日本裁判官ネットワークブログ
日本裁判官ネットワークのブログです。
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1 日本そばのうち「ざるそば」については,わがB級グルメ道として一応のゴールに到達したと考えていた。もうこれ以上の追求はしないということである。あとは,近いうちに暖かい「かけそば」に挑戦するつもりであり,また少し先に仕事の第一線から退いて暇になったときに,自分で「手打ちそば」に挑戦しようと思っていた。

2 ところが先日,忘れ物を取りに平日の昼休みに自宅に帰ったところ,偶然に電話がかかってきた。長野県のある手打ち日本そば会社からだという。日本そばの通信販売の勧誘であった。さては私のそば好きが長野県まで聞こえたか。一瞬そう思ったが,まさかそんなことはあり得ない。偶然のことのようである。説明を聞いて気持ちが動き,6食分を送ってもらうことにした。

3 数日後,「手打ち生そば」が届けられた。早速茹でて食べてみた。ほどほどの腰の強さでとても美味しい。これは芸術品だと感動した。なるほど本格的な手打ちそばとはこういう味なのかと思った。多めの湯で1人分ずつ茹でる。約1分30秒で茹で上がる。氷水にも浸ける。添付されているそばつゆはやや辛口で,ほんの少し甘くすると,私の好みに合う。砂糖を少し加えると丁度よくなった。自分で作る秘伝のそばつゆといいとこ勝負である。日本そば好きには堪らないような,かなり本格的なそば道楽に一歩足を踏み入れたのかも知れない。私は何を食べても美味しいと思う人間で,味覚には自信のない人間の筈なのに,変な話ではある。

4 生そばを冷凍しておくと,約1か月は美味しく食べられるとのことである。食べる5時間位前に冷凍庫から冷蔵庫に移しておくと自然解凍できる。朝食に食べようとする前の夜,食べる量だけを冷凍庫から冷蔵庫に移動しておくのである。

5 送料を含めると1食650円位になる。私が見つけたわが街のお気に入りの店の「もりそば」が丁度この位の値段である。味は通販の方に少し軍配を挙げることになる。多少贅沢ではあるが,この程度の贅沢は許してもらうことにしよう。そこで隔月6食分を購入する会員になることを申し込んだ。とりあえず1年間試してみることにした。ざるそばに関する「わがB級グルメ道」はまた一歩前進したことになりそうである。

6 週日の朝は慌ただしいので,美味しいそばをゆっくり味わう心境にはなれない。そこで送られて来るそばは,土,日の朝食に食べることにしてみよう。以前わが事務所の事務員をわが家に招待して,わがB級グルメ道のソーメンの部の昼食会をして好評を博したことがあった。今度はこのざるそばの昼食会を計画することにした。新そばが11月に送られてくることになっているので,そのときにしよう。

7 通信販売のそばばかりを食べるわけにもいかない。そこで以前から食べてきた各種の市販のそばを一工夫し,茹でた後で氷水に浸けてみた。通販のそばを真似たものである。なんだか格段に美味しくなったような気がする。おそらく錯覚ではあるまい。錯覚かどうか,時間をかけて氷水に浸けたものと浸けないもので食べ比べてみることにした。

8 いずれそばを自分で栽培して収穫し,そば粉を挽いて手打ちそばを打つという私の夢を実現する日は来ないものであろうか。「夢はあきらめない」ことにしているが,消えつつあるわが大山山荘計画の夢が実現しない限り無理であろう。最近の新聞に,今そばの花が咲いていると写真付きで報道されていた。一度大山方面にそばの花を見に行きたいものである。
  「蕎麦はまだ 花でもてなす 山路かな」(芭蕉)(ムサシ)



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日本裁判官ネットワークは平成11年9月に発足し,今年10年目を迎えました。
これを記念した講演とシンポを企画しております。
まだ内容未定の部分がありますが,予告のためにご案内します。

どなたでも参加できます。
パーティ参加は有料です。

日 時 平成21年11月21日(土曜日)13時から19時ころまで
場 所 東京渋谷・道玄坂「フォーラム8」(TEL03-3780-0008)
企 画
 Ⅰ 13時から15時まで(514号会議室140名)
     鳥越俊太郎さんの講演(演題は未定)
 Ⅱ 15時から17時まで(514号会議室140名)
     メンバー,サポーター,ファンクラブによるシンポ
     「J-NETのこれまでの10年/これからの10年」
      (第2次司法改革の提言)
 Ⅲ 17時から19時ころまで(8階クイーンズ)
     パーティ

なお,22日(日曜日)には,ホテルフロラシオン青山にて,J-NETの総会を開催します。
メンバー,サポーター,ファンクラブ員が参加できます。

文責 小林克美

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 先週木曜日(9月10日),新司法試験の結果がでました。合格者数が注目されましたが,昨年よりも22人少ない2043人となり,少し驚きました。法務省が今年の目安としていた2500人から2900人を大きく割り込んでいて,「3000人計画」の政策が変更になったのかどうかが注目されます。森英介法相は,11日の閣議後会見で,合格率の低かった法科大学院への注文を述べつつ,平成22年ごろに合格者数を3000人とした目標について,「目標をこの時点で変更する必要性は感じていない。目標達成が容易でないことは明らかだが,引き続き,それに近づく努力をすることが妥当だ」と話したと報道されていますが,さて今後どうなるのでしょうか。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090911-00000573-san-soci)
 問題の難易度や採点基準のこともあり,簡単には判断できませんが,今年の合格者の最低点は昨年よりもかなり落ちているようです(940点→785点)。今後も,合格水準や合格者の質の問題などは議論になり続けるでしょうが,そうした前提問題とは別に,結果として合格者の数が減ったことは,受け止める立場によって意見が大きく異なるでしょうね。裁判官ネットに寄せられる意見も様々です。一例として,知り合いの法科大学院教授から下記のようなメールをいただきました。現場の受け止め方の一例として,ご本人の了解を得て紹介します。そのほかに,裁判官・検察官・弁護士,司法修習生,法科大学院生,大学生の方など,ご感想をお持ちであれば,是非コメントに入れて下さい。
                記
 新司法試験の発表があって,学生から合格や不合格のメールがあって対応に追われています。昨年より合格者数が少なかったということで,弁護士会は安心しているようですが,大学では,これから先のことがどうなるのか,頭の痛い話です。定員の2割カットではまったく効果がありません。不合格となった者では,民間企業に就職したり,公務員になったりした者がいます。合格した者の中でも,民間会社に勤めたり,証券取引所に勤務したりする者があって,法科大学院=法曹(弁護士,裁判官,検事)という公式は崩れつつあるようにも思います。弁護士会も卒業生(合格者)をすべて受け入れようと考えないでいいのではないでしょうか。発想の転換が必要かと思います。司法制度改革の理念はよかったが,具体策において,法科大学院を制限しなかった失敗があったのですから,いまさら元にもどれないと思います。


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 本日深夜(14日になっています。),「ドキュメント’09「法服の枷(かせ)」~沈黙を破った裁判官たち~」が日本テレビ系全国ネットで放映されます。深夜00:50~01:45です。
 当ネットのHP(http://www.j-j-n.com/)8月号で紹介した「長沼事件平賀書簡-35年目の証言」(日本評論社)の福島元裁判官ほか,何人もの元裁判官が登場されるようです。是非ご覧下さい。ご覧になられた方はコメントも宜しくお願いします。


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1 私の所属している弁護士会が,この9月1日に「医療仲裁センター」を立ち上げた。そしてその直前の8月29日(土)に設立記念シンポジウムが開催された。会場は満員の盛況で熱気に包まれた。新聞やテレビでも報道された。医療仲裁センターは,弁護士が調停者(仲裁人)となって医療事故による紛争を話し合いにより解決しようというものである。「医療ADR」ともいう。「ADR」とは,「裁判外紛争解決手段」のことであり,英語の「Alternative Dispute Resolution 」のイニシャルをとったものである。

2 シンポジウムの冒頭に厚生労働省の係官が,この医療仲裁センターの立ち上げに注目しているという挨拶をした。またシンポ終了後の懇親会での挨拶でも,ある大学教授から最高裁も同様に注目しているという紹介がなされた。

3 一般の「仲裁センター」は全国的にも多く立ち上げられているが,医療仲裁センターはまだ少ない。2008年9月に東京の三弁護士会の中に,合同で最初の医療仲裁センターが設立されたばかりであり,その後名古屋弁護士会も設立しているということであるので,あるいは当地で3例目ではないか(間違っているかも知れない)と思われるような状況である。

4 従来から調停は,主として調停者が両当事者を説得するという「説得型」で行われてきたのであるが,この方式では,調停が成立した場合にも,充分納得できないままに強引に調停に応じさせられたなどという不満が残ることが多いとされており,医療ADRにおいては新しい試みとして「対話促進型」調停が目指されている。これは調停者が両当事者の対話を促進し,両当事者が自ら解決案を模索してゆくという方式である。対話を促進することはとても意義のあることではあるが,説得しないで肝心の結論(損害額の合意)にどのようにして到達できるのかという難しさがある。そのため高度な研修や訓練が必要であり,当地でもこの2年余り,積極的にそのための様々な研修が行われ,私も熱心に参加した。

5 私はこれまで弁護士会の一般の仲裁事件は結構沢山担当してきたが,「医療仲裁センター」の担当者(調停者)としても登録したので,そのうち難しい医療過誤事件が配点されることになるだろう。上手く解決できるかどうかは事件を担当してみなければ何とも言えない。弁護士は裁判官と同様に,医療に関しては素人に過ぎない。「誠実に粘り強く」解決を模索するしかないだろう。
 いずれ上手く解決できた事例を報告できればと思ってはいるが,軽率な報告は心して避けなければならないだろう。(ムサシ)


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先般,我が家の愛犬「花」が雷雨の日にベランダから飛び降り,逃げ惑った上国道で交通事故死したことをお伝えしました。

子供の頃から犬と生活することが多かった私は,裁判官になってからもたまたま一戸建て官舎の時には必ず犬を飼っていました。転勤で合同宿舎になると実家に預けて切り抜けていました。

それくらいの犬好きですから,突然の死にショックを受け,喪失感でしばらくぼーとしていました。

最近になって「花」の後継犬を探すことにしましたが,いわゆる捨て犬(最近は飼育放棄犬というそうです)を引き取ることにし,あちこちの公的保護施設に連絡をとり,見に行くこともしてみました。

すると,「お見かけしたところ相当御高齢なので,犬を最後まで飼育できるかと言う問題がありますので,将来子供さんが引き受けること,マンションの場合はペット飼育可の証明書が必要です。犬の飼育状況もチェックします。」と非常に厳しい条件を出されました。

たしかに,犬の立場を考えた必要な措置とは思いますが,引き受け手が減るのではと心配になります。

結局,インターネットで民間の保護団体を探して,8歳くらいのミックス犬を引き受け,昨日に我が家に到着しました。

前の飼い主から虐待されていたらしいとのことですが,なかなか人なつっこい新「花」の登場で我が家に平和が戻りました。
                        ジュニア改め「花」

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1 9月になり,季節は秋になった。そういえば最近朝の犬の散歩のとき,空気がヒンヤリしていると感じることが多くなった。「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる」(藤原敏行)という和歌は,こんな感覚を詠んだのであろうか。もっともこの歌は立秋に詠まれたようであるので,今の8月7日ころということになる。夏の盛りのころのもっと微妙な感覚を詠んだのかも知れない。

2 アサガオはほぼ終わった。今年は随分たくさんアサガオが咲いた。わが家の庭には秋の草花も植えられている。以前わが家の庭には見事な宮城野萩が咲きこぼれていたことがあったが,私が5年間の単身お留守番中に夏の水撒きをサボったために,数年前に枯れてしまった。以前妻と2人で苗を買ってきて植えたもので,深紅の大きな花が咲き,妻はその萩をとても気に入っていた。それを枯らすとは何事か!妻からかなり本気で叱られ,平謝りするしかなかった。そして反省して一昨年,同じ種類の萩の苗を見つけて1人で買って来て植えておいた。その萩が元気で,今年は私の背を遙かに超える高さになり,見事な花を期待できそうである。蕾も沢山ついている。間もなく咲くだろう。
 「行き行きて 倒れ伏すとも 萩の原」(曽良)

3 やはり一昨年,オミナエシとフジバカマを見つけて買って来て,通りに沿った塀の外の花壇に植えた。今年は8月初めからこの1か月,オミナエシがまっ黄色に咲き続け,「見事!」という他ない趣である。フジバカマも勢いは盛んで,間もなく咲きそうである。私は桔梗とナデシコは大好きなので,苗を見つけるごとに買ってきて,わが家の庭のあちこちに植えてある。

4 秋の七草を詠んだ短歌に,「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花」(山上憶良)というのがある。「朝顔の花」が桔梗なのだそうである。これは「秋の野に 咲きたる花を 指折(およびお)り かき数ふれば 七種の花」に続けて詠まれたものだそうである。

5 わが家の庭には秋の七草のうち,五種が存在している。私はススキも大きな鉢に植えたい。見事なススキが1本か2本,秋風に揺れているのも,なかなかの風情であると思うのであるが,妻が拒否している。やがて種がこぼれて庭中がススキだらけになるのを恐れているのであろう。また葛を植えることにも反対している。

6 秋の七草ではないが,彼岸花も秋の風情に溢れる花である。これも球根を掘ってきて鉢植えしたいと思っているが,妻は反対している。彼岸花にアゲハチョウが舞う姿も秋の風物詩であろう。これを写真に撮影して事務所に飾りたいと思うのである。妻は,彼岸花も野にある方がよいという。

7 こんな話がある。あるときある男が,交際を始めて比較的間もないころに,相手の女性の手を握ろうとして拒否された。そこでその男はその女性にあだ名をつけたというのである。英語の「forget-me-not」という単語は草花の「忘れな草」のことであるが,それと同様に,「私に触れないで」という英単語として「touch-me-not」という単語はないのだろうか。ふとそう思ったその男が英和辞典で調べたところ,偶然にも「あった!」というのである。それは「鳳仙花(ほうせんか)」であった。その男は喜んで,早速その彼女に「鳳仙花さん」とあだ名を付けた。おそらく熟した鳳仙花の実に手を触れると,パチンとはじけるから,英語名で「私に触れないで」ということなのであろう。この英単語を知っている人は余り多くはないと思われるが,勿論その男も知らなかった。しかし彼は以前からこの英単語を知っていたかのごとく,いささか高度な教養人(?)のウイットとして演出したのである。その作戦は見事に功を奏し,間もなく彼女の手を握ることができたことはいうまでもなく,その恋は成就し,幸せな結婚生活を送ったとさ,という話である。
 「鳳仙花 照らす夕日に おのずから その実の割れて 秋暮れんとす」(窪田空穂)という句もある。鳳仙花も私の好きな秋の草花で,庭に沢山植えた。今を盛りと咲いている。
 そういえば裁判官を主人公とする漫画「家栽の人」の中に,「鳳仙花」という題の感動的な漫画があったことを思い出した。父母が離婚して父に育てられ,母に捨てられたと思い込んで非行に走った少年が,幼い頃母と一緒に鳳仙花の種を播いた鮮明な思い出によって,少年が捨てられたのではなく,母に愛されていたことを思い出し,その後の経過の中で,裁判官による審判の日に,母が控え室で待機しており,希望するならすぐに母に会えると聞いて,母を恋しく思っていた少年が,審判廷で号泣するという事態になり,少年が立ち直るという話であったと思う。

8 若山牧水の句に,「吾亦紅(われもこう) すすきかるかや 秋草の 寂しき極み 君に送らむ」というのがある。秋に旅先から恋人に書き送るラブレターに,この一句を書き添えて,ススキか葛の花を同封して送ると,その恋が成就することは間違いないような気がする。もっとも現代の若い男女が,そのような文学青年や文学少女であるかどうか,また今でも手紙でラブレターを書いたりするのかどうかは,私の知るところではない。(ムサシ)


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最近,人身保護請求事件の国選代理人という珍しい体験をしました。

人身保護法は,本来,違法な拘束や監禁から早期に解放させることを目的に,英米法にならって立法された法律で,民事裁判所に拘束者,被拘束者を出頭させ(拘束者が被拘束者を理由なく出頭させないと,拘束者が勾留される,という強い制裁があります。),即刻判決がなされ,上訴は最高裁のみという,異色の法律です。
その裁判について,被拘束者のために選任されるのが,国選代理人です。

国選代理人は,事前に被拘束者等に面会し,その実情や要望などを聞き取って報告書を裁判所に出すことになっています。

わが国の人身護請求は,実際は離婚ないし別居中の夫婦間の子供の引き渡しを巡って利用されるのが大半です。

私の場合も,子供の利益のために考える立場でいろいろ調査をした次第です。

なんとか,平和的な解決を模索したのですが,結局判決の日を迎え,子供さんを裁判所が引取り,審理と判決が終わるまで別室で待ってもらうことになりました。

家庭裁判所の調査官が来て,子供さんに「シンケンジャーのDVD見る?」と尋ねました。

私は思わず「そのなもの見せるんか」と叫びました。

私は最高裁家庭局作成の「親権者」の在り方を説教するビデオと思ったのです。

その子供さんは「うん」と嬉しそうに答えました。

「えっ」と驚く私。

後から聞くと「真剣ジャー」というヒーローが活躍するテレビアニメのことだったようです。

世間知らずの私でした。
                     ジュニア

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