平成30年5月17日 http://www.j-j-n.com/

日本裁判官ネットワーク

平成30年5月26日(土)の講演会と「ファンクラブとの交流会」の御案内

 日本裁判官ネットワーク(JJN)の例会を,下記のとおり開催しますので,奮ってご参加ください。

 事前の予約は不要です。

 日時  平成30年5月26日(土)14時から19時まで

 場所  大阪・江坂の「サニーストンホテル」 TEL 06-6386-0001

     大阪メトロ御堂筋線の新大阪駅から北へ二つ目「江坂駅」下車,最南端の出口から南東へ100m以内

 企画  14時~17時まで 北館5階・梅の間

     本年1月に定年退官した当ネット元メンバー小林克美の退官記念講演及びファンクラブとの交流会

懇親会 17時~19時まで 北館6階・松の間

     参加費用:一般3000円,法曹1万円

連絡先 ja9aev5117@i.softobank.jp



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中学3年生の頃、「公民」の授業で日本国憲法の前文を暗誦するというものがありました。
当時、私は、真っ先に暗誦し、クラス全員の前で得意になって披露したことを思い出します。
そのためかどうかわかりませんが、なぜか今でも憲法前文は覚えていて、唱えることができます。そんなことができても、その後の試験にも、仕事のうえでも特にメリットもなかったように思えるのですが、心の奥底にそれはあって、自分の中のとても大切なものと考えています。
先日、ETV特集「平和に生きる権利を求めてー恵庭・長沼事件と憲法ー」という番組を観て、学生時代、平和的生存権に関する判例や学説を調べて、友人たちと議論したことを思い出しました。
「平和のうちに生存する権利」(平和的生存権)は、憲法前文に記されており、前文も憲法の一部をなすのであるから、何の法的効力もないとは言えない。しかし、権利として認めるには、その具体的内容が明確ではなく、抽象的なものであるから・・・
番組の中での、東大法学部の教授の解説を聞きながら、そういえば、もう30年近く前にも、そういう風に答案には書くものだと受験予備校で教わったことを懐かしく思いました(と同時に、今でも当時のそうした知識がそのまま通用してしまうことに軽い目眩を覚えました。)。
しかし・・・・。
そもそも、人権というもの自体が抽象的なもので、自由だって平等だって具体的なものではないし、裁判所は、そういう抽象的な要件(規範的要件)については、解釈という作業を通じて、具体化して紛争を解決しているんじゃないのかなぁ。例えば、権利濫用とか公序良俗というような一般条項を使って、権利義務の存否を判断して紛争を解決し、妥当な解決を導いているし。嫌煙権やセクハラなんて、30年前は「何それ?」って感じでしたが、今ではすっかり市民権を得て、裁判においても立派に通用する概念になっています。
「平和」という概念が抽象的だという理由で、それを判断しないとすれば、平和が害される状態が具体的にどういうもので、その場合、どういう救済が必要か一向に議論は進まないんじゃないかなぁ。
結局、私たちは「平和」という大切な言葉の中身を、裁判も含めて、いろいろな場で議論もせず、深く考えることもせずにいて、それで、せっかく憲法に書かれた「平和的生存権」に関する議論は当時から止まったままになっているように私には思えるのです。
「戦闘」という言葉の法的意味も重要でしょうが、別に法律的な意味ではなくても、「平和」とは何か、それを実現するにはどうしたら良いかを考えたり、話したりすることは、その幾千、幾万倍も重要で大切だと思います。「平和」という言葉の意味を、私たちはもっと考える必要があったのではないでしょうか。「平和」の意味を考えずにいられる状態が「平和」というのではなく、そういうことを考えなくなったり、多くの人がそういうことを言わなくなったりしてしまうことの方がよほど恐ろしい状態なのではないでしょうか。
放送を見ながら、そんなことを考えていました。
5月3日は憲法記念日。裁判所の正面玄関にも「憲法週間」の立て看板が掲げられていました。もう一度、憲法を読んで、制定当時の人々が掲げた「崇高な理想と目的」に思いを馳せ、いまの社会のあり方を考えてみたいと思います。


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当地に着任して、半年余り。法廷で顔をあわせる代理人弁護士の方々の名前と顔もおおよそ分かってきました。そこで、新しい年度を迎えるにあたって、自分の訴訟運営について、弁論準備手続の後に、忌憚のないご意見や改善すべき点などをご教示いただこうと思い、次回期日を決めた後、「少しお話しする時間がありますか。この事件のことではなくて、一般的な訴訟運営についてなんですが・・・」と切り出してみました。
「当地に着任して半年ほどになりました。すでにご承知のことと思いますが、これまで私は、自分なりに訴訟運営を工夫していて、あまり一般的でないこともしております。自分では良かれと思ってやっているのですが、新しい年度を迎えるにあたって、このままの運営で良いのか少々、不安があります。代理人のほうでどう思っておられるのか、何か不都合というか、改めてほしい点などがあれば、この機会にお伺いしたいと思いまして・・・・」
「私は、簡裁では余り一般的ではない、弁論準備手続を争点整理で使っております。今日もそうですが、こうして一つのテーブルを囲んで、提出された書証をひとつひとつ確認しながら、あれこれとお話しさせていただいて、具体的な争点を明確にするようにしております。」
「また、そうした期日での議論を活性化するため、新様式判決の様式を用いて、主張整理・争点整理書面を作成し、できるだけ事前にお渡しするようにしています。それは、判決書のドラフトというようなもので、争点を明確にし、双方代理人の主張を私が誤解していないか、取り違えていないかを確認するためでもあります。」
「物損交通事故における事故態様の認定ですが、事故は一瞬の出来事で、運転者本人の認識と異なることがしばしばあり、また、運転者本人は通常、最も利害関係のある当事者であって、その知覚は自己に有利に傾きがちですので、まずは道路の状況や天候、車両の損傷跡、実況見分調書などの客観的証拠によって認定できる限りのことを認定した上で、一般のドライバーの経験則から認定するようにしています。」
「その上で、代理人との議論の結果、具体化した争点についての心証を開示し、和解案を提示しています。」
「和解案の提示は、先の主張整理・争点整理書面に書き足した書面で行い、そこにはある程度の具体的な説明し、裁判所の考えを示しております。」
「和解が成立しない場合には、人証の要否を検討し、争点を明確にした上で、集中証拠調べを実施し、そのあとは期日を続行することなく弁論を終結するようにしています。」
ざっと、これまで心がけてきたことをかいつまんで説明していくと、最初は怪訝そうな表情を浮かべていた代理人弁護士の方々も次第に、表情が和らぎ、これまでの事件処理について色々と感想を言ってくれたり、有益なアドバイスをしていただくことができました。
こうした代理人弁護士との意見交換は、公式には協議会といった席で行われることが多いと思いますが、そうした場では聞けない話も聞くことができましたし、何よりも自分のやり方について個別に意見や感想を聞くとができ、大変、有意義でした。
裁判官と代理人は、立場が違い、代理人弁護士は本人の意向を受けて活動をしていて、その主張についてはかなりの制約を受けていること(当然といえば当然なのですが・・・)や、和解案提示のタイミング(早すぎる提示は当事者本人の態度を硬化させる。裁判所サイドと本人サイドでは、時間の流れ方が違う・・・。)、書面で和解案を示す際に配慮すべきこと(開示する心証の程度、説明の仕方)など、こちらが今まで気づかなかったハッとするような指摘がたくさんありました。
また、弁論準備手続が地裁においても形骸化しがちであることや、新民訴法(改正から20年も経っていうのに「新」というのは変ですが・・・)施行時には、裁判官も積極的に争点整理書面を書いていたのに、忙しいせいか、最近はほとんど見かけなくなったということを仰っておられるベテランの代理人弁護士もおられました。
物損交通事故の認定のあり方についてはどの代理人からも賛同を得られましたが、やはり本人の納得という意味で尋問をお願いせざるを得ない場合もあるということや、客観証拠といってもその評価については見解が分かれる場合があるので、その点については十分に反論の機会を頂きたいという指摘もありました。
新様式判決様式の「争点整理書面」は概ね好評で、代理人としては助かるし、安心できるというお話でした。例えば、せっかく苦労して準備書面を提出して、弁論準備に臨んでも、裁判官から「じゃあ、これについて反論してください」とだけ相手方に指示し、それが続くと代理人としては本当にちゃんと書面を読んでもらっているのかと不安になるということを話される代理人もおられました。
また、簡裁判事は多くの本人訴訟を担当し、その手続運営に苦労しているのですが、代理人弁護士はまさに依頼者また、本人と毎日のように向き合っておられるわけで、同じような苦労をしておられることに今更ながら気づかされました。
 
先日は、弁論準備手続が午前に4件、午後3件入っていて、10人以上の代理人弁護士の方々(当地の元弁護士会会長からベテラン・中堅、若手、実にバラエティに富んでいました。)にインタビューできました。インタビューと言っても、時間的には5分程度なのですが、私にとっては本当に貴重なもので、なんだかとても得をしたような気分になりました。全体的に、自分の訴訟運営については、どの代理人も好意的で(まあ、多分にお世辞も入っているのでしょうが・・・)、ホッとしました。自分も含め、当事者の権利利益を擁護し、紛争を解決するという意味では、代理人も私も共通の基盤に立っていると思えたのです。貴重なご意見やアドバイスからは、さらなる工夫・改善の余地が大いにあり、自分としては、ますます頑張らなければと思いました。
 
現在、民事訴訟手続へのIT導入について、検討会で議論がなされていますが、こうしたプラクティスとITを組み合わすことができれば、もっと質の高い、満足度の高い訴訟手続が構築されていくのではないかと思います。そのためには、裁判所だけでなく、訴訟手続を利用するユーザーの意見を十分に取り入れたものでなければ、うまく行かないように思います。手続規範やITはあくまでも道具であって、それ自体が目的でないと考えるからです。
 
結局、プラクティス(実務上の工夫)は、トライ&エラー(試行錯誤)で、その効用を確認し、精度をあげて行くほかないわけで、そのために事後の検証が不可欠だと思います。例えば、和解が成立すると裁判所はそれだけでホッとしてしまうのですが、実はそれまでには代理人弁護士の様々な苦労が当然あり、そうしたことについてもインタビューを行い、和解成立に至った要因をお聞きし、要因を分析する必要があると思います(裁判所の訴訟運営が信頼できないので、当事者双方で話をまとめてしまったという笑えない話もあるようです。)。また、弁論終結の後には、これまでの進行や訴訟運営について代理人の意見を聞いておくことも有益かもしれません。いずれにせよ、手続運営については代理人との信頼を得るために、こうした対話とインタビューは必要ではないでしょうか。裁判所にとって当事者は「利用者」あるいは「顧客」のようなもので、法廷でしばしば顔を合わす代理人弁護士は「おなじみさん」ですから、顧客満足度(CS)調査のようなものになりましょうか(弁護士だけを優遇するようなことではありません。念のため)。
 
「人にはまず添うてみよ」という言葉がありますが、正直に自分の考えを示し、誠実に向き合えば、代理人弁護士も笑顔で応じてくれるということがよくわかり、勇気づけられ、嬉しくなりました(担当する個別の事件ではそうも行かないかもしれませんが・・・)。思い切って聞いてみてよかったです。
訴訟ですので、判断内容についてはどちらかに軍配を上げなければならないのですが、せめて手続運営については「結論は納得できないけれども、自分の言い分はしっかりと聞いてもらったし、証拠も検討してもらった、その上での結果なら仕方がない」と思ってもらえるようにしたいと思います。
鬼平犯科帳で有名な火付盗賊改の長谷川平蔵は、江戸市中の悪党に「平蔵さまなら捕まっても良い」と言わしめたほどの人徳の持ち主だったようですが、あの裁判官の判決で敗訴したのなら仕方がないと思ってもらえるような手続運営を目指して頑張って行きたいと思っています(笑)。


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日本裁判官ネットワーク(JJN)の例会を,下記のとおり開催しますので,奮ってご参加ください。

日時  平成30年5月26日(土)14時から19時まで

場所  大阪市・江坂の「サニーストンホテル」 TEL 06-6386-0001
     大阪メトロ御堂筋線の新大阪駅から北へ二つ目「江坂駅」下車, 最南端(新大阪寄り)の出口から南東(左方向)の歩道橋へ出ると、左前方にサニーストンの看板が見えます。

講演会と交流会  14時~17時まで 北館5階・梅の間
        本年1月に裁判官を定年退官した元JJNメンバー小林克美の退官記念講演及びファンクラブとの交流会
     
懇親会 17時~19時まで 北館6階・松の間
       参加費用:一般3000円,法曹1万円

参加資格   制限なし

事前予約   不要・懇親会に参加を希望される方は、事前にメールを下さると助かります。

メアド   JA9AEV@nifty.com  お名前と所属(あいまい可)、懇親会参加希望、とお書きください。 

以上 



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今回は,人証調べ・最終口頭弁論期日・判決言渡しのIT化です。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/dai6/siryou.html

提案としては,① テレビ会議やウェブ会議(音声・映像のみでなく、文字やファイル等を用いたリアルタイムのコミュニケーションが可能な会議)による人証調べの利用,②その結果の効率的な記録化,③人証調べの予定や結果等の情報についても、当事者(当事者本人と代理人の双方)が容易かつ随時にオンラインで確認することができる仕組み,④判決書についても、電子情報である判決情報に原本性を持たせるための枠組み,⑤判決書の当事者への送達について、ITツールを活用した電子的な送達方法(例えば、ⅰ法廷での言渡し後速やかに、裁判所の専用システムへの判決情報のアップロード、ⅱその旨の当事者に対する通知、ⅲ各当事者によるシステムからのダウンロード等の方策)を用いることなどです。

今回の提案は,人証調べの公正な実施の担保(当事者の尋問権や裁判所による訴訟指揮権の適切な行使),裁判の公開原則との関係、人証調べ段階で必要とされる情報セキュリティ対策(漏洩防止等当事者双方への送達(到達・覚知が原則)など憲法や民事訴訟法の原理原則との関係を中心にして,検討点が多いと思います。

そのためもあってか,例えば「ウェブ会議等による人証調べの実施には、利用者目線から見た審理の効率化や審理の充実度といった観点に加え、人証調べの公正な実施が担保されるか、当事者の尋問権や裁判所による訴訟指揮権の適切な行使が確保されるか等の実務的検討や検証(模擬裁判等)が不可欠ではないか。」「将来的に訴訟記録が電子化されることを見据えれば、人証調べにおいても、電子情報として交換・共有された主張・証拠や争点整理の結果をもとに、ITツールを活用することにより、よりメリハリの付いた、効率的・効果的な尋問を行い、その結果の記録化も効率的に行うといった新しいプラクティスを検討していくことが考えられるのではないか。」といった指摘にあるように,司法研修所や裁判現場で,模擬裁判やプラクティスの研究等が始まるかもしれませんね。ウエブ会議は,この4月からとはいかないでしょうが,意見書(3月末まで?)がまとまって,検討期間をおけば,どこかの裁判所で始まるかもしれません。ただ,人証調べや判決言渡しよりも,まず弁論準備手続でしょうね。やってみたいですね。



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フェイスブックで,裁判所職員採用のための広報動画ができたようです。https://www.facebook.com/saibansho.saiyo/videos/1594429684008192/

学生の人に特に見てほしいですね。ぎこちない面もあるのですが,結構一生懸命つくっています。裁判所は,いろいろご意見はあるでしょうが,結構やりがいのあるいい職場です。息子さん,娘さんなどにもご紹介ください。

 

 



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 争点整理書面は,弁論準備手続などの争点整理手続中に,議論のまとめをして,主に,争いのない事実等と争点及び争点に関する当事者の主張を整理する書面であることが多いですね。当事者と裁判官の認識を共通のものとし,集中審理の準備となり,また実は和解を促す機能が生じる場合もあります。高名な井垣敏生元裁判官(20期)が始めたものと認識しています。現行民訴法施行前に一時ブームとなり,その後も重要な事件を中心に使用され,今も合議事件で作成されることがあるでしょう。単独事件でも作成する裁判官もおられると思います。ただ,この作成の負担があって,かつてほどは作成されていないのではないかと思います。ただ,度々投稿している「民事訴訟のIT化」の下では,この書面の作成が容易になるのではないかと思っています。データが揃っているだけに,争点を裁判官が項目建てすれば,当事者の代理人が準備書面から項目ごとに切り貼りしていけばいいからです。でも,項目建てをしなければ,情報が混乱したまま載ることになるでしょうね。その意味で,データの交換だけをしていてはだめで,データをもとに議論して大体の目安をつけ,裁判官が項目建てをするのが大事だと思います。そうすると,当事者代理人がどんどん争点整理書面をつくって交換していけるのではないでしょうか。量的な目安(例えば,最大で5頁など)も作ると,引き締まったものになるような気が経験上します。最後は,裁判官が手直しをすればよいのです。「民事訴訟のIT化」は,「争点整理書面の復活・拡大」になるかもと思いますが,皆さんいかがでしょうか。ご意見があればコメントしてください。



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つい先日就職した70期司法修習生の就職事情が悪くないようです。

https://www.jurinavi.com/about.php

景気のせいもあるようですが,司法修習終了者1,563名のうち,いわゆる法曹三者の職に就いたもの(組織内弁護士と即独を除く)は1,372名、即独推定者数は20名,組織内弁護士は64名のようです。その差100名余が気がかりではあります。その外,上記ウェブサイトには,興味深い数字が並んでいます。東京一極集中,特に4大事務所の弁護士寡占状態は,わかっていたとはいえ,改めて驚いています。

 



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 第5回会議の資料が公開されています。是非追っかけてください。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/

今回は,民事訴訟の手続段階ごとに見たIT化の視点(その2)で,第1回口頭弁論期日の指定から争点整理手続までのIT化の視点が提示されています。特に,弁論準備手続のIT化提案については,民事訴訟の中核部分のIT化提案といえましょう。①訴状・答弁書等と同様、当事者からの主張等(従前の準備書面、書証等)の提出について、オンラインでの提出等に一本化,②ITツールを活用して、当事者から提出される主張等を相手方に送付(専用システムに当事者がアップロードした電子情報を、相手方がダウンロードして入手するなど),③期日間の釈明・確認・事務連絡等のやり取りについて、ITツールを活用したオンラインでのやり取り(例えば、ウェブ会議上でチャット類似のやり取りなど),④第三者から情報が提出される場合(文書送付嘱託・調査嘱託の場合等)の対応,⑤オンラインでの期日の調整(システム上のカレンダー利用),⑥争点整理の結果として確定したものについて、裁判所及び双方当事者が電子データにより共有・確認することができる仕組み,⑦争点整理段階での和解協議について、ウェブ会議等の活用,⑧事件の進捗状況や争点整理の結果等について、当事者がオンラインで確認することができる仕組みなどが提案されています。



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次期日弁連会長に選ばれた菊地裕太郎弁護士は北海道のご出身のようですね。これで,大谷直人最高裁長官,西川克行検事総長と共に,法曹三者のトップが北海道のご出身ということになります。そのほかに,菅野博之最高裁判事も北海道のご出身です。
偶然かもしれませんが,北海道の方々には,慶事でしょうね。この件で連想するのは,当ブログで時折書き込みをしている「民事訴訟のIT化」です。一見関連がないかのように思われるかもしれませんが,知財分野等の先端分野もさることながら,ITで特に便利になるのは,北海道のように,裁判所の管轄区域が広い地域です。裁判所と弁護士事務所・当事者の居住地が離れている場合が少なくなく,交通も不便な場合が多いので,ITが特に威力を発揮します。法曹三者のトップが北海道ご出身でそろい踏みとなると,IT化への弾みになるかも,と勝手にこじつけて喜んでいます。



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このルールは,約束や義務などを負わないルールという意味だと思います。法曹界で,争点整理手続の活性化・口頭主義をめぐって,最近目にすることがあります。私は,この言葉自体を広げたいと思うことが多い今日この頃です。

近年,民事訴訟における争点整理手続の期間が長くなっているという実情があるようです。また,争点整理手続が準備書面の陳述と期日の指定のみで終わり,かつての「3分間弁論」を彷彿させる「3分間弁論準備」という揶揄もあるようです。裁判官も弁護士も口頭で議論して,争点及び証拠を整理する機能が弱っているのではないかということです。その結果,争点整理手続の期間が長くなっているというだけでなく,裁判官と弁護士との共通認識が薄れ,弁護士が予想していなかった論点で結論が出されるという場合があるのではないかとの批判も耳にします。

争点整理手続の期間が長くなっているという実情とその対策については,2年ごとに最高裁判所が作成する「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」で詳しく報告されています。是非ご覧ください。http://www.courts.go.jp/vcms_lf/hokoku_07_gaiyou.pdf

この中で,裁判所と当事者との間で主要な争点や重要な証拠についての認識を共有するための対策として,「裁判所においては,単に当事者の主張反論を促して対比するだけでなく,釈明権の行使や暫定的心証開示を適切に行い,口頭の議論を活性化させることが重要」であり,「代理人には,争点整理は裁判所が主導的に行うものとして受動的な姿勢で臨むのではなく,争点の解明に主体的に関わり,共通基盤の形成を裁判所と協働して行うという発想をより強く持ち,当事者本人からの事情聴取などの事前準備を十分に行うことはもちろん,主張書面の作成においても実質的な争点を意識した記載を心掛けるなどすること」が望まれるとされています。

もっともなことなのですが,裁判所や代理人が積極的に口頭の議論を活性化させる阻害要因があるように思います。その一つに,口頭での議論をメモして,口頭での議論自体を次の準備書面に記載して,批判することがあります。これをされると,口頭での議論はできなくなるおそれが大きくなります。何人かの弁護士の方から,この点に関する苦い思い出話を聞きました(「そのようなことを相手方からされ,二度と口頭議論はしたくないと思うようになり,実際にしなくなりました。」)。実は裁判官も同じ思いを抱く人が多いのではないでしょうか。口頭での議論は,暫定的心証開示に代表されるように,暫定的,仮定的なものを当然含みます。変更は当然予定されるものです。また,一見「拙い」と思われる質問や疑問も,それに対する回答,反論,再反論等を繰り返していくことで,実は主張や証拠の理解を深め,「拙くなかった」と思われることが,実際に口頭議論をしてみると多々経験するところです。当然共通認識も深まります。しかし,暫定的,仮定的なものや,一見「拙い」と思われる質問や疑問自体を批判されると,確実なことしか言えなくなるのではないでしょうか。いや,「確実なこと」「自信のあること」しか言うべきではないというご意見もあるでしょうが,弁論兼和解という経験も経て,弁論準備手続を原則非公開とし,ラウンドテーブル法廷を設置し,活発に議論することを予定した弁論準備手続は,日本人のメンタリティーにも配慮したものであり,その立法趣旨・制度設計からして,名誉棄損的な言動は論外としても,「確実なこと」「自信のあること」だけを予定していたわけではないと思います。そして,暫定的,仮定的なものや,一見「拙い」と思われる質問や疑問をた許容することが,「ノン・コミットメントルール」であり,口頭の議論は,その場限りのものであって,その過程での細々とした言動を批判するのではなく,議論の結果を踏まえて,(批判ではなく)自己の主張立証を深めていくことが,運用において大切だと思われます。

ある弁護士は,「ノン・コミットメントルール」を裁判所で是非徹底していただきたいと言われました。裁判所だけでなく,法曹全体で是非共通認識にできればと思いますが,皆さん,いかがでしょうか。 また,こ のルールの徹底のためには,言葉自体を「人口に膾炙」させる必要があるように思います。民事訴訟における「流行語」にしたいですね。



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今年も司法試験受験者が,減りそうです。ここ何年か毎年1000人前後受験者が減っています。今年は,速報値で5811人の受験希望者。昨年は6716人でした。http://www.moj.go.jp/content/001245802.pdf

これもあって,大学,法科大学院が併せて5年コースになりそうです。

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-0203m040155/

司法試験受験者が減る中で,何とか希望者を増やすためにはやむを得ない措置かとは思います。でも,ともかく,法曹界が魅力あるものとしてPRしないと・・・。



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