日本裁判官ネットワークブログ
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1 プロテニスの女子選手にクルム伊達公子という人がいる。現在40歳で世界57位である。今年の全英(ウィンブルドン)テニス大会の初戦で15年振りに勝利した。この大会の女子シングルスで史上2番目の年長勝利ということである。その2日後の2回戦では,元世界女王のビーナス・ウイリアムズ選手(米国)を相手に,破れはしたものの,どちらが勝つか最後まで分からない熱戦を演じた。彼女の熱き戦い振りに感動したので,衝動的にこの小文を書くことになった。

2 1回戦は,オブライエン選手(英国,世界215位)を相手に,6:0,7:5でストレートで勝った。格下の相手とはいえ,15年振りの勝利を「勝ちに行って得た勝利」だと喜びを語った。2回戦は,セット1:1,最終セットも6:6となり,どちらが勝利しても不思議ではない展開で,日本時間で夜の12時過ぎに決着がついた。最終セットは6:8で破れたが,私は体が痺れる思いで,事務所のテレビに釘付けになって,固唾を飲んで最後の30分を見た。伊達選手がポイントを挙げると思わず拍手したりした。実に惜しかった!

3 伊達選手は,かつて世界第4位まで登り詰めた日本が誇る名選手である。かつて世界女王であったシュティフィー・グラフ選手に勝利したこともあり,私も以前,販売されていたそのビデオテープを見つけて購入し,今も持っている。最近のテレビで,かつてその試合が行われていた時の,確かNHKのテレビニュースが臨時に延長されて,そのことが放送されたと,ある解説者が話していた。

4 伊達選手は,確か外国人のレーサーと結婚し,惜しまれて若くしてテニスを引退した。そして子供のテニス指導などで活躍していたが,2~3年前に確か38歳くらいでプロテニス選手として復帰するや,みるみるうちに日本女子選手のNO1選手になり,現在は2位である。
 家族でそんな伊達選手の話をしていると,偶々孫を連れて帰省していた次女が,最近のテレビで見たということで,こんな話をしてくれた。伊達選手夫妻は子供が欲しかったが,できなかったようである。おそらく子供が欲しくて,伊達選手は若くして引退したのではあるまいか。その後,プロテニス選手として復帰するかどうか悩んでいたところ,夫が「僕は子供は欲しいが,子供が欲しいから君と結婚したのではない。君が好きだから結婚したのだ。」と言って,悩んでいた伊達さんの復帰に賛成してくれたため,彼女も踏ん切りがついたというのである。その後の彼女の活躍は目を見張るものがある。

5 とても素敵な話である。そしてテニス選手としては異例の40歳という年齢でのこの活躍である。彼女は自らの実践によって多くのことを教えてくれている。人間という生き物は,目標を持ち頑張る決意をすれば,常識を超えるような活躍ができる存在のようである。伊達さんの生き様から我々は一体何を学ぶことができるのだろうか。少し時間をかけて考えてみることにした。(ムサシ)
(本稿は,衝動的によく調べないで書いたので,不正確な部分もあるかも知れません。)



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11 数年前に国会で原発の安全性の議論がなされ,原発の危険性の指摘が無視された以外にも,平成21年にIAEA(国際原子力機関)が,「福島原発の耐震安全指針は時代遅れで,巨大地震が発生した場合は持ちこたえられない可能性がある。」と警告したという事実は,最近まで公表されていなかったと思われる。この警告は無視されて,「安全です。そんな心配はありません。」ということで済まされたということであろうか。いざ巨大地震が起こってみると,見事にその指摘は当たっていたことになるが,いったいこの国はどうなっているのだろうかと心配すべき一事例であろうか。

12 平成18年3月,北陸志賀原発2号機の運転差止めを命じた判決の裁判長を務めた 井戸裁判官が,この3月末に退官して弁護士になった。そしてこの6月2日の朝日新聞に一ページの大きさでインタビュー記事が掲載されていた。原発の運転差止めという,国策に反する判決をすることの精神的な大変さ,特に無難な結論への誘惑もあったことや,随分悩んだ末の結論であったことなどを淡々と語っていた。三陸沿岸では869年に貞観(じょうがん)の大津波があったそうで,「長い地球の歴史から見れば,わずか千年前に起こったことはまた起こりうる『具体的な危険』だと思う」と述べていた。今回の震災の現実を見ると,全くそのとおりだと感銘を受けた。とてもよい記事なので,早速丁寧に切り貼りをして,事務所の全員にコピーを配布したほか,沢山コピーを作って鞄に入れておき,親しい人に会うごとに,あの記事を読んだかを尋ね,読んでいないと「読め!」と言ってその場でコピーを渡しているが,まあ我ながらお節介男だなとあきれたりしている。いい表情の大写しの写真などが3枚掲載されていた。きっと取材を担当した記者は,このような裁判官もいる(いた)ことに感動したに違いないと思った。

13 テレビで,津波は頑丈な堤防を壊して進むという,津波の巨大な力について話していた。これまで津波は堤防を乗り越えて進むものと考えられていたようであり,津波の専門家も,堤防を破壊するとは想定していなかったようである。津波はあの頑丈なコンクリートの堤防をどうやって壊すのだろうかと不思議に思った。すると後日のテレビで,津波は堤防の下の砂や土をえぐり取って壊すのだと説明していた。それと引き潮の際に,波で運ばれる大きな物がぶつかるエネルギーで堤防が壊れるとも説明しており,なるほどと納得した。

14 先頃静岡のお茶が放射線物質を含有しているために,出荷停止になったという。これには驚いてしまった。福島原発から見ると,静岡より手前の東京の人達は大丈夫なのだろうか。政府の言うことは本当に信用してよいのだろうか。いささか不安な思いではある。(ムサシ)



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日本裁判官ネットワーク主催のシンポジウム「裁判員裁判の量刑」

制度施行から今日までに行われた裁判員裁判(有罪判決)の「量刑」について,従前の裁判官裁判の量刑と比較するなどして,次の4人のパネラーが意見を述べ,議論します。

論点は現在整理中です。

パネラー
原田國男さん(元東京高裁刑事部総括裁判官,慶応大学法科大学院教授・弁護士)
青木孝之さん(元裁判官,現駿河台大学法科大学院教授)
神山 啓史さん(日弁連 裁判員本部 事務局次長)
田口さん(東京地裁で裁判員裁判の裁判員を経験された方)

日時:平成23年7月2日(土曜日)13時から17時まで
場所: 千代田区神田美土代町3-2 神田アベビル 「スター研修センター神田 C502号会議室」
    TEL 03-5217ー5577
アクセス: 東京メトロ丸の内線「淡路町駅」,同千代田線「新御茶ノ水駅B6出口」,都営新宿線「小川町駅」から,いずれも徒歩3分
      JR山手線「神田駅」から徒歩6分
      地図 http://kanda-kc.net/access/index.shtml 
      詳細地図 http://yj.pn/OUrc9F  住友商事美土代ビルの裏に神田アベビルがあります。

参加費:会場費のカンパ1000円(経験10年以上の法曹は下記のパーティ料金を含めて1万円お願いします。)
パーティ:17時30分から2時間 同じ会場で有料(料金は未定ですが3000ないし4000円を見込んでいます。) 
文責 小林克美



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